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RC橋脚の地震時保有水平耐力 Q&A('00.01.25)

目 次
1.適用範囲

Q1− 1.プログラムの適用範囲、制限事項。

Q1− 2. 鋼製橋脚にコンクリートを充填した場合の計算ができるか。

Q1− 3. 断面が急変している脚柱の照査も可能か。

Q1− 4. 脚柱が下に向かって絞られている橋脚に適用できるか。
また、はり付け根から下に向かって直線上に広がっている形状に適用できるか。

Q1− 5. ラーメン橋脚の検討に用いてもよいか。

Q1− 6.逆L形の単柱の橋脚について適用できるか。

Q1− 7.「SR235」を使用している橋脚に適用できるか。

Q1− 8.多点弾性固定として反力分散支承を用いた場合にも適用できるか。

Q1− 9.曲げ耐力制御式鋼板巻立て工法は、「橋脚の橋軸直角方向の幅aと橋軸方向の幅bがa/b<3の時に適用される」とあるが、プログラムの制御はあるか。
a/b>3でも使用することは可能か。
また、(鋼板併用)鉄筋コンクリート巻立て工法壁式橋脚については、どうか。

Q1−10.補強厚が変化している形状、あるいは補強厚が一定で柱の壁厚が変化する場合の計算は可能か。

Q1−11.RC保有水平耐力の耐震補強で円形断面のコンクリート巻立て工法ができない為、何らかの形でRC保有水平耐力で円形断面のコンクリート巻立て工法を計算したいのだが、どのように入力すれば実際の円形断面と誤差が少なく計算できるか?

Q1−12.以下の補強工法は、いかなる入力方法をもっても検討不可能か。
      ・小判柱の鋼板巻立て工法(中間貫通鋼材併用)
      ・円形のRC巻立て工法

Q1−13.既設橋の補強を行う際に、巻きたて部分のコンクリートと鉄筋を既設構造物の材料と補強材異なるものを使用したいが可能か。 

2.柱、荷重データ

Q2− 1. 小判型の場合の断面の補正係数(橋軸方向・直角方向)の入力はどうすればよいか。

Q2− 2. 免震橋の減衰定数hに基づく補正係数Ce はどのような使い分けをするのか。

Q2− 3. 梁なしの形状の入力は、梁幅と柱幅の大小をどちらで入力するのか。

Q2− 4. その他の荷重で高さの入力は可能か。出力ではY=0と出力されているがどこで入力するのか。

Q2− 5.可動橋脚の場合の上部工反力値の入力において、橋脚が支持している上部工重量は0.00の値でよいのか。

3.鉄筋

Q3− 1. 補強筋のピッチが思い通りに入力できない。

Q3− 2. 斜引張鉄筋は帯鉄筋のみを考えて入力すればよいのか。

Q3− 3. 帯鉄筋の断面積はどのように考えて入力すれば良いか。

Q3− 4. 基本条件の入力で鉄筋の扱い「帯状に換算する」と「1本ずつ考慮する」の使用法は。

Q3− 5. 補強設計のせん断耐力算出用データで引張主鉄筋(%)の入力は、補強部も含めるのか。

Q3− 6. 補強設計を行う際、巻き立て部の隅角部鉄筋配置がダブルカウントになる場合があるが。

Q3− 7. 補強設計、鋼板巻きで、横拘束筋の体積比が0.018と決まってしまうのはなぜか。

Q3− 8. 鋼板併用コンクリート巻立工法におけるせん断耐力算出用データ(橋軸方向)の中間PC鋼材の面積、本数、高さ間隔の入力は必要か。

Q3− 9. せん断耐力算出用データの入力・修正で、「塑性ヒンジ領域内」と「塑性ヒンジ領域より上」とはどういう意味か。また、柱基部、中間部とはどういう意味か。

Q3−10. H鋼を鉄筋とみたてた際、どのように入力したらよいのか。

Q3−11.横拘束筋データ入力で帯鉄筋の総断面積を入力するのか。

Q3−12.小判型の補強でPC鋼棒の貫通にて拘束するデーター入力で横拘束の所とせん断耐力算出データの2箇所にPC鋼棒データを入力するようになっているが、なぜ2箇所に入力しなければならないのか?
計算上では拘束するデーターの入力をおこなわければ計算を実行しないが、せん断耐力算出データでは入力しなくても計算が可能だが、どちらの方のデーターで計算されるのか?

