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●製品の概要
DesignBuilder は、イギリスDesignBuilder 社により開発された建築シミュレーションソフトです。米国エネルギー省開発の建物エネルギーシミュレーションプログラムであるEnergyPlus(*1)と連動することによって、作成したモデルに対して光、温度、CO2 などの環境をシミュレーションし、計画段階から環境に配慮した省エネルギー型の建物の設計ができるソフトウェアです。建築家、建設事業エンジニア、エネルギーコンサルタント、学生の使用に適しています。この度、日本での新たな建築シミュレーションソフトウェアとして弊社が独占販売することとなりました。ここでは、本製品の概要と機能・特徴についてご紹介します。
●機能・特徴
DesignBuilder は、迅速な建築モデリング、利便性、最高水準の技術である動的エネルギーシミュレーションを統合しています。
その革新的な性能により、専門的なユーザーでなくても複雑な建物を迅速にモデル化することができます。EnergyPlus(*1)の動的サーマルシミュレーションエンジンへの最も包括的なユーザーインターフェースを有し、作業のどの段階においても、正確な環境性能データと非常にきれいな画像や動画を作成できます。
具体的には、建物表面の範囲を選択し、過加熱の影響、エネルギー消費などを視覚的に表示します。より最適に使われる自然光を照合し、照明コントロールシステムと電気照明を節約する計算を実行します。自然換気の温度シミュレーションを行い、適切な冷暖房機のサイズを計算できます。
直感的なモデリング
DesignBuilder は使いやすいOpenGL(*2)ソリッドモデラーを採用しています。これにより、3D 空間に「ブロック」を置いて、伸ばしたり切ったりすることによって、直感的に建物モデルを作成することができます。実際の建築部材の厚さ、部屋の面積および体積を視覚的に把握することができます。またモデルの幾何学的形状や表面形状に制限はありません。
また、データテンプレートを使えば、ドロップダウンリストから選択することによって、一般的な建築構造、建物内部での人間活動、HVAC(*3)および照明装置をデザインに読み込むことができます。 同様のタイプの建物を何度も使用するなら、それをテンプレートに加えることもできます。この機能はデータベースに連動しており、建物およびその周辺の区画に大きな変更を加えることができ、
デザインや評価プロセスのいかなる段階においても、各々の建物モデルに対して個別の詳細な設定を行うことができます。
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▲図1 モデリング |
環境性能データにワンクリックで切り替え
モデル編集画面と環境性能データをワンクリックで切り換えることができ、外部モジュールの実行やデータのインポートをすることなく、データを表示することができます。
換気設定温度に基づいて窓を開くというオプションを付けて自然換気をモデル化し、外気温により窓の開度を調節し、日光の量により照明制御システムがモデル化され、電気照明の節約量が計算されます。
さらに、一年ごと、一月ごと、一日ごと、一時間ごと、それ以下の時間間隔で包括的なシミュレーションデータを表示することができます。燃料の種類と使用目的によって計算されるエネルギー消費量、屋内温度、気象データや、壁・屋根・吸気口・換気口などの構造要素を通じた熱伝達、冷暖房負荷、CO2
発生量をシミュレーションし、気象データを参考に冷暖房設備のサイズを計算し、タブを切り替えるだけで瞬時に表示させることができます。
また、Designbuilderには最新のASHRAE(アメリカ暖房冷凍空調学会)世界気象データと観測地点データ(4429データセット)が含まれ、975のEnergyPlus
毎時気象ファイルが無料で利用できます。
▲図2 熱負荷データ |
▲図3 冷房負荷データ |
▲図4 消費エネルギーシミュレーション |
このように、モデリングのしやすさ・視覚的なわかりやすさと、環境性能データを自動計算しワンクリックで表示できるという機能がDesignBuilderの最大の特徴であり、意匠的な検討とエネルギー計算を同時に進められるソフトウェアと言うことができます。
●その他の機能
DesignBuilderはレンダリング機能を持ち、さらに他のプログラムと連動することで解析と表現の幅が広がります。
・ビジュアル化機能
DesignBuilder のビジュアル化機能により、最小の手間で、鮮明でリアルな質感の画像が得られます。モデル作成のどの段階でも、ビジュアル化タブをクリックすることによって、レンダリングされた画像が得られます。また、ズームやパンで建物の外観を確認したり、ウォークスルーでモデリングした建物内部に入っていくこともできます。
▲図5 ビジュアル化機能 |
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▲図6 建物内部ウォークスルー画面 |
・DesignBuilder CFD
建物モデルにCFD(コンピュータを用いた数値流体力学)の概念を統合すれば、建物内外の空気フローと温度環境をシミュレーションすることができます。具体的には、冷暖房機の設置位置、建物の形状、窓、換気・吸気口の配置と屋内温度環境、屋内外の空気の流れなどを解析することができます。
▲図7 CFDシミュレーション |
・3次元エクスポート
DesignBuilderのモデルとビジュアルを後処理した3次元モデルを、他のソフトウェアにエクスポートすることができ、プレゼンテーションに役立てることができます。
▲図8 3次元エクスポート |
●当社製品との連携
DesignBuilderには建物内部での人間の活動により発生する熱やCO2をシミュレーションする機能があるので、建物モデル内部にUC-win/Roadの人間モデルの動きを加えたりすれば、より説得力のあるプレゼンテーションが行えるでしょう。
また、UC-win/Road for EXODUSとSMARTFIREとの連携では、DesignBuilder上で得られた火災時の煙の流れや火の燃え広がり方のシミュレーションなどをもとに、EXODUS上で非難シミュレーションを行い、さらにその結果を元に災害時の避難がしやすいような建物の設計ができる可能性が広がっています。
●インポート・エクスポート対応形式
・インポート:
DXF、PDF、BMP、JPG、PNG、GIF、TIFF、detailed survey data
・エクスポート:
EnergyPlus Heating/Cooling design IDF file、model image(DXF、BMP、JPG、PNG、GIF、TIFF)、3-D
DXF model、 CSV report file
●必要ソフトウェア環境
・ソフトウェア: Windows XP、Windows2000をサポートしています。
・ハードウェア: ATIやNvidiaのミドルレンジ以上のグラフィックアダプタが適しています。
●DesignBuilder開発元
イギリス DesignBuilder Software Ltd (http://www.designbuilder.co.uk/)
●導入教育
現時点ではインターフェースは英語版のみの提供ですが、詳細な日本語ユーザーズマニュアルをご用意しております。
*1 EnergyPlus:米国エネルギー省開発の建物エネルギーシミュレーションプログラム
*2 OpenGL:Open Graphics Library. 3D グラフィックスのためのプログラムインターフェース。2D グラフィックスも可能。
*3 HVAC:Heating、Ventilating and Air Conditioning. |
■Design Builder Ver.1.5 リリース予定日:2009年2月末 |
(Up&Coming '09 早春の号掲載) |
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