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第2回Virtual Design World Cup 受賞結果
ワールドカップ賞は芝浦工業大学のSWD LABに!
第2回となる今年のテーマ“Sustainable Design of Marine City”『海上都市のサステナブルデザイン』。今だからこそあえて津波・災害を克服し、新たな居住可能性を海上に求めて安全・快適かつサステナブルに水辺に住まう「海上都市」の課題への取り組みを競って、世界8カ国36チームのエントリーがありました。この中から10月末の予選選考で9作品をノミネート決定とし、その後2週間に渡って行われた1次審査では、VR-Cloudョを活用して、審査員による作品の景観評価やVR空間への意見の書き込みがクラウド上で行われ、応募者がそれに返信したり、作品の見どころをアピールするというコミュニケーションを通して、デザインレビューの新しい試みが実践されました。11月20日、フォーラムエイト東京本社にて審査会が行われ、ワールドカップ賞、優秀賞および5つの審査員特別賞が選定されました。
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1:最終審査会(11月20日)でノミネート選考を決定 |
本受賞式はフォーラムエイト代表取締役社長 伊藤裕二による開会挨拶で幕を開け、実行委員長の池田靖史氏(慶応義塾大学大学院
政策・メディア研究科 教授)が、昨年第1回のレビューと併せて本コンテストのコンセプトについて紹介。同氏は「作品をインターネット上で閲覧して審査ができる。また、現地に行くことができない海外からの参加者もバーチャルな空間内を自由に散策し、コメントを残すなどコミュニケーションが図れる」と、コンテストにおけるVR-Cloudョの活用と意義について触れ、続いて昨年度ワールドカップ受賞者によるスピーチも行われました。
受賞式では、2つの特別講演とフォーラムエイトによるプレゼンテーションを実施。まず、避難解析の世界的権威であるエド・ガリア氏(英国グリニッジ大学
教授)により、「火災解析、避難解析の最新研究とケーススタディ」と題した講演が行われました。同氏は、EXODUSを用いた避難解析の手法や最新の事例について紹介。今回の受賞作品データの中にもEXODUSによる解析を行ったものがあったことから、出席したノミネート学生の皆さんも興味深く聴講していた様子でした。
特別講演2は、田中成典氏(関西大学教授)による「国産3次元CADエンジン開発プロジェクト・カイザープロジェクト」。建設業界全体で汎用的に利用できる3次元CADエンジンの開発を目的として、関西大学が中心となり平成20年6月よりスタートした「カイザープロジェクト」について紹介し、フォーラムエイトも含めた民間企業9社の参加による産学連携の研究活動にも言及。建設情報の交換・連携・共有・再利用、また、点群データの利用・出来形管理の事例などに触れつつ、建設CALS整備の展望について語りました。
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2:エド・ガリア氏
(英国グリニッジ大学 教授)による特別講演 |
3:田中 成典氏
(関西大学教授)による特別講演 |
特別講演・プレゼンテーションの後はいよいよ受賞式がスタート。TVレポーターでもお馴染みの阿部祐二氏がプレゼンターを務め、受賞者へのインタビューも交えながら受賞式を盛り上げました。「これまで阪神淡路大震災、9.11、ハリケーンカトリーナ、東日本大震災等災害などの報道・レポーターも経験し、避難解析のガリア教授に会うのを楽しみにしていた」という阿部氏は、受賞式の中でガリア氏にも英語でインタビュー。「(ワールドカップ受賞作品について)避難についてもこういった複雑でこれまでなかったような変わった構造の中で考えたのは感銘を受けた」(ガリア氏)。
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4:受賞式ではプレゼンターの阿部氏が
学生達にインタビュー |
5:SWD LAB(芝浦工業大学)の
ワールドカップ受賞作品は
EXODUSによる解析も実施。
受賞式後はガリア氏が直接学生に
感想とアドバイスを伝えた |
最後に実行委員長の池田氏がコンテストについて総評。「これからも海外含めもっと大きく呼びかけて、同じ場所に集まらなくてもバーチャルな形でデザインを議論できる、そのよさを広げて行きたいと思う。実際に現地行くということの大事さがなくなってしまうわけではないが、これまでにできなかった、VRという技術を使ってできるということは学生のためのコンテストだけでなくもっと可能性がある」とまとめました。
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6:受賞者、審査員、阿部祐二氏による集合写真 |
Virtual Design World Cup 第2回 学生BIM&VRデザインコンテスト オン クラウド 詳細はこちら
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■実行委員長 池田靖史氏による総評
本設計競技も2回目を迎えて、昨年以上に世界中からの注目を集めるようになった。今年はかなり大変な事を承知でVRやBIMだからこそできる大きなスケールの課題に挑戦してもらおうとテーマを「人工島」に定めた。にもかかわらず様々なタイプの意欲的な作品が応募された事は本当に嬉しい限りであり、心から感謝したい。 作品を見ながら、このテーマの難しさはそのスケールにだけあったのではなさそうだと改めて感じた。島を人工的に造ると言うかなり人間中心的な目的と、サスティナビリティという地球的な自然のシステムへの意識はそもそも矛盾を含んでいると言っていいからである。結果として応募者は人工島を「どのように」造るかと同時に「なぜ」造るかに答えなければならなくなっていた。工場防災基地や、東京湾を浄化するの緑地創出など、この2点への総合的な意識が高かった作品が結果的に上位に残ったが、なかでもグランプリ作品はBIMによるデザイン検討をしつつ、自律的な海水浄化施設という機能をその目的に据えて、バランスよく上記の2点に配慮し、それに加えてビジュアルなイメージでそれを象徴的に表現するスキルも非常に高かった事から、全ての審査員からの高い支持を受け満場一致でグランプリとなった。ただ、タイトル通り見た目も「島」よりは「船」に近く、その発想の転換も功を奏したと思われる一方、島内外の交通システムのような都市的な要素への挑戦があればさらによかっただろうと思われる。 この設計競技で明らかになったように、BIMとVRを利用することで世界中のアイデアが自由に交換できる事の可能性はどんどん大きくなりつつあり、これからがますます楽しみである。 |
実行委員長の池田 靖史 氏
(慶應大学SFC教授)
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Virtual Design World Cup
第3回 学生BIM&VRデザインコンテスト オン クラウド
エントリー:2013年5月1日(水)〜9月30日(月)
作品応募 :2013年10月1日(火)〜10月21日(月)
表彰式 :2013年11月21日(木) |
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(Up&Coming '13 新年号掲載) |
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