Q3−13.SR235の鉄筋の降伏点応力度において計算結果では降伏点応力が2400Kg/cm2で打ち出されるが現在の示方書では1400Kg/cm2×1.5=2100Kg/cm2になるのではないのか?
そうではない場合の2400Kg/cm2の数値の根拠はなにか。

Q3−14.横拘束筋データで区間を分割して、鉄筋径あるいはピッチを変更した時、計算結果では何処に反映されているのか?

Q3−15.鋼板併用の補強工法で段落としを考慮し、断面毎に鉄筋量を変更して入力したが、出力では全段面同じになる理由は?

4.アンカー筋

Q4− 1. 補強時の入力データで、アンカー筋の有無のデータ入力ができないが。

Q4− 2. アンカー筋についての照査で、ここで決められている本数で引き抜き照査を内部実行しているのでしょうか。

Q4− 3. アンカーがフーチングにかからない場合での設計を行いたいが、アンカーの有効範囲は設定出来ないのか。

Q4− 4. アンカー筋の本数が何故半分になっているのか。

Q4− 5.補強鉄筋の入力方法補強鉄筋が定着、非定着で交互に配置されている場合入力は定着のみ考えれば良いのか。

Q4− 6.躯体とアンカーの離れは本プログラムではどのように扱っているのか。

5.解析

Q5− 1.
・既設と補強後のせん断耐力を算出するためのAwとaが、既設内は、入力したデータそのままの値で計算されていて、補強後のせん断は、換算された値で、計算されているようだが。
・補強後のせん断耐力算出用の斜引張鉄筋量の考え方がよくわからない。入力したものと違うようだが。
・補強後のせん断耐力算出用斜引張鉄筋量が、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」と算出の方法が違うようだが。

Q5− 2.塑性ヒンジLpは「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」にある0.8倍にて計算するという条件を考慮しているのか。

Q5− 3. 老番引張時は偏心モーメントが付加されているが、若番引張時はマイナスの偏心モーメントが付加されていないがなぜか。

Q5− 4. 結果一覧表の中に残留変位が出力されないがどうすれば良いのか。

Q5− 5. RC巻き立てによる補強の場合の照査結果と、新設で巻き立て部分を換算して入力し照査した結果とで、Muの値に大きく開きが出るのは何故か。

Q5− 6.段落とし照査の初降伏モーメントの算出方法について

Q5− 7.保有耐力の照査(直角方向)の出力において、hp:慣性力作用位置となっているのは、何故か。

Q5− 8.中空断面のせん断耐力算出用データはどの断面について入力すればよいか。

Q5− 9.断面のM−φを算出する際に圧縮縁のかぶりの扱いはどうなっているのか?

Q5−10.ヘルプの中で、震度算出とRC保耐との剛性は合致するとの記載があるが、RC保耐の方 に「I」の値の出力がなく、一目で合致しているかどうかのチェックができないが良い方法はあるか。

Q5−11.サンプルDATAのGreenS3でせん断耐力算出データの中の寸法がよくわからない。
既設 せん断耐力算出用換算幅および有効高さ(橋軸方向 および直角方向)の計算はどのような方法で行っているのか?

Q5−12.固有周期の入力で、「基礎の変形を無視」とありますが、1基の下部構造として固有周期を内部計算していると考えて良いか。

Q5−13.応答塑性率の照査が計算される場合、変位、反力の出力結果が @杭基礎降伏時と A変位・断面の照査時の2ケースあるが、どちらを採用すればよいか?

Q5−14.段落し部での損傷の判定で基部と段落とし部で、安全率が1.2以上となつているが、1.2の根拠は何か。

Q5−15.補強橋脚設計時に既設橋脚の照査のみ実行することはできないか?(補強設計データを入力せずに実行したい。)
このような場合には新規設計を選択しても結果は変わらないのか?新規設計と既設照査ではその評価に違いがあるのか?

