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表技協活動報告 vol.6

最先端表現技術利用推進協会レポート vol.6

三次元映像のフォーラム:第109回研究会報告

今回の開催地はJAXAの施設ということもあり、研究会は体験と講演の2部構成となりました。

午前中の体験では、可動式固定翼型コックピットシステム「FSCAT-A」に乗り込み、飛行機の着陸シミュレーション。VR画面が動くと実際にコックピットも動いているかのような錯覚を覚えるほど、没入感の高い体験でした。午後からはスパコン施設にて、液体燃料微粒子の噴射を可視化した様子などを見学。可視化モデルが3Dプリンタで出力された模型は、粒子以外の部分がガラス状になっており、中空に浮いた物質もそのままの位置関係で再現されていました。これは、今後の風・熱流体解析やCFD解析の可視化に役立つ技術であることが伺えます。

講演では表技協 羽倉弘之氏の挨拶から始まり、異なる分野の3名の方々から3D技術に関しての発表が行われました。羽倉氏はNASAが3Dプリンタを宇宙へと打ち上げたニュースについて、講演者の香河英史氏(宇宙航空研究開発機構)は日本においても航空技術推進系の3Dプリンタ関連の事業に国から20〜30億の予算が投入されたことについて触れ、世界中で3Dプリンタへの関心が高まっていることが伺えました。

また、新原隆史氏(東京大学)の講演で、パワーポイントを並列して複数表示することのできるオリジナルの8Kサイネージコンテンツの技術なども、新たな表現技術の活用事例として参考となるものでした。



■講演内容

講演1「衛星の手足"推進系"での3D技術の利用について」 香河英史氏(宇宙航空研究開発機構)

3D技術は人工衛星の推進系に有用で、現状のCADより、解析面などから高信頼性を目指して活用されている。製品の検査など3Dイメージング技術を使って、3Dプリンタで製品試作をするという流れが普及。


講演2「国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト」 福士比奈子氏(自然科学研究機構 国立天文台)

「天文学の情報を可視化し、専門家や一般の人々にもわかりやすく提供する」ことを目的とした2D4Uというプロジェクトを紹介。自主開発のソフトウェアやシステム、映像コンテンツなどが作成され、研究者/一般者に無料で公開されている。ドームシアターのシステムの予約参加制の定例公開は毎回30分で席が埋まるほどの大人気。Oculusと連携したシステムについてはカラーリング・ジャパン社で開発。

講演3「宇宙ミュージアム TeNQと太陽系博物学」 新原隆史氏(東京大学)

東京ドームシティで公開中のTeNQ。計測されたデータや観測機からの生の映像データをそのまま用いることを徹底しており、一般の方からも高い関心があることを紹介。8Kサイネージにおいても最新のデータを常に更新していくために、複数のパワーポイントを同時に制御するオリジナルのシステムを他社と共同で開発。パワーポイントを差し替えるだけでデータの更新が行えるので簡便性と高速さを同時に実現。


■飛行シミュレータなどの研究概要説明及び見学
VRの海面は波の揺れを再現していることがサブモニターの視点よ り伺えた。また、同席したNICT超臨場感映像研究室の佐々木久幸氏と意見交流し、電子ホログラフィ技術を用いることで空間上に映像を投影することが可能であることについて説明を受けた。この技術を用いてCFD、風、騒音などの解析結果 を実際の建物内部に立体表示することで画面上のVRやプロジェクションマッピングよりも理解しやすくなると考えられる。

 


■スパコン・展示室見学
スパコンの解析の可視化について、裸眼3D技術により、粒子を着色しなくても遠近の情報が確認でき、粒子移動の視認性の向上、また 着色過程がスキップできることから作業の簡略化も実現できていることを紹介。また、液体燃料微粒子の噴霧の可視化について、透明なガラス状のマテリアルで閉じ込めた形で3Dプリントした模型を紹介。この方法はコストは高いが、今後風・熱流体解析やCFD解析などに活用されていく技術と思われる。

 


第3回プロジェクションマッピング ワークショップ報告

日時:2014年11/21(金)、11/28(金)、12/1 (月)
会場:フォーラムエイト セミナールーム

座学での知識習得だけではなく、実際にプロジェクションマッピングのコンテンツ制作からイベントの実施(設置・運営)までを体験できる実践型のワークショップとして、1部の2D制作/発表と、2部の3D制作/発表のふたつのクールで構成されています。

1部の2D制作では、パシフィコ横浜展示ホールでのビジュアルメディアExpoで、実際に投影体験を行いました。2部の3D制作では、大晦日の円融寺イベントでの作品投影となっています。

■円融寺除夜の鐘プロジェクションマッピング2014 東京・目黒


ビジュアルメディアExpo2014出展報告

日時:2014年12月3日 (水)〜5日(金)
場所:パシフィコ横浜 主催:アドコムメディア

表技協は本イベントの主催者企画に参加。表技協関連の6つのコーナーでの展示を行いました。会場には表技協会員ブースも同時出展し、法人会員のレバトロン(エンコーダ/伝送システム)、日本フォームサービス(多面ディスプレイ設置用金具)、表技協(フォーラムエイトによる円融寺模型プロジェクションマッピング、UC-win/Roadデータ)の3つの展示で構成されました。



ビジュアルコンテンツコーナー

手前の3つのボックスは、11月にフォーラムエイトのセミナールームを会場として開催された、(株)コローレと表技協による2Dプロジェクションマッピングワークショップ受講者の作品。



立体視対応プロジェクションマッピング 「THE 3D BOX]

SIGGRAPH2014で取材を受けて海外のプロジェクションマッピングの有名サイト“Projection Mapping Central”で作品が紹介されました。



立体視対応プロジェクションマッピング 「超飛び出す絵本 浦島太郎」

出展者:株式会社コローレ

1月のジュニアソフトウェアセミナーでも展示予定。飛び出す絵本をめくるとインタラクティブに映像も変化。



インタラクティブパノラマ 「ワープ!その場で旅行体験」

出展者:アンビエントメディア

フォーラムエイトよりサイネージを提供。ハンドサインでインタラクティブに視点変更できる、高解像度なパノラマ表示システムで、工場見学や観光PRなど、体験型コンテンツとしての活用を想定。



バンクルワセ』プロジェクションマッピング対決 テーマ「トイレ」

「誇り」小籔千豊 作
「便器でGO!」村松亮太郎(ネイキッド)作
「支配された家族、でも幸せ」蛭子能収 作

フジTV番組のプロジェクションマッピング対決で制作された作品を展示。小籔千豊氏の作品には会員の吉川マッハスペシャル氏、阿部信明氏が制作参加。



トリックアート×3Dプロジェクションマッピング 「遠近逆転?錯視マッピング」

出展者:広島ホームテレビ/AAIひろしまPlan/アンビエントメディア

絵額の前で左右に異動すると、ビルの飛び出した部分が常に自分の視点ついてくるという奇妙な浮遊感を味わえる。遠近が逆転してみえるトリックアートとプロジェクションマッピングを掛け合わせた作品。

 

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