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UC-win/Road鉄道シミュレータ提案  
研究開発、教育・訓練、広報展示目的の鉄道運行シミュレータ

カスタマイズシステム シミュレーション

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 鉄道シミュレータ分野での展開
フォーラムエイトでは、各種ドライビングシミュレータで培って来た技術を活用し、UC-win/Roadのカスタマイズシステムとして「鉄道シミュレータ」を展開していきます。ここでは、開発中の鉄道シミュレータについて紹介します。鉄道シミュレータの使用目的としては、研究開発用、運転士・車掌の教育・訓練用、運転体験などの広報展示用といったものが挙げられます(図1)。ここで紹介している図2・3のイメージは、鉄道乗務員の教育・訓練を目的としたシミュレータです。運転室と車掌室を模擬した2台のシミュレータから構成され、個別の訓練と、それぞれのシミュレータを連動させた連携訓練が可能となります。教師卓は運転指令して、さまざまな環境設定や異常事態(事故、故障)の挿入を行うことができます。

■図1 鉄道シミュレータの使用目的別分類


■図2 鉄道乗務員の教育・訓練を目的としたシミュレータシステム構成


■図3 鉄道乗務員の教育・訓練を目的としたシミュレータシステムイメージ

 運転室・車掌室を精緻に再現
運転室や車掌室の内部は、外観、形状、寸法のみならず、操作感覚(負荷反力)や計器等の指針の動きまで忠実に再現することで没入感を実現します。このため、運転機器は多くの場合、実車機器をそのまま使用します。
 CG映像と実写映像の両方に対応
鉄道シミュレータではCGによってさまざまな状況を自由に作り出します(表1)。運転自由度の高いCGと、リアリティに優れたビデオ映像とを用途に応じて使い分けることも可能です(図4)。図3のシミュレータでは、5台の画像生成装置によって作られた映像を、5台のプロジェクタで、運転室の窓外周囲270度に設けられた超ワイドスクリーンに投射します。画面の大きさに加えて、人間の目は進行方向の速度感を視野の端で感じるので、超ワイド化により臨場感がさらに増します。5台の画像生成装置を完全に同期させ、プロジェクタで映像を投射する際に映像のブレンディングを行うことで、画面間の継ぎ目が見えないようにしています。車掌用シミュレータには、車体脇の前方映像を映し出す縦長スクリーンを設け、車掌は模擬列車がプラットホームにいる際に、窓から身を乗り出して前方を見ます。画面には模擬車体の延長の車体が映し出され、車掌の客室扉の開閉操作と連動して画面内の扉が開閉します。故障で開閉できない扉や乗降する乗客、扉に挟まれてしまう乗客などもCGで自在に模擬します。プラットホーム監視テレビの映像もCGで模擬します。

CG映像
実写映像
 ■図4 CG映像と実写(ビデオ)映像

状況の種類
  • 実存する路線、未完成あるいは架空の路線。
  • 路線分岐(任意の路線への進入)
  • 終着駅(行き止まり)への進入。
  • 連結/切り離し
  • 他の移動物体(他列車、自動車、動物、人などを任意に動かす)
  • 信号現示の可変、標識の変更
  • 天候(晴、曇、霧、雨、雪、雷)
  • 時間帯(昼間、薄暮、夜)
  • 夜間の照明(前照灯の点灯や上下切り換え、建物の窓から漏れる明かり)
  • 衝突、脱線、横転
  • 土砂崩壊、地震、洪水、火災、等
  • 視点移動、視野変更(車種変更:運転台位置の可変、退行運転/推進運転時の窓外風景、車掌の視点からの風景、プラットホーム監視テレビの映像、車外の任意の位置からの風景、俯瞰:上空から見る)
■表1 CG によって作り出されるさまざまな状況

 模擬音響の発生
運転に臨場感を与えるために、シミュレータには音響の模擬(擬音の発生)が不可欠です。シミュレータでは表に示す主要な音を発生します。
擬音発生用のスピーカは運転室及び車掌室の中および周囲に取り付け、たとえばポイント通過時などに車輪間の寸法と列車速度に見合った間隔と音量で前後のスピーカを交互に鳴らし、走行の臨場感を演出します(表2)。

音響 発生
主電動機音 速度によって音量と音色が変化。
ブレーキ排気音 空気圧力の変化によって発生。
コンプレッサ音 電動空気圧縮機の動作時に鳴る。
電磁弁作動音 電磁空気弁動作時に鳴る。
補助電源音 SIV動作時に鳴る。(常時鳴っている)
警笛音 電子笛、空気笛。
扉開閉音 扉の開閉時に鳴る。
レール摩擦音 速度に応じて音量が変化。道床種別、線形によって変化。
レール継ぎ目音 速度に応じて音量と間隔が変化。道床種別、レール種別によって変化。
転轍機通過音 速度によって音量が変化。道床種別によって変化。
鉄橋通過音 鉄橋の種類(材質)によって変化。
対向車擦れ違い音 相対速度によって変化。対向車の種別によって変化。
遮蔽物音 電柱、壁等通過時。
踏切通過音 踏切警報音。ドップラ効果も模擬。
ATC作動音 デジタルATC機器の作動音。
車掌アナウンス 車内アナウンス。
駅騒音 駅停車中(客室扉開放中)に鳴る。
発車合図音 駅発車前のブザー、ベル、音楽。
自動放送音 車内に流れる録音による放送。
その他 雨の音など。
■表2 擬音の種類

 動揺の発生
シミュレータの運転感覚をさらに現実に近づけるために、運転士の身体を実際の走行時と同様に揺さぶります。特に、模擬視界の画面が大きくなり現実感が向上するに伴って、動揺感覚がないシミュレータでは実際の運転時には感じるはずの体感が得られないために、列車の特性を身体で覚えているベテラン運転士ほど違和感を覚えて酔ってしまうという現象が見られるようになります。このため、動揺装置は極めて重要です。動揺の模擬は模擬列車の運動方程式をコンピュータで時々刻々演算した結果として動揺台を制御することによって行います。
運転士と車掌の連携訓練の場合には、実際の列車と同様に、車掌室を運転室よりも列車の長さ分遅れて揺らします。

 模擬演算
時速100Km以上で走行する列車の動きを模擬するには、膨大なプログラムをリアルタイムで演算処理する必要があります。現在では、パソコンでもすべての演算処理を映像のリフレッシュレート(毎秒60回)以内で行うことが可能であり、その分より高度な模擬が行えるようになっています。フォーラムエイトでは、お客様の用途に合わせて多様なカスタマイズシステムを提案・開発いたします。どうぞご期待ください。
(Up&Coming '11 盛夏号掲載)
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