Build Live Tokyo 2010 参加報告
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イベント概要
●日時 : 2010年 10月 13日〜15日 ●主催 : 日本IAI |
(Up&Coming 2010年11月号) |
■48時間のBIMイベント
Build Live Tokyo 2010は、10月 13日〜15日にかけて開催された、BIM連携・3次元モデリングをテーマとする建築デザインのコンペティションです。参加チームは、主催者である日本IAIから提供された敷地データをもとに、48時間以内に建築モデルを完成させて、プレゼンテーションを行うことが課せられます。また、建築物の企画・デザインに加え、BIMの手法によって構造・設備設計や、その他のシミュレーションを使いこなす技術も求められます。
フォーラムエイトは、スペシャルアドバイザーとしてWorld16メンバーでもあるアリゾナ州立大学の小林佳弘氏を迎え、計13名の「チームF8W16」として参加しました。
■計画コンセプトとBIM連携テーマ
提供された敷地データは、八王子みなみの駅周辺に実際に存在する、緑に囲まれた土地。ここに、展示施設やホールなどを含む、メディア芸術センターを建設するというテーマが与えられました。
チームF8W16は、豊かな自然の周辺環境と融和する、エコロジカルな設計をテーマとした計画コンセプトを作成しました。敷地内に道路を引き込み、さらに建物の外側に回遊できる空中歩廊を設け、人々が自然と集まるような計画です。動線をぬうように展示、レストランの機能を配置し、その上に周辺の景観と融和する自然な形状の大屋根をかけ、自然と一体的な空間とすることを目指しました。
また、BIM連携のテーマとしては、FORUM8ソリューションを用いて合意形成のプロセスを経た計画と表現を行い、実務での活用を前提とした4D(施工)、5D(コスト)シミュレーションを表現することを掲げました(図1)。
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▲図1 BIM連携図 |
■BIMとVRの連携
弊社では「BIM&VR」として、BIMとVRを連携させるソリューションを展開していますが、このBuild
Live Tokyo 2010でも同様の連携を行いました。AllplanとUC-win/Roadを核として、構造解析、群集解析、交通解析、騒音解析、エネルギー解析、点群モデリング、2Dレンダリング、3D模型出力など、さまざまな連携を行っています。BIM連携の中にVRを位置付けることにより、さまざまな検証を可視化して行えるVRのメリットがより強まっています。
今回、特に注目を浴びた点としては、弊社サービスの「UC-win/Road for SaaS」を使用してのVRデータ公開が挙げられます。これは、VRで可視化された計画プロセスを随時オンライン公開することで、誰でもリアルタイムでVR空間を共有し、計画プロセスの検討に参加できるようにしたものです(図2)。
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▲図2 SaaSによる計画プロセスのVRデータ公開 |
■VRによる検討
まず、3Dレーザスキャナで隣地を点群計測し、VR空間内のモデルに配置して敷地周辺環境をを表現しました。点群計測による再現性には、イベント開催中弊社を取材したイエイリ・ラボの家入龍太氏も驚きだったようです。このように、UC-win/Road
Ver.5で作成したVR空間に、Allplanで作成したモデルを配置して、以下のようなさまざまな検討・可視化を行いました。
■学生BIM&VRコンテスト開催へ
フォーラムエイトでは来年、学生を対象としたBIM&VRデザインコンテストを開催する予定です。ここで紹介したようなBIMとVR活用の観点から、フォーラムエイトのソフトウェア・ソリューションを2種類以上使用して設計・デザインされたものを対象とし、広く作品を募集します。応募作品の中からBIM&VRの優れた活用技術やアイデアが生まれてくることを期待しています。
■BIMとVRの連携における計画の検討と可視化
モデルスタディ |
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橋脚配置 |
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点群計測 |
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▲検討ボリューム段階の
モデルを配置、確認 |
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▲橋脚の設計から3dsをインポート |
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▲隣地の点群を計測してモデルに配置 |
駐車場位置検討 |
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車両軌跡検討 |
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土留め工 |
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▲敷地中央、
敷地東側からの駐車場入口を検討 |
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▲車両軌跡作図からxmlをインポートし
可視化 |
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▲建物地下部分で
土留め工の設計で計算書作成 |
植栽検討 |
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騒音解析 |
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EXODUSによる群集解析 |
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▲樹種、高さを配置、検討 |
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▲交通量の増加を想定した
線道路の騒音解析 |
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▲解析の結果からエレベータを移動し
動線を確保 |
橋脚配置 |
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エネルギー解析 |
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交通解析 |
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▲「UC-win/FRAME(3D)」を用い
回廊の耐震検討 |
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▲ガラス張りCO2排出量検討により
サッシ種類確定 |
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▲現地状態をモデル化し
信号現示を最適化 |
最終データ 1 |
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最終データ 2 |
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3D模型 |
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▲さまざまな検討と修正を経た
最終モデル |
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▲さまざまな検討と修正を経た
最終モデル |
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▲Allplanから書き出した
3dsモデルを出力 |
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