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震度算出(支承設計)Ver.6 複数振動系を有する橋梁の静的フレーム法による震度算出プログラム

  • 震度算出(支承設計)Ver.6」では主に、固有値解析、ラーメン橋脚のUC-win/FRAME(3D)データのエクスポート、UC-win/FRAME(3D) Ver.4データフォーマットでのエクスポートへの対応を行いました。
    これらの概要について紹介します。

●固有値解析への対応
  • 「震度算出(支承設計)」の固有周期算定方法は、道路橋示方書V耐震設計編にある1自由度振動系を前提とした簡易的な手法です。今回、厳密な固有値解析によって固有周期を求めることができます。道路橋示方書V耐震設計編(P.62)にも、固有値解析によって求めてもよいとされています。固有値解析の結果と比較することで、1自由度振動系とみなすことができない複雑な構造形式かどうかを判定する指標になります。
    固有値解析は剛性マトリクス[K]と質量マトリクス[M]より、以下の式を解いて固有振動数ωを求めます。
       |[K]−ω2[M]|=0
    固有値解析では以下のようになります。
    • 入力波形の有無や方向には無関係
    • 部材の非線形性は考慮されない
    • 部材の減衰定数は考慮されない
    • 各ランで支点条件が同じ場合は、すべてのランの固有値は同じ値となる
    動的解析では減衰マトリクスを作成するために、固有値解析を行って主要なモードを選択します。一般に、主要なモードは刺激係数または有効質量が大きいモードを採用します。「固有値解析結果」画面には、『累積有効質量比・有効質量比・有効質量・刺激係数』の4種類が表示され、積有効質量比を確認することで計算させたモード数が十分かどうかを容易に判断できます。
    すべてのモードについて有効質量を合計した値は構造物の節点質量の和と等しくなります。また、有効質量は刺激係数を2乗した値と一致します。
    刺激係数は、モデル全体の応答に対して第i次のモードがどれだけ寄与しているかを表しており、正負の値となります。本プログラムでは正規化された固有ベクトルを用いた刺激係数を算出しています。

    ▲固有値解析結果画面


●ラーメン橋脚のUC-win/FRAME(3D)データのエクスポートへの対応
  • 「震度算出(支承設計)」の従来版では、ラーメン橋脚を1本棒に換算した数値断面によるモデル化でしかエクスポートできませんでしたが、Ver.6では、アウトラインや断面等の諸情報を含めてラーメン形状のままエクスポートすることができるようになりました。
    なお、「ラーメン橋脚の設計計算」Ver8.00.00以降と連動したラーメン橋脚が対象であり、「震度算出(支承設計)」固有のラーメン橋脚は対象外となっています。
    ▲ラーメン橋脚柱基部の断面


●UC-win/FRAME(3D) Ver.4データフォーマットでのエクスポートへの対応
  •  主な変更内容は以下の通りです。
    1. 地震波形の最大加速度を正側にそろえることで、非対称な構造物でも厳しい結果が得られるようになった。
    2. UC-win/FRAME(3D) Ver.4で、NEXCO二集、海洋架橋、アラミド研がサポートされたため、ヒステリシスのコンクリートFRPオプションが適切に設定されるようになった。
    3. UC-win/FRAME(3D) Ver.4でNEXCO二集、海洋架橋、アラミド研がサポートされ、断面の曲げ計算用準拠基準が適切に設定されるようになった。
    4. UC-win/FRAME(3D) Ver.4で読込んだ際の警告メッセージがなくなった。
    5. 減衰定数に0が設定されている部材、ばね要素、支点のRayleigh減衰に関する係数α、βは0を設定するように変更(UC-win/FRAME(3D) Ver.4.00.01以降のバージョンで読み込み可能)。
    以上、プログラムの概略を紹介させて頂きました。今後も皆様からのご要望を取り入れて改良・改善を加えていきますので、どうぞご期待ください。
    ▲エクスポートイメージ
(Up&Coming '10 晩秋の号掲載)
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