Q. |
残留変位の照査のためには、フーチングの回転・移動を除いた変位を算出すべきではないか。 |
A. |
土木学会:橋の動的耐震設計では、それが含まれた変位を用いて残留変位の照査が行われており、これを参照し実際の応答変位をそのまま用いて照査することを推奨している。
残留変位時の照査には、最大応答変位と降伏変位が必要であるが、動的時には減衰の影響によって静的時の特性と異なるので、フーチングの影響を除いた変位を算出したとしても、保有耐力法の降伏変位を参照することにも問題があるため、現状では上記資料を参照している。
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Q. |
ねじり定数の扱いについて。非線形部材のねじり定数の評価は難しいが、3次元解析にはねじり定数が重要。 |
A. |
ねじり定数の非線形性については、モデル化が非常に難しい。
現在、九州大の大塚先生らがねじりの復元力モデルなどを開発されているが、まだ十分実用的ではない。UC-win/FRAME(3D)では、線形部材の場合のねじり定数には自動算出することができ、また、任意の定数(一定)を与えることが可能。
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Q. |
鉄筋座屈自体を自動的に評価することは可能か。 |
A. |
UC-win/FRAME(3D)の現在の構成則は、座屈開始ひずみを任意に与えるのみ。例えば、単調載荷時には座屈しないが、繰り返し時には座屈するなど、座屈を自動的に評価することはできない。また、座屈によるかぶりコンクリートの剥離などもモデル化していない。
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Q. |
ファイバー要素を使うと鉛直方向に軸力が生じることがあるがどうか?実際の現象はどうか?それを解消する方法は? |
A. |
UC-win/FRAME(3D)でも、鉛直方向への加速度の発生、そしてそれによる軸力の増減が生じることを確認している。
ただし、その発生のタイミングを見ると、曲率が反転する付近で生じるため、曲げが最大になる箇所で生じるものではないため、通常の照査にはあまり影響はないと考えられる。
また、この現象は元東京工業大学の堺先生らが指摘しており、時間刻みを小さくし、収束計算を行わないなどの方法でややこれが解消されることを提案しているが、あまり実用的とは言い難い。根本的な解決には、たとえばコンクリートの応力度ひずみ曲線において、応力が引張(=0)から圧縮に転じる(=接触)時に現在急激な剛性変化が生じるが、これをスムーズな接触になるようなモデルを採用することが考えられる。
COM3(Fiber)ではこれを採用することでスムースな収束を得ており、今後の開発でこの機能を追加するので、この問題を改めて検証したい。
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Q. |
横拘束筋はどのような入力方法か。 |
A. |
UC-win/FRAME(3D)では、道示Vに準じたコンクリートの応力度ひずみ曲線を使用しており、この体積比として横拘束筋の影響をモデル化する。従って、事前に横拘束筋量を算定しておき、それを入力する。
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Q. |
ファイバー要素の部材長に関する注意点は? |
A. |
応力度ひずみ曲線を用いる材料非線形解析では負の剛性を持つ。従って、ファイバー要素では部材の断面剛性が負に転じ ると、その断面だけで変形が進行する『局所化』が発生し、変形がある区間に集中(=局所化)する。逆に塑性ヒンジ(=曲率が集中する区間)のモデル化を行う場合は、道示Vなどの塑性ヒンジ長Lpを参考に部材長を決めるとよい。UC-win/FRAME(3D)では部材両端に断面を持つため、塑性ヒンジをモデル化する場合、ファイバー要素は塑性ヒンジ長の2倍程度とするのが目安。
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Q. |
コンクリートのひずみ損傷基準による損傷図に用いるひずみについて。 |
A. |
断面内の各セルに生じた最大ひずみをもとに色分け表示をする。コンクリートは圧縮ひずみにより、2段階に色分けができる。その基準となるひずみは、任意に設定可能。
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Q. |
列車の連行荷重が可能か? |
A. |
FRAME(2D)、FRAME(面内)にはトラック類を想定した連行荷重の設定があるが、車輪数の制限はないので、これを用いれば連行荷重の設定は可能。ただし、自重による鉛直荷重のみを想定。
12月リリース予定のUC-win/FRAME(3D)にはこれを実装する。 |