Q.
5分でわかる入力から出力までの操作手順は?
A.
(1)単純梁の例
単純梁を例にとって、5分の動画を用意しました。下記リンクを再生してください。ただし、音声はありません。
VIDEO
内容は以下のとおりです。
・モデルは、単純梁
・荷重は、台形分布荷重
・断面は、A,I,Jを直接入力する数値断面
・流れは、入力→計算→結果画面→レポート出力
(2) レポート出力の例(ケース載荷)
本プログラムの基本となるレポート作成方法は、各結果画面からレポートへ順次追加するという操作です。
この他に、出力リストを自動生成するボタンがあります。この操作手順を2分の動画で用意しました。下記リンクを再生してください。ただし、音声はありません。
VIDEO
内容
・(1)の単純梁の結果出力リストを自動整正
・面内成分のみを指定
・面外成分を除外
■古いバージョンの動画(Ver 5)
(1) 単純梁の例
VIDEO
(2) レポート出力の例(ケース載荷)
VIDEO
Q1−1.
カラーで印刷したい
A1−1.
システムオプションの「カラー設定」で変更できます。
(Ver 5.1.1以前の場合)
(Ver 6.0.0以降 の場合)
Q1−2.
たとえば、橋台背面土の地盤ばねのように、地盤と構造物が接触する場合に地盤が抵抗し、離れる場合に地盤て抵抗しないような設定は可能か?
あるいは圧縮だけに抵抗するばね構造のモデル化方法は?
A1−2.
ばね要素をご利用いただくと設定可能です。ばね要素の作成方法は、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|目的別ガイド|ばね要素の作り方」
を御覧ください。
弊社ホームページにEngineer'sStudioのサポートトピックス「非線形ばね要素の符号ミスを防止するには」(http://www.forum8.co.jp/topic/up118-support-topics-ES.htm )において注意点が解説されていますのでご一読ください。
Q1−3.
アウトライン要素の「接続点」とは?
A1−3.
ヘルプの
モデル特性|アウトライン詳細
のアウトラインビューをご覧下さい。
アウトライン要素の接続点は、上記に示すように、図形をドラッグするときに吸着する点に指定することができます。
アウトライン要素は重ねることができます。アウトライン要素どうしは、重ねても面積や断面二次モーメントは二重に計上されません。複数のアウトラインが配置されていると、それら全体の外形(輪郭)だけが認識されます。断面を作成するときには図形どうしの重なりが考慮されます。
したがって、任意形状の断面を作成する方法は、アウトラインエディタにおいて、
既存のアウトライン要素を重ねる、控除して中空にする
アウトラインの直接入力を用い、座標で外形をつくる
が考えられます。前者には、
・矩形 (小判形状は矩形で作成します)
・円
・I-T 桁
・上部構造
・多主版桁
・台形
・任意台形
・楕円
・任意四角形
・任意T桁
があります。後者は、アウトラインエディタ内の
・直接入力
を呼び出します。
Q1−4.
ひび割れひずみを確認したい
A1−4.
ひび割れひずみは、全ステップ、全レイヤで保存されています。下図に示す「ランの結果|ひび割れひずみ」で確認できます。直交かせん断を指定し、ステップを進め、レイヤを指定するとテーブルにひずみが表示されます。
E1-54-1-ひび割れ1
と表示されている意味は、
[平板要素名]-[プリミティブ番号]-[ガウス点番号]-[ひび割れ番号]
です。ただし、図にはガウス点番号やひび割れ番号を表示していないので、図をみながら対照する作業が伴います。
Q1−5.
平板要素に地盤ばねを配置する方法は?
A1−5.
弊社ホームページのUp&Comingサポートトピックス / Engineer’s Studio(R)
に、平板要素に地盤ばねを配置する手順が解説されています。これを参考にしてみてください。
「平板要素に地盤ばねを配置するには」
http://www.forum8.co.jp/topic/up94-support-topics-ES.htm
ヘルプの解説は、
「Engineer's Studio Help|リボン|モデル|地盤ばね」
です。サンプルデータは「3DBox-GroundSpring.es」です。
特に、「平板要素地盤ばね生成」画面におけるばね要素の方向の設定が重要です。
それが正方向の場合は、平板要素のzl軸と同じ向きを意味します。ばね要素のxl軸が平板要素のzl軸と一致します。地盤側を表す固定支点が平板要素のzl軸の正方向に配置されます。
負方向は、平板要素のzl軸と反対向きを意味します。ばね要素のxl軸が平板要素のzl軸と反対になります。地盤側を表す固定支点が平板要素のzl軸の負方向に配置されます。
つまり、ばね要素のxl軸が平板要素のzl軸と一致します。
たとえば全体X-Z平面内に平板要素があるときは、平板要素のzl軸は全体Y軸方向になっています。このとき、ばね要素のxl軸は全体Y軸方向です。ばね要素のyl軸は全体X-Z平面内のどこかの向きでなければなりません。しかし、ばね要素yl軸を全体Yに向けることができません。したがって、地盤ばねを自動生成するときにばね要素のyl軸を全体Y軸(デフォルト)だとエラーになります。任意設定を指定して、Vx、Vy、Vzに値を入れて、全体X-Z平面内のどこかの向きを指定してください。たとえば、Vx=1、Vy=0、Vz=0とすると、ばね要素のyl軸が全体X軸方向に向くので、エラーになりません。
Q1−6.
3次元のコンクリート部材の弾塑性解析は可能?
A1−6.
3次元のコンクリート部材の弾塑性解析を平板要素でモデル化してよい場合は可能と言えます。
平板要素のコンクリートの非線形性を考慮するためには、「前川コンクリート構成則オプション」が必要です。
「モデル特性」の「解析設定」で材料特性を「非線形」と設定して解析します。
ソリッド要素(立体要素)は未対応なので、ソリッド要素でモデル化する必要のある構造はモデル化できません。
Q1−7.
入力画面、結果画面、レポート出力の数字の有効桁数を変更するには?
A1−7.
入力画面、結果画面、レポート出力の数字の有効桁数はシステムオプションの入出力フォーマットで変更ができます。
Engineer’s Studioのメイン画面の「ES」アイコンから「システムオプション」を実行して呼び出される画面「入出力フォーマット」をご確認下さい。
ヘルプの
「基本操作|システムオプション|入出力フォーマット」
「基本操作|システムオプション|入出力フォーマット一覧」
もあわせてご参照ください。
Q1−8.
アウトラインエディタの接続点タブにある「Default origin」とは何か?
Default Originの位置を変更することはできるか?
A1−8.
Default originは図形を作成するときの起点なので常に図心とはいえません。
多くの場合は図心と一致すると考えられます。
ヘルプの
「ナビ|モデル特性|アウトライン要素エディタ」
に記載しておりますように、デフォルトで表示されている接続点は、表示/非表示の変更はできますが、座標や名称の修正や、削除はできません。追加ボタン「+」を押して新しい接続点を作成してください。
Q1−9.
平板要素とフレーム要素が混在するモデルで収束しない
A1−9.
平板要素とフレーム要素が混在するモデルで計算が収束しない場合は、柱の部材軸回りが回転する状況になっていないかを確認してみてください。
弊社ホームページのUp&Comingサポートトピックス / Engineer’s Studio(R)に、関連する解説がありますので、参考までにご覧下さい。
平板要素とフレーム要素の混在モデルで計算エラーを解決する方法
http://www.forum8.co.jp/topic/up90-support-topics-ES.htm
Q1−10.
「Engineer's Studio」と「UC-win/WCOMD」との違いは?
A1−10.
Engineer’s Studioでは、UC-win/WCOMDのRC要素を厚さ方向へ多層に拡張して平板の面内変形だけでなく、面外変形の非線形挙動も可能になったと言えます。このため、UC-win/WCOMDではモデル化できないドーム型などの3次元モデルを解析できます。
一方、Engineer’s Studioでは、UC-win/WCOMDにある土の構成則(大崎モデル)、RCジョイント(柱と底版の間に設ける境界要素)、ユニバーサルジョイント(土と構造物との間に設ける境界要素)にまだ対応していません。また、UC-win/WCOMDで表示しているガウス点主応力、鉄筋の降伏応力の数値を結果画面やレポートに出力していません。これらについては、対応時期を明確にできませんが、今後対応する予定です。
Q1−11.
震度算出(支承設計)の固有周期算出とEngineer's Studioの固有値解析の違いは?特に減衰定数の有無による違いがあるか?
A1−11.
震度算出(支承設計)の固有周期算出は、H24道路橋示方書V耐震設計編p.70の図-解6.2.4に示されるフローに従って算出されます。このフローには減衰定数は考えていません。
Engineer's Studioの固有値解析は、H24道路橋示方書V耐震設計編p.69の解説文に示される「多自由度系としてモデル化した解析モデルに対して別途固有値解析を行なって固有周期を求める場合」に相当します。この場合も、固有周期を求めるだけであれば減衰定数の入力は不要です。各要素に与える減衰定数が必要な場合とは、Rayleigh減衰のαとβを決定するときです。
震度算出(支承設計)の計算方法とEngineer's Studioの固有値解析の結果は、構造物の揺れ方が1自由度振動系とみなせる場合には、ほぼ同じになります(計算手法の違いによる差は生じます)。
どちらの場合も減衰定数は固有値とは関係がないので、震度算出(支承設計)とEngineer's Studioの固有値解析の結果が同じになるためには、部材の剛性、質量モデル、支点条件、節点の数が同じであることが条件になります。
Q1−12.
道路橋示方書耐震設計編の地震波をインポートする方法は?
A1−12.
製品をインストールしたフォルダに、「es」という拡張子の地震波ファイルがあります。この波形は、道路橋設計用波形として地盤種別毎に3波形をまとめたものです。まとめる際に、3波形の最大振幅が正側にくるように調整しています。
地震波ファイルは、下記フォルダにインストールされています。
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio
X.X.X\Samples\Waves\\Samples\BridgeDesign-H08
「日本道路協会:道路橋の耐震設計に関する資料平成9年3月、時刻歴標準入力例」に示されている地震波を元に作成しています。
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio
X.X.X\Samples\Waves\\Samples\Samples\BridgeDesign-H24
「日本道路協会:道路橋示方書耐震設計編平成24年3月」に記載されている地震波を元に作成しています。
Engineer's Studioのメイン画面左上のアプリケーションメニューからインポートを選択し、ファイルの種類に”Engineer’s Studio ファイル形式(*.es)”を選択してインポートしてくださ
い。操作手順は、下図のとおりです。
Q1−13.
フレーム要素の分割のように、一度作成した平板要素を複数の平板要素に分割したい
A1−13.
プリミティブの境界で分割する場合は、以下の方法で簡単に行えます。
ナビゲーションパネルの
入力|節点と要素|平板要素
から、分割したい平板要素を選択しコピー(自動複製)します。
コピー元の平板要素と、コピーした平板要素のそれぞれで編集ウィンドウを開き、プリミティブの削除を行います。
たとえば、画面からみて左右に分割する場合、コピー元の平板要素では左側のプリミティブを削除し、コピーした平板要素では右側のプリミティブを削除します。(逆でも可能です)
これにより、平板要素を2つに分割することができます。
Q1−14.
アンドゥ、リドゥの機能は?
A1−14.
a) アンドゥ は、元に戻す機能です。回数に上限はありません。
b) リドゥは、アンドゥしたものを元に戻す機能です。回数に上限はありません。
c) アンドゥの履歴はリスト形式で確認できます。
d) 履歴リストの中をダブルクリックするとその時点の状態になります。
e) ファイルに保存すると履歴は消えます。
Q1−15.
Engineer's Studioは、64ビットCPUに対応しているか?
A1−15.
Engineer's Studioの入出力画面(プリ処理、ポスト処理)部分は、32bitアプリケーションですので、64bit版 WindowsではOSが標準で対応している32bitエミュレート機能で動作します。 解析エンジン(ソルバー)は、64bitと32bitのどちらかを選択できます。
Q1−16.
フレーム要素のi端とj端に異なる断面を割当てて変断面部材としたが、断面照査は可能か?
A1−16.
i端とj端に異なる断面を割り当てた場合、プログラム内部では、その部材の断面積や断面二次モーメントはi端とj端での数値を平均し、部材で1個の断面積や断面二次モーメントとなります。そのため、解析上は、等断面部材として処理されています。
変断面部材の場合にi端とj端の内側の断面形状と配筋状態をプログラムが自動的に推定できないため、部材の中間断面を照査するには、i端とj端が同じ断面でなければなりません。
変断面部材の部材中央に着目点を配置し、部材中央位置の断面(形状、配筋が平均的な断面)を作成して、それをi端側とj端側の両方に割り当ててください。
Q1−17.
平板要素の死荷重は自動的に生成されるか?
A1−17.
平板要素の死荷重もフレーム要素と同様に、自動的に生成されます。
生成された死荷重は、「死荷重 (St.) 」という基本荷重ケースに含まれます。自動生成される死荷重だけでは不足する場合、新しく基本荷重ケースを作成して荷重値を与えることになります。そして、組合せ荷重ケースを1つ作成し、「死荷重(St.) 」と基本荷重ケースを含めます。
Q1−18.
平板要素のモデルの辺を固定に設定するには?
A1−18.
辺上に並んでいる複数の節点に対して固定の支点を設置することになります。
サンプルデータ「Plate_Outplane_Linear.esx」が4辺固定の設定になっていますので御覧ください。回転自由(ピン)にするには、支点の設定で「θxl=θyl=θzl=自由」とすることになります。
サンプルデータは標準のインストール状態では、下記場所にあります。
32bit版:C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio xxx\Samples
64bit版:C:\Program Files\FORUM 8\Engineers Studio xxx\Samples
※xxxはお使いのバージョンに読み替えてください。
Q1−19.
エクセルデータをコピーして、節点エディターに貼り付ける方法は?
A1−19.
クリップボードを経由してExcel等表計算ソフトなどからコピーすることや貼り付けることができます。
以下の手順でお試しください。
1.表計算ソフト上でコピーする範囲を選択し、コピーする
2.「Engineer’s Studio」で貼付け先となる欄をクリックして選択状態にする
3.Ctrlキーを押しながらVキーを押す
※1.でコピーしたデータが「Engineer’sStudio」に貼り付けられます。
Engineer’s Studioヘルプの
「画面まわりの基本|表エディタの機能」
をご一読ください。
Q1−20.
入力した荷重値を出力する方法は?
A1−20.
添付図に示す場所の設定を行うと出力が得られますのでお試しください。
Q1−21.
両端固定の水平梁に鉛直荷重を載荷する解析を幾何学的非線形で行うと、支点には鉛直反力だけでなく、水平反力が発生する理由?
A1−21.
両端固定の水平梁に死荷重が単調増加で載荷されたときを考えると、死荷重が増えていくに従い、部材には引張軸力が生じて、それによる部材の抵抗が生じ、鉛直方向の変位が抑制されます。部材に軸力が生じるので、それによる水平反力が生じます。荷重は死荷重という鉛直方向だけなのに、水平反力が生じるという現象がみられます。これは、微小変位理論ではみられない現象です。微小変位理論では、部材軸方向の荷重を載荷しない限り、軸力は生じませんし、それによる水平反力もみられません。
このように、幾何学的非線形を考慮すると、微小変位理論ではみられない結果が得られます。現実の挙動に近くなると言えます。
Q1−22.
平板要素に分布ばねを与える方法は?
A1−22.
平板要素にはフレーム要素のように分布ばねを直接与えることができません。そのため、多数のばね要素を配置することになります。
Q1−5.平板要素に地盤ばねを配置する方法は?
をご参照ください。
Q1−23.
橋梁の全体系モデルを解析したが、計算結果がおかしい。
たとえば、支承を表すばね要素に発生した力が異常に大きいなど。
A1−23.
モデル内にある部材剛性の大小差が著しく大きい状態になっていないかどうか確認してください。たとえば、断面二次モーメントやねじり定数の値が、
Izp ・・・マイナス6乗〜プラス4乗、10桁という大差
Iyp ・・・マイナス7乗〜プラス4乗、11桁という大差
J ・・・マイナス8乗〜プラス4乗、12桁という大差
のようになっていないでしょうか。このように大小差が大きいと桁落ちや丸め誤差といった数値計算誤差が生じて、信頼できる解を得ていない可能性があります。
よくみられるのは、剛域を表すために数値断面を利用して断面定数(A、Izp、Iyp、J)を大きくしている場合です。
数値計算誤差が発生しているかどうかを確認する目的のために、それらの断面定数の値を現在よりも小さくしてみてください。
たとえば、A、Izp、Iyp、Jの各数値をモデル内の平均的な数値よりも100倍程度に変更することが考えられます。詳細は、ヘルプ
「目的別ガイド|剛域をモデル化するには|<数値断面>」
を御覧ください。
また、モデル内にL形鋼やH形鋼などの小さな面積の鋼部材と10乗のオーダーを持つばね要素が混在していると全体剛性マトリクス内の大小差が著しく開いて数値計算誤差による精度低下の可能性が考えられます。ばね特性で固定を表す線形ばねのオーダー(例:10乗)を、9乗、8乗、7乗、6乗、...と変化させてみてください。モデルによっては、10乗のオーダーが桁落ちや丸め誤差といった数値計算誤差を生じさせている場合があります。
数値計算の観点から理想的な状態は、モデル内の全部材の長さが同じで全部材の断面定数が同じ状態です。
現実の構造物が全てそのような理想的な解析モデルにはなりませんが、数値計算誤差の疑いがある場合には、上述のように、断面定数やばね特性のオーダーの比較検討を行う必要があります。
Q1−24.
ばね要素の要素座標系を全体座標系とは異なる向きに設定できるか?
A1−24.
ばね要素の要素座標系は自由な向きに設定できます。下図は角度で指定する例です。
Q1−25.
非線形単調増加解析を行うときの最低ステップ数は?
A1−25.
非線形の計算では、載荷する荷重幅が大きすぎると収束しないことがあります。
シーケンス荷重の設定で、「荷重割増=0.1、適用回数=10回」(10ステップの解析)をスタートとすればよいと考えます。この意味は、選択された荷重ケースの各荷重値を0.1倍に分割したものを10回載荷する解析になります。0.1
* 10 = 1.0となので、10ステップ目で選択された荷重ケースの大きさになります。
収束状況を見ながら、その後、100ステップ解析、1000ステップ解析と精度を高めていくとよいでしょう。
「荷重割増=0.1、適用回数=10回」(10ステップの解析)
「荷重割増=0.01、適用回数=100回」(100ステップの解析)
「荷重割増=0.001、適用回数=1000回」(1000ステップの解析)
Q1−26.
3次元CADファイルから平板要素を作成するには
A1−26.