Q5−16.中空断面で、最後に段落としの照査を行っているのはなぜか。

Q5−17.道路橋の耐震設計に関する資料(H10.1)の偏心橋脚の計算例のデ−タを入力しましたが、計算結果(直角方向)が一致しません。なぜか?

Q5−18.上部工反力の項目で 橋軸方向、橋軸直角方向伴に偏心モーメントを入力したが設計には反映されないのはなぜか?


1.適用範囲

Q1− 1. プログラムの適用範囲、制限事項。
A1− 1. 1.適用基準、主な参考文献
 平成8年 道路橋示方書『X 耐震設計編』(社団法人 日本道路協会)
 平成8年 道路橋示方書『W 下部構造編』(社団法人 日本道路協会)
 平成9年 『道路橋の耐震設計に関する資料』(社団法人 日本道路協会)
 平成9年 『既設道路橋の耐震補強に関する参考資料』
                 (社団法人 日本道路協会)

2.補強照査の適用できる工法と断面形状について。
矩 形 小 判
充実 中空 充実 中空 充実 中空
曲げ耐力 × ×
RC壁式・1 × ×
RC壁式・2 × ×
 ○は検討可、×は検討不可

なお、両工法とも柱下端にテーパーが付く形状は適用できません。
注)曲げ耐力:曲げ耐力制御式鋼板巻立て工法
   RC壁式・1:鋼板併用鉄筋コンクリート巻立て工法
   RC壁式・2:鉄筋コンクリート巻立て工法(全アンカーは不可)
  
Q1− 2. 鋼製橋脚にコンクリートを充填した場合の計算ができるか。
A1− 2. 本プログラムの適用できるのはプログラムの名称のとおり「RC橋脚」であり、鋼製橋脚にコンクリートを充填する工法には適用できません。
 
Q1− 3. 断面が急変している脚柱の照査も可能か。
Q1− 3. 補強前の脚柱が階段状に変化しているものは計算できません。柱の途中から下に向かって直線状に広がっている場合は計算可能です。ただしテーパーの付いたモデルについては工法を問わず、補強計算はできません。
 
Q1− 4. 脚柱が下に向かって絞られている橋脚に適用できるか。
また、はり付け根から下に向かって直線上に広がっている形状に適用できるか。
A1− 4. 脚柱が下に向かって絞られている橋脚には適用できません。逆台形をT形に近似的に置き換えることも考えられますが、変位が大きく算出されますので危険側の計算をすることになるのではないかと思います。
一方、はり付け根から下に向かって直線上に広がっている形状の場合、本プログラムでは柱の途中からテーパーが付くモデルを想定しているので便宜上、はりの付け根から若干、下に直線区間(0.1m程度)を設けてください。
 
Q1− 5. ラーメン橋脚の検討に用いてもよいか。
A1− 5. 左右の断面に差がなく高さに極端な差がない場合には橋軸方向の検討には用いることができると思います。だだし、死荷重状態における橋軸直角方向の曲げモーメントが大きい場合にはいわゆる二軸曲げの状態になりますので、そのままの結果を用いて判断できるかどうかは難しい問題です。ラーメン橋脚の橋軸直角方向の検討はできません。
当社別売の「UC−win/RC」にて解析が可能です。
 
Q1− 6. 逆L形の単柱の橋脚について適用できるか。
A1− 6. 逆L形の単柱の橋脚においても死荷重時に脚柱に曲げモーメントが発生している方向と直角方向の地震時の保有水平耐力を照査しようとする場合は二軸曲げの状態になります。したがって、計算結果をそのまま使用して判断するか、保有耐力を低減して考えるのか設計者が判断する必要があります。プログラムでは二軸曲げの状態についての計算はしていません。
 
Q1− 7. 「SR235」を使用している橋脚に適用できるか。
A1− 7. 基本条件で、主鉄筋・横拘束筋とも入力することができます。なお主筋の配筋は、鉄筋径、本数とも0にして直接入力してください。(なお小判形の場合、断面変化位置に鉄筋量の直接入力はできません。) ただし、付着の状態が異形鉄筋と丸鋼では大きく異なります。示方書を拡大解釈して丸鋼を使用した場合にもそのまま適用していいのかどうか、疑問ですので設計者の判断によりご利用ください。
 
