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新製品紹介

●土留め工の設計 Ver.5 設計要領第二集 平成12年1月 日本道路公団 11章
「6.二重締切りの設計」に準ずるプログラム

 「土留め工の設計 Ver.5」では、控え杭タイロッド式土留めの統合、土木学会2006年制定トンネル標準示方書開削工法・同解説の対応、有限長の上載荷重の対応、鋼製支保工材質SM490の対応などを行いました。

●控え杭タイロッド式土留めの統合
「控え杭タイロッド式土留めの設計計算」の全ての計算機能を継承した上で、図面作成、並びに数量計算書作成、土留め工の設計がサポートする基準類への対応を行いました。これによって、本製品がサポートする支保工形式は、(1)自立式 (2)切梁式 (3)アンカー式 (4)切梁+アンカー併用式 (5)控え杭タイロッド式の5タイプになりました。
なお、タイロッド式の設計は、慣用法であり、弾塑性法は行いません。

1.図面作成、並びに、数量計算書作成
 平面形状は「直線」の扱いになります。平面図1枚、側面図1枚、数量表、設計条件表を添付した図面を作成します。土留め壁の種類は、親杭横矢板壁、鋼矢板、鋼管矢板、SMW壁、控え杭の種類は、鋼矢板壁、鋼管矢板壁、H鋼杭、鋼管杭になります。数量計算内訳書の印刷ができ、副部材の数量算出方法では、「積算基準マニュアル対応」または「部材ごとに個数・質量などを算出」から選択できます。また、図面作成において、生成した図面の「UC-Draw」への連動に対応しました(本機能は、UC-Draw Ver.4.14以降がインストールされている場合に有効となります)。

▲図1 メイン画面(控え杭タイロッド式)

▲図2 図面生成画面(控え杭タイロッド)

2.基準対応
「控え杭タイロッド式土留めの設計計算」では、仮設指針、土木学会H8年、道路公団H12年の3基準だけでしたが、土留め工の設計がサポートする全ての基準で検討できるようになりました。しかしながら、控え杭タイロッド式土留めの場合、仮設指針では、断面力算定用土圧を使用せず、根入れ長用土圧で断面力を求めることが記載されています。本製品では、断面力算定用土圧では全基準で対応していますが、根入れ長用土圧での設計ということになりますと、表1に示すように、対応基準が限定されていますのでご注意下さい。

▼表1 基準別断面力計算対応状況
基準名 根入れ長用土圧 断面力算定用土圧
仮設指針(H11)、首都高速(H15)、設計要領第二集(H18)、土木学会(H8)、道路公団(H12)
土木学会(H18)、鉄道標準(H13)、建築学会(H14)下水道事業団(H4)、建築学会(S63)、首都高速(H2) ×


3.控え杭タイロッド式土留めについて
 本製品の最大の特徴は、必要設置距離を瞬時に計算し、その結果を基に、控え杭の設置位置(図3)を設計者の判断で決定できることと、例えば、施工現場の制約などで、必要設置距離を満足できない場合の検討ができることが挙げられます。必要距離を満足できない場合は、控え杭の仮想地盤面(図4参照、主働崩壊面と受働崩壊面の交点)が低くなり、結果的に、控え杭は突出杭としての設計計算になります。タイロッドにつきましては、傾斜を考慮することもできます。

▲図3 控え杭の設置位置

▲図4 控え杭用仮想地盤面


●土木学会H18年対応
 主な対応項目として、慣用法根入れ長用土圧の対応、土留め壁の支持力の対応が挙げられます。

1.慣用法根入れ長用土圧の対応
 根入れ長用土圧に関する平成8年との相違点は、表2に示すように、主働側ランキン土圧において、砂質土の最小主働土圧係数KA≧0.25規定が控除、有効土被り圧で水以下は「間隙水圧を差し引く」に変更、主働土圧はランキン、受働土圧はクーロン土圧に変更が挙げられます。