■概要
DXF/DWG形式の3次元CADファイルをインポートして平板要素モデルを簡単に作成することができます。
このためには、CAD側で作成する図形をポリフェイスメッシュ(PolyfaceMesh)または3D面
(3DFace)としておく必要があります。その他の図形には対応していませんのでご注意ください。
インポートすると、節点とフレーム要素が作成されます。その他にアウトラインと座標系が多数作成されます。この段階ではまだ平板要素はまだ作成されません。
自動生成されたアウトラインと座標系を使って、平板要素を構築します。Ver
3.1.1以降では、平板要素モデルを作成するコマンド「アウトライン形状」に連続実行ボタンがあり、このボタンを押すとアウトライン名称と同名の座標系をプログラムが自動的に検索し、その組合せで平板要素を連続して作成します。
■操作手順
1. 3次元CADファイル(DXF/DWG形式)を用意します。CADデータは、図形をポリフェイスメッシュ(PolyfaceMesh)または3D面
(3DFace)で作成しておきます。
※このファイルをダウンロードするにはこちらをクリックしてください。
2. Engineer's Studioを起動して、アプリケーションメニュー「システム
オプション|DWG/DXFオプション」において、単位を選択します。CADデータの実寸がメートル(m)で作成されている場合は、それと同じ単位「メートル(m)」を指定します。ミリ(mm)で作成されている場合は(mm)を指定します。図はメートルの場合です。
3. 空のモデルを作成するために、新規作成を行います。
4. アプリケーションメニュー「インポート」をクリックし、インポート画面で「Autodesk CADファイル形式」を選択してファイルを選択します。
5. 貼り付けオプション画面では、特に何もせずにOKボタンを押します。
6. (確認)節点とフレーム要素が自動的に作成されます。
7. (確認)アウトラインが自動的に作成されます。
8. (確認)座標系が自動的に作成されます。「ナビゲーション|表示設定」で座標系のみを表示し、その他を非表示にすると座標系がモデル空間に表示されます。各座標系のzlが平板要素の法線方向になります。
9. ナビゲーション「モデル特性|平板断面」で平板断面を作成します。
10. リボン「モデル|追加|平板|アウトライン形状」をクリックして呼び出します。
11. 呼び出されたアウトライン形状画面で各種設定を行います。このとき、入力平面の設定は「X-Y」を指定します。その後、「実行」ボタンを押します。
12. (確認)進捗状況のバーが表示されて、次々と平板要素が作成されます。途中で中止することも可能です。また、プログラムが作成している途中で、3Dモデルのズームや回転なども可能です。この場合は、連続実行が一時的に中断されます。再開するには、3Dモデル内を右クリックします。
13. 最後に、フレーム要素を削除して完了です。図のように、選択フィルタでフレーム要素だけ指定し、範囲選択した後で削除ボタンを押します。
■留意事項
(a) 平板要素は、インポート後のアウトラインと座標系の組合せで作成されます。フレーム要素が作成される理由は、フレーム要素に対して分割を行い、意図する間隔で節点を増やすためです。既存の節点を増やしておくことで平板要素の自動生成による意図しない節点の増加を抑制する目的があります。この意味では、フレーム要素はダミーと言えます。フレーム要素に対して分割を行わない場合はフレーム要素は不要ですので、最初から削除していても問題ありません。
(b) 3次元CADファイル(DXF/DWG形式)の中で保存されている数値の精度が悪い場合があります。たとえば、直線上に並んでいる線分であっても精度が悪く、Engineer'sStudioの中では直線上として認識されない場合や、ある平面が定義されていても精度が悪く、Engineer'sStudioの中では平面として認識されない等が発生します。この場合は、局所的に平板要素が作成されない、座標値がわずかに異なる節点が配置される、フレーム要素上の節点が平板要素上の節点と共有されていない、などのモデルが作成されます。節点の接続関係や平板要素のチェックは必要です。
(c) 3次元CADで図形を作成するときに、線分の始端と終端の座標値や、平面図形の開始点と終了点の座標値をCAD側の座標系で1mmの単位で丸めておくことを推奨します。それらの座標値が0.1mm以下の端数を持っていると、Engineer'sStudioでインポートした後に節点が共有されていないなどの要因になることがあります。
(d)CADデータの3次元座標系XYZの向きとEngineer'sStudioの3次元座標系XYZの向きが異なる場合は、座標系を作成します。たとえば、CADデータの鉛直上向きが全体Z軸で描かれている場合、Engineer'sStudioとは異なるので座標変換が必要です。下図の例では、全体X軸を回転軸とし、その回転角度を270度とする座標系1を作成した様子です。この準備は、上記手順の3番の後に行います。
その後、貼り付けオプション画面(上記5番)では、「座標系で配置」を選択し、元データ座標系(この場合CADデータの座標系を意味します)として事前に用意した座標系1を指定します。
Q1−27.
断面と連動したM−φ要素の設定手順は?
A1−27.
一例として、製品に添付されている「RCPier-H24DosiVp122-MyPhiy.es」の設定例をご案内します。
この手順は、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|目的別ガイド|M−φ要素、曲率照査の設定を行うには」
に示される順番と同じです。
1.断面照査用詳細入力を作成します。
2.断面の指定および「終局強度法-曲げ」に分類される示方書条項を選びます。
3.照査用詳細入力プロパティで、断面全体に対する設定を行います。ここで、終局ひずみ発生位置はここで指定します。
4.鉄筋の許容ひずみを算出するために必要な入力を行います。
5.各断面要素に対する設定を行います。コンクリート要素をクリックして、コンクリートの応力ひずみ曲線に関する指定を行います。
6.鉄筋要素をクリックして、塑性ヒンジ長Lpが算出されていることを確認します。
7.断面照査用荷重定義を作成します。
8.M−φ特性サムネイルを呼び出します。
9.M−φ特性に必要な入力を行います。この段階では「プリ処理」ボタンを押してもM−φ特性のバイリニアのグラフは描画されません。シーケンス荷重、ラン、M−φ要素の設定が必要です。M−φ要素の設定は、ナビゲーション「節点と要素|フレーム要素|フレーム要素」にて非線形とする要素に対しタイプを”M−φ要素”に変更します(後述)。そして、ナビゲーション「節点と要素|M−φ要素|M−φ要素」でM−φ特性を割り当てます(後述)。さらに、ナビゲーション「モデル特性|解析設定」で材料特性に”非線形”を指定することも必要です。
10. フレーム要素を呼び出します。
11. 部材タイプをM−φ要素に設定します。
12. M−φ要素を呼び出します。
13. M−φ要素の設定を行います。
14. 自動算出されたM−φ特性を確認します。「プリ処理」ボタンを押すと各M−φ要素のグラフが表示されます。
Q1−28.
断面照査や限界状態照査を行う着目点が多数ある場合の設定方法は?
A1−28.
最初に部材を範囲選択して着目点を多数生成し、その後、着目点を範囲選択して断面照査や限界状態照査を多数生成できます。
下記手順の(1)→(2)または(1)→(3)のいずれかです。
(1) 着目点を多数同時に作成するコマンドを使います。下図を御覧ください。
最初に、表示設定で節点を非表示、支点を非表示、着目点を非表示にする
範囲選択コマンドで部材を選択する
着目点生成コマンドで着目点を作成する
(図では1個の要素に3個の着目点を配置する例)
(2) 断面照査を多数同時に作成するコマンドを使います。下図を御覧ください。
範囲選択コマンドで着目点を選択する
照査生成コマンドで断面照査の内容を設定する
(3) 限界状態照査を多数同時に作成するコマンドを使います。下図を御覧ください。
範囲選択コマンドで着目点を選択する
照査生成コマンドで限界状態照査の内容を設定する
着目点生成コマンドについては、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|リボン|編集・生成|フレーム要素の分割・着目点生成」
を御覧ください。
照査生成コマンドについては、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|リボン|編集・生成|照査生成」
を御覧ください。
Q1−29.
M−φ要素の時刻歴結果にi端側やj端側がない理由は?
A1−29.
M−φ要素は要素中央で非線形特性(M−φ特性)を評価する非線形要素なので、M−φ要素の時刻歴結果(モーメント、曲率)は要素中央位置で表示されます。それ以外の位置、たとえば、i端位置やj端位置では、結果が存在しないため、時刻歴結果もありません。
弾性梁要素ではi端からj端まで曲げモーメント分布図が得られます。
M−φ要素でも同じように断面力分布図を表示するために、弾性理論によってi端位置やj端位置の曲げモーメント値を算出しています。
その結果、リボン「結果|グループ結果|ラン|断面力」ではM−φ要素の断面力分布図が表示されます。
注意点として、M−φ要素は非線形要素なので、要素の結果としては要素中央に着目するべきであり、弾性理論によって補間されたi(j)端の数値は使用すべきではないことです。そのため、M−φ要素の時刻歴結果では、要素中央ののみが表示されます。
Q1−30.
M−φ要素の断面照査や曲率照査の注意点は?
A1−30.
<断面照査>
M−φ要素の断面照査では着目点が必要です。
着目点は要素中央に配置することが推奨されます。
着目点をi端位置やj端位置など要素中央以外に配置しても断面照査は可能ですが推奨されません。
<曲率照査>
M−φ要素の曲率照査では着目点は不要です。
自動的に要素中央の応答曲率に対して許容曲率で照査されます。
i端位置やj端位置など要素中央以外で曲率照査はできません。
Q1−31.
降伏剛性で固有値解析で解析を行うには?
A1−31.
「ナビゲーション|固有値解析と減衰|フレーム剛性低減、ばね要素剛性低減」の設定画面で、「M−φより決定」とすることにより、固有値解析時に降伏剛性となるような低減係数が乗じられます。低減係数は、断面から連動したM−φ特性の場合は断面定数のEIで降伏剛性を割って算出されます。断面と連動していない場合はM−φ特性で直接入力されたEIで降伏剛性を割って算出されます。
ヘルプの
「Engineer’s Studio Help|ナビ|固有値解析と減衰|フレーム剛性低減」
「Engineer’s Studio Help|ナビ|固有値解析と減衰|ばね要素剛性低減」
をご一読ください。
Q1−32.
警告メッセージ『静的荷重が存在しません。』が表示される。問題ないか?
A1−32.
シーケンス荷重に動的荷重のみが設定されている場合に表示されます。
初期状態として初期断面力をランに考慮している場合はシーケンス荷重には動的荷重だけ入れるので問題ありませんので無視してください。
初期断面力をランで使用していない場合はシーケンス荷重に静的荷重が必要です。
シーケンス荷重については、ヘルプの
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|シーケンス荷重詳細」
をご一読ください。
Q1−33.
格子状に組んだフレーム要素の交差部における死荷重が重複しないようにするには?
A1−33.
プログラムが自動的に算出する死荷重(St.)では、交差部の重量を自動的に控除できません。
交差部を重複しないように設定するには、材端形状のオフセットを利用します。
(例)
下図はオフセットをする前の状態です。交差部の分布荷重が重複しています。
下図は、i端からの距離でオフセットを与えた様子です。4本の梁のi端にオフセット0.5mを与えた様子です。オフセットした部分の分布荷重が控除されます。
・オプセットを与えると1部材は4つのブロックに別れて分布荷重が生成されます。
・プログラムが自動的に算出する水平震度荷重にも考慮されます。
・部材の質量も変更されますので、動的解析時の慣性力にも考慮されます。
・部材剛性はオフセット前と同じです。
下図は反力結果です。この例では、長さ10mのRC梁4本に断面2mX2mを割当てて交差部の節点を全固定の支点としています。交差部の重量を控除した厳密な重量は、
{(10m * 2m * 2m * 4本) - (2m * 2m * 2m)} * 24.5kN/m3 = 3724kN
です。支点反力も同じ数値になっています。
下図は梁先端の鉛直変位です。4箇所の節点に同じたわみが得られています。
上記のesファイルをダウンロードできます→CrossBeamOffset.zip
※右クリックして「対象をファイルに保存」を選択してください。
Q1−34.
平板要素のコンタ図切断面の断面力分布図を画像に出力したとき、画像が真っ黒になってしまう原因は?
A1−34.
本製品は、OpenGLの3.1の機能を必須としています。 OpenGL 3.1は 2009年3月に発表されており、その上位版の4.0も2010年3月に発表されているため、Intel、AMD、NVIDIAの各社でサポートされています。 そのため、Ver.11以降は常時「OpenGLハードウェアアクセラレーションを使用」するように変更し、それを無効にする機能を削除しました。最近のPCでは(2024年現在)、OpenGL 3.1がサポートされている可能性が極めて高いので、グラフィックドライバの更新をお試しください。
Q1−35.
鋼製橋脚や鋼橋の解析は?
A1−35.
鋼構造のサンプルファイルは、以下のとおりです。
SteelPier-ConcFilled-StrainCheck-JSSC.esx
SteelReversedLohseBridge-CM.esx
SteelReversedLohseBridge-LM.esx
SteelPier-OnlySteel-JRA-MPhi.esx
Lohse-before-dampingElement.esx
Lohse-after-dampingElement.esx
SteelPier-MPhi-Dosi2017.esx
これらの概要が、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|サンプルデータ」
に解説されていますのでご一読ください。
サンプルデータは、標準のインストール状態では、下記場所にあります。
32bit版:C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\Samples
64bit版:C:\Program Files\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\Samples
※X.X.X にはバージョン番号が入ります。
リボン左上のファイルから「サンプルフォルダを開く」からも参照できます。
Q1−36.
Mmin < M < Mmax という形の照査で比率はどのように算出しているか?
A1−36.
終局曲げ耐力Mu や 初降伏曲げ耐力My0 の照査結果に表示される比率は、MminとMmaxの中央値Mmを基準にして算出されます。
比率 = |M - Mm| / ML
(例)
-----------------------------------------------
My0min ≦ M ≦ My0max
-----------------------------------------------
****** 照査結果 ******
最小初降伏曲げモーメント My0min : -1461.069 (kNm)
最大初降伏曲げモーメント My0max : 11529.713 (kNm)
曲げモーメントM : 36750.000 (kNm)
中央値Mm=(My0min+My0max)/2 : 5034.322 (kNm)
半分の長さML=|My0max-My0min|/2 : 6495.391 (kNm)
|M-Mm|/ML : 4.883
My0min≦M≦My0max : NG
-----------------------------------------------
Mumin ≦ M ≦ Mumax
-----------------------------------------------
****** 照査結果 ******
最小終局曲げモーメント Mumin : -2462.360 (kNm)
最大終局曲げモーメント Mumax : 12235.741 (kNm)
曲げモーメントM : 36750.000 (kNm)
中央値Mm=(Mumin+Mumax)/2 : 4886.690 (kNm)
半分の長さML=|Mumax-Mumin|/2 : 7349.050 (kNm)
|M-Mm|/ML : 4.336
Mumin≦M≦Mumax : NG
上記内容は、断面照査の標準出力レポートで確認できます。
Q1−37.
RC部材ををファイバー要素でモデル化するときの断面分割数は?
A1−37.
1つの断面を1つの断面要素で構成する場合は、縦あるいは横に20分割程度が目安と考えています。H24道路橋示方書V耐震設計編
p.174にはRC断面のM−φ算出のために、断面内の分割数として50分割程度という記述がみられます。これをファイバー要素断面の分割数に適用すると多いかもしれませんが、最大で50程度と考えればよいと思います。
ちなみに、入力上のセル数上限は、1つの断面要素に対して3000までとなっています。
メッシュ分割が多くなれば解析時間も長くなり、結果付きでファイル保存したときもファイルサイズが肥大化する傾向にあります。しかし、極端な分割数(たとえば1000分割など)にしなければ、有意な精度低下は生じないと推察いたします。
実際には、分割数を変化させて計算結果がどの程度変わるかを観察されることをお勧めします。
Q1−38.
固有値解析に地震波形は関係するか?
A1−38.
固有値解析に地震動は使用されません。固有値解析は、
・モデルの質量
・剛性(非線形要素の場合はその初期剛性)
・支点条件
の3つで決定されます。
よって、下記のことが言えます。
・入力波形の有無やその方向には無関係である
・部材の非線形性は考慮されない
・部材の減衰定数は考慮されない
・各ランで支点条件が同じ場合は、すべてのランの固有値は同じ値となる
詳細はヘルプ
「Engineer's Studio Help|計算理論|FEM計算関連|固有値について」
を御覧ください。
Q1−39.
橋梁を全体系でモデル化して固有値解析を行った場合、計算結果の1次モードが卓越していると考えてよいか
A1−39.
本プログラムでは、固有値解析を3次元で解析しています。そのため、モード次数も3次元で得られます。
つまり、全体X、Y、Zの各方向に振動するようなモードが混在していると言えます。
プログラムは、単純に固有振動数の低いものから順番に1次、2次、3次、...と数えており、以下のように結果が並べられます。
各次モード 全体X方向 全体Z方向 全体Y方向
1次モード 有効質量X1 有効質量Z1 有効質量Y1
2次モード 有効質量X2 有効質量Z2 有効質量Y2
・・・ ・・・ ・・・ ・・・
n次モード 有効質量Xn 有効質量Zn 有効質量Yn
橋梁の場合を例にとると、橋軸方向が全体X軸と一致している場合は、橋軸方向(全体X)の有効質量をみて、
X1、X2、・・・Xnの中から大きいもの
を選び、順に、
1次モード、2次モード、・・・、n次モード
と読み替えれば、最初の1次モードは、橋軸方向に卓越する1次モードであると言えます。
さらにそのモードの振動形状を確認し、トップヘビーな1自由度振動系の振動形状になっていれば、道路橋示方書の地震時保有水平耐力法による照査(静的照査)を適用可能です。
振動??状が多自由度振動系とみなせる場合は地震時保有水平耐力法は適用できません。
同様に、直角方向が全体Z軸と一致している場合は、直角方向(全体Z)の有効質量をみて、
Z1、Z2、・・・Znの中から大きいもの
を選び、順に、
1次モード、2次モード、・・・、n次モード
と読み替えれば、最初の1次モードは、直角方向に卓越する1次モードであると言えます。
さらにそのモードの振動形状を確認し、トップヘビーな1自由度振動系の振動形状になっていれば、道路橋示方書の地震時保有水平耐力法による照査(静的照査)を適用可能です。
振動形状が多自由度振動系とみなせる場合は地震時保有水平耐力法は適用できません。
全体Y軸方向は鉛直方向なので、通常興味がないため、ここでは並び替えや読み替えの説明を省略します。
Q1−40.
ファイバー要素の断面(ファイバー断面)の分割数は?
A1−40.
1つの断面を1つの断面要素で構成する場合は、縦あるいは横に20分割程度が目安と考えています。H24道路橋示方書V耐震設計編
p.174にはRC断面のM−φ算出のために、断面内の分割数として50分割程度という記述がみられます。これをファイバー要素断面の分割数に適用すると多いかもしれませんが、これを参考にすると最大でも50程度と考えればよいと思います。
ちなみに、セル数の上限は1つの断面要素に対して3000となっています。
メッシュ分割が多くなれば解析時間も長くなり、結果付きでファイル保存したときもファイルサイズが多くなる傾向になります。しかし、極端な分割数(たとえば1000分割など)にしなければ、有意な精度低下は生じないと推察いたします。
実際には、分割数を変化させて計算結果がどの程度変わるかを観察されることをお勧めします。
Q1−41.
せん断応力度の照査を行うには?
A1−41.
平板要素に対してはせん断応力度やせん断耐力の照査はできません。
フレーム要素に対しては、「照査設定」−「断面照査用詳細入力」の「示方書条項」で設定いただけます。照査したい示方書条項を選択してください。
まずは、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|断面計算の概要」
で概要をご確認いただき、詳細はヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|照査設定|断面照査用詳細入力」
「Engineer’s Studio Help|ナビ|照査設定|示方書条項選択」
「Engineer’s Studio Help|ナビ|照査設定|断面照査用詳細入力プロパティ」
をご参照ください。
Q1−43.
「ナビゲーション|荷重|荷重の定義|荷重値|基本荷重」で『節点-強制変位』とした場合の変位の単位は?