Q1− 8. 多点弾性固定として反力分散支承を用いた場合にも適用できるか。
A1− 8. 固有周期を別途何らかの手段で算出し、この固有周期を計算途中で採用すると指定すれば十分可能です。プログラム内で自動的に算出される固有周期は当該橋脚が支持している上部構造がピンで橋脚に固定されているという仮定で算出したものなので、反力分散の場合にこの値をこのまま使用することはできません。
 
Q1− 9. 曲げ耐力制御式鋼板巻立て工法は、「橋脚の橋軸直角方向の幅aと橋軸方向の幅bがa/b<3の時に適用される」とあるが、プログラムの制御はあるか。a/b>3でも使用することは可能か。
また、(鋼板併用)鉄筋コンクリート巻立て工法壁式橋脚については、どうか。
A1− 9. 曲げ耐力制御式鋼板巻立て工法については、矩形と円形をサポートしています。ご質問の制約は矩形断面の時に関わる内容ですが、本プログラムでは、警告メッセージを画面表示しますが、[OK]ボタンで強行計算できるようにしています。なお、小判形はサポートしていません。
(鋼板併用)鉄筋コンクリート巻立て工法壁式橋脚については、矩形と小判形をサポートしています。
曲げ耐力制御式鋼板巻立て工法とは逆に「a/b<3」の場合には、警告メッセージを画面表示しますが、ここでも[OK]ボタンで強行計算できるようにしてあります。なお、円形はサポートしていません。
 
Q1−10. 補強厚が変化している形状、あるいは補強厚が一定で柱の壁厚が変化する場合の計算は可能か。
A1−10. 補強厚が変化している形状は計算できません。(補強厚は一定の扱いです。)また補強厚が一定で柱の壁厚が変化する場合(つまりテーパー付きモデル)についても工法を問わず、補強計算はできません。
   
Q1−11. RC保有水平耐力の耐震補強で円形断面のコンクリート巻立て工法ができない為、何らかの形でRC保有水平耐力で円形断面のコンクリート巻立て工法を計算したいのだが、どのように入力すれば実際の円形断面と誤差が少なく計算できるか?
A1−11. 本プログラムは「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料]に基づいていますので、円形のコンクリート巻立て工法は、計算できません。
プログラムのhelpの適用範囲などをご覧下さい。
また、直線部の短い小判形とすれば、何等かの答えは得られるかと思いますが、その結果が正しい事を、保証する根拠がありません。最終的には、設計者の判断で御使用下さい。
 
Q1−12. 以下の補強工法は、いかなる入力方法をもっても検討不可能か。
・小判柱の鋼板巻立て工法(中間貫通鋼材併用)
・円形のRC巻立て工法
A1−12. ご存じのように弊社RC橋脚の地震時保有水平耐力forwinは「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」にもとずいてプログラムを作成しています。
その為、同文献に記載の内容に基づきその仕様としています。

・小判柱の鋼板巻立て工法2-20ページに1)円形断面、2)矩形断面についてはρsおよび基部の構造についての説明がありますが、小判柱については説明がありません。その為適応外としています。
・円形のRC巻立て工法RC巻立て工法は壁式橋脚について可能としています。
 
Q1−13. 既設橋の補強を行う際に、巻きたて部分のコンクリートと鉄筋を既設構造物の材料と補強材異なるものを使用したいが可能か。 
A1−13. 既設部と補強部で、鉄筋材質は異なった材質を用いる事は可能ですが、コンクリートの材質は、既設部と補強部で異なった材質を使用する事はできません。

2.柱、荷重データ

Q2− 1. 小判型の場合の断面の補正係数(橋軸方向・直角方向)の入力はどうすればよいか。
A2− 1. 耐震設計編 131ページには、
 円形断面  α=1.0 β=1.0
 矩形断面、中空円形断面、中空矩形断面 α=0.2, β=0.4
と書かれていますが、小判形状については定義されていないので入力としています。
耐震ソフト研究会のベンチマークテストでは、小判の橋軸、直角共にα=0.2,β=0.4を用いましたので、これに習えば問題はないと思います。
 
