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プログラム概要 |
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東京大学コンクリート研究室が開発中の完全3次元立体解析ツール「COM3」を基に、その機能を抽出して自由度を縮退し、3次元フレーム解析を行う手法として開発された、Fiberモデルに基づく非線形動的解析/静的解析の3次元有限要素解析プログラムです。
非線形性が考慮可能な土要素の設定が可能で、部材断面においては土木学会に準拠した、曲げ耐力算定式に対応しています。今後、鉄筋抜け出しを表現できるLINK要素の追加や、杭全体をモデル化せずに、橋梁全体系の解析で使える基礎バネを表現できる杭−地盤のモデル化にも対応を予定しています。
また株式会社コムスエンジニアリング様では、本製品を活用した非線形解析業務の請負や技術支援を行われておられます。当社では株式会社コムスエンジニアリング様と技術提携を結び、ユーザー様の問い合わせ案件や、ソフトウェアのバージョンアップに関する意見交換を随時行っております。
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プログラムの機能と特長 |
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■Fiberモデル
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Fiberモデルでは、平面保持と断面ひずみの直線分布の仮定を基に構成されているのが最大の特徴です。断面を微小要素に分割し、平均軸ひずみと2方向曲率の重ね合わせから各微小要素の軸歪を算出します。各微小要素の軸応力を各構成モデルより算出し、それから任意断面に発生する断面軸力と2方向曲げモーメントが決定されます。適切なコンクリートと鉄筋の材料モデルを組み込めば、精度のよい解析が可能です。また、自由度を縮退しているので、収束性、安定性に優れ、計算時間を大幅に短縮できる優れた解析法です。コンクリートと鉄筋の材料構成則は、ともに除荷・再載荷を含む経路依存型の平均ひずみ−平均応力の関係で与えられる、分散ひび割れモデルを採用しています。従って、任意の経路で繰り返し載荷を受けることとなる動的解析においては、この忠実な材料モデルの再現が大きな効力を発揮します。自由度を縮退しつつも解析精度が確保されています。
▼構造モデルの作成、確認
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■RC構成則
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コンクリートの圧縮領域には、弾塑性破壊モデルを適用しています。破壊パラメータを導入することにより、過去に経験した最大ひずみを履歴変数とした、除荷・再載荷を含む経路依存型の構成則を採用しています。
コンクリートのひび割れ発生後の引張挙動モデルには、Tension Stiffeningモデルを採用しています。ひび割れ後も、鉄筋との付着作用によってコンクリートが引張力を伝達することを考慮し、さらに圧縮載荷履歴に応じて引張強度を低減させる、経路依存型の構成則です。ただし、無筋コンクリート領域では、鉄筋とコンクリートとの付着作用による引張力を伝達する効果が期待できません。COM3(Fiber)では、ゾーニング手法を用いることで、鉄筋配置が局所化している断面にも対応が可能です。
これら、圧縮モデルと引張モデルをスムーズに組み合わせることにより、任意の正負繰り返し履歴を受けるコンクリートの構成則を構築しています。
鉄筋の構成則には、ひび割れ位置での塑性ひずみの局所化と破断までを含めて高精度化を行ったトリリニアーモデルを採用しています。鉄筋コンクリート部材内の鉄筋の平均降伏強度は、鉄筋単体の降伏強度に比べ小さくなることが既にわかっています。COM3(Fiber)でもこれが考慮されています。除荷・再載荷時の繰り返し履歴モデルには加藤モデルと同程度の精度を有し、数値解析的に履歴変数が少なくて済む材料モデルを用いています。 |
■耐震性能評価
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COM3(Fiber)では、コンクリートの圧縮ひずみが過大になれば曲げ破壊と判定します。途中、せん断破壊する場合に関しては、計算途中に判定を行うことが出来ないため、ポストプロセスを通して判定することができます。
ポストプロセスでは、各時間ステップで柱断面に作用するせん断力と曲げモーメントおよび軸力を出力し、間接的に破壊判定を行います。各時刻で異なる曲げモーメント、軸力を考慮してせん断耐力の評価を行うことで、破壊判定の精度を高めています。作用せん断力が最も卓越する方向のみを選択し、その方向のせん断耐力と比較することで、構造物の破壊する方向も判定することができます。矩形断面の斜め方向のせん断耐力は、橋軸および橋軸直角方向のせん断耐力を楕円で結んだ破壊包絡線として扱うことにより求めています。それぞれのせん断耐力は、土木学会コンクリート標準示方書をもとに算出しています。
一方曲げ耐力の判定は、破壊曲面を計算しそれを各ステップごとに軸力に応じた曲げ耐力として表示し、これと合成方向曲げモーメントとを比較して行います。
またCOM3(Fiber)では、残留変位の照査結果を直接確認することはできない代わりに、加速度0の波形を付け足して解析し、振動がある程度収まったときの変位を残留変位とし、制限値と比較、照査することが可能です。
▼解析結果確認 |
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▼cellにおける応力−ひずみの履歴 |
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参考:UC−win/COM3(Fiber)、UC−1/RC断面、曲げモーメント−曲率関係の比較 |
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入力部 |
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■モデル
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WCOMDで定評のあるメッシュジェネレータを拡張し、COM3(Fiber)では空間的に広がる構造モデルを作り上げることができます。部材断面作成においても、実物と同じような配筋状態を表現することができます。それを視覚的に確認しながらモデル作成が行えます。 |
■対象荷重