A1−43.
デフォルトでは「mm」です。
入力するとき時にタイプを「節点-強制変位」とし、右の方にスクロールすると単位が表示されます。
Q1−44.
残留変位の照査で降伏しているかどうかの判定をばね要素に割当てられているばね特性の骨格形状で判定していない理由
A1−44.
残留変位の照査で降伏しているかどうかは、H24道路橋示方書V耐震設計編p.100の最大応答塑性率μrが1を超えているかどうかで判定されます。最大応答塑性率μrは、同道示Vの式(6.4.10)を使用せず、動的解析の節点の結果より求められます。そのため、M−θのばね特性は判定に使用されません。
最大応答塑性率μrは、橋脚天端節点の最大応答変位から基礎の回転による水平変位や基礎自身の水平変位を除去した橋脚躯体自身の変形量δprとδyでもとめられます。
残留変位の照査は道路橋示方書V耐震設計編と下記文献
・(財)海洋架橋・橋梁調査会、既設橋梁の耐震補強工法事例集、平成17年4月、p.II-97
・前原康夫;鉄筋コンクリート橋脚の設計例とチェックポイント、基礎工、総合土木研究所発行、2002.6
を参考にして、最大応答塑性率μrを求めているため、M−θモデルをばね要素でモデル化したときのばね要素の回転角を直接参照しません。
NEXCO設計要領第二集では、残留変位の照査は道路橋示方書V耐震設計編の規定によると解説されています。
そのため、残留変位の照査では、ばね要素の応答回転角で判定せず、上記のように文献も参考にしながら最大応答塑性率μrで判定しています。
Q1−45.
ばね要素を利用したM−θモデルを作成する方法は?
A1−45.
ばね要素を利用したM−θモデルを作成する手順は、Engineer’s Studioヘルプ
「目的別ガイド|M−θモデル、ばね要素の照査をするには」
の
断面から作成するばね要素を作成する手順
を御覧ください。サンプルファイルは、「BlueBookSteelBridge_MTheta.es」になります。このサンプルの概要は、以下のとおりです。
---from
自動算出したM−θ特性を使ったばね要素による橋梁の動的解析。橋軸方向、直角方向、レベル2地震動のタイプI、タイプIIを設定。3波形平均も実施。固有値解析剛性低減有り。ばね要素の回転角照査、せん断照査、残留変位の照査を実施。
---to
デフォルトのインストール状態では、
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio 4.0.0\Samples
にあります(64bit OSの場合)。
Q1−47.
H鋼などの鋼材の断面性能の値を登録すること可能か?
A1−47.
デザインデータブックやメーカ製の形鋼をデータベースとしてある程度備えておりますが、これに無い形状については、アウトラインを用いて形状を作成する方法や、直接入力で断面性能を数値として入力する方法があります。
アウトライン形状で作成したデータをファイルに保存しておけば(*.es)、ユーザが自分で管理できます。保存するファイルには他のデータを全部削除しておき、アウトラインデータだけとしておくと、他のファイルにインポートやクリップボードからのコピーで取り込むことができます。
Q1−48.
平板要素の計算結果CSVエクスポートを行うと「断面力と変形」は、GPポイト1〜4の結果が出力されるが、せん断力とひずみ」では、GPポイント0の1行しか出力されないのはなぜ?
A1−48.
四角形1次要素は、曲げのガウス点(4点)とせん断のガウス点(1点)が異なります。
四角形2次要素は、曲げのガウス点(4点)とせん断のガウス点(4点)は同じになります。
インストールフォルダのES Mindlin Plate_JPN.pdf に解説があります。
デフォルトのインストール状態では、
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio 4.0.0\Bin
にあります(64bit OSの場合)。
Q1−49.
材料としてガラスを使用したい
A1−49.
本製品には「ガラス」材料は用意されておりませんので、材料の新規追加で作成してください。
ナビゲーション「モデル特性|材料」をクリックすると材料テーブルが表示されます。ここで+ボタンを押して新しい材料を追加します。
新しい材料を追加するときに、構造部材として使用するのか、非構造部材とするかを選びます。
(1)構造部材とするときは、弾性材料を選びます。ヤング係数、ポアソン比、線膨張係数、単位重量を入力します。せん断弾性係数はヤング係数とポアソン比から自動算出されます。
(2)非構造部材とするときは、非構造材料を選びます。単位重量のみを入力します。非構造材料はヤング係数など材料強度を持たないので、部材剛性が成立しません(エラーになります)。そのため、断面内に構造材料(コンクリートや鋼板)と組み合わせる必要があります。
Q1−50.
任意形状メッシュ要素を作成するとき、メッシュパラメータの境界メッシュサイズの初期値1.000mは標準的な値と考えてよいか?
A1−50.
任意形状メッシュ要素の「境界メッシュサイズ」は平板要素(プリミティブ)の最大寸法を意味します。
境界メッシュサイズが1mの場合は、1辺が2mの正方形領域をマウスで指定すると1辺が1mのプリミティブが4個生成されます。逆に1mよりも短い1辺が0.2mの正方形領域をマウスで指定すると1辺が0.2mのプリミティブが生成されます。
「境界メッシュサイズ」が1mというデフォルト値に意味はありません。標準的なメッシュサイズはありません。境界メッシュサイズを粗くした場合と細かくした場合とで比較検討して最終的なメッシュサイズを決定することをお勧めします。
Q1−51.
免震橋の設計で、固有値解析は免震支承の等価剛性で行い、動的解析時には免震支承を表すばね要素をバイリニア型として計算させたい
A1−51.
免震支承のモデル化は、
固有値解析時に「支承ばねを等価剛性、減衰定数に等価減衰定数」
動的解析時は「支承ばねをバイリニア、Rayleigh減衰の係数βを0」
とすることが考えられます。
これは、「(財)土木研究センター,道路橋の免震・制震設計法マニュアル(案),平成23年12月」p5-11、5-12を参考としております。
支承をバイリニアにしたままで固有値解析時に等価剛性とするためには、ばね要素剛性低減の入力で対応が可能です。
これはバイリニアのままで、低減率を与えることによりバイリニアの第1勾配に低減率が乗じられ、固有値解析が実施される機能です。
等価剛性となるように低減率を調整してください。
詳しくは製品ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|固有値解析と減衰|ばね要素剛性低減」
を御覧ください。
なお、「(財)海洋架橋・橋梁調査会,既設橋梁の耐震補強工法事例集,平成17年4月」では、固有値解析時の免震支承に与える減衰定数を0とする事例が記載されておりますので、実務におきましては、どちらを採用するかについて設計者の判断が必要になると思われます。
Q1−52.
多数の荷重ケースで載荷しているフレーム要素の断面力図を、各荷重ケースで統一したスケールにしてレポート出力したい
A1−52.
リボン「結果|レポート設定|任意設定|荷重ケース」の表中に行を追加し、右側の設定パネル内にある「選択荷重ケースのみスケールに考慮」のチェックをオフにすると、断面力図のスケールが各荷重ケースで統一されます。
なお、複数の行(複数のセルでも可)を選択し、右側設定パネル内を変更すると、複数のレポートリストに対して一括で変更することが可能です(下図参照)。
Q1−53.
モデルジェネレータで複数の平板要素のグループを作成し、それらを合体して節点を共有するようにできるか?
A1−53.
可能です。
モデルジェネレータを繰り返し使うことで、部分的な構造をモデルに追加できます。
追加するときに、既存の構造に隣接するように位置を調整することになります。
モデルジェネレータは1回限りの生成機能ですので、モデル空間に配置した後でモデルジェネレータの各パラメータを変更するなどの修正はできません。
また、過去のバージョンVer 3.1.0では、同一座標にある節点が追加される場合に節点が二重になっていました。
Ver 3.1.1以降では、同一座標にある節点が追加される場合でも節点が二重にならず、節点が共有されます。
Q1−54.
弊社UC-1シリーズの「橋脚の設計」や「震度算出(支承設計)」からエクスポートしたesxファイルのM−φ特性と、Engineer's Studioの中で作成する断面と連動したM−φ特性の違いは?
A1−54.
断面と連動したM−φ特性を作成するときに、バイリニアやトリリニアなどを選ぶと、断面形状と配筋状態、照査用詳細入力画面の設定(応力ひずみ曲線)よりM−φが算出されます。これは、断面から決定されるものであり、「橋脚の設計」や「震度算出(支承設計)」が作成するM−φとは異なります。
M−φ特性のカテゴリに「H24道示V-p.122RC橋脚」があります。これは平成24年道路橋示方書V耐震設計編p.122解説に示される
My= Py(h - Lp/2)、φy = (δpy/(h-Lp/2))/Lp
により算出される完全弾塑性型バイリニアです。
「橋脚の設計」や「震度算出(支承設計)」は、このM−φ特性を作成します。ただし、断面とは連動しない任意設定のM−φ特性となります。
M−φ特性のカテゴリ「H24道示V-p.122RC橋脚」については、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|モデル特性|M−φ特性|M−φ特性詳細」
を御覧ください。サンプルデータは、
RCPier-H24DosiVp122-MyPhiy.es
BlueBookBridge_TypeI_H24DosiVp122_DuctilityCheck.es
です。
なお、サンプルデータは、インストールした場所の Samples フォルダにあります。デフォルトのインストール状態では下記です。
C:\Program Files\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\Samples
※X.X.X にはバージョン番号が入ります。
Q1−55.
断面幅1mに鉄筋を150mmピッチで配置するとき、鉄筋本数は1000/150=6.6666本となるが、鉄筋の本数を小数点付きで入力できない。どうすればよいか?
A1−55.
本製品は二軸曲げに対応しておりますので鉄筋は1本1本の位置と応力を厳密に評価します。そのため、鉄筋の本数の入力は整数としています。小数点での入力ができません。
幅1.0m当たりの応力度計算は、一軸曲げを想定しているので、この場合は以下のように鉄筋面積で調整してください。 nA=n'A'
n:入力したい本数(小数点付)
A:本来の鉄筋1本当りの面積
n':実際に入力する本数(整数)
A':調整した鉄筋面積
A'=(n/n')A
算出されたA'の値を「断面要素 鉄筋エディタ」画面の「直径」で「任意」を選択して与えます(下図参照)
Q1−56.
ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」で、初期状態の断面力をランで使用する場合、シーケンス荷重で死荷重の単調載荷と動的荷重を入力すると、初期断面力は重複して考慮してしまう?
A1−56.
お考えのとおりです。
死荷重相当の断面力を初期断面力として与えている場合は、シーケンス荷重は動的荷重のみ与えてください。
もし、シーケンス荷重に死荷重相当の荷重ケースを与えていると、部材に発生する断面力が、
初期断面力による断面力+静的荷重による断面力+動的荷重による断面力
という結果になり、死荷重は二重に考慮されます。
Q1−57.
曲線橋などのように二軸曲げを受ける橋脚柱をM−φ要素でモデル化した場合に解析結果は正しいか?
A1−57.
M−φ要素の非線形特性(M−φ特性)は、断面の主軸zp軸回りのM−φ特性と主軸yp軸回りのM−φ特性で定義されます。このM−φ要素に主軸以外の方向に力が作用すると、zp軸回りとyp軸回りのM−φ特性で評価されます。M−φ特性に折れ点があるときは、折れ点を超えない領域では正しい結果を得ますが、折れ点を超える領域では応答値は正しくありません(二軸曲げの合成方向の非線形性を考慮していないため)。
したがって、M−φ要素は、一軸曲げを受ける部材に適用する必要があります。
ファイバー要素は二軸曲げを受ける場合や軸力変動が無視できない場合に適用可能です。
Q1−58.
ケーブル要素と梁要素の違いは何か?
A1−58.
ケーブル要素は、引張だけに抵抗し、圧縮や曲げには抵抗しない構造要素です。ケーブルの両端を持って持ち上げると下に凸型の曲線の形になります。これを懸垂曲線またはカテナリーと呼ばれます。ケーブル要素は、このカテナリーを定式化した要素です。材料パラメータとして、断面積A、ヤング係数E、ケーブル軸線に沿った単位長さ当たり質量mを与えます。ケーブルの形状を定めるために4通りの入力方法があります。それは、水平張力を与える方法、自然長を与える方法、自然長に対する最大サグを与える方法、水平方向任意位置でのサグを与える方法、のいずれかを用いて入力します。
弾性梁要素は、断面積、断面二次モーメント、ねじり定数を入力しますので、ケーブル要素とは全く異なります。
弾性梁要素(微小変位と大変位)とケーブル要素を比較して考察した記事が弊社ホームページの下記サイトにございますのでご参考ください。
Engineer’s Studio(R) Ver.1.07|ケーブル要素
http://www.forum8.co.jp/topic/up94-p32.htm
この記事では、弾性梁要素を微小変位理論で解析すると不自然な変形となること、弾性梁要素を大変位で解析するとある程度ケーブルの挙動に近くなること、ただし、載荷点では梁要素特有の変形状態になること、ケーブル要素を用いると2分割でも精度の高い結果が得られ、ケーブル特有のカテナリーを維持した変形が得られることが解説されています。
動的解析ではケーブルの質量分布や減衰を精度よく考慮するために、ケーブルの分割が必要です。
ケーブル両端に発生する張力については、ケーブル理論による結果の方が厳密です。
弾性梁要素を用いる方法では、圧縮力が作用しても要素が抵抗しますが、ケーブル要素は抵抗しません。この影響が顕著な構造では結果が大きく異なると思います。
Q1−59.
鋼製橋脚をファイバー要素でモデル化した解析では、ひずみの評価は板厚中心となるか、それとも板外縁となるか?
A1−59.
ファイバー要素は断面内のセル中心で応力ひずみを評価します。板厚方向にセルが1個であれば板厚中心と言えますが、板厚方向にセルが複数存在する場合は一番外側のセル中心となります。
Q1−60.
平板要素断面力でテーブル表示したときに現れる「平板要素 現在情報」とは何か?
A1−60.
現在情報とは、現在表示されているコンタ図の数値を表示するものです。現在表示されているコンタ図は、画面左側のパネルで設定された結果です。たとえば、カテゴリ・成分・レイヤ位置・座標系を設定して初めて1種類の結果が特定されます。コンタ図はその1種類の数値の範囲を色分けして可視化した結果です。
しかし、コンタ図の各数値を全て表示させると膨大な量となりますので、現在情報ではグループ毎に最大最小が発生する位置とその値が表示されます。
Q1−61.
平板要素断面力でテーブル表示したときに現れる「平板要素 (Max/Min)」とは何か?「平板要素 現在情報」との違いは?
A1−61.
「平板要素 (Max/Min)」に表示される数値は主値です。主値はモールの応力円から得られます。
たとえば、フレーム要素では、軸力はフレーム要素の軸線方向ですが、平板要素ではフレーム要素のような軸線がありません。面外曲げモーメントについても、フレーム要素のように特定の軸方向を曲げるような仮定がありません。
平板要素の面内垂直力や面外曲げモーメントは、平板要素をある角度で切断したときの面で得られる量です。
面内垂直力は、切断面に垂直な方向の力であり、面外曲げモーメントは切断面に作用する曲げモーメントです。切断する角度は無数にありますので、その中で最大最小となる量が主軸面内垂直力(N1,
N2)、主軸面外曲げモーメント(M1,M2)と呼ばれます。これらはいずれもモールの応力円によって得られる主値です。
N1やM1は、モールの応力円の右側(=最大)を意味します。N2やM2はモールの応力円の左側(=最小)を意味します。
ヘルプの
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|荷重ケース結果」の「カテゴリ・・・平板要素断面力」
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|コンタ図・平板要素座標系」
も御覧ください。
したがって、
「平板要素 (Max/Min)」と「平板要素 現在情報」の違いは以下のようになります。
「平板要素 (Max/Min)」:主値がグループ毎に表示される。ここをクリックすると主値のコンタ図になる。
「平板要素 現在情報」:主値に限らず左側パネルで設定された結果のコンタ図の情報がグループ毎に表示される。
Q1−62.
橋脚の設計や震度算出(支承設計)からエクスポートしたデータをEngineer's Studioで読み込んだ後、どのような操作が必要か
A1−62.
「橋脚の設計」、「震度算出(支承設計)」の製品は、地震時保有水平耐力法による照査を行うために必要なフレームモデルのデータを保持していますが、動的解析に必要なフレームモデルは不要なので保持されていません。「橋脚の設計」等からエクスポートしたesファイルは、可能な限り動的解析に必要なフレームモデルとなるように配慮して作成されていますが、機械的に作成しているので、完璧ではありません。Engineer'sStudioで読み込んだ後に、必要に応じて変更していただくことになります。何をどのように変更すればよいかについては、構造形式によって異なるので、設計者の判断に委ねられます。
この連動機能のコンセプトは以下のようになります。
・「橋脚の設計」で入力した骨組み、断面、配筋データは、動的解析においても共通なので、Engineer's Studioで再度入力しなくてもよいように連動する。
・「橋脚の設計」の入力データをみて自動的に判断できるもの、たとえば、タイプI、IIの種別に応じて地震波形の選択が可能なものについては、自動的に地震波形を追加する。
・非線形要素の設定などは、「橋脚の設計」に入力されている情報からできるだけ類推し、自動生成するようにする。
上記のように、機械的に行う処理なので動的解析モデルとして適切かどうかの最終的な判断はEngineer'sStudio側で読み込んだ後に設計者の方が判断していただくことになります。
Q1−63.
平板要素作成の「品質」とは?
A1−63.
メッシュ要素の形状は正方形や正三角形が最も解析精度がよく、理想的です。これを0から10までの範囲で品質を表現しています。0が最も品質が悪く(形が悪い傾向)、10が最も品質が良い(形がよい)意味になります。
ただ、10にしても完全に正方形や正三角形になりませんので、あくまでも目安とお考えください。
Q1−64.
コンタ図の凡例を設定する簡単な方法は?
A1−64.
もっとも単純な操作は、下図のように、現在表示されているコンタ図のデフォルト状態を取り込んで、数値を取得する手順です。その後、A部分の数値を変更します。この手順では、デフォルトの数値を自動的に取込、かつ、色を指定する手間が省けます。
詳しくは、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|グループ結果|コンタ図の凡例について」
を御覧ください。
Q1−65.
平板要素の結果で、平板要素の名称の後に括弧に入った数字は何を意味しているか?
A1−65.
平板要素は、1つのメッシュ要素に多数のプリミティブが含まれています。
ご質問の括弧内の数字はプリミティブの番号を意味します。
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|グループ結果|平板要素の数値結果」
もご覧ください。
Q1−66.
時間的に変化する動的荷重を節点荷重として入力する方法は?
A1−66.