Q2− 2. 免震橋の減衰定数hに基づく補正係数Ce はどのような使い分けをするのか。
A2− 2. 免震橋梁(免震支承を用いた橋梁)の場合に用いる係数で、道路橋示方書X編P104を参照して下さい。
 
Q2− 3. 梁なしの形状の入力は、梁幅と柱幅の大小をどちらで入力するのか。
A2− 3. 梁幅≦柱幅です。
 
Q2− 4. その他の荷重で高さの入力は可能か。出力ではY=0と出力されているがどこで入力するのか。
A2− 4. Y方向の高さは入力できますが、本プログラムでは使用しません。将来、杭の地震時保有水平耐力に連動するための拡張用です。
 
Q2− 5. .可動橋脚の場合の上部工反力値の入力において、橋脚が支持している上部工重量は0.00の値でよいのか。
A2− 5. 道路橋示方書X耐震設計編p28 3.3.3に以下の記載があります。
「・・・可動の場合には、・・・地震時保有水平耐力法による耐震設計では死荷重反力に等価水平震度を乗じた値の半分を水平荷重として用いるものとする。」とあるので、0.0では問題があると思われます。
Rd×Khe/2 = 水平力
分担重量は Rd/2
が妥当と思われます。

3.鉄筋

Q3− 1. 補強筋のピッチが思い通りに入力できない。
A3− 1.

(A)のタイプをサポートし、(B),(C)のタイプはサポートしておりません。
 
Q3− 2. 斜引張鉄筋は帯鉄筋のみを考えて入力すればよいのか。
A3− 2. 斜引張鉄筋はせん断力に抵抗するせん断補強鉄筋であり、折り曲げ鉄筋やスターラップなどを指します。このことから帯鉄筋だけでなく中間帯鉄筋も含めたものになります。
 
Q3− 3. 帯鉄筋の断面積はどのように考えて入力すれば良いか。
A3− 3. 柱を慣性力の作用方向と直行する面で切断し、そこに現れた帯鉄筋の切り口の総面積を入力します。
 
Q3− 4. 基本条件の入力で鉄筋の扱い 「帯状に換算する」と「1本ずつ考慮する」の使用法は。
A3− 4. 下図のような取り扱いになります。工学的にはどちらでも違いはありませんが、違いが気になるようであれば、橋軸方向と橋軸直角方向とでデータを分けて、力の作用方向の鉄筋を1本ずつ考慮するのがいいかも知れません。

 
Q3− 5. 補強設計のせん断耐力算出用データで引張主鉄筋(%)の入力は、補強部も含めるのか。
A3− 5. 「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の計算例の算出方法が確認できなかったため、入力としています。
 
Q3− 6. 補強設計を行う際、巻き立て部の隅角部鉄筋配置がダブルカウントになる場合があるが。
A3− 6. 補強鉄筋かぶりと、補強橋軸鉄筋側面かぶり、補強直角側面かぶりにすべて同じ値が入力されているので、コーナー部にはアンカー筋が重なってしまいます。例えば、上記のかぶりにすべて11cmと入力していたような場合は、補強橋軸鉄筋側面かぶりを11+15=26cmとすれば、ダブルカウントは回避されます。
 
Q3− 7. 補強設計、鋼板巻きで、横拘束筋の体積比が0.018と決まってしまうのはなぜか。
A3− 7. 曲げ耐力制御式の矩形の場合は、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」のP2-20に従い、上限値0.018を一律に適用しています。他の形式の場合は入力データからρsを計算しています。
 
Q3− 8. 鋼板併用コンクリート巻立工法におけるせん断耐力算出用データ(橋軸方向)の中間PC鋼材の面積、本数、高さ間隔の入力は必要か。
A3− 8. 「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の考え方に合わせるならば全て0として下さい。
 
Q3− 9. せん断耐力算出用データの入力・修正で、「塑性ヒンジ領域内」と「塑性ヒンジ領域より上」とはどういう意味か?また、柱基部、中間部とはどういう意味か。
A3− 9. 鋼板を柱基部付近にのみ巻きたてる工法の場合は鋼板とコンクリート併用部とコンクリート巻きたて部の耐力のうち小さいほうをその耐力とすることになりますが、(緑本のP3−24,3−25) 本プログラムでは柱基部以外を中間部と称し、これをどの状態で照査するかを指定することができるようにしています。
 
