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Academy User vol.4

名古屋大学

減災連携研究センター 減災館

防災・減災について身近に考えてもらうため研究成果を独自に可視化
「3Dビジュアライズ」向け高精度な立体地形表現に3D模型サービス活用

Academy Information

名古屋大学 減災連携研究センター
URL ● http://www.gensai.nagoya-u.ac.jp/
所在地●名古屋市千種区不老町
研究内容●防災・減災に関する研究拠点、大規模災害発生時の地域の対応拠点、災害への備えを促す教育・人材育成の場

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▲名古屋大学 減災連携研究センター

昨秋のノーベル賞フィーバーの余韻が漂う名古屋大学東山キャンパスの、ほぼ中央を南北に走る四谷通りに面して建つ「減災館」。その、直角三角形の敷地を有効活用して建設され、屋上に円形の太陽光発電施設を備えたユニークなデザインの4階建て建物(5階部分には屋上実験室など各種設備を配置)は、名古屋市営地下鉄名城線・名古屋大学駅の最寄り出入口から100mほど北に位置します。

同館は、名古屋大学において減災研究をリードする「減災連携研究センター」(福和伸夫教授が同センター長)の実践的な活動拠点として機能すべく2014年3月に創設されました。 同センターの様々な研究成果を分かりやすく可視化することを狙いに、同館では複数ツールを独自に考案。そうした一つとして、プロジェクションマッピングを利用し各種地図情報を地形の立体模型に映して表現する「3Dビジュアライズ」が開発されました。そこでは、東海地方の地形を高精度に再現した3次元(3D)模型の作成にあたり、フォーラムエイトの3D・VR(バーチャルリアリティ)エンジニアリングサービス「3D模型サービス」が採用されています。

南海トラフ地震に対応、東海地域 の防災・減災研究基盤を構築


▲減災連携研究センター 地域社会減災計画寄附研究部門 助教 倉田 和己 氏

駿河湾から九州沖の広範囲にわたりフィリピン海プレートが日本列島の下に沈み込んでいる一帯(南海トラフ沿い)では、過去の東海や東南海・南海における地震発生状況などから、新たな大規模地震の発生が予想されています。東日本大震災(2011年3月)が巨大な地震や津波により従来の想定を上回る甚大な被害をもたらしたのを受け、国はこの南海トラフ沿いで発生する大規模地震の対策検討にあたり、あらゆる可能性を考慮した最大規模(最大マグニチュード9クラス)の南海トラフ巨大地震を想定することとしました。

一方、名古屋大学では東海地域における防災・減災のための研究を重ねてきており、そうした南海トラフ地震およびそれに付随する津波に加え、激甚化する水害なども視野に2010年12月、「減災連携研究センター」を発足しました。

「いろいろな研究により南海トラフの地震でどういうことが起きそうかということは(高度なシミュレーションに基づく)数値などで示されてきています。また、建物やライフラインをどう補強していけば良いかといった技術(的な対応)もかなり明確になってきました」

ただ、実際に社会を動かしていくためには、市民一人ひとりあるいは企業など幅広い層に、差し迫る災害への備えの重要性を理解してもらう必要があります。つまり、災害発生によってどのような被害がもたらされるかを誰もが分かるように伝えなければならない。そこで、同センターの大きなミッションの一つに、多分野を融合し研究した各種成果を社会に発信していくとの項目が組み込まれた、と名古屋大学減災連携研究センター地域社会減災計画寄附研究部門の倉田和己助教は語ります。

同センターは当初、既存の研究科に所属する学際的な教員が兼務する形でスタート。2012年4月からは現行の、社会連携部門と研究連携部門を軸に、学内外の多様な専門家が協力して減災課題の研究および研究成果の普及・啓発を推進する組織化が図られています。そのうち社会連携部門はエネルギー防災、ライフライン地盤防災、地域社会減災計画の各分野にフォーカスした、企業による寄附研究部門から構成。また、研究連携部門では理学系や工学系の教員が横断的に地震火山、社会インフラ、建築・都市、人間・社会といったアングルから減災研究に取り組んでいます。