多点入力で与えます。
多点入力には、時刻歴加速度、時刻歴強制変位、時刻歴荷重の種類があります。これらを複数の節点に同時に入力できます。いずれも節点に対して与えます。時刻歴荷重は支点が不要ですが、時刻歴加速度と時刻歴強制変位を入力する節点はその方向(成分)を固定またはばね支持の支点にしておく必要があります。計算結果は絶対変位で得られます。つまり、節点の結果(速度、加速度、反力)は絶対量として得られます。
また、入力する時刻歴データの全範囲を解析対象とすることや、部分的に開始時刻と完了時刻を指定する範囲指定も可能です。
多点入力が「節点強制変位」または「節点加速度」のときは、柱基部の節点、あるいは、フーチング下面の節点を対象節点とします。つまり、固定またはばね支持の支点とした節点1つに与えます。
多点入力が「節点荷重」のときは、 時刻歴の荷重(kN)を用意し、その時刻歴荷重を与える節点が複数あれば、複数の節点に与えます。
ナビゲーション「荷重|荷重の定義|入力波サムネイル」で用意する波形は、横軸の単位は秒(s)です。
縦軸(振幅)の単位は未定義とされます。
縦軸(振幅)の単位は ナビゲーション「荷重|ランの定義|シーケンス荷重」から呼び出すシーケンス荷重詳細で指定します。
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|シーケンス荷重詳細」---(a)
を御覧ください。
多点入力の機能を用いた解析事例は用意しておりませんが、多点入力の入力状態をみるサンプルデータ「MultiPointInput-RCPier.es」がインストールフォルダのSamplesフォルダにあります。このサンプルは、「RCPier-H24DosiVp122-MyPhiy.es」をベースにした多点入力の事例です。
要素別剛性比例型減衰へ変更しています。
ラン1は従来の動的解析である「地盤全体」、ラン2は多点入力の「節点加速度」、ラン3は多点入力の「節点強制変位」の入力例となっています。
ダミーのばね要素(6成分自由)を天端節点から基部節点へ接続することにより、絶対変位で得られるラン2とラン3の結果から地盤の変位を差し引いて相対変位を得ています。
ラン1、ラン2、ラン3のばね要素の時刻歴応答がほぼ重なる結果が得られます。
ラン3の節点強制変位は、ラン2の解析結果から得られる基部節点の時刻歴応答変位を使用しています。
計算時間短縮のため積分時間間隔を0.01sとしています。
ただし、ラン3においてM−φ要素の応答せん断力が振動していますので、これを解消するには、積分時間間隔を0.001sとすることによって解の振動を抑えられます。
上記(a)の
多点入力の注意点
をご一読ください。
Q1−67.
旧活荷重(TL-20)を対象とした影響線解析の設定方法は?
A1−67.
旧活荷重の入力例を解説した文書(pdfファイル)とサンプルデータ(esファイル)を用意しております。
下記リンクより入手されて御覧ください。
サンプルデータは圧縮されておりますので解凍後、Engineer's Studio Ver5以降で開くことができます。
・『旧活荷重L-20 による影響線解析の入力と検証例』(pdfファイル)
・サンプルデータ(esファイル)
・関連:旧活荷重「TT-43」(トレーラー荷重)を対象とした影響線解析の設定方法は?
Q1−68.
リボン「照査|断面照査」にある『フィルタリング』とは?
A1−68.
フィルタリングをすると照査の比率が厳しいものだけが表示されます。
本機能についてはヘルプの
「Engineer's Studio Help|照査結果|照査に関する結果」
の解説を御覧ください。
既往のフィルタ条件は選択できますが、条件の種類を自由に変更することはできません。
Q1−69.
プログラムで算出されたねじり定数と手計算で算出したねじり定数の値が少し異なる理由は?
A1−69.
ねじり定数は、プラントルの薄膜アナロジーによって自動的に算出されます。ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|計算理論|FEM計算関連|ねじり定数の算出方法」
を御覧ください。
この自動算出方法では内部的にメッシュ分割を自動で行い(ファイバー要素のメッシュ分割とは別の意味です)、差分法で算出されます。断面形状によっては精度が落ちる場合がございますので、数値を確認し、適切でないと判断される場合は、ナビゲーション「モデル特性|フレーム要素の断面|断面特性オプション」で任意の数値を与えてください。「ねじり定数J断面一体」の左側に「ov」という列があり、ここにチェックを入れるとJを数値で直接入力できます。
Q1−70.
斜橋、曲線橋などでは、部材が二軸曲げを受ける。このような場合のモデル化方法と照査方法は?
A1−70.
二軸曲げを受ける場合はファイバー要素でモデル化します。M−φ要素やM−θモデルでは二軸曲げの非線形応答を正しく評価できません。しかし、ファイバー要素でモデル化したときはその照査方法が道路橋示方書には記載されていません。以下に、現時点で考えられる照査方法を考察いたしますのでご参考ください。
断面内のセルに生じたひずみ値で損傷度を判定することで照査とすることが考えられます。本プログラムには、ひずみで判定する損傷基準を設定することができますので、この機能により応答値を色で識別することができます。この機能を使って、「許容ひずみ」で判定することが理想的です。しかしながら、道路橋示方書V耐震設計編にはRC橋脚に対する許容ひずみが定義されていません。RC橋脚については、限界ひずみに対してどの程度の安全率を考慮して許容ひずみを設定すればよいかは設計者の判断となります。一案としては、ある柱部材を取り出して1本柱の解析モデルとし、許容ひずみを事前に検討しておくことが考えられます。鋼製橋脚については許容ひずみが規定されていますのでRC橋脚のように安全率という概念はありません。
2002年制定のコンクリート標準示方書【耐震性能照査編】p.88を参照すると、ファイバー要素の解析事例としてコンクリートの平均弾性剛性残存率を用いて照査されています。ただし、本プログラムにはこれを自動的に行う機能がありませんので、セルに生じた応答ひずみをご自身で整理していただく必要があります。詳細はコンクリート標準示方書をご参考ください。
ファイバー要素でモデル化した部材に対して、変位による塑性率照査を行う方法が考えられます。サンプル「RCPier-H24DosiVp122-Fibre.es」がその例になっています。インストールしたフォルダのSamples フォルダにあります。
このサンプルは、RC橋脚の柱基部をファイバー要素でモデル化した動的解析です。変位による塑性率照査を実施しています。比較のために曲率による照査も設定しています。両者の照査結果は、ほぼ一致します(ランで2.6%程度の差。平均では1.6%の差)。
曲率による照査と変位による塑性率照査のために、ファイバー要素にM−φ特性を割り当てています。そのM−φ特性は、平成24年道路橋示方書V耐震設計編p.122のMy=Py(h-Lp/2)およびφy=(δpy/(h-Lp/2))/LpによるM−φ特性を自動算出しています。
鋼製部材をひずみで照査する機能があります。この機能は、
「2008年制定 鋼・合成構造標準示方書 耐震設計編」(土木学会、2008年2月29日)
「鋼橋の耐震・制震設計ガイドライン」(宇佐美勉編著・日本鋼構造協会編、2006年9月1日)
に準拠しており、有効破壊長領域をいくつかのファイバー要素で分割し、それらの平均値をとって照査するものです。概要がヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|照査設定|鋼製部材のひずみ照査|ひずみ照査概要」
にありますのでご一読ください。照査事例がヘルプ
「Engineer's Studio Help|テクニカルノート|単柱式鋼製橋脚(充填有)の例」
にあります。
鋼製部材のひずみ照査では、部材軸方向の平均値をとるので、ファイバー要素1個の応答ひずみを照査するよりも合理的と言えます。理由は短いファイバー要素の応答ひずみは非線形領域では極端に増大する場合があり、局所的に大きな応答ひずみが得られやすいからです。いくつかのファイバー要素の平均値をとることで、過大な設計(不経済な設計)を防ぐことができると考えます。
Q1−71.
ファイバー要素が降伏した時などの損傷したステップを確認する方法は?
A1−71.
ファイバー要素が降伏したステップ等の確認は、変形性能基準で行います。
FEM解析を実行し、「結果」タブを開きます。
左側の「ラン結果」の「カテゴリ」を「変形性能基準」に切り替えます。
ファイバー要素の変形性能基準は、ひずみで判定されます。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|性能基準|ひずみレベル」
の
損傷レベルの詳細|コンクリート・ヒステリシス
損傷レベルの詳細|鉄筋、鋼材・ヒステリシス
に記載されていますので、こちらをご参照ください。
下図は鋼材ヒステリシスの変形性能を表示した様子です。
ファイバー要素の損傷基準(性能基準)は、解析前に設定しておく必要があります。
ナビゲーション「性能基準|ファイバー要素|ひずみレベル」
ナビゲーション「性能基準|ファイバー要素|ひずみ基準」
で設定します。任意のひずみを与えることも可能です。
Q1−72.
道路橋示方書V耐震設計編に準拠したM−θモデルの作成方法は?
A1−72.
H24道路橋示方書V耐震設計編にはM−θモデルが解説されておりませんが、平成24年NEXCO設計要領第二集ではH24道示をベースとしたM−θモデルが解説されています。このサンプルがインストールフォルダにありますので御覧ください。デフォルトのインストール状態では、
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio 5.0.1\Samples
です。
BlueBookSteelBridge_TypeII_NEXCO2012.es
平成24年7月版NEXCO設計要領第二集のM−θモデル。自動算出したばね特性(M−θ)を使った橋梁の動的解析。橋軸方向、レベル2地震動タイプIIを設定。3波形平均照査を実施。塑性ヒンジ部の回転角、柱中間部の曲率、せん断耐力、残留変位の照査を実施。
H14道路橋示方書V耐震設計編の参考資料5.1(2)にM−θモデルが解説されております。こちらもサンプルがございます。
BlueBookSteelBridge_TypeII_MthetaBilinear.es
M−θモデルを用いた橋梁の動的解析。ばね特性に「道路橋示方書V耐震設計編-参考資料5.1(2)」を使用。
M−θモデルは、ばね要素でモデル化しますので、ばね要素の結果をみます。
ばね要素に割り当てるばね特性には許容回転角が設定できます(直接入力が可能)ので、ばね要素の照査結果をみることで、応答回転角と許容回転角、およびそれらの比率を得ることができます。
ばね要素の照査を行うには、ナビゲーション「抽出と保存|ばね要素抽出クエリ」で照査を行う成分を設定する必要があります。上記2つのサンプルでもそれらが設定されていますのでご確認ください。
Q1−73.
分布ばねを全体座標系で定義できるか?
A1−73.
全体座標系では定義できません。
部材に設定する分布ばねは、弾性床上の梁理論にもとづいています。
弾性床上の梁理論では、梁のたわみに比例した弾性抵抗を考えて4階の微分方程式で表現されます(土木学会 構造力学公式集5.5参照)。
梁のたわみに関係しているので要素の座標系(主軸座標系)で定義されます。
Q1−74.
ナビゲーション「モデル特性|平板要素の断面」で「平板鉄筋材料」が選択できない
A1−74.
アプリケーションメニュー「システムオプション」の「ライセンス」の設定画面で『前川コンクリート構成則』の欄の「使用」のチェック(レ)が外れている(「状態:未使用」と表示されている)状態だと思われます。
こちらにチェックすれば「平板鉄筋材料」が表示されます。
なお、平板鉄筋材料を使用するには「前川コンクリート構成則オプション」が必要です。
「前川コンクリート構成則オプション」ライセンスをお持ちでない場合「平板鉄筋材料」が表示されても入力することはできません。
※製品構成につきましてはホームページの製品情報−FEM解析|Engineer's Studio−価格/購入の「オプション価格/製品構成」をご覧ください。
https://www.forum8.co.jp/product/ucwin/ES/EngineersStudio-1.htm?open_tab=2&open_toggle=op&scroll_to=op
平板鉄筋材料や平板要素の非線形の設定をせずにモデル作成を行うか、あるいは、評価版を起動してEngineer's Studio
Ultimateの状態でモデル作成を行うか、をご検討ください。評価版では全ての入力を試すことができます。
評価版は、スタートメニューから
「すべてのプログラム|FORUM 8|Engineer's Studio|評価版|Engineer's Studio 評価版」
より起動することができます。
通常は、Engineer's Studio Ultimate を選択して起動できます。
評価版ではサンプルデータ以外のデータに対して保存や計算実行ができません。
評価版で非線形平板要素の解析や結果を確認するには、製品添付のサンプルモデル「Plate_Outplane_NonLinear.es」や「Plate_Inplane.es」を解析して御覧ください。
Q1−75.
CADデータのdwgファイルをインポートすると失敗する
A1−75.
読み込みを行われようとしているdwgファイル内に「円弧」という要素は含まれていないでしょうか?
円弧を読むことはできませんので、取込みに失敗します。
CADソフト等を使用して、円弧をポリラインなどの線分の要素に変換して読み込みを行って下さい。
取込が可能なdwgデータの種類
Line
Polyline
LwPolyline
です。
Circle
Point
は、図形の形ではなく点のデータ、つまり、鉄筋やPC鋼材のデータとして変換されます。
詳しい解説が、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ファイルの読み込みと保存|DXF/DWG モデルインポート」
にございますのでご一読ください。
Q1−76.
照査点以外で部材の最大モーメントやせん断力を表示させる方法は?
A1−76.
解析設定画面で「フレーム要素着目点間Mmax算出」をチェックオンにした上で、着目点の設定において「Mz Max」「Mz_Min」を選ぶことができます。
この機能は、分布ばねではない部材の着目点と着目点の間に存在する曲げモーメントの最大最小の値とその発生位置を求める指定です。
Mmax/Mminの位置は、材端、荷重集中点、せん断力0点の中から検索します。
この設定は、重ねあわせの原理(線形結合)が可能なケース載荷のときだけ設定が可能です。
シーケンス載荷の場合は非線形解析が可能なので設定が不可になります。
Q1−77.
フレーム要素のねじり定数J(m^4)が公式による手計算の結果と一致しない
A1−77.
本プログラムのねじり定数は、開断面・閉断面・円形・矩形・中抜き形状・薄肉断面などに適用可能なプラントルの薄膜アナロジーによって自動的に算出されます。恐れ入りますが、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|計算理論|FEM計算関連|ねじり定数の算出方法」
を御覧ください。
この自動算出方法では内部的にメッシュ分割を自動で行い(ファイバー要素のメッシュ分割とは別)、差分法で算出されます。断面形状によっては精度が落ちる場合がございますので、数値を確認されて適切でないと判断される場合には、ナビゲーション「モデル特性|フレーム要素の断面|断面特性オプション」で任意の数値を与えてください。「ねじり定数J断面一体」の左側に「ov」という列があり、ここにチェックを入れるとJを数値で直接入力できます。
Q1−78.
フレーム要素の断面力結果を表計算ソフト「Microsoft Excel」の形式で保存するには?
A1−78.
結果画面でみたい結果を表示させてレポートリストに追加を行い、レポート出力して呼び出されるF8出力編集ツール画面にてファイル出力をExcel files(*.xlsx)で行うことにより可能です。
1.結果画面でみたい結果を表示させてレポートリストに追加を行います。
2.任意設定のリストに追加されます。プレビューボタンを押します。
3.F8出力編集ツール画面にてファイル出力を実行します。
4.Excel files(*.xlsx)を選択して保存します。
5.Excelを起動してそのファイルを読んだ様子です。
(その他)
1) フレーム要素の結果には着目点だけでなくフレーム要素分割点や荷重変化点も含まれて表示されますが、断面照査は、着目点で実施されます。
2) 手順1.において、セルを範囲選択してコピーし、表計算ソフトへ貼り付けることも可能です。
セルを範囲選択するには、Shiftキーを押しながら矢印キーを押すと可能です。コピーはCtrlキーを押しながらCキーで可能です。
Q1−79.
フレーム要素の断面照査の結果を表計算ソフト「Microsoft Excel」の形式で保存するには?
A1−79.
結果画面でみたい結果を表示させてレポートリストに追加を行い、レポート出力して呼び出されるF8出力編集ツール画面にてファイル出力をExcel files(*.xlsx)で行うことにより可能です。
1.照査結果について、レポートリストに追加します。
2.任意設定のリストに追加されます。プレビューボタンを押します。
3.F8出力編集ツール画面にてファイル出力を実行します。
4.Excel files(*.xlsx)を選択して保存します。
5.Excelを起動してそのファイルを読んだ様子です。
6.断面照査を行うときの断面力は、フレーム要素の結果の断面力とは異なる場合があります。
たとえば、骨組み線をずらしていると断面図心と骨組み線位置が一致しないので偏心曲げモーメントを考慮します。断面照査は断面図心で実施されます。
この図は、断面照査を行うときの断面力を確認した様子です。
7.断面照査を行うときの断面力は、標準出力からレポート出力できます。上記と同様にExcel形式で保存できます。
(その他)
1) フレーム要素の結果には着目点だけでなくフレーム要素分割点や荷重変化点も含まれて表示されますが、断面照査は、着目点で実施されます。
2) 手順1.、手順6.において、セルを範囲選択してコピーし、表計算ソフトへ貼り付けることも可能です。
セルを範囲選択するには、Shiftキーを押しながら矢印キーを押すと可能です。コピーはCtrlキーを押しながらCキーで可能です。
Q1−80.
プレストレス部材をM−φ要素やファイバー要素でモデル化し、初期断面力を与える方法は?
A1−80.
PC部材をM−φ要素やファイバー要素で表現して、UC-BRIDGE等で別途算定した初期状態の断面力を初期断面力として与える場合は、以下の手順を推奨します。
(1) M−φ要素の場合
1)1次力と2次力と他の荷重すべてを初期断面力にセットする(任意設定で入力)
(たとえば弊社製品のUC-BRIDGEで別途算出した値)
2)断面には、有効プレストレスを与えたPC鋼材を配置しておく
3)M−φ特性は、その断面から自動的に作成させる
4)M−φ要素の設定画面で軸力設定を「初期状態より設定」とする
(プログラムが自動的に1次力を差し引いた軸力でM−φ特性を作成します)
5)シーケンス荷重にはステップ1から動的荷重とする
(初期状態が上記1)なので)
6)初期状態の設定画面で、「ランで初期断面力を使用」にチェックを入れる
(2) ファイバー要素の場合
1)1次力と2次力と他の荷重すべてを初期断面力にセットする(任意設定で入力)
たとえば弊社製品のUC-BRIDGEで別途算出した値)
2)断面には、有効プレストレスを与えたPC鋼材を配置しておく
3)シーケンス荷重にはステップ1から動的荷重とする
(初期状態が上記1)なので)
4)初期状態の設定画面で、「ランで初期断面力を使用」にチェックを入れる
(3) 留意点
初期断面力は近似手法なので下記留意点があります。
・初期断面力はi端とj端に与えるので要素中央の断面力分布を無視することとなる
・M−φ特性を自動作成するときの1次力(Npe、Mpe)は一括施工時と等価なので分割施工時の施工ステップを考慮した1次力ではない
・ファイバー要素で考慮する1次力(有効プレストレス)は一括施工時と等価なので分割施工時の施工ステップを考慮した1次力ではない
Q1−81.
平板要素の入力で、メッシュ要素内の一部のプリミティブを修正する方法は?
A1−81.
メッシュ要素内の一部のプリミティブを整形・修正することはできませんが、一旦プリミティブを部分的に削除する方法があります。
1.メッシュ要素の編集画面を呼び出す(図A)
2.プリミティブをクリックして削除する(図B)
(Ctrlキーを押しながらクリックして削除ボタンを押しても消えます)
3.メイン画面に戻って平板要素を追加する(図C)
⇒メッシュ要素が新規に増えます(図中の要素名「1」)
新規に増えたメッシュ要素を元のメッシュ要素に含める必要があれば、プリミティブのコピー・ペーストが可能です。以下の操作を行います。
1.要素「1」のプリミティブを全部選択状態にしてCtrlキーを押しながらCキーを押す(図D)
(表のコピーのような操作です)
2.元のメッシュ要素の画面を呼び出して1行追加する(図E)
3Ctrlキーを押しながらVキーを押す
⇒図Fのようにペーストが完了します。
Q1−82.
