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BOXカルバートの設計(下水道耐震)のなぜ? 解決フォーラム
応答変位法による杭基礎での地震時検討
 

「BOXカルバートの設計(下水道耐震)」では、「下水道施設耐震計算例−処理場・ポンプ場編−2015年版 (社)日本下水道協会」の「II類(地中埋設線状構造物)」を参考に応答変位法による杭基礎でのレベル1,レベル2地震時検討に対応しています。この検討方法についてご案内いたします。

 手順1:本体フレームのモデル化

本体フレームモデルにおいて、杭位置に支点バネを設置してモデル化します。死荷重載荷用の本体フレームは底版に支点バネのみ設置しますが、地震荷重載荷用の本体フレームは底版の支点バネの他に側壁に接する地盤のバネ作用を考慮し、側壁部材に分布バネを設置します。鉛直方向支点バネは「道路橋示方書IV下部構造編」および「設計要領第二集 第6編橋梁下部構造」の推定式を、水平方向支点バネは「道路橋示方書IV下部構造編」に基づいて算出したものをセットします。バネは直接入力も行えます。
本体フレームモデルは単位幅1m当りでモデル化しますので、杭1本当りで算出したバネ値を分担幅(ブロック長/奥行杭本数)で除して単位幅1m当りに換算してフレームモデルに設定します。


■図1 本体フレームモデルで杭位置に支点バネ設置
 手順2:フレーム計算、支点反力の取得

本体フレームモデルに死荷重、レベル1地震時荷重、レベル2地震時荷重をそれぞれ載荷しフレーム計算を実行し、フレーム計算結果から得られる支点反力を取得します。このフレーム計算結果から得られる支点反力は単位幅1m当りの反力となるため、これに分担幅(ブロック長/奥行杭本数)を乗じて杭1本に作用する支点反力を求めます。

画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
■図2 本体フレーム計算から得られる支点反力
 手順3:杭を弾性床上の梁モデル化、杭頭Mの取得
杭体を弾性床上の梁でモデル化します。杭体部のバネについて、地表面から基盤面までの表層地盤はすべて均一として同じですが(下水道施設耐震2014年版より)、杭先端が基盤面以深に存在する場合の基盤面以深部については以深部の地盤変形係数α・Eoに応じたバネ値を設定します。杭体部のバネは杭径当りのバネに換算して設定します。
これに弾性床上の梁モデルに手順2で求めた杭1本に作用する水平反力、鉛直反力を杭頭に載荷し、また、杭体に作用する応答変位荷重を載荷し杭体断面力を算出します。杭の先端条件は固定/ヒンジ/自由から選べます。杭体の照査を行う場合は、本計算で算出した断面力を用いて行います。

■図3 杭体断面力算出モデル
 手順4:杭頭Mを再度本体フレームに載荷し検討

手順3で求めた杭1本あたりの杭頭曲げモーメントを分担幅で除して単位幅1mあたりの値に換算し、手順1の本体フレームモデルの杭支点位置に載荷して再度フレーム計算を実行します。
本体部材の断面照査について、杭頭剛結の場合、手順1の杭頭曲げモーメントを載荷しない場合で算出した断面力と、手順4の杭頭曲げモーメントを載荷した場合で算出した断面力を用いた場合の2通りで検討を行います。一方、杭頭ヒンジ結合の場合は、手順1の杭頭曲げモーメントを載荷しない場合で算出した断面力のみを用いて検討を行います。


■図4 本体フレームモデルの杭位置に杭頭M載荷


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