倉田氏は民間企業在籍当時から様々な地理情報システム(GIS)の開発を展開。社会連携部門の設置を機に現職に就任して以降は、特にGISによるハザード情報の可視化を自らの研究テーマに設定し取り組んでいます。

減災館の3つの役割実現に先進の技術と多彩なツールを駆使

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▲土地利用の変遷を比較する今昔マップシステム

減災連携研究センターでの活動を通じ蓄積した研究成果を広く市民に発信して教育・人材育成に資するとともに、学内外の研究者による地域社会に根差した防災・減災研究を推進。大規模災害発生時には地域の対応拠点としても機能する。そうした役割を担う形で、前述のように「減災館」は2014年3月にオープンしました。

「三角形の建物(平面形状)というのは、実は地震に不利なのです。揺れの方向によって揺れ方が全く変わってしまい、耐震設計がとても難しい。その中で減災館は学内で最も地震に強い建物でなくてはならないため、免震構造を採用しました」

同館では連日、関係する教員が日替わりで個々にテーマを設けレクチャーを行うギャラリートークを実施しています。2月上旬の「減災館裏側探検ツアー」を担当した倉田氏は冒頭、館の構造的特徴の一端をこう表現。さらに、地盤と建物の共振現象を起こしにくくし、想定以上の巨大地震にも安全性を確保できるよう性能に余裕を持たせるなど、設計面で考慮。大災害時に備え、電気やガス、情報通信、上下水、食糧などを一定期間、館独自に確保できる体制も整えていると説明します。 その上で、免震層にあたる地下1階から「学び」(1階)、「調べ」(2階)、「研究」(3階・4階)とゾーニングされた各フロアおよび屋上へと順次巡りながら、それぞれのポイントについて紹介しました。

まず、敷地の高低差を利用した館北側の地下1階部分には免震ギャラリーを設置。そこでは天然ゴム系積層ゴムアイソレータ、オイルダンパーおよび直動転がり支承(CLB)から成る免震装置、免震構造を活用して基礎に加圧し建物全体を震度3程度で揺らすためのジャッキ、水道や電気などパイプラインの継手構造、振動モニタリング機器など免震層内部の様子がガラス越しに常時見られるほか、建築の歴史や耐震・免震・制振の原理に身近に触れられるよう工夫されています。

1階には、防災アカデミーや各種講演が開かれる「減災ホール」と、オリジナル教材やイベントを通じて減災への意識を高めようという「減災ギャラリー」を配置。例えばギャラリーでは、冒頭で触れた「3Dビジュアライズ」をはじめ、巨大地震発生時の高層ビル(30階程度のフロア)の揺れを映像とともに振動台でリアルに体験できる「BiCURI(ビックリ)」、そのほか様々な実験ツールを使い地震の揺れや液状化の原理、津波の伝播、あるいはそれらがもたらす被害について学べるよう意図。倉田氏らが専門とするGIS技術を応用して開発した、名古屋市とその周辺エリアの空中写真を床面に映しその上に各種ハザード情報をプロジェクターで重ねて表示する「床面空中写真」は同ギャラリーの中央部を占めます。

また、2階は自ら調べ・学ぶためのスペース「減災ライブラリー」と、巨大災害発生時に大学の災害対策本部として機能する施設により構成。減災ライブラリーには地震災害に関する新聞記事、各地の古地図や歴史資料などを収蔵。倉田氏自身が取り組む「今昔マップシステム」は、GIS利用により任意の同一場所の過去と現在における土地利用の変遷を比較することで潜在的な地域の弱点を知ってもらおうとの狙いがあります。

次いで、同氏はプロジェクト室および教員室から成る3階・4階の研究スペースをスルーし、屋上へと移動。普段は固定されている免震構造の建物を振動台としてアクチュエータで加振し、高層ビル(20階程度のフロア)における大振幅長周期の揺れを映像とともに体感できる実験室について紹介しました。これも倉田氏が民間企業と共同で研究開発しているもので、映像と揺れ共に、各種地震のパターンを再現できるといいます。

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▲屋上実験室では、地震時の揺れ・映像・音響が体験できるシステムを設置。
通常は固定されている免震構造の建物を振動台としてアクチュエータで加振する