平板要素に地盤抵抗を表すばね要素を自動配置するときの設定画面「平板要素地盤ばね生成」にある「長さ」は解析に影響するか?
A1−82.
ばね要素は本来長さを持たない要素なので、長さをゼロとすべきですが、モデル作成上の取り扱いを考慮して長さをもたせることが可能になっております。ばね要素に長さを持たせても解析上は長さを持たない要素として処理されます。長さがあると警告メッセージがでますが無視されて結構です。
したがって、長さを持たせてもよいですし、長さをゼロ(二重節点状態)としてもよいです。
Q1−83.
システムオプションのカラー設定で色を変更した場合、異なるユーザや別のコンピュータにも変更したカラー設定を利用したい
A1−83.
システムオプション−カラー設定で色を変更するとEngineer’s
Studioを終了するときにレジストリに記録されます。esファイルには保存されません。同じコンピュータの同じユーザで利用するときにそのレジストリに記録されているカラー設定でご利用いただけます。
異なるユーザや、別のコンピュータにカラー設定を反映させるには、エクスポートが必要です。
そして、異なるユーザや別のコンピュータ上でEngineer’s Studioを起動し、システム・オプションのカラー設定でインポートします。
「エクスポート」するとフォルダ選択ダイアログが表示されますので、設定を保存するフォルダを選択してください。指定したフォルダに複数のxmlファイルが保存されます。
このフォルダをインポート先にコピーします。
そして「インポート」ではフォルダ選択ダイアログが表示されますのでフォルダ(複数のxmlファイルが保存されいているフォルダ)を選択します。
なお、ファイルにはエクスポート時に変更のあった色設定のみが保存されます。インポートを行うと変更のあった設定のみが反映されます。
上記につきましてはヘルプの
「Engineer’s Studio Help|基本操作|システムオプション|カラー設定」
に説明がございますのでご参考ください。
Q1−84.
地盤抵抗を表現するばねを設定する方法は?
A1−84.
地盤抵抗を表現するばねの設定は3種類程あります。いずれも土質条件を入力することで自動的に設定できません。手動でばね値を算出してそれを個別に入力することになります。
非線形要素に適用可能なばねは下記のうち、aとcの方法です。
a.節点に与えるばね(支点ばね)
構造物を表すフレーム要素を多数連続してつなぎ、フレーム要素間の境界の節点に支点ばねを設置します。
支点ばねを多数並べることで分布したばね抵抗を近似する手法です。
線形ばねのみ考慮できます。非線形のばねは設置できません。
b.分布ばね
弾性床上の梁理論ですので入力上は部材に与えます。
地盤ばねは、単位長さ当たりの分布荷重強度([kN/m/m]=[kN/m2])で与えます。
地盤反力係数kh[kN/m3]から算出する場合は、部材断面の断面幅B[m]を掛け合わせて求めます。
K(kN/m2)=kh(kN/m3)×B(m)
弾性梁要素のみに入力できます。M−φ要素やファイバー要素には不可です(与えても分布ばねが無視されます)。
線形ばねのみ考慮できます。非線形のばねは設置できません。
c.ばね要素
構造物を表すフレーム要素のi端(j端)側の節点と地盤側を表す節点(こちらは全固定の支点にします)の間をばね要素とするモデル化方法です。全固定の節点の座標は杭側と同じ座標が望ましいですが、わかりやすさのために1m程離れた位置に全固定の設定を配置することもあります。
上記aと同様に、多数のばね要素を配置することにより、分布したばねを近似する手法です。
ばね要素にはバイリニアやトリリニアなどの特性を与えることができます(非線形ばねが可能)。
ばね要素の単位は[kN/m]なので、地盤反力係数kh[kN/m3]と杭幅B[m]より分布ばね値K[kN/m2]を求め、そのばね要素が負担する杭軸方向の長さL[m]を乗じて、ばね特性のばね値[kN/m]を求めることになります。
K(kN/m)=kh(kN/m3)×B(m)×L(m)
地盤抵抗の上限値を考慮する場合はバイリニア型のばね特性を使うことになります。バイリニアの折れ点の位置については、たとえば、H24道路橋示方書IV下部構造編p.435のpHU(水平地盤反力度の上限値)を用いることが考えられます。pHUの単位は[kN/m2]です。ばね特性のグラフの縦軸の単位は[kN]なので、[kN/m2]に[m2]を乗じて[kN]にする必要があります。[m2]は面積の単位ですので、そのばね要素が受け持つ面積、つまり、「地盤抵抗幅×部材軸方向長さ」を考慮することになります。地盤反力度が単位面積当たりの力となっているので、1つのばね要素が受け持つ領域(=面積)に換算することを意味します。
Q1−85.
平板要素の結果「コンタ切断図」において、プリミティブ平均結果の数値表示が小数点以下3桁です。この桁数を変える方法は?また、フォントの色を変更する方法は?
A1−85.
桁数は、「システムオプション|カラー設定|荷重の入力|分布モーメント」の有効桁数の列で設定できます(下図参照)。
フォントの色については、「フォント情報」画面にて下図のように設定することで可能です。
このとき、「色を参照して使用」をオフにします。
(色とは平板要素の色という意味であり、チェックオフにすることで平板要素の色を使用せずにここで指定した色を使うようになります。)
Q1−86.
軸力変動の影響が無視できない場合のM−φ要素を用いた道路橋の動的解析を行うには?
A1−86.
平成24年道路橋示方書V耐震設計編p.121解説文(2)には、まず最初に死荷重時の軸力でM−φ特性を求め、全体系モデルに対して非線形動的解析を行い、各部材に発生する軸力の最大値と最小値を求めます。その後、以下の2つのモデルを作成して動的解析および照査を行うモデル化が解説されています。
・各部材に軸力の最小値を与えて算出したM−φ特性でモデル化したesファイル
・各部材に軸力の最大値を与えて算出したM−φ特性でモデル化したesファイル
ここで、各部材に与えるM−φ特性用の軸力は、ナビゲーション「節点と要素|M−φ要素|M−φ要素」の「軸力N’設定」を任意設定にして与えます。
この方法では、各部材の軸力は解析中一定になりますので、軸力変動による非線形特性(M−φ特性)の変化は無視することになります。
Q1−87.
ファイバーオリジナル、ファイバー1次、ファイバー2次の違いや使い分け
A1−87.
ファイバーオリジナル、ファイバー1次、ファイバー2次の違いは、剛性評価点と曲率分布の仮定の点から3種類あります。
■ファイバー要素(オリジナル)
剛性評価は部材i、j端、曲率分布は要素半区間でそれぞれ一定
要素軸方向の釣り合いはi端、j端、要素中央の3カ所で考慮
■ファイバー要素(1次)
剛性評価は要素中央、曲率分布は要素全区間で一定
要素軸方向の釣り合いはi端、j端の2カ所で考慮
Timoshenkoはり理論によるせん断変形を考慮
アイソパラメトリック2節点要素、せん断剛性は弾性
■ファイバー要素(2次)
剛性評価はガウス点位置(i、j端から21%の位置)、曲率分布は1次曲線
計算内部では、3節点アイソパラメトリック要素
(中間節点は、入出力画面からは隠しています)
Timoshenkoはり理論によるせん断変形を考慮
せん断剛性は弾性
要素軸方向の釣り合いはi端、j端、要素中央の3カ所で考慮
ファイバー要素(2次)は、アイソパラメトリック3節点要素であり、この要素剛性マトリクスを作成するときには中間節点があるのですが、入出力画面上では中間節点を隠しています。
ファイバーオリジナル、ファイバー1次、ファイバー2次は、いずれも要素の種類が異なるだけですので、特定の構造物に対して適切な種類があるかどうか等の考え方はございません。
特に理由がございませんが、最初はファイバー要素(1次)で解析を行い、収束しないなどの問題が発生したら他の種類に変更するなどをお試しください。
Q1−88.
鋼材の座屈解析を行えるか?
A1−88.
座屈を考慮する方法には2種類あります。
1つ目は、扁平アーチの飛移座屈に代表されるいわゆる幾何学的非線形による座屈です。これは、微小変位理論では表現できない現象であり、材料非線形とは無関係なものです。弾性梁要素としていても生じるものです。これを考慮するには「解析設定」において幾何学的特性を「大変位」に設定することで自動的に考慮できます。ここではこれを全体座屈と呼ぶことにします。
雑誌“橋梁と都市プロジェクト”(2006年1月号)の「第3回トラス橋の座屈解析」では、この機能を用いています。座屈を発生させるために、撹乱荷重の設定が必要になるなど試行錯誤が必要になります。
(資料)
月間誌「橋梁と都市プロジェクト」(橋梁編纂委員会刊)掲載記事
https://www.forum8.co.jp/product/ap_at.htm#at
第2回 幾何学的非線形解析の概論と簡単な応用としての擬似管の座屈解析
https://ftp.forum8.co.jp/forum8lib/pdf/ap_at/AT02.pdf
第3回 トラス橋の座屈解析
https://ftp.forum8.co.jp/forum8lib/pdf/ap_at/AT03.pdf
2つ目は、鋼製あるいはRC橋脚の繰り返し載荷時にみられる鋼材の塑性化による座屈です。これは、鋼材の応力ひずみ曲線において、圧縮側に座屈開始点ひずみを定義することによって得られます。これはヒステリシスで定義するので、ファイバー要素を用いることになります。ここでは、これを局部座屈と呼ぶことにします。
全体座屈は、幾何学的非線形解析の計算過程において自動的に考慮されるものです。
局部座屈は、鋼材ヒステリシスの圧縮側に座屈ひずみを設定することによって材料非線形解析の中で考慮できるものです。
鋼材ヒステリシス「F3D」では、座屈開始点のひずみ値を[ε’6]で与えるようになっています。
詳細は、ヘルプの
「Engineer’s Studio Help|ナビ|モデル特性|ファイバー要素の断面|ヒステリシスサムネイル|ヒステリシス〜鉄筋、鋼板(F3D)〜」
をご覧ください。
しかし、実務設計においては、座屈開始ひずみの値について明確にされている示方書がなく、まだ研究途上にある概念と考えています。ヒステリシス「F3D」は、下記文献
・渡辺浩,崎元達郎:コンクリートを充填した角型鋼管柱の局部座屈を考慮した地震応答解析,土木学会論文集,土木学会,No.647/I-51,pp.357-368,2000.4
・崎元達郎,渡辺浩,中島黄太:局部座屈を考慮した鋼箱型断面部材の復元力モデル,土木学会論文集,土木学会,No.647/I-51,pp.343-3552000.4
を参考にして作成しています。
鋼材ヒステリシスにはもう1つ、「COM3」があります。これは鉄筋コンクリート部材中の鉄筋に対するヒステリシスです。これには、座屈を考慮するオプションがあります。詳しくは、ヘルプの
「Engineer’s Studio Help|ナビ|モデル特性|ファイバー要素の断面|ヒステリシスサムネイル|ヒステリシス〜鉄筋(COM3)〜」
を参照してください。この中に参考文献が紹介されています。しかしながら、こちらでは座屈を考慮する場合の適切な推奨値を把握しておりません。
座屈ひずみは通常降伏ひずみの10倍程度のオーダーと思いますが、厳密にどの程度の値となるかは設計者のご判断となります。
その他のヒステリシスについては、座屈の設定をすることができませんが、損傷基準として与えることは可能です。
損傷基準は設定値を応答値が超えたかどうかを判定するものです。鋼材ヒステリシスの損傷基準には圧縮側に「座屈」という損傷基準があり、ここに座屈ひずみを与えておけば計算後に部材に表示される損傷色で識別できます。このように、座屈を考慮しないヒステリシスをファイバー要素に設定していても、損傷基準として設定していれば判定が可能です。この場合は、「FEM解析としては圧縮応力度の低下を考慮しないが、与えられたひずみ値を超えたかどうかは識別できる」ということになります。
全体座屈(弾性座屈)を表現するためには、節点をいくつか設けて多数の部材から構成されるように分割しておくことが必要と思います。なぜなら、全体座屈は多数の要素から構成される場合に生じるためです。1部材だと全体座屈は生じません。
Q1−89.
1つのメッシュ要素に多数のプリミティブが存在する場合に、分解する方法は?
A1−89.
既存のメッシュ要素を分解するをご説明いたします。
図1
E1というメッシュ要素があるとします。
E1に対して自動複製します。
図2
OKボタンを押します。
図3
E2というコピーができます。
ここで、メッシュ要素E1とメッシュ要素E2をダブルクリックして呼び出されるメッシュ要素の画面を並べておきます。
図4
E2側のプリミティブを全て削除します。
図5
新規にプリミティブを作成します。
図6
元のE1のプリミティブ番号1の節点列のセルをコピーします(Ctrl+C)。
E2の節点列に貼り付けます(Ctrl+V)。
図7
E2が完成します。
この後、E2を自動複製して、E3を作成し、E1のプリミティブ番号2の節点列のセルをE3のプリミティブとして貼りつけます。
これを繰り返すことで、E1を分解します。
最後にE1を削除します。
Q1−90.
ばね特性の種類がバイリニアの場合に、以下のメッセージが表示された。対処方法は?
===========================
[4200] (2) いくつかのエラーが 各ばね定義 にあります。
レベル3の基準は*.**(数字)以上の値を指定してください。
レベル3の基準は*.**(数字)以下の値を指定してください。
===========================
A1−90.
ばね特性のバイリニアの設定には、δ1、δ2があります。
δ2は、バイリニアの骨格を決定するためには不要なので、本来はどのような値でも構いません。
しかしながらδ2は、ばね特性の性能基準のレベル3として使用されますので、下記に示すような順番を満足していないと入力データチェックでエラーが発生し、FEM解析へ進みません。
レベル 1:δ1
レベル 2:δa(許容変位)
レベル 3:δ2
レベル 4:(内部固定の大きな値)
となっています。大小関係は、
レベル1<レベル2<レベル3<レベル4
が必要です。
この順番が逆転しないように「δ2」や「許容変位」の数値を与えてください。
Q1−91.
「M-φ要素」画面で地震動の「タイプU」を選択するとエラー「パラメータを見直してください」が発生するのはなぜか
A1−91.
「M-φ要素」画面で地震動の「タイプU」を選択するとエラー「パラメータを見直してください」が発生するのは、示方書条項が「道示-V H14[Mu,Ma]」の「照査用詳細入力プロパティ」画面の 「コンクリート」に対するσ-ε曲線が登録されていないためです。 このエラーは、「曲線パラメータ」の「タイプU」タブで、「鉄筋拘束効果」を設定するか、あるいは「鉄筋拘束効果」のチェックを外すことで、解消されます。
「M-φ要素」のタイプUのみでこのエラーが発生するのは、タイプUのみで横拘束筋の条件が使われるためです(道示-V H14の10.4参照)。
Q1−92.
モーメント図などをDXFにエクスポートする際に節点の大きさや支点の大きさなどを別のランと揃える方法は?
A1−92.
曲げモーメント図の大きさについては、下図に示す「選択ランのみスケールに考慮」のスイッチをオフにすることで各ランの大きさを統一できます。
(チェックをオンにしている場合は、選択しているランで表示するスケールを計算します。オフの場合は、全ランで表示するスケールを計算します。)
節点や支点の大きさは、設定されたポイント値と描画する領域の大きさで決定されます。
そのため、モデルをズームインしたりズームアウトしたりすると、相対的に節点等の大きさが変化します。これを共通にするためには、描画領域の大きさと視点位置が全く同じ状態である必要があります。視点位置を保存する機能を使うことで可能です。この機能については、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|基本操作|ビューツールバー|視点位置の保存|操作方法」
を御覧ください。
各ランで同じ視点位置であれば、DXFエクスポートした場合に節点や支点の図の大きさが同じになります。
Q1−93.
平板要素を用いた頂版と壁の接合部(ハンチ有り)のモデル化方法は?
A1−93.
平板要素は板厚が一定の要素です。
ハンチをモデル化することはできません。
ハンチがある部分を剛域と考えて剛体要素を多数並べるモデル化方法が一案です。
下図のようなイメージです。
Q1−94.
活荷重の入力をして計算したが、結果が表示されないのは何故?
A1−94.
活荷重の結果は着目点で得られます。着目点が設定されていない場合、活荷重の計算結果が得られません。
着目点はナビゲーション「照査設定|フレーム要素着目点」の場所で設定します。
ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|照査設定|フレーム要素着目点」
の操作手順や設定項目を御覧ください。
フレーム要素を複数選択して一度に着目点を生成させる機能もあります。
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|リボン|モデル|フレーム要素の分割・着目点生成」
を御覧ください。
Q1−95.
「***.ms2は開けません。指定されたファイルが見つかりません。」というエラーが発生し、保存ができない
A1−95.
確認していただきたいのは、作業フォルダの場所です。
作業フォルダがネットワーク上のコンピュータになっている場合はローカルコンピュータ内(デスクトップ等)に変更してみてください。
また、作業フォルダが書き込み可能な設定になっているかどうか(フォルダのアクセス権限)もご確認ください。
また、作業フォルダ内のファイルを削除することで同様のエラーが解消されたという報告もございますので、こちらもお試しください。
作業フォルダは、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|基本操作|アプリケーションメニュー」
に示されるボタンをクリックして、システムオプション画面を呼び出し、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|基本操作|システム オプション|結果ファイル」
の作業フォルダの設定で変更できます。
あるいは、作業フォルダのドライブに空き容量が十分にあるかどうかをご確認ください。同じドライブ内に結果付きで保存すると、作業フォルダから移動されますが、異なるドライブ内に結果付きで保存するとコピーされます。Engineer's
Studioを終了しても作業フォルダ内は削除されませんので、手動で削除されて結構です。
もし、作業フォルダの設定に問題がないようでしたら、エラーの発生するデータファイルをサポート窓口<ic@forum8.co.jp>までお送りください。データファイルを拝見し、こちらでも確認いたします。
データファイルをお送りいただく場合は、破損防止のため圧縮してメールに添付ください
(注意:メールに添付するときに圧縮しないまま添付すると、インターネット上のサーバーや送受信用のメールソフトによってデータの途中で改行されたり、不正な文字が挿入されることがよくあります)。
Q1−96.
「節点が1つ以上の剛体要素に接続されています」というエラーメッセージが発生する。
ラーメン構造の隅角部のように、一つの節点を介して1つ以上の剛体要素を持たせたい場合は、どのように設定したらよいか。
A1−96.
2個の剛体要素を隣接させることはできません。隣接する部分を含めた1個の剛体要素の範囲(従節点で指定)を広げることになります。このようにすると、1つの主節点から複数の従節点へ青い棒が放射線状に結ばれますが、これは見た目だけの問題であり、剛体要素としては、主節点と複数の従節点の位置関係を保ったまま移動したり回転したりします。
隅角部においては、中心部を主節点として左右上下を従節点とすることになります。
関連するヘルプは
「Engineer's Studio Help|ナビ|節点と要素|剛体要素」
です。また、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|目的ガイド|剛域をモデル化するには」
に、剛体要素を用いる方法と数値断面部材とする方法の2種類が解説されていますので御覧ください。剛体要素を使用できない場合や上述の見た目を気にされる場合は、「数値断面部材とする方法」をご検討ください。
Q1−97.
