Q5− 1. |
・既設と補強後のせん断耐力を算出するためのAwとaが、既設内は、入力したデータそのままの値で計算されていて、補強後のせん断は、換算された値で、計算されているようだが。
・補強後のせん断耐力算出用の斜引張鉄筋量の考え方がよくわからない。入力したものと違うようだが。
・補強後のせん断耐力算出用斜引張鉄筋量が、「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」と算出の方法が違うようだが。 |
A5− 1. |
補強後については以下のようにしています。
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ピッチ |
鉄筋量 |
既設部 |
p1 |
a1 |
p2 |
a2 |
補強後 |
p=p1×p2 |
a=p1×a2+p2×a1 |
鉄筋量は(a1/p1+a2/p2)で評価されますが、
a/p=(p1・a2+p2・a1)/(p1×p2)=a2/p2+a1/p1
となり、同じ評価をしていることになります。
つまりH1(補強部高さ方向鉄筋間隔)×H2(既設部高さ方向鉄筋間隔)の間の斜引張鉄筋の面積を計算しています。
また「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」と結果が違うように見えますがAw/aが一致すれば結果は変わりません。 |
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Q5− 2. |
RC橋脚の地震時保有水平耐力(III+)において、マニュアルp.2-6にある塑性ヒンジLpは「既設道路橋補強設計に関する参考資料」にある0.8倍にて計算するという条件を考慮しているのか。 |
A5− 2. |
補強設計の場合は 0.8倍しています。 |
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Q5− 3. |
老番引張時は偏心モーメントが付加されているが、若番引張時はマイナスの偏心モーメントが付加されていないがなぜか。 |
A5− 3. |
道路橋示方書X 耐震設計編 P.160の以下の部分によっています。
「偏心モーメント作用方向と反対方向の地震時保有水平耐力および許容塑性率は、偏心モーメントの影響を無視して算出してよい。」 |
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Q5− 4. |
結果一覧表の中に残留変位が出力されないがどうすれば良いのか。 |
A5− 4. |
基本条件で、重要度の区分を「B種(重要)」と指定して保有耐力の計算をしてください。 |
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Q5− 5. |
RC巻き立てによる補強の場合の照査結果と、新設で巻き立て部分を換算して入力し照査した結果とで、Muの値に大きく開きが出るのは何故か。 |
A5− 5. |
Mu算出時で新設時には、圧縮縁のかぶりコンクリートを無視しています。
補強時には、鋼板等が巻立てられているので、かぶりコンクリート部分も断面に考慮しています。このためにMuの値に違いがでてきます。 |
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Q5− 6. |
段落とし照査の初降伏モーメントの算出方法について。 |
A5− 6. |
「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」のP3-18をご参照ください。
Mtyoは既設橋脚の段落し後の鉄筋と巻立て部の全鉄筋量。
P−δ時は、既設橋脚の基部の鉄筋とアンカーさせる鉄筋を用いて計算しています。 |
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Q5− 7. |
保有耐力の照査(直角方向)の出力において、hp:慣性力作用位置となっているのは、何故か。 |
A5− 7. |
基本条件のせん断耐力算出基準で「耐震設計編」を選択してください。 |
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Q5− 8. |
中空断面のせん断耐力算出用データはどの断面について入力すればよいか。 |
A5− 8. |
中空部で照査すべきであると思います。
せん断耐力用データは、基部と中間部の2箇所を入力することができます。両者を比べて小さい方の値をせん断耐力としています。 |
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Q5− 9. |
断面のM−φを算出する際に圧縮縁のかぶりの扱いはどうなっているのか? |
A5− 9. |
Mu算出時には、かぶりコンクリートは無視しています。 |
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Q5−10. |
ヘルプの中で、震度算出とRC保耐との剛性は合致するとの記載があるが、RC保耐の方
に「I」の値の出力がなく、一目で合致しているかどうかのチェックができないが良い方法はあるか。 |
A5−10. |
基本条件 計算の種類で「降伏剛性」を指定すると「I」を出力します。
「はり部の扱い」
○直下の柱断面を用いる
○剛体として扱う
で「I」の値は変わりますので、注意して下さい。 |
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Q5−11. |
サンプルDATAのGreenS3でせん断耐力算出データの中の寸法がよくわからない。
既設 せん断耐力算出用換算幅および有効高さ(橋軸方向
および直角方向)の計算はどのような方法で行っているのか? |
A5−11. |
弊社は、小判型の有効高さの算出方法を下記図に基付き計算しております。これは、判形の矩形換算法については道路橋示方書に何も明記されたものがありませんので、弊社の判断によりこの考え方を採用しています。
a1=(B・D+π・(1/4)・D^2)/a2
a2=B+[π・(1/4)・D^2]^0.5
d1:1/4円部分を含む鉄筋図芯
d2:1/4円部分の鉄筋図芯
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Q5−12. |
固有周期の入力で、「基礎の変形を無視」とありますが、1基の下部構造として固有周期を内部計算していると考えて良いか。 |
A5−12. |
問題有りません。なお、この際、上部工分担重量は、入力値WUを使用して計算を行います。 |
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Q5−13. |
応答塑性率の照査が計算される場合、変位、反力の出力結果が @杭基礎降伏時と A変位・断面の照査時の2ケースあるが、どちらを採用すればよいか? |
A5−13. |
応答塑性率の計算を行い、応答塑性率が求まった場合基礎が降伏する場合は中間結果なので、変位あるいは断面照査には、Aの変位・断面の照査時の方を採用して下さい。 |
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Q5−14. |
段落し部での損傷の判定で基部と段落とし部で、安全率が1.2以上となつているが、1.2の根拠は何か。 |
A5−14. |
「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料」(緑本) 3−9ページによっています。 |
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Q5−15. |
強橋脚設計時に既設橋脚の照査のみ実行することはできないか?(補強設計データを入力せずに実行したい。)
このような場合には新規設計を選択しても結果は変わらないのか?新規設計と既設照査ではその評価に違いがあるのか? |
A5−15. |
補強データを入力しないと補強設計は計算出来ません。新規設計で計算をして下さい。ただし、柱の中間で鉄筋の段落としがある場合は、照査方法が異なるので注意して下さい。以下参考
新規設計の場合 耐震設計編 145ページ
既設時の場合 既設道路橋の耐震補強に関する参考資料 |
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Q5−16. |
中空断面で、最後に段落としの照査を行っているのはなぜか。 |
A5−16. |
断面の鉄筋比が変わることから、鉄筋段落としと同じ扱いにしています。 |
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Q5−17. |
道路橋の耐震設計に関する資料(H10.1)の偏心橋脚の計算例のデ−タを入力しましたが、計算結果(直角方向)が一致しません。なぜか? |
A5−17. |
本プログラムは、上部工死荷重反力の作用位置は、はりの中心です。従って、同じように入力されても柱中心では、偏心モーメントが発生します。
一方道路橋の耐震設計に関する資料(H10.1)の6−26ページでは 作用位置が異なるためモーメントに差が生じます。
この差となる値を直角方向の偏心モーメントに入力すれば、近い結果を得る事が可能です。 |
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Q5−18. |
上部工反力の項目で 橋軸方向、橋軸直角方向伴に偏心モーメントを入力したが設計には反映されないのはなぜか? |
A5−18. |
基本データ→基本条件の □偏心橋脚として設計する にレ点を付けておられない場合には上部工反力データで 偏心モーメントを入力いただいても設計時には考慮されませんので必ずこの点を確認下さい。
また偏心モーメントに負の値を入力した場合についてはQ5−3も参照下さい。 |