橋百選 |
BRIDGES 100 SELECTION |
|
1. 河童橋 木製吊橋 |
橋長 ● 36.6m 幅員 ● 3.1m |
|
1891年(明治24年)にハネ橋として最初に架けられ、その後吊橋に架けかえられた。現在の橋は第5代目として1997年に竣工、カラマツ製の橋である。 橋の上から眺める穂高連峰や焼岳、梓川の水面は絶景で、季節きせつで変わる風景は訪れる人の心を捉えてやまない。
どうして河童橋と命名されたのかは定かでなく、橋の下が深淵でその深みを河童の淵と呼んだからとか、昔頭の上に着物を載せて川を渡る姿が河童に似ていたからとか、いろいろな説がある。
芥川龍之介は、ここを舞台に小説「河童」を書いた。河童の国、架空の国の滞在記は、この素晴らしい風景を背景に描かれている。龍之介は1927年にこの小説を発表して命を絶った。
2. お経橋(微妙橋) 屋根付き太鼓橋 |
橋長 ● 15m 幅員 ● 3.6m |
|
切妻造りの屋根付き太鼓橋である。1906年(明治39年)に木曽福島の大工・川瀬伊勢松によって再建された。この橋は、弘治二年(1556年)の満願寺勧進帳には三途の川を渡る橋として登場することから、最初の建設はそれ以前であると考えられている。
橋板の裏面には梵字の経文「陀羅尼」が書かれているためにお経橋と言われ、善男善女が極楽浄土へ渡る橋として親しまれている。日本三霊橋(満願寺微妙橋、高野山無妙橋、越中立山無明橋)の一つとして、安曇野市有形文化財に指定されている。
3. 南宮大橋 2径間PC斜張橋 |
橋長 ● 282m 幅員 ● 10.75m |
|
支間長140.35 m、主塔の高さは75 m、阿南町と泰阜村を結ぶ天竜川に架かる橋で、1995
年(平成7 年)に完成した。橋の中ほどに、「南宮音頭」の歌詞が書かれたレリーフがある。以前は、川中の岩場を中継したかたちで2
本の橋で架かっていた。
1951 年天竜川下流に平岡ダムが出来あがり、美しい景観により観光地として栄えたが、1959
年の伊勢湾台風などによる上流からの土砂で人工湖が埋まり、その繁栄は長くは続かなかった。しかし今では、翼を広げたハープ橋がライトアップされ、ツーリングを楽しむ若者たちに人気が出ている。
4. 丹波島橋 連続箱桁橋 |
橋長 ● 547.5m 幅員 ● 22m |
|
長野市南部と市街地を結ぶ犀川にかかる橋。4 車線の両側に歩道があり、橋の袂には北国街道で最も古いと云う善光寺常夜灯が親柱のように存在する。
この辺は室町時代の丹波島の渡し、江戸時代の犀川の渡しなど幾つかの船渡しがあったが、1873
年(明治6年)に46 艘の船を並べた舟橋がかけられ、その後木橋や鉄製のゲルバートラス橋などを経て、1986
年(昭和61 年)に第4 代目として現在の橋が架けられた。
5. 屋島橋 ニールセンローゼ橋 |
橋長 ● 770.5m 幅員 ● 10.75m |
|
西行(長野方面)の旧橋が、東行(須坂方面)の新橋に並行して架かっている。
新橋は1996 年(平成8 年)竣工の最大支間長125.8 mのニールセンローゼ橋、旧橋は1970
年(昭和45 年)竣工のPC ポステンT桁橋である。本橋は県道58 号線・長野須坂インター線の千曲川に架かっており、付近には平成10
年に開催された冬季オリンピックのスピードスケートの会場がある。
6. 小布施橋 下路式鋼トラス橋 |
橋長 ● 960.3 m 幅員 ● 7.6 m |
|
長野県道66 号・豊野南志賀公園線の千曲川にかかる橋で、1968年(昭和43年)に竣工した。17径間からなるこの橋は、県内屈指の長大橋梁である。この千曲川にかかる橋の袂では、春には、菜の花、櫻、花ももなどが咲き乱れる。
7. 坂戸橋 鉄筋コンクリート造り単アーチ橋 |
橋長 ● 78 m 幅員 ● 5.5m |
|
|
支間70 m、高さ20 m、1933 年( 昭和8 年) に竣工。
当時としては珍しい固定式RC 橋で、支間長も以前のRC 橋51.5 mを大きく上回り、我が国で最長であった。支柱は曲面とし、支承部には力強さを出し、アーチリブの角は円曲面状にするなど、造形的にも優れており、国、県の登録有形文化財になっている。天竜川上流域に架かるこの橋、季節には両岸の櫻とつつじが見事に咲き誇り、人々の目を楽しませている。
8. 矢ケ崎大橋 木製ラーメン橋 |
橋長 ● 159.3m 幅員 ● 3 m |
|
|
最大支間長51.6m、長野県特産樹のカラマツの集成材による歩道橋である。
県産材活用モデル施設設置事業として計画され、集成材の特長である曲線を強調したデザインとなっている。完成は、1987年(昭和62年)である。本橋は矢ケ崎公園内にある池に架かるが、ここが冬はスケートリンクになることから、多径間には出来ない。スパン長からはトラス形式が好ましいが、細い部材で構成されるトラスは木材の耐久性から好ましくなく、桁形式が採用された。その場合、形状が扁平かつ長スパンであるために横倒座屈に弱く、それを避けるために歩道面が桁断面の圧縮側になるように設計されている。
なお、軽井沢大賀ホールのあるこの公園からは、軽井沢高原や浅間山が一望できる。
9. 上田ローマン橋 鉄筋コンクリート20径間連続アーチ橋 |
橋長 ● 714.5m 幅員 ● 9 m |
|
|
支間長7@26.5+8@36.5+37.35+3@54.0+37.65m、20径間の内16径間は充腹アーチ、3径間が開腹アーチ、残り1径間がまた充腹アーチである。充腹アーチ橋の部分は、下部工と一体構造になったアーチリブの両側に側壁を立て、アーチリブと側壁で囲まれた空間に土砂を中詰めした形式となっている。
本橋は、上田市、一級河川・信濃川水系神川に架かる上信越自動車道の橋、1996年(平成8年)に完成した。その姿が、古代ローマの水道橋を連想させることから、「ローマン橋」の名称が付けられた。
|
|
(Up&Coming '12 秋の号掲載) |
|
|
>> 製品総合カタログ
>> プレミアム会員サービス
>> ファイナンシャルサポート
|