ナビゲーション「固有値解析と減衰定数|減衰定数」において、「要素」タブでαを入力する場合と、「節点タブ」でαを入力するのではどのような違いがあるか。どちらのαにも入力するとダブルカウントになるのか。
A1−97.
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|質量一覧|節点質量」
に解説されております節点質量を与えた場合に、その節点質量に対してαを考慮します。そのため、節点に質量が設定されていない場合はαの数値は計算に使用されません。
節点に質量が設定されているときに結果に影響します。
要素タブと節点タブの両方にαを与えた場合は、それぞれに考慮されます。
要素は質量を持っておりますので、その要素の質量を節点質量にも与えている場合は、質量をダブルカウントすることになりますし、αもダルブルカウントすることになります。節点質量は、フレーム要素や剛体要素が持っている質量とは別の、付加的な質量が与えられることが想定されます。
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|固有値解析と減衰|減衰定数」
の
Rayleigh減衰の場合|節点タブ
の解説も御覧ください。
Q1−98.
固有値解析を行なう際、「計算するモード数」の指定が可能であるが、「計算するモード数」を変更すると固有値解析の結果が変わる理由
A1−98.
本製品では、固有値解析の解析手法にサブスペース法を用いております。サブスペース法は、算出したい固有値、固有ベクトルの数を指定することで大規模モデルの固有値を部分的に算出するのに適した手法です。この手法は、適当な初期値を基に反復計算をすることで所定の精度の固有値を算出します。また、n次(n:整数)の固有値まで算出する時に、n、n-1、n-2次等算出する最高次数の固有値に近い固有値の算出精度が1次や2次等の低次の固有値と比較して低いことが知られています。よって、計算するモード数は高振動領域の固有値の精度に影響します。
Q1−99.
M−φ要素の軸力変動を考慮した場合としない場合の許容曲率の算定方法は?
A1−99.
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|照査設定|曲率照査|曲率照査」
の
許容値の計算
を御覧ください。
Q1−100.
フレーム要素に時刻歴の動水圧を与えたい
A1−100.
フレーム要素に時刻歴の動水圧を与える機能はございません。
節点に時刻歴荷重あるいは時刻歴強制変位、または時刻歴加速度を与えることは可能です。
この方法は多点入力となります。
多点入力に関してヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|シーケンス荷重詳細」
を御覧ください。
Q1−66. もあわせてご覧ください。
Q1−101.
強制変位を与えるには
A1−101.
強制変位は節点に対して定義します。ナビゲーション「荷重|荷重の定義|荷重値」において、タイプを「節点-強制変位」にします。このとき、強制変位を載荷する方向に固定とする支点条件が必要です。
Q1−102.
リボン"結果"タブの[ナビゲーション|荷重ケース結果|荷重ケース]の使い方が知りたい
A1−102.
"荷重ケース"は、3Dビューとテーブルビューの表示状態を制御するために用いられます。具体的には、荷重ケースをクリックして青色で反転表示されている荷重ケースと荷重ケースの前にチェックを入れた荷重ケースの結果の2つの結果が3Dビューとテーブルビューに表示されます(下図)。
"荷重ケース"が下図の様な指定の時は、「土圧水圧」と「地盤反力」の結果が表示されます。
チェックを入れている「地盤反力」の結果のみ表示したい場合は、荷重ケースを下図の様な状態にして下さい。
どの荷重ケースにもチェックを入れていない状態でどれか1つの荷重ケースを選択後、キーボードの[↑]又は[↓]キーを押下することで荷重ケースの切り替え操作を素早くすることができます。
Q1−103.
リボン"レポート"タブの"入力データ"の操作を教えて下さい
A1−103.
リボン"レポート"タブの"入力データ"は、下図のA部にてレポートに出力したい項目にチェックを入れて、さらに同図B部にて各項目毎に出力する詳細項目の設定を行います。
なお、下図の様な状態で「プレビュー」ボタンを押下しても「モデル表示」はレポートに出力されません。反転表示は、B部を呼び出すために行います。「モデル表示」をレポートに出力したい場合は、「モデル表示」にもチェックを入れて下さい。
Q1−104.
絶対加速度と相対加速度の違いは?
A1−104.
地震動が入力されると地面が揺れます。観測者が揺れている地面の上に立っているとき、構造物の揺れは相対的な揺れとして観測されます。もし観測者が静止衛星のように揺れている地面をも観察できるような位置にいるとき、地面とともに揺れる構造物の揺れは絶対的な量として観測されます。
したがって、揺れている地面の上から観測する構造物の応答が「相対加速度」であり、それに入力地震動の加速度を足し合わせたものが「絶対加速度」となります。
Q1−105.
製品同梱の各サンプルファイルの概要が知りたい
A1−105.
こちら を御覧ください。
Q1−106.
レポート出力の概要について教えてほしい
A1−106.
本製品は、多種多様な構造物の解析を実施できるため、場合によっては、入力、解析結果等のデータ量が非常に多くなる場合があります。そのためレポート出力する内容を明示的に選択指定して頂く様になっております。
レポートに出力可能な内容は、下記3つに分類されます。
* 入力データ
* 標準出力
* 任意設定
「標準出力」は、照査結果を出力します。この「標準出力」と「入力データ」は、「レポート」タブにて出力する項目を指定します。また、「任意設定」は、「FEM結果(シーケンス結果、個別結果)」タブ及び「照査結果」タブで結果の表示をした内容を「レポートリストに追加」することで出力する内容を組み立てていくものです。
また、製品に同梱されているヘルプの下記トピックにもレポートに関する説明がございますので併せて御覧下さい。
「Engineer's Studio Help|リボン|レポート」
Q1−107.
レポート出力の「任意設定」の基本的な設定方法が知りたい
A1−107.
「任意設定」には、「結果」タブ及び「照査」タブにて表示可能な項目についてレポートに出力したい項目を追加できます。下図において赤い矩形の領域に表示される内容がレポートに出力可能です。
まず、「ナビゲーション」や「リボン」を操作することで上図の赤い矩形の領域にレポートに出力したい内容を表示します。下図は、「結果」タブで最終ステップのMzp図とMzpの結果表を表示させた例です。
この表示内容をレポートの出力リストに追加するためにウィンドウ左下の「レポートリストに追加」ボタンを押下します。
追加した項目がレポートリストに追加されたかどうか確認するために「レポート」タブの「任意設定」の「ラン」を開きます。
ここまでの手順を繰り返してレポートに出力したい項目をレポートリストに追加します。下図は、追加後のレポートリストの状態です。レポートリストの「名称」列を変更しておくと出力対象が増えた時に他の項目と区別できて便利です。
レポートリストへ出力したい項目の追加が完了したらウィンドウ上部の「プレビュー」ボタンを押下します。
すると「F8出力編集ツール」が起動し、これまでにレポートリストに追加した項目がレポートに出力されていることが確認できます。
Q1−108.
レポート出力の図を拡大することはできるか
A1−108.
レポート出力の図の領域を大きくする(たとえば、A4サイズ一杯にする等)ことはできません。別途画面のハードコピーをとるなどの操作になります。
Q1−109.
平板要素モデルで、節点以外の場所へ集中荷重を載荷したい
A1−109.
平板要素は節点で離散化される有限要素法なので、節点以外の場所へ集中荷重を載荷することはできません。
対処方法としては、集中荷重を載荷されたい位置に節点がくるようにメッシュ割を変更するか、あるいは載荷位置周辺を別の平板要素としてその部分のメッシュの密度を他の部位より密とし、節点に集中荷重を載荷することが考えられます。また、1つの節点だけに集中荷重を載荷すると、応力が集中して応答値が過大になることもありますので、実際の載荷面を考えて複数の節点に集中荷重を載荷することも考えられます。
Q1−110.
示方書条項の入力が「断面照査用詳細入力」と「断面照査」の2箇所ある理由?
A1−110.
断面照査の入力と断面照査用詳細入力はそれぞれ独立したデータになっております。
断面照査の入力ではどの着目点に対してどの示方書条項で照査するかを指定します。
断面照査用詳細入力ではどの断面に対してどの示方書条項の設定を行うかを指定します。
この時点では、断面照査の入力と断面照査用詳細入力は関連付けられていません。
そして、断面照査で断面照査用詳細入力を選んだときに、断面照査で想定されている示方書条項と断面照査用詳細入力に設定されている示方書条項が一致するかどうかがチェックされます。一致していれば問題ありませんが、不一致の場合はエラーになります。同時に、断面照査で指定された着目点での断面名称と断面照査用詳細入力で入力されている断面名称が一致しているかどうかも検査されます。
Q1−111.
フレーム要素の断面を斜めにしたい。[ナビゲーション|節点と要素|フレーム要素]にある各フレーム要素の「主軸座標系の回転(°)」の値を変更することで回転させたが、問題ないか?
A1−111.
フレーム要素の要素座標系xl-yl-zlを回転させる方法をお勧めします。要素座標系は、[ナビゲーション|節点と要素|フレーム要素]
の「要素座標系」列中の[...]ボタンを押下して表示される「座標系」ダイアログにて変更することができます。この「座標系」ダイアログの詳細については、ヘルプの
「Engineer's Studio Help|ナビ|節点と要素|フレーム要素|フレーム要素座標系」
をご一読ください。
ここで、3次元空間での座標系について解説させていただきます。座標系が下記3種類あります。
全体座標系X-Y-Z
要素座標系xl-yl-zl(lはlocalの意味)
主軸座標系xp-yp-zp(pはprincipal axisの意味)
要素座標系は、フレーム要素、ばね要素、剛体要素、平板要素(メッシュ要素)、支点の全部が持っている情報です。これに対し主軸座標系は、フレーム要素のみが持っている情報です。なお、上下左右に対称な通常の断面では、通常、要素座標系と主軸座標系は一致します。詳細は、お手数をおかけいたしますが、ヘルプの
「Engineer's Studio Help|入力する前に|全体座標系」
「Engineer's Studio Help|入力する前に|要素座標系」
「Engineer's Studio Help|入力する前に|主軸座標系」
をご覧ください。特に上記「主軸座標系」に関するヘルプでは、[ナビゲーション|節点と要素|フレーム要素]にある各フレーム要素の「主軸座標系の回転(°)」の値を変更した場合に要素yl軸は回転せずに主軸yp軸が回転する様子と、要素yl軸の方向指定によって、要素yl軸と主軸yp軸が同時に回転する様子の解説をしておりますので、ぜひご覧ください。
ここからは、各座標系の用途について説明します。まず、要素座標系は、部材荷重の方向付けに使用します。また、フレーム計算の部材剛性、断面力算出、断面計算は全て主軸座標系の軸に関して計算されます。 なお、要素座標系のデフォルトは、要素yl軸が鉛直上向きとしています。しかし、鉛直部材ではyl軸を上に向けることができませんから、全体X軸の負の向きとなります。この解説がヘルプの
「Engineer's Studio Help|ナビ|節点と要素|フレーム要素|フレーム要素座標系」
に図入りでありますのでのでご覧ください。
最後に [ナビゲーション|節点と要素|フレーム要素]にある各フレーム要素の「主軸座標系の回転(°)」で角度を入れることもできますが、前述のとおり、主軸と要素軸が一致しなくなります。このことがわかっていれば特に問題はありませんが、特に理由がなければ要素yl軸を回転させる方法をご利用ください。要素yl軸を回転させれば主軸も一緒に回転しますので結果の確認等でデータチェックが容易と考えます。
Q1−112.
[ナビゲーション|荷重|質量一覧|荷重を質量へ変換」は、どのような場合に使用するのか
A1−112.
動的解析では質量に加速度が乗じられて慣性力になります。
しかし、荷重値は質量ではないので慣性力が生じません。
荷重値による慣性力を発生させる目的がある場合にこの機能を利用できます。
一例としては、プログラムが自動生成する死荷重を使用せずに、節点荷重や要素荷重を直接入力することで死荷重に相当する荷重値を別途設定した場合、動的解析時に慣性力が発生しません。
そこで、この機能を利用することで質量が生成され、その結果慣性力が発生します。
Q1−113.
固有値解析の結果が動的解析に必要な理由は?
A1−113.
動的解析では粘性減衰マトリクスが必要です。粘性減衰マトリクスは、
・Rayleigh型
・要素別剛性比例型
の2種類があります。
Rayleigh型は、固有値解析の結果から2つのモードを選ぶ方法です。
要素別剛性比例型は、固有値解析の結果から1つのモードを選ぶ方法です。
詳細は、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|計算理論|FEM計算関連|減衰について」
を御覧ください。
H14道路橋示方書V耐震設計編 p.343「5.2 減衰力のモデル化」にも解説がございますのでご参考にされてください。
Q1−114.
断面の大きさが異なるフレーム要素では断面の図心位置が骨組み線となるのでずれてしまう。このような場合の対処方法は?
A1−114.
お考えのとおり、断面の図心を通るようにフレーム要素の骨組み線が設置されます。
これは、たとえば、H24道路橋示方書III-p.294の図-解16.2.1(b)ラーメン軸線の変化を無視できない場合の考え方です。
ラーメン軸線の変化を無視できる場合が図-解16.2.1(a)です。
このような観点から、軸線の変化を無視するか、無視せずに厳密に考慮するか、を最終的には設計者が解析目的に応じて適切に判断することになります。
簡易的にずらす方法があります。それは、「ナビゲーション|モデル特性|フレーム要素の断面|断面特性オプション」画面の「Cz、Cy」を設定することです。この「Cz、Cy」を変更するには、「Cz」列の左側にある「ov」列をチェックします。詳細は、以下のヘルプをご参照お願いします。
「Engineer’s Studio Help|ナビ|モデル特性|フレーム要素の断面|断面特性オプション」の「設定項目」
ここに解説されておりますように、骨組み線を移動すると、断面剛性は移動前のもの、プログラムが自動生成する死荷重は移動後のものとなり、両者が整合しないことになりますので、極力ずらさないことをお勧めします。フレーム計算を行う上での部材剛性は、移動する前の断面剛性を使用します。
この場合、プログラムが死荷重を自動生成する場合は、重心位置と骨組み線の位置がずれることによる偏心モーメントが考慮されます。
Q1−115.
活荷重を定義して影響線解析を行うと計算はエラーなく終了したが、解析結果を確認できない
A1−115.
影響線は着目点に対して作成されますので、着目点の設定が必要です。
弊社ホームページの下記Q&A(1)に、複数の着目点を設置する操作方法が解説されていますので、ご参考ください。
Q1−28.断面照査や限界状態照査を行う着目点が多数ある場合の設定方法は?
http://www.forum8.co.jp/faq/ucwin/ES.htm#q1-28
(解説図)
http://www.forum8.co.jp/faq/ucwin/image/checkpoint.png
Q1−116.
節点や要素をクリックしても選択状態にならない、マウスを移動させた残像が残る等の3次元の描画が適切に行われない問題への対処方法は?
A1−116.
3次元の解析モデルが表示されている領域(CADビュー)の描画が正常に行われない場合の対処方法としては、グラフィックデバイスのドライバをアップデート、ハードウェアアクセラレーションの無効化が考えられます。グラフィックデバイスのドライバをアップデートした場合は、WindowsUpdateによるドライバの自動更新を抑制する設定を推奨します。詳細は、下記文書を御覧ください。
3次元描画が適切に行われない時の対処法(.pdfファイル)
Q1−117.
特定のフレーム要素(M-φ要素、ファイバー要素を含む)の色を変更したい
A1−117.
こちらの動画を御覧下さい。
VIDEO
Q1−118.
複数のフレーム要素に分布荷重を載荷する方法は?
A1−118.
最初に複数のフレーム要素を選択し、その後、ナビゲーション「荷重|荷重の定義|荷重値|基本荷重」で入力します。簡単な入力手順を説明した下記ファイルを御覧ください。
分布荷重の操作例.pdf
Q1−119.
ナビゲーション「荷重|荷重の定義|荷重値|基本荷重」の入力で、複数の要素を「対象」列に簡単に入力する方法は?
A1−119.
複数の要素を選択した状態で、荷重値の行を追加すると自動的に複数の要素名称がカンマ区切りでセルに追加される機能があります。
この機能について説明し下記ファイルをご覧ください。
分布荷重の操作例.pdf
Q1−120.
プレストレス部材の非線形性を考慮するときに、ファイバー要素でモデル化する方法とM−φ要素でモデル化する方法の違いは?
A1−120.
M−φ要素は断面全体で1つの非線形特性(M−φ特性)を考慮しますが、ファイバー要素は断面内の各セルの単位でコンクリートの非線形特性(応力ひずみ関係、製品ではヒステリシスと呼んでいます)を考慮します。さらに鉄筋やPC鋼材も直接非線形特性(応力ひずみ関係、製品ではヒステリシスと呼んでいます)を考慮します。
M−φ要素では二軸曲げを正確に評価できませんが、ファイバー要素は二軸曲げを正確に評価できます。また、解析中に軸力が変動する場合に、非線形特性も随時更新するのがファイバー要素です。M−φ要素は解析中に軸力が変動しても元のM−φ特性の骨格形状は更新されません。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|テクニカルノート|プレストレス部材を非線形とするには」
にファイバー要素とM−φ要素の比較が4つのサンプルデータ「PC-T-InPlane-Fibre.es」、「PC-T-InPlane-Mphi.es」、「PC-T-OutPlane-Fibre.es」、「PC-T-OutPlane-Mphi.es」とともに解説されていますので、ご参考ください。
Q1−121.
要素の接続関係を視覚的に確認したい
A1−121.
一時的に要素を平行移動させる方法がございます。以下の動画を御覧下さい。
VIDEO
Q1−122.
i端とj端とに異なる断面を割り当てて、変断面部材とするには?
A1−122.
弾性梁要素の場合はi端とj端に異なる断面を与えることができますが、互換性のある断面どうしでなければなりません。互換性のある断面とは、次のとおりです。
1)断面に使用されているアウトラインの数が同じであること。
2)断面を形成する図形の頂点数が同じであること。
3)材料の種類が同じであること。
4)i-j端断面の主軸の角度の差が±0.5°以内であること。
互換性のない断面を割当てている状態でFEM解析を実行すると「両端断面に互換性がありません」というエラーメッセージが表示されます。
Q1−123.
構造物内の任意の位置に時刻歴波形の衝撃荷重を与える方法は?
A1−123.
多点入力で可能です。波形は節点に対して与えることになります。多点入力に関しては、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|シーケンス荷重詳細」
を御覧ください。
Q1−124.
「Engineer's Studio」で作成したデータを「UC-win/FRAME(3D)」で読み込む方法はあるか?
A1−124.
逆は可能ですが、Engineer's StudioからUC-win/FRAME(3D)へデータファイルを連携させる方法はございません。
Q1−125.
Ver.6 にて導入されたコンテキストコマンドについて知りたい
A1−125.
Ver.5 までは、モデル作成時にCADビュー(3次元のモデルが表示されている部分)にて節点やフレーム要素等、特定のオブジェクトを選択するとそのオブジェクトに適用可能なコマンドの実行用ボタンがリボンの「モデル」タブに表示されていました。しかし、Ver.6
より"コンテキストコマンド"という仕組みが採用され、各コマンドの表示位置が変わりました。
今回は、下記スクリーンキャスト(動画)にて各コマンドの移設先を紹介致します。以下の動画を御覧下さい。
VIDEO
Q1−126.
FEM解析を行うと「収束できませんでした」というメッセージが表示され、最後まで計算できない場合の対処方法は?