Q3−10. H鋼を鉄筋とみたてた際、どのように入力したらよいのか。
A3−10. 鉄筋は点としてあつかっていますので、H鋼を正しくモデル化するのは不可能です。
 
Q3−11. 横拘束筋データ入力で帯鉄筋の総断面積を入力するのか。
A3−11. 横拘束筋の断面積は帯鉄筋1本当たりの面積です。道示X131ページをご参照下さい。 2段配筋の場合の説明も、道示X131ページに説明されています。
  
Q3−12. 小判型の補強でPC鋼棒の貫通にて拘束するデーター入力で横拘束の所とせん断耐力算出データの2箇所にPC鋼棒データを入力するようになっているが、なぜ2箇所に入力しなければならないのか?
計算上では拘束するデーターの入力をおこなわければ計算を実行しないが、せん断耐力算出データでは入力しなくても計算が可能だが、どちらの方のデーターで計算されるのか?
A3−12. 「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」では、横拘束筋には、PC鋼棒を考慮していますが、せん断耐力にはPC鋼棒を考慮していません。参考資料と同じ考え方で計算が出来る様にしている為です。
  
Q3−13. SR235の鉄筋の降伏点応力度において計算結果では降伏点応力が2400Kg/cm2で打ち出されるが現在の示方書では1400Kg/cm2×1.5=2100Kg/cm2になるのではないのか?
そうではない場合の2400Kg/cm2の数値の根拠はなにか。
A3−13. 下部構造編79ページ表ー解3.4.4の降伏点、または0.2%耐力24kgf/mm2によっています。
 
Q3−14. 横拘束筋データで区間を分割して、鉄筋径あるいはピッチを変更した時、計算結果では何処に反映されているのか。
A3−14. ρsの値が代わってくるので、Mu,Myおよびφの値が変わってきます。
 
Q3−15. 鋼板併用の補強工法で段落としを考慮し、断面毎に鉄筋量を変更して入力したが、出力では全段面同じになる理由は?
A3−15. 鋼板併用RC巻立て工法による補強設計の際には、
参考文献:平成9年『既設道路橋の耐震補強に関する参考資料』(社団法人 日本道路協会)3−18ページにA「....既設橋脚の軸方向筋は、段落としが行われていないものとみなす。(図3.3.7参照)」と記載されています。これにより、段落とし入力をされても全段面で同じとして扱います。

4.アンカー筋

Q4− 1. 補強時の入力データで、アンカー筋の有無のデータ入力ができないが。
A4− 1. 「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」には、工法としてアンカー非定着の図がありますが、計算例としては掲載されていません。当方で勝手に解釈できませんので本プログラムではアンカー非定着はサポー トしておりません。オーソライズされた計算方法が提示された時点でサポートしたいと考えています。
新設の設計で段落なしとし、横拘束効果やせん断補強鉄筋を勘案して照査するのも一つの考え方であろうと思います。
 
Q4− 2. アンカー筋についての照査で、ここで決められている本数で引き抜き照査を内部実行しているのでしょうか。
A4− 2. アンカー筋を鉄筋と考えRC断面の計算を行っています。アンカー筋の配置は、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」の補強計算例P2-22の配置を想定しています。
 
Q4− 3. アンカーがフーチングにかからない場合での設計を行いたいが、アンカーの有効範囲は設定出来ないのか。
A4− 3. 「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」には、アンカー筋を定着しない計算例が記載されていないため、アンカー筋が無い場合はサポート外としており、有効範囲の設定は行えないようになっています。
 
Q4− 4. アンカー筋の本数が何故半分になっているのか。
A4− 4 「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」のP2-22の「図−2.3.11補強断面」にならって、内部的に倍ピッチで計算しています。
 
Q4− 5. 補強鉄筋の入力方法補強鉄筋が定着、非定着で交互に配置されている場合入力は定着のみ考えれば良いのか。
A4− 5. 補強鉄筋の入力鉄筋ピッチは、全鉄筋についてのピッチを入力して下さい。
プログラムで、1本おきに定着鉄筋として扱います。
 