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動的解析として、波形データを東西、南北及び鉛直の3方向の波形を同時に与えて解析することができます。さらに、加速度(Amplitude)や波長(Interval)のスケーリング機能やモデルに対して角度を指定して波形を与えることが可能です。さまざまなパターンで計算することで、より信頼性の高い耐震性検討が可能です。静的解析では、単調載荷だけでなく、片側繰り返し、正負交番載荷実験と同様の載荷パターンを、荷重制御または変位制御によって載荷させることができます。この機能を用いれば、あらかじめ静的荷重下における部材の耐力、断面耐力、変形性能を評価することも可能です。また、3方向に載荷が可能なので、静的荷重下における2軸曲げの影響を検討することも可能です。
また、「自重」、「静的荷重」、「動的荷重」は同時に行うことが可能で、順に実行されます。したがって、鉛直土圧と水平土圧が作用している状態を初期状態として地震波を入力して動的解析をすることが可能です。 |
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▼新規モデル作成
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▼断面形状(Section editor)
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▼動的荷重編集例
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▼静的荷重載荷例
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出力部 |
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■解析結果の画面表示
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全体変形および部材断面の応力・ひずみ分布のアニメーションをはじめ、計算結果を視覚的に確認することができます。また、COM3(Fiber)では鉄筋とコンクリートの材料履歴も確認できます。 |
■レポート出力
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入力条件を始め、モデルや、全体変形、各種グラフ及び数値をプリンター及びHTMLファイルで出力することができます。報告書としてもまとめやすいように、必要な情報のみチェックし出力することができます。 |
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▼モデル表示
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▼損傷結果
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▼応答のシミュレーション
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▼節点の結果1
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▼節点の結果2
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▼節点の結果3
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▼ファイバー要素の結果
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▼梁/柱の結果(ガウス点断面)
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▼梁/柱の結果(セル)
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▼レポート出力
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画面サンプル |
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▼解析結果の確認:ガウス点における応力分布、ひずみ分布
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▼解析結果の確認:変位のアニメーション表示
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▼解析結果:変位のアニメーション表示
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▼曲げ耐力曲面図
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▼節点の変位結果画面
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▼応答変位の軌跡
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▼全体結果表示
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▼S字曲線橋モデル例
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▼連続ラーメン橋モデル例
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▼充実したHELP
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当社製品解析結果比較 |
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▼当社製品解析結果比較(1)
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▼当社製品解析結果比較(2)
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▼当社製品解析結果比較(3)
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▼当社製品解析結果比較(4)
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計算書作成例(鉄道高架橋耐震照査報告(例))
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▼計算書作成例(1)
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▼計算書作成例(2)
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▼計算書作成例(3)
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▼計算書作成例(4)
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