A1−126.
ナビゲーション「モデル特性|解析設定」画面で収束しない場合の設定を、たとえば、
収束しない場合に計算を打ち切る=オン
収束しないことを許すステップ数=10 (10回は許す)
としてみてください。この場合は10回までは収束しないステップがあっても計算を続行するが、11回目に収束しないステップが表れたら計算を打ち切る設定になります。計算後に節点や部材等の時刻歴結果画面をみて(どの節点・部材でも構いません)、結果が赤表示となっているステップがあるかどうかをご確認ください。赤く表示されているステップは収束していないステップです。赤く表示されているステップが何ステップも連続しているようでしたら、計算結果としては信頼性が落ちます。ところどころに赤いステップがみられるようでしたら、あるステップでは収束していないが、次のステップでは収束しているので、モデル全体の解としては採用しても問題ないと判断できる場合があります。赤い表示のステップが多数散在している場合は設計者の判断に委ねられます。
収束結果を確認できる画面があります。ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|収束結果」
を御覧ください。
Q1−127.
示方書条項が「道示-V H24 [Mu,Ma]」の場合の鋼製橋脚断面に対する照査用詳細入力画面「道示VH24オプション」において、コンクリートを充填した鋼製橋脚断面の断面2次半径が充填しない場合よりも小さくなる理由は?
A1−127.
H24道路橋示方書V耐震設計編では、「フランジに平行な軸に関する鋼断面の断面二次半径r」が規定されています。このrを計算するために、プログラムは断面二次モーメントを使用します。断面二次モーメントfはzp軸回りとyp軸回りの2種類があります。プログラムは、断面二次半径rを下式で計算します。
rzp = √(Izp / A)
ryp = √(Iyp / A)
充填コンクリート断面の方のIzpやIypが小さくなっていないか、あるいは断面積Aが小さくなっていないかをナビゲーション「モデル特性|フレーム要素の断面|断面特性オプション」でご確認ください。断面特性オプションの表の列「基本要素」には換算断面諸量を算出する場合のベースとなる断面要素を選ぶようになっております。充填なしの鋼断面と充填有りの鋼断面とで同じ断面要素を選ぶ(ここでは鋼材の断面要素)ことで、換算断面の考え方が統一されますのでお試しください。
Q1−128.
示方書条項が「道示-V H24 [Mu,Ma]」の場合のRC断面に対する照査用詳細入力画面「道示VH24オプション」において、「横拘束筋の間隔s」と「塑性ヒンジ長算定用の横拘束筋の有効長d'」の違いは?
A1−128.
「横拘束筋の間隔 s」や「横拘束効果の有効長d」はコンクリートの応力ひずみ曲線を定義するためのパラメータです。H24道路橋示方書V耐震設計編10.4に解説がございますので御覧ください。間隔sは部材軸方向、有効長dは部材軸直角方向です。
「塑性ヒンジ長算定用の横拘束筋の有効長d'」は、コンクリートの応力ひずみ曲線を定義するためではなく、塑性ヒンジ長を算出するためのパラメータです。有効長d'も部材軸直角方向です。H24道路橋示方書V耐震設計編10.3(7)p.170に定義があり、解説文p.178には説明図がございますのでご参考ください。
Q1−129.
「ナビゲーション|モデル特性|フレーム要素の断面|断面サムネイル」画面の断面データを他のes(esx)ファイルで使用するには?
A1−129.
断面データに関しましては、同画面のツールバーにある「オブジェクトをクリップボードにコピー」ボタンにより、クリップボード経由で他のes(esx)ファイルにペーストできます。「オブジェクトをファイルにコピー」ボタンでは断面データをファイルとして保存できます。詳細は、以下のヘルプをご参照お願いします。
「Engineer’s Studio Help|画面まわりの基本|表エディタの機能」
「Engineer’s Studio Help|画面まわりの基本|自動複製とコピー/ペースト」
Q1−130.
フレーム要素のi端やj端に着目点を設定できるが、中間部に設定できない理由
A1−130.
i端側とj端側の断面が異なる場合、中間部の断面形状や配筋状態を推定できないため、着目点を配置できません。対処方法としては、i端とj端の断面には平均的な断面を用意してそれを両方に割当てて要素中央だけに着目点を設置することを推奨します。
なお、M−φ要素では要素中央で非線形特性を考慮しますので、平均的な断面を用意してそれをi端とj端に割当てて、要素中央だけに着目点を設置することを推奨します。
Q1−131.
平板要素の結果「コンタ切断図」の内容をレポート出力する方法
A1−131.
「コンタ切断図」は、レポートに出力することができません。
コンタ切断図のテーブル表示画面「コンタ切断面パラメータ」を呼び出して、画像ファイルやCSVファイルを直接エクスポートする操作になります。下記のファイルが出力されます。
・コンタ図切断面の断面力図(画像ファイル)
・位置図(画像ファイル)
・コンタ図切断面の断面力図の各数値(CSVファイル)
・概要CSVファイル(CSVファイル)
詳細については、製品ヘルプの下記トピック
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|コンタ切断図」
の
「出力される画像ファイル」
「出力されるCSVファイル」
の部分をご覧下さい。
Q1−132.
テーパーのついた部材(部材厚が変化)を平板要素でモデル化できるか
A1−132.
平板要素は1つの要素内では一定の厚さである必要があります。厚みを変化させることはできません。そのため一定の厚みを持った平板要素を並べて階段状のように近似してモデル化することになります。この場合、平板要素の表と裏は両面とも階段状になります。
Q1−133.
「橋脚の設計」で作成したデータをエクスポートして「Engineer's Studio」で読み込み、動的解析を行うと支点が不安定となる
A1−133.
「橋脚の設計」では支承の設定を用意していないため、単独エクスポート時に構造系が不安定とならないように最上端の節点に支点を設けることができます。
この支点は、橋脚の設計のエクスポート設定画面において、「上部構造慣性力作用位置の支点」を「設定する」とした場合に設定され、同画面の「支承バネの位置」により下記のように初期設定されます。
・min(橋軸hIL,直角hIT)
一般的な直橋のように、橋軸方向の上部工慣性力作用位置を橋脚天端、直角方向の上部工慣性力作用位置を重心位置として設定する場合に選択します。
計算上は、ばね特性の回転Rzlを自由とすることで、橋軸方向の天端(橋軸hIL)より上に作用するモーメントが0となります。
直角方向については固定とするため、天端より上の慣性力によるモーメントが考慮されることになります。
・橋脚天端
斜橋のように、橋軸方向及び直角方向ともに上部工慣性力作用位置として重心位置を用いるケースを想定しています。
この場合、ばね特性の回転Rzlを固定とすることで、橋軸方向についても天端より上の慣性力によるモーメントが考慮されることになります。
Q1−134.
平板要素にプレストレスを考慮するには
A1−134.
プレストレス荷重を鉄筋の初期ひずみとして与えることで可能です。
ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|モデル特性|平板要素の断面|平板断面詳細」
を御覧ください。
以下に抜粋を記します。
--- from
初期ひずみは鉄筋の構成則(応力ひずみ曲線)の開始点です。引張を正として与えます。荷重を載荷する前の初期状態において、既に鉄筋が引張ひずみを有している場合にその値を与えることになります。負の値を与えれば、計算前の状態で既に鉄筋が圧縮ひずみを有していることになります。
--- to
平板断面にはPC鋼材を配置できません。鉄筋比として入力し、上記初期ひずみを与えることになります。
なお上記初期ひずみを設定するためには、「ES-前川コンクリート構成則オプション」が必要です。ヘルプの
「Engineer's Studio Help|プログラム概要|製品構成」
をご覧ください。
Q1−135.
断面照査用詳細入力において、斜引張鉄筋 実配置面積Awrealの算出方法
A1−135.
「部材奥行き方向の斜め引張鉄筋の本数」と「鉄筋1本の断面積」の積となります。
たとえば、断面を取り囲む帯鉄筋のみで中間帯鉄筋がない梁では2本分の断面積となります。
Q1−136.
「橋脚の設計」で作成したデータをEngineer's Studioの形式でエクスポートし、Engineer'sStudio側で塑性率の照査を行いたいが、モデルチェックの段階で以下のエラーが発生する
--- from ---
[4395](4)塑性率の照査:橋脚変位算出に対応していない設定のため、断面計算に失敗しました。
--- to ---
A1−136.
橋脚の設計からエクスポートしたesファイルは、M−φ特性の骨格形状は橋脚の設計側で算出され、直接入力されたものです。そのため、添付図の@にチェックを入れて、AとBに値を入力してください。
あわせてヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|照査設定|橋脚塑性率照査|塑性率照査」
の解説をご覧ください。
Q1−137.
「橋脚の設計」からエクスポートしたデータにて、鉄筋径を変更したが曲率照査の結果に反映されない
A1−137.
「橋脚の設計」や「震度算出(支承設計)」からエクスポートした場合のM−φ特性は、「橋脚の設計」が内部で作成した値であり、任意設定のM−φ特性です。任意設定のM−φ特性は、骨格形状を直接定義するものですので鉄筋を変更してもM−φ特性の骨格形状には影響しません。断面と連動したM−φ特性であれば、材料強度が変更されたり、断面形状や鉄筋量が変更されるとM−φ特性の骨格形状も更新されます。
「橋脚の設計」において鉄筋を変更して再度エクスポートをするか、あるいは、Engineer's Studioで読み込んだ後に断面と連動したM−φ特性にするかをご検討ください。
断面と連動したM−φ特性の入力手順は以下のとおりです。
<断面から生成するM−φ特性>
ヘルプ
「Engineer's Studio Help|目的別ガイド|M−φ要素、曲率照査の設定を行うには」
に、作成手順が記載されておりますので、こちらをご参照ください。この中で、
ナビゲーション|モデル特性|M−φ特性|M−φ特性表
断面を選ぶ
「断面から生成」にチェックを入れる
という操作がございます。断面を選ぶことで、「断面を使用」にチェックを入れることが可能になります。
M−φ特性のカテゴリには「H24道示V-p.122RC橋脚」があります。これを指定すると、平成24年道路橋示方書V耐震設計編p.122解説に示されるMy=
Py(h - Lp/2)、φy = (δpy/(h-Lp/2))/Lpにより算出される完全弾塑性型バイリニアが作成されます。断面と連動しますので、断面形状や配筋の変更に追随し、M−φ特性も自動更新されます。断面の形が上下非対称な場合や圧縮側鉄筋量と引張側鉄筋量が異なる場合など、断面が非対称なときは正側降伏点と負側降伏点を結ぶ直線が原点を通るように補正されます。詳細は、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|モデル特性|M−φ特性|M−φ特性詳細」
を御覧ください。
サンプルデータは、
RCPier-H24DosiVp122-MyPhiy.es
BlueBookBridge_TypeI_H24DosiVp122_DuctilityCheck.es
です。
「橋脚の設計」、「震度算出(支承設計)」からエクスポートしたesファイルでは、任意設定のM−φ特性が作成されますので、基本的にM−φ特性のカテゴリ「H24道示V-p.122RC橋脚」とした場合と同じ方法ですが、「橋脚の設計」では鉛直方向の高さによってM−φを算出しているのに対し、Engineer's
Studioでは厳密に地震時保有水平耐力法の計算をしておりませんので、算出されるM−φ特性の結果には差が発生します。
M−φ特性のカテゴリに、「H24道示V-p.122RC橋脚」以外のバイリニアやトリリニアなどを選ぶことが可能です。この場合も断面形状と配筋状態、照査用詳細入力画面の設定(応力ひずみ曲線)よりM−φが自動算出されます。これらも断面から決定されるものですが、上述のp.122の手法とは異なります。
Q1−138.
固有値解析の結果で1次モードや2次モード等の変形モードを図化できる数値(変位のような量)を取得したい
A1−138.
固有ベクトルの数値をテキスト形式(CSV)でエクスポートする機能があります。 リボン「シーケンス結果|エクスポート|CSV/Text |固有ベクトル」をクリックし、呼び出された画面でランの選択と固有モードを選択するとCSVファイルが出力されます。
Q1−139.
結果表示において、変形性能基準や曲率のコンターの表示色を変更したい
A1−139.
各変形レベルの色は、ナビゲーション「性能基準|ばね要素|変位レベル」、「性能基準|M−φ要素|曲率レベル」、「性能基準|ファイバー要素|ひずみレベル」において変更できます。ただし、平板要素の場合はひずみの性能基準がプログラム内部で固定ですので変更できません。平板要素のコンタ図の色については変更できます。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|コンタ図の凡例について」
の解説を御覧ください。
Q1−140.
下記のようなエラーが発生する場合の対処方法は?
============================
警告
[4180] (3) 支点条件では、変位を与えることができません。
============================
A1−140.
ナビゲーション「荷重|荷重の定義|基本荷重ケース|荷重値」で「節点-強制変位」が指定されている場合、強制変位を与える方向を固定とする支点が必要です。しかし、該当する節点に支点が設定されていないため「支点条件では、変位を与えることができません」という警告メッセージがでています。例えば、全体X軸方向に強制変位を与える場合は全体X軸方向を固定とする支点(その他の成分は自由で結構です)を設置してください。
Q1−141.
下記のようなエラーの対処法は?
===============================
[4010] (11) フレーム要素の剛性が正しくありません。
曲げ剛性 : E * Izp = 0
===============================
A1−141.
数値断面の入力をご確認ください。Izy(断面相乗モーメント)にゼロでない数値が設定されていないでしょうか。これが原因でヤング係数と断面二次モーメントを乗じたEIがゼロになるというエラーが発生していることが考えられます。通常、左右対称、上下対称な断面はIzyがゼロですので、ゼロを与えてください。
断面の図心を通る任意の座標軸z'-y'に対して、2次の断面モーメントは以下の3種類があります。
Iz':z'軸回りの断面二次モーメント
Iy':y'軸回りの断面二次モーメント
Iz'y':断面相乗モーメント
これらは、現在考えている座標軸が回転すると変化します。変化させる中で、断面相乗モーメントIz'y'がゼロとなる角度θが存在し、次式で計算されます。
tan2θ=2Iz'y'/(Iz'-Iy')
この角度θに対して新たに定義される座標軸zp-ypを「主軸」と称し、それら2軸(zp-yp)に関する断面二次モーメントIzp、Iypは極大値あるいは極小値となります。
数値断面の入力では、上記の3つのパラメータを入力します。解析に使用されるのは自動算出された主軸回りのIzp、Iypです。
Q1−142.
解析可能な最大節点数、あるいは最大要素数はあるか?
A1−142.
節点数や要素数の制限はありません。ただし、Engineer'sStudioが使用可能なメモリは最大2GBまでというOSの制限(32bitアプリケーションの制限)に抵触してしまうと予期しないエラー等が発生します。64bitOSでは約3.5GBまで使用可能に拡張されます。
解析に要する時間やメモリ消費量に対する指標としては、概算で「節点数×要素数(フレーム要素+ばね要素+平板要素+...)×ステップ数」の数値が大きければ大きい程メモリ制限に抵触する可能性が高くなります。
具体的な指標はございませんので、モデルが大規模の場合はWindowsのタスクマネージャーで表示されるプロセス「eStudio.exe」のメモリ使用量を確認することで傾向を把握することが考えられます。
Q1−143.
弾性梁要素の剛性を降伏剛性とした線形弾性解析を行いたい
A1−143.
構造力学の公式に「M=EIφ」があります。H24道路橋示方書V耐震設計編p.173の解(10.3.2)と同じです。これを変形すると、I=M/(Eφ)です。つまり、
Iy=My/(E*φy)
と考えて、Iyを手動で算出し、Iyを数値断面として入力します。数値断面ですので、フレーム要素の種類を弾性梁要素に指定します。
ここで、
Iy:降伏時の断面二次モーメント
E:ヤング係数
My:降伏曲げモーメント
φy:降伏曲率
です。
Q1−144.
斜杭の基礎ばねAvvは橋軸方向と直角方向の2種類あるが、どちらを入力したらよいか
A1−144.
基礎ばねは道路橋示方書の概念で平面内が想定されています。よって、
橋軸方向専用のモデルでAvvを入れる。
直角方向専用のモデルでAvvを入れる。
が道路橋示方書の概念に合った方法と思います。
3次元モデルでは3次元での基礎ばねが必要ですが、その方法は道路橋示方書に解説されていません。そのため、どちらのAvvを使用するか、あるいは、平均するか、等を設計者が判断して入力することになります。
Q1−145.
1つの支点の行に複数の節点を指定することはできないか
A1−145.
1つの支点に複数の節点を指定することはできません。
なお、下図の様に操作すると効率よく作成することができますのでお試しください。
支点を設定したい節点を選択します。CADビュー上で選択する場合、下図の@の操作を行うと節点だけを選択できる様になり便利です。
下図の様に支点作成コマンドを実行します。
下図は、支点設定後の状況です。
Q1−146.
断面照査結果からNG等になる要素を着色して表示させることはできるか
A1−146.
断面照査結果からNG等になる要素を認識して色を付ける機能はございません。
本プログラムには要素を選択すると、最初に選択した要素と複数選択した要素の色が変わる機能があります。この機能を利用する方法をご説明いたします。
1)システムオプションのカラー設定を呼び出す
2)「選択」と「複数選択」に対して赤色等の指定を行う
3)入力画面に戻る
4)3次元モデル内の要素をCtrlキーを押しながら次々とクリックする
ナビゲーション「節点と要素|フレーム要素|フレーム要素」の表内の列「状態」の欄をCtrlキーを押しながら次々とクリックすることでも選択状態になります。ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|基本操作|要素の選択」
の
選択|表エディタ
の解説を御覧ください。
Q1−147.
主軸座標系が傾いてしまう。任意に角度を設定できないか?
A1−147.
断面形状が非対称な断面では、主軸が傾きます。
主軸は断面の形から決定される断面固有の性質なので任意に変更できません。
部材に発生する断面力は主軸に対して得られます。断面計算も主軸に対して実施されます。
主軸を傾けないようにするには、断面の形が対称となる形状に変更することになります。
<主軸に関する補足>
主軸とは断面相乗モーメントがゼロとなる軸ですが、フレーム計算を行うときは主軸回りの剛性が必要なため、主軸以外の軸回りの断面二次モーメントを算出する機能がありません。仮に主軸以外の軸に関して断面二次モーメントを算出した場合、断面相乗モーメントIzyも算出し、それら両方を考慮した部材剛性をフレーム計算に用いる必要があります。本プログラムでは断面相乗モーメントを部材剛性として考慮しないので、常に主軸回りの部材剛性を使用します。そのため、主軸以外の軸に関する断面二次モーメントを算出しません。
長方形断面や円形などの対称断面では断面相乗モーメントIzyはゼロ0です。
Q1−148.
結果付きで保存する際に、作業フォルダや保存先フォルダをローカルPCだけでなく、ネットワーク上にあるPCに設定してもよいか?
A1−148.
作業フォルダや保存先フォルダはいずれもローカルPC(USB接続のHDDも含む)としてください。
ネットワークの接続状態は不安定ですので、一旦接続が切れると正常に動作しなくなる可能性があります。一旦、ローカルPCで保存後、改めてネットワークPCにコピーする方法が安全です。
また、作業フォルダと保存先フォルダが異なるドライブのときはファイルのコピーが発生するので(みかけは移動)、作業フォルダと保存先は同一ドライブにすることをお勧めいたします。
Q1−149.