Q4− 6. 躯体とアンカーの離れは本プログラムではどのように扱っているのか。
A4− 6. 本プログラムは、「耐震補強に関する参考資料」に準拠しております。
同2−19ページ 2.3.3曲げ耐力制御式鋼板巻立て工法による橋脚躯体の補強設計のA 「フーチングに定着させるアンカー筋が柱全高に渡って配置されているものとしてモデル化する。この時、このアンカー筋は既設橋脚断面の外周に沿った位置にあるものとみなす。」と明記されています。
図2.3.8 軸方向鉄筋のモデル化 を参考いただければ解りやすいと存じます。
従って、任意の位置にアンカー筋を配置するのは、本プログラムではサポート外となります。

5.解析

Q5− 1. ・既設と補強後のせん断耐力を算出するためのAwとaが、既設内は、入力したデータそのままの値で計算されていて、補強後のせん断は、換算された値で、計算されているようだが。

・補強後のせん断耐力算出用の斜引張鉄筋量の考え方がよくわからない。入力したものと違うようだが。

・補強後のせん断耐力算出用斜引張鉄筋量が、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」と算出の方法が違うようだが。
A5− 1. 補強後については以下のようにしています。
ピッチ 鉄筋量
既設部 p1 a1
p2 a2
補強後 p=p1×p2 a=p1×a2+p2×a1

鉄筋量は(a1/p1+a2/p2)で評価されますが、
 a/p=(p1・a2+p2・a1)/(p1×p2)=a2/p2+a1/p1
となり、同じ評価をしていることになります。

つまりH1(補強部高さ方向鉄筋間隔)×H2(既設部高さ方向鉄筋間隔)の間の斜引張鉄筋の面積を計算しています。
また「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」と結果が違うように見えますがAw/aが一致すれば結果は変わりません。
 
Q5− 2. RC橋脚の地震時保有水平耐力(III+)において、マニュアルp.2-6にある塑性ヒンジLpは「既設道路橋補強設計に関する参考資料」にある0.8倍にて計算するという条件を考慮しているのか。
A5− 2. 補強設計の場合は 0.8倍しています。
 
Q5− 3. 老番引張時は偏心モーメントが付加されているが、若番引張時はマイナスの偏心モーメントが付加されていないがなぜか。
A5− 3. 道路橋示方書X 耐震設計編 P.160の以下の部分によっています。
「偏心モーメント作用方向と反対方向の地震時保有水平耐力および許容塑性率は、偏心モーメントの影響を無視して算出してよい。」
 
Q5− 4. 結果一覧表の中に残留変位が出力されないがどうすれば良いのか。
A5− 4. 基本条件で、重要度の区分を「B種(重要)」と指定して保有耐力の計算をしてください。
 
Q5− 5. RC巻き立てによる補強の場合の照査結果と、新設で巻き立て部分を換算して入力し照査した結果とで、Muの値に大きく開きが出るのは何故か。
A5− 5. Mu算出時で新設時には、圧縮縁のかぶりコンクリートを無視しています。
補強時には、鋼板等が巻立てられているので、かぶりコンクリート部分も断面に考慮しています。このためにMuの値に違いがでてきます。
 
Q5− 6. 段落とし照査の初降伏モーメントの算出方法について。
A5− 6. 「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」のP3-18をご参照ください。
Mtyoは既設橋脚の段落し後の鉄筋と巻立て部の全鉄筋量。
P−δ時は、既設橋脚の基部の鉄筋とアンカーさせる鉄筋を用いて計算しています。
 
Q5− 7. 保有耐力の照査(直角方向)の出力において、hp:慣性力作用位置となっているのは、何故か。
A5− 7. 基本条件のせん断耐力算出基準で「耐震設計編」を選択してください。
 
Q5− 8. 中空断面のせん断耐力算出用データはどの断面について入力すればよいか。
A5− 8. 中空部で照査すべきであると思います。
せん断耐力用データは、基部と中間部の2箇所を入力することができます。両者を比べて小さい方の値をせん断耐力としています。
 