アナログとデジタルを融合した「3Dビジュアライズ」の可能性に期待

「(減災連携研究センターの)いろいろな研究成果を発信していく部分はまさに私が担っていることなのです」。そこでは誰もが実感できるように分かりやすく可視化する必要があり、「(私は)その見せ方の手法自体を研究テーマとしています」。倉田氏は自身が中心的に関わったその具体例として、「床面空中写真」「今昔マップシステム」「屋上実験室の3Dバーチャル空間」に触れるとともに、「3Dビジュアライズ」に言及します。

幅広い人々に「これは現実に起こることなのだ、私たちが備えなければいけないことなのだ」というように、災害を「わがこと」として捉えてもらうにはどうすれば良いか、と模索。ハザードマップなどをより分かりやすくしようと多彩な地図のシステムづくりに携わってきた中で、地図自体の表現力を高めるという観点から、同氏は高精度な模型にデジタル情報を載せるアプローチに注目しました。

地形の形状や土地利用の仕方の変遷は災害について考えるにあたって大事な要素であり、そうしたことを人々が実感できるよう伝えるために立体表現の利用は効果的です。ただ、一旦つくられた模型はやがて陳腐化し、手直しが必要になります。かといって、コストや手間の問題もあり、何種類も作成するわけにはいきません。それならば、白い立体模型を作成しておき、そこに近年普及してきたプロジェクションマッピングのような形で様々な情報を表現するという、アナログとデジタルの融合した手法で説明力のある教材を実現できるのでは、と着想。減災館のスタートに合わせ、「3Dビジュアライズ」として具体化されるに至っています。

これは、東海地方を中心に南は南海トラフから北は御嶽山を含む一帯をカバー。高さ方向のみ5倍に強調した1/20万スケールで地形を忠実に再現した模型に対し、上方からプロジェクターにより先進の科学技術を駆使して得られた各種の被害想定、統計データや観測データなどを重ねて映し出す仕組みです。1960年代から市街地がどのように拡大してきたか、活断層など災害の危険性がある個所、南海トラフ地震で震度6以上の地震が起きる確率や震度分布のマップ、地盤の特性を反映した揺れやすさのマップなどの情報を切り替え、それぞれの場所や地形に応じた被害想定、あるいはその根拠を知ることが出来ます。

「東海地方を特徴づける地形の範囲がきちっと入っていて、それがとてもリアルに再現されているところが特に良かったと思います」

「3Dビジュアライズ」向け地形の立体模型の制作では、3DリアルタイムVRソフト「UC-win/Road」をはじめとした3Dモデルから模型を出力可能な、フォーラムエイトの「3D模型サービス」を採用しています。同サービスは、フルカラーの3次元モデル出力が可能な積層型3Dプリンター「Zprinter」の上位機種を使用して、3Dモデルからタンジブルな模型を作成可能。幅254mm×高さ381mm×奥行203mmの造形範囲で作成した模型を複数接続することで、大型模型の作成も可能です。特にUC-win/Roadは、海底を含む実際の世界の地形を3D・VRで再現するためのデータを搭載しており、今回のような高精度かつ広範囲の3D空間を容易に表現できます。ちなみにフォーラムエイトでは上記サービスからプロジェクションマッピングまで連続した支援サービスも提供していますが、今回その部分は倉田氏を中心とした産学共同研究の成果が適用されています。

同氏は「3Dビジュアライズ」のもたらすメリットへの評価を述べるとともに、次なるステップとして個人レベルのより細やかなハザード情報の提供にフォーカス。スマートフォンやタブレットデバイスへの対応、あるいはVRやAR(拡張現実)など最新技術の活用可能性を積極的に探っていく考えといいます。そのベースには、減災館の設置にも込められた、広く一般の人々の意識を高めたいとの狙いがあります。

「防災・減災に関して自分の身にどのようなことが起こるのか、それに対してどうすれば良いのかということを、これまで興味がなかった人に(これらに触れるのを契機に)『わがこと感』を持って実感し、考えてみていただきたいのです」

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3Dプリンター模型を出力する「3D模型サービス」を採用。UC-win/Roadの地形データが利用されている


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