動的解析後、柱基部の鉛直力、水平力、モーメントの初期値、最大値、最小値を確認する方法
A1−149.
フレーム要素の断面力を確認することになりますので、グループ結果のランにおいてテーブル表示するか、若しくは個別結果のフレーム要素で確認することになります。
グループ結果のランについては、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|グループ結果|ラン結果」
個別結果のフレーム要素については、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|個別結果|フレーム要素時刻歴」
を御覧ください。
M−φ要素は非線形特性(M−φ特性)を要素中央で評価しますので、計算結果も要素中央で得られます。その値は、個別結果のフレーム要素で確認できます。
グループ結果のランでは、曲げモーメント図を描画する必要がありますので、要素中央の値からi端側やj端側へ線形弾性理論により補間して算出された値となります。
このとき、厳密には不整合な状態が発生します。M−φ要素の結果は非線形の結果に対し、補間される値は線形弾性理論です。これによる違いが発生します。
最大、最小は個別結果のフレーム要素の数値表で確認できますが、M−φ要素の場合は要素中央での値となります。抽出キー結果では、グループ結果のランと同様に要素中央の値からi端側やj端側へ線形弾性理論により補間して算出された値から最大最小が抽出されています。ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|グループ結果|抽出キー結果」
を御覧ください。
Q1−150.
「座標系」ダイアログでのばね要素座標系の指定方法を知りたい
A1−150.
こちら のドキュメントを御覧下さい
Q1−151.
橋梁の動的解析の結果から、橋軸方向の遊間を取り出したい
A1−151.
相対変位を取り出したい2個の節点間にダミーのばね要素(6成分自由)を配置しておく方法があります。ばね要素の結果は相対変位です。この場合は、ばね要素の要素座標系に対する値で、かつ、ばね要素i端側節点に対するj端側設定の相対変位量になります。相対変位の符号は、ばね要素座標系の向きを正としています。ばね要素の結果については、ヘルプの
「Engineer's Studio Help|計算理論|FEM計算関連|ばね要素の符号について」
をご一読ください。6成分自由の設定ですので、解析結果には何ら影響せずにばね要素の結果(=2節点の相対変位)を取得できます。計算させると、ばね要素の長さがゼロでないというメッセージがでますが無視して頂いて結構です。
結果は、ばね要素の結果をみることになります。ばね要素の結果は、ヘルプの
「Engineer's Studio Help|FEM結果|個別結果|ばね要素時刻歴」
をご覧ください。
Q1−152.
ダンパーのモデル化方法を知りたい
A1−152.
ダンパーのモデル化方法にはばね要素と減衰要素の2種類あります。
たとえば、オイレス工業(株)様が販売している圧縮型復元機能付減衰装置BMRダンパーの履歴モデルは、ばね要素に割り当てるばね特性で入力します。ばね特性は力と変位の関係を定義する特性です。
一方、力と速度の関係を定義する減衰要素もあります。減衰要素には減衰要素特性を割当てます。減衰要素特性のパラメータは、
F=C*V^α (C:ダンパー容量係数、α:速度依存係数)
のうちの、Cとαです。
入力は、最初に減衰要素特性を作成し、次に減衰要素を作成します。詳細については、恐れ入りますが、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|モデル特性|減衰要素特性」
「Engineer’s Studio Help|ナビ|節点と要素|減衰要素」
を御覧ください。
減衰要素のサンプルデータは、「Lohse-after-dampingElement.es」です。このサンプルは、鋼逆ローゼ橋にレベル2地震動のタイプII波形を橋軸直角方向に入力した大変位動的解析で、減衰要素を左側端柱に配置して曲げ応力度照査をしています。デフォルトのインストール状態では、
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio 6.0.3\Samples
にあります(64bit OSの場合)。
※ご利用のバージョンによって「Engineers Studio 6.0.3」の部分を読み替えてください。
Q1−153.
H24道路橋示方書V耐震設計編「7.2 動的解析に用いる地震動(3)」解説文(p.112)「入力地震動の振幅の正負を変えた場合」に相当する入力方法は?
A1−153.
上図に示すように、シーケンス荷重の入力画面に回転角度があります。ここに180度足した値を与える操作になります。たとえば、橋梁全体系の橋軸方向が全体X軸方向にモデル化されている場合は、以下のようになります。
橋軸方向:0度、180度
直角方向:90度、270度
製品に同梱しているサンプルの地震波形は道路橋設計用波形として地盤種別毎に3波形をまとめたものです。まとめる際に、3波形の最大振幅が正側にくるように調整しています。この波形は、標準のインストール状態では、下記場所にあります。
32bit版:C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\Samples
64bit版:C:\Program Files\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\Samples
(※X.X.X にはバージョン番号が入ります。)
3波形の最大振幅が正側にくるように調整した理由については、具体的な数値で解説されたものが、弊社の下記ウェブサイトにあります。参考までに御覧ください。
ただし、モデルによっては波形を反転させる必要がある場合もありますのでこの波形は万能ではありません。
・サポートトピックス「地震波形と抽出キーの関係」
・サポートトピックス「道路橋示方書の地震波形を取り込むには?」
Q1−154.
ランの解析において途中のステップで支点条件を変更することはできるか
A1−154.
本製品は全ステップで同じ支点条件、同じ節点、同じ要素(フレーム要素、ばね要素等)が前提となっております。それらを途中のステップで変更できません。
ランの解析のステップ1に入る前の状態で初期断面力を与える方法があります。この方法では、ランの支点ケースと異なる支点ケースを選ぶことができます。つまり、ランの支点ケースと異なる支点条件による断面力(フレーム要素、ばね要素)を初期状態として与える手法です。
設定場所は、ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」です。
初期状態の荷重ケースとして、基本荷重ケースや組合せ荷重ケースを選ぶことができます。
支点条件として、各基本荷重ケースの支点ケースを使うか、別途用意した支点ケースを使うか、を選ぶことができます。組合せ荷重ケースを指定した場合は、それに含まれる基本荷重ケース(とその支点ケース)を個別に計算し、計算結果を合計した断面力が初期断面力として考慮されます。
初期状態の機能を使う注意点を下記に列挙いたします。
・ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」画面内の「ラン」タブで初期断面力を使用するにチェックを入れます。
・シーケンス荷重の中から死荷重に相当する単調増加荷重を削除します(初期状態を考慮するのでダブルカウントにならないようにするため)
・解析を始める前の部材に生じている断面力状態を与えるので、初期断面力による支点反力は生じません。支点反力は荷重が載荷されたときに初めて生じます。
例えば、モデルの死荷重状態を初期断面力に 指定すると、最初の1ステップ目の計算結果には死荷重反力が発生しません。
・初期状態は初期断面力を考慮するので、初期状態の節点変位は生じません。これは初期断面力を生じさせるような荷重が載荷された解析結果のうち、節点変位を無視して断面力だけを取り出して初期状態とするからです。見方を変えると、初期断面力を与えた状態の節点座標がモデル化されているべきです。
例えば、死荷重が載荷されて変位が生じた解析結果を使用するとき、変位した後の節点座標を配置して、部材に初期断面力を与えます。
・フレーム要素の材端条件(ピン、剛結)は初期状態でもランでも共通です。異なる設定はできません。
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|初期状態」
の解説を御覧ください。
Q1−155.
レポートの標準出力でプレビューを実行したが、何度試してもフリーズして表示されない
A1−155.
レポートの標準出力は計算書様式のため、照査する数が多いと枚数が増えて処理に時間がかかります。
Ver 6.0.2において、リボン「照査|結果」内の総括表タブ、断面照査タブ、塑性率照査タブ、曲率照査タブ、残留変位照査タブ、ばね要素照査タブ、限界状態照査タブに、照査結果の詳細な内容(例:中間データ、計算式等)を、一時的に呼び出す印刷プレビュー画面で確認する機能を追加しました。任意設定のレポートリストに追加することが可能ですので、標準出力ではなく、各照査の画面でフィルタリングした状態で任意設定のレポートリストに追加することをお試しください。ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|照査結果|照査に関する結果」
の
レポートに追加するには
に新しい機能(「詳細を追加」ボタン、印刷プレビューボタン)の説明がありますのでご確認ください。
Q1−156.
フレーム要素に温度荷重を考慮するには?
A1−156.
例えば、温度変化幅が50℃の場合、±25℃として考えるため、温度変化量としては25℃を与えることになります。具体的な方法を以下に記します。
1.ナビゲーション「荷重|荷重の定義|荷重値」の「基本荷重」タブの新規追加ボタンで『温度荷重』を選択する
名称は任意の文字を入力し、荷重には温度荷重を考慮する荷重ケースを選択してください。+25℃と-25℃を組合せ荷重ケースで考慮するために、温度荷重のみの荷重ケースを用意しておくことをお勧めします。
2.対象には温度荷重を考慮する要素名称をカンマ区切りで入力し、さらにV,Vi欄には温度変化量として25を入力する
3.ナビゲーション「荷重|荷重の定義|組合せ荷重ケース」にて、+25℃の場合は部分割増に1.0を、-25℃の場合は部分割増に-1.0を入力する
なお、温度荷重は圧縮軸力または引張軸力として考慮されます。温度荷重による曲げモーメントやせん断力は発生しないことにご注意ください。
組合せ荷重ケースの作成方法としては2種類が考えられます。上述の方法は(2)の方法になります。
(1)+25℃の荷重ケースと-25℃の荷重ケースの2つを作成する方法
(2)+25℃のみの荷重ケースを作成しておき、荷重組合せの段階で-1.0倍する方法
(1)の方法は、プラスとマイナスそれぞれの単独荷重ケースがありますので、+25℃の組合せ荷重ケースを作成する際には、+25℃の荷重ケースを選択し、部分割増には1.0を入力します。反対に-25℃の組合せ荷重ケースを作成する際には、-25℃の荷重ケースを選択し、部分割増には1.0を入力します。
(2)の方法は、プラスの単独荷重ケースのみですので、+25℃の組合せ荷重ケースを作成する際には、(1)と同様に+25℃の荷重ケースを選択し、部分割増に1.0を入力します。反対に-25℃の組合せ荷重ケースを作成する際には、+25℃の荷重ケースを選択し、部分割増に-1.0(マイナス)を入力します。こうすることで、-25℃を与えたこと同じになります。
+25℃の荷重ケースと-25℃の荷重ケースの2つを1つの組合せ荷重ケースに含めて考慮した場合、相殺されてしまいますのでご注意ください。
Q1−157.
名古屋高速ゴム支承(免震支承)の支承データベースにないものを追加する方法
A1−157.
名古屋高速ゴム支承において支承の種類を追加するには、ばね定義を新たに追加することになります。
ばね定義はデータベースとして用意しており、以下手順にて追加することが可能です。
1.ばね特性エディタで、>>ボタンをクリックして[名古屋高速ゴム支承データ エディタ]ウィンドウを呼び出します。
2.名古屋高速ゴム支承データベースにすでにある場合は、該当する行をクリックして選択します。選択したリストが反転表示の状態になります。4番のボタンを押すと選択状態が確定します。
3.新しいパラメータで新規に作成する場合は、エディタ画面左下の+ボタン(追加ボタン)をクリックして1行追加し、各種パラメータを入力します。各種パラメータA1〜E1は、繰返しによるせん断変形性能試験より定めた係数です。詳しくは、お手数ですが製品ヘルプ
Engineer’s Studio Help|ナビ|モデル特性|ばね特性|ばね特性〜名古屋高速ゴム支承型〜
を参照願います。
4.[名古屋高速ゴム支承データ選択]ボタンをクリックすると、選択している行がウィンドウ上部に参考表示されます。5番でOKボタンを押すと確定します。
5.[OK]ボタンをクリックします。
6.支承面積(A)と高さ(H)を入力します。
Q1−158.
2次元モデルを作成する場合の注意点は?
A1−158.
3次元空間内に意図的に2次元モデルを作成することは可能です。
注意点としては、2次元モデルであっても3次元空間内で安定している必要があります。
たとえば、面外成分の支点条件は固定にするなどが必要です。
どの平面内で作成するかは自由です。X-Y平面、Y-Z平面、Z-X平面にモデルを自由に作成できます。
サンプルデータ「BoxCulvert_LoadCase_LSD.es」は、2次元モデルです。X-Y平面に作成された例です。ヘルプ「サンプルデータ」より抜粋しますと以下のとおりです。
--- from
BoxCulvert_LoadCase_LSD.es:
2次元平面モデルのボックスカルバートを限界状態設計法で照査。2012年制定コンクリート標準示方書[設計編]
。ねじりの照査例を示すために、節点2番にMxp=2000kNを載荷。
--- to
Q1−159.
加速度波形データを確認する方法
A1−159.
ナビゲーションの「荷重|荷重の定義|入力波サムネイル」をクリックして呼び出します。
手動で入力波を作成する場合は、+のボタンを押して入力波詳細画面を呼び出します。
テキストファイルから入力波を作成する場合は、ACC、KNET、JMA、ボタンを押してインポートします。
また、シーケンス荷重から呼び出す波形の画面で加速度の最大最小を確認できます。
Q1−160.
加速度波形を変更する方法
A1−160.
ナビゲーションの「荷重|荷重の定義|入力波サムネイル」をクリックして呼び出します。
その後サムネイルをダブルクリックしてインポートしたデータの詳細を確認していただくと矩形の集合体であることことがお分かりいただけるかと存じます。
エクセルなどの表計算ソフトで波形を準備し、それをコピーして「入力波サムネイル」に貼り付けることで作成できます。このとき、入力波の表で「矩形」を1行追加しておき、その行に貼り付けると多数の行が自動的に増えます。
詳細はヘルプの
Engineer’s Studioヘルプlナビl荷重l荷重の定義l入力波サムネイル
をご覧ください。
Q1−161.
剛性が正負非対称なばね要素作成上の留意点が知りたい
A1−161.
下記の(1)または(2)を御覧ください。
(1) PDFファイル「剛性が正負非対称なばね要素作成上の留意点 」
(2) Up&Coming No.118のサポートトピックス「非線形ばね要素の符号ミスを防止するには 」を御覧ください。
Q1−162.
M−φ特性の自動算出において、Mc(ひび割れ曲げモーメント)がMy(降伏曲げモーメント)よりも大きい場合に、自動的に補正する機能はあるか?
A1−162.
断面の鉄筋量が少ない場合はM−φ特性でMc点から負の勾配になることがあります。負の勾配は収束しにくい原因になります。しかしモデルによっては、負の勾配でも計算が可能な場合もあります。たとえば、節点に強制変位を与える解析では負の勾配でも問題なく計算できる場合が多いです。そのため、自動的に補正する機能はありません。
収束しにくい場合は、「ナビゲーション|モデル特性|M−φ特性|M−φ特性表|M−φ特性表」タブで「断面から生成」のチェックを外し、手動で骨格形状を入力することになります。どのように変更するかは設計者の判断となります。
Q1−163.
ナビゲーション「照査設定|断面照査用荷重定義」のせん断用荷重タイプを「正負交番載荷」としていてもせん断の補正係数Cdcが考慮されています。考慮されないはずだが? (ただし、部材のタイプを「橋台」、「橋脚」、「基礎」のいずれかに設定している場合)。
A1−163.
断面照査用詳細入力で、ディープビーム効果がオンになっていないでしょうか。それをオフにすることでCdc=1となります。Cdc等の補正係数は、ディープビーム効果と部材の種類の指定によって扱いが異なります。
詳細は、インストールフォルダにあるSectionCodeConfigurations.pdf(断面照査用詳細入力の解説)を御覧ください。
デフォルトのインストール状態では、下記フォルダにあります。
32bit版:C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\\Doc\Additional
64bit版:C:\Program Files\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\\Doc\Additional
※X.X.X にはバージョン番号が入ります。
Q1−164.
プレストレスを内力として考慮する方法は?
A1−164.
断面にPC鋼材を配置し、それらに有効プレストレスを与えることでプレストレスを内力として考慮します。
ファイバー要素の場合、PC鋼材のヒステリシスに有効プレストレスによるひずみを直接考慮しますので、プログラムが自動生成したプレストレス荷重は無視します。2次力による影響も自動的に考慮されます。
内力の1次力、2次力については、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|計算理論|FEM計算関連|プレストレス2次力について」
に例がありますので御覧ください。
その他、プレストレスに関する解説が、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|目的別ガイド|プレストレス荷重を考慮するには」
「Engineer’s Studio Help|テクニカルノート|プレストレス部材を非線形とするには」
にございますので御覧ください。
Q1−165.
繊維シートの貼付長はどのように考えたらよいか
A1−165.
繊維シートの貼り付け長は、剥離ひずみに影響します。ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|計算理論|断面計算関連|炭素繊維シートの考え方」の
炭素繊維シートの破壊判定方法|c.剥離ひずみの計算式
をご一読ください。
設計条件として「繊維シートの剥離」を考慮するどうかをご判断ください。
もし、剥離を考慮する場合、破壊の定義は以下の3つのうちいずれかとなります。
・コンクリート圧壊.........圧縮コンクリートが終局ひずみεcuに達したとき
(このとき、繊維シートは破断・剥離していない)
・繊維シートの破断.....繊維シートが終局ひずみεfrpuに達したとき
(このとき、コンクリート圧壊、繊維シートの剥離は発生していない)
・繊維シートの剥離.....繊維シートが剥離ひずみεdelaminateに達したとき
(このとき、コンクリート圧壊、繊維シートの破断は発生していない)
設計上「繊維シートの剥離」を無視する場合、貼付長を大きくとっておけば(たとえば1000m)、コンクリートの圧壊もしくは繊維シートの破断で破壊を定義することとなり、M−φ特性にも反映されます。
Q1−166.
炭素繊維シートの実配置面積Afrpreal、間隔aにはどのような値を入力したらよいか
A1−166.
実配置面積Afrprealは、部材軸方向の長さ1m
当たりの面積と考えるので、単位がmm2/mとなります。桁のウェブ両面に貼り付けたときは、2面分の厚さを合計した面積です。
間隔aは、旧建設省土木研究所『コンクリート部材の補修・補強に関する共同研究報告書(III)、平成11年12月』のp.187によると、一般に1000mmと記載されています。
これらの詳細については、製品同梱のPDFファイルによる理論ノート「SectionCodeConfigurations.pdf」をご確認ください。
上記PDFファイルは、製品のインストールフォルダにございます。
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio 6.0.3\Doc
※62bitOSの場合。32bitOSの場合は「Program Files」と読み替えてください。
※Ver.6.0.3以外の場合はバージョン番号のフォルダを御覧ください。
Q1−167.
平板要素へ線荷重を載荷したい
A1−167.
平板要素に線荷重を直接与えることはできません。
複数の節点に集中荷重として分解して載荷します。
Q1−168.
平板要素に載荷できる荷重は?
A1−168.
平板要素に載荷可能は荷重は、平板面荷重、平板体積力、平板地盤変位、平板動水圧です。詳細はヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|荷重値|平板体積力」
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|荷重値|平板面荷重」
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|荷重値|平板地盤変位」
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|荷重値|平板動水圧」
を御覧ください。
これらの荷重で対応できない場合は、等価な節点荷重を別途算出して複数の節点に手動で与えることになります。
Q1−169.
Rayleigh減衰のαとβが負になっているため、本体解析へ進めない
A1−169.
「固有値解析と減衰」の「減衰モデル」の設