Q5− 9. 断面のM−φを算出する際に圧縮縁のかぶりの扱いはどうなっているのか?
A5− 9. Mu算出時には、かぶりコンクリートは無視しています。
  
Q5−10. ヘルプの中で、震度算出とRC保耐との剛性は合致するとの記載があるが、RC保耐の方 に「I」の値の出力がなく、一目で合致しているかどうかのチェックができないが良い方法はあるか。
A5−10. 基本条件 計算の種類で「降伏剛性」を指定すると「I」を出力します。
「はり部の扱い」 
○直下の柱断面を用いる 
○剛体として扱う
で「I」の値は変わりますので、注意して下さい。
 
Q5−11. サンプルDATAのGreenS3でせん断耐力算出データの中の寸法がよくわからない。
既設 せん断耐力算出用換算幅および有効高さ(橋軸方向 および直角方向)の計算はどのような方法で行っているのか?
A5−11. 弊社は、小判型の有効高さの算出方法を下記図に基付き計算しております。これは、判形の矩形換算法については道路橋示方書に何も明記されたものがありませんので、弊社の判断によりこの考え方を採用しています。

a1=(B・D+π・(1/4)・D^2)/a2
a2=B+[π・(1/4)・D^2]^0.5
d1:1/4円部分を含む鉄筋図芯
d2:1/4円部分の鉄筋図芯
 
Q5−12. 固有周期の入力で、「基礎の変形を無視」とありますが、1基の下部構造として固有周期を内部計算していると考えて良いか。
A5−12. 問題有りません。なお、この際、上部工分担重量は、入力値WUを使用して計算を行います。
 
Q5−13. 応答塑性率の照査が計算される場合、変位、反力の出力結果が @杭基礎降伏時と A変位・断面の照査時の2ケースあるが、どちらを採用すればよいか?
A5−13. 応答塑性率の計算を行い、応答塑性率が求まった場合基礎が降伏する場合は中間結果なので、変位あるいは断面照査には、Aの変位・断面の照査時の方を採用して下さい。
  
Q5−14. 段落し部での損傷の判定で基部と段落とし部で、安全率が1.2以上となつているが、1.2の根拠は何か。
A5−14. 「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」(緑本) 3−9ページによっています。
 
Q5−15. 強橋脚設計時に既設橋脚の照査のみ実行することはできないか?(補強設計データを入力せずに実行したい。)
このような場合には新規設計を選択しても結果は変わらないのか?新規設計と既設照査ではその評価に違いがあるのか?
A5−15. 補強データを入力しないと補強設計は計算出来ません。新規設計で計算をして下さい。ただし、柱の中間で鉄筋の段落としがある場合は、照査方法が異なるので注意して下さい。以下参考
 新規設計の場合  耐震設計編 145ページ
 既設時の場合   既設道路橋の耐震補強に関する参考資料
 
Q5−16. 中空断面で、最後に段落としの照査を行っているのはなぜか。
A5−16. 断面の鉄筋比が変わることから、鉄筋段落としと同じ扱いにしています。  
 
Q5−17. 道路橋の耐震設計に関する資料(H10.1)の偏心橋脚の計算例のデ−タを入力しましたが、計算結果(直角方向)が一致しません。なぜか?
A5−17. 本プログラムは、上部工死荷重反力の作用位置は、はりの中心です。従って、同じように入力されても柱中心では、偏心モーメントが発生します。
一方道路橋の耐震設計に関する資料(H10.1)の6−26ページでは 作用位置が異なるためモーメントに差が生じます。
この差となる値を直角方向の偏心モーメントに入力すれば、近い結果を得る事が可能です。  
 
Q5−18. 上部工反力の項目で 橋軸方向、橋軸直角方向伴に偏心モーメントを入力したが設計には反映されないのはなぜか?
A5−18. 基本データ→基本条件の □偏心橋脚として設計する にレ点を付けておられない場合には上部工反力データで 偏心モーメントを入力いただいても設計時には考慮されませんので必ずこの点を確認下さい。
また偏心モーメントに負の値を入力した場合についてはQ5−3も参照下さい。

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