▼表2 土木学会H18年とH8年の相違点
項目 土木学会H18年 土木学会H8年
土被り圧 算式
砂質土 土水圧分離 土水圧分離
粘性土 土水圧一体(pw=0) 土水圧一体
主働土圧 砂質土 ランキン ランキン Ka≧0.25
粘性土 ランキン
※φ≦5度の範囲で内部摩擦考慮可
※Pa≧0.3γh
ランキン
※φ≦5度の範囲で内部摩擦考慮可
※Pa≧0.3γh
受働土圧 砂質土 クーロン(δ=φ/2) クーロン(δ=φ/2)
粘性土 クーロン(δ=φ/2)
※φ≦5度の範囲で内部摩擦考慮可
ランキン
※φ≦5度の範囲で内部摩擦考慮可

2.土留め壁の支持力対応
 土留め壁の支持力計算につきましては、H鋼杭、鋼矢板壁、鋼管矢板壁で先端処理を打撃方式による場合は「打込み杭」、H鋼杭、地下連続壁、鋼管矢板壁で先端処理をセメントミルク噴射撹拌方式による場合は「場所打ち杭」に対応しました。


●有限長の上載荷重対応
 本プログラムでは、側圧以外に、半無限長の地表面載荷荷重(通常の上載荷重)、土留め壁に直接作用する鉛直荷重、列車荷重(鉄道標準の場合)、そして、今回用意した、有限長の上載荷重(下図参照)に対応しています。
 有限長上載荷重の扱いとして、載荷高さを地表面だけでなく、地表面よりも深い位置に指定できる、土留め壁に作用させる際に、土圧係数を考慮して載荷する場合と入力した荷重強度を直接載荷させる場合を指定できる、断面力算定用土圧に考慮するか否かを指定できる、など計算スイッチを設け、設計者の判断を考慮できるようにしました。


●鋼材種類SM490の許容応力度対応
 本製品では、[考え方-照査項目]に材質の選択肢を設けています。ただし、以下の場合はご注意下さい。
1.適用基準が「建築学会(昭和63年)」「建築学会(平成14年)」の場合
 切ばり支保工で適用基準が「建築学会(昭和63年)」「建築学会(平成14年)」については、基準にSM490の記載がないので選択できません。切ばり+アンカー併用工法の場合、選択は有効で、アンカー支保工に反映できますが、切ばり支保工の計算時には全く関係ありません。鋼材種類SM490の対応を支保工形式別に整理すると表3の通りです。

▼表3 支保工形式別対応表
支保工形式 建築学会以外 建築学会
切ばり支保工、併用工法 ×
アンカー(腹起し)、タイロッド(腹起し)

2.各基準別対応状況
 各種基準類への対応は表4の通りです。鉄道標準につきましては、同基準のP.187解説表4.3.2-2の上限値にのみ対応し、許容応力度の低減は行なっておりませんのでご注意下さい。

▼表4 基準別対応表
基準名 SS400 SM490
仮設指針(H11)
土木学会(H18)、首都高速(H15)、設計要領第二集(H18)下水道事業団(H4)、土木学会(H8)、首都高速(H2)道路公団(H12) 仮設指針準拠
鉄道標準(H13) 上限値に対応(低減無視)
建築学会(H14)、建築学会(S63) ×


●親杭横矢板関連の改善内容
1. 土留め板厚を設計者が決定(入力)できるようにしました。決定した板厚で、図面作成、数量計算ができます。
2. 親杭平面配置方法を見直すと同時に、図面作成の[土留め壁-親杭配置]画面(図4)で、配置間隔を任意に設定できるように改善しました。例えば、掘削幅3.0m、親杭間隔1.5mの場合に、親杭の平面配置が、Ver.4では、図5左のように中央が1.5m間隔、両端にその半分の間隔で計4本の親杭が配置されるという不自然な状態になっていましたが、Ver.5では、図5右にように、3本の親杭で1.5m間隔の均等配置になりました(設計計算には関係ありません)。

▲図4 親杭配置画面

 ▲図5 親杭平面配置図の改善(左はVer.4、右がVer.5)

以上、主だった改訂内容を紹介させて頂きました。今後も機能改善、機能追加を行い、よりよい製品開発に努力してまいりたいと考えております。


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2007年 9月 27日(木) 東京本社 東京コンファレンスセンター・品川
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   ●「土留め工のFEM解析活用事例」

    詳 細


■土留め工の設計 Ver.5 リリース日:2007年8月8日


(Up&Coming '07 秋の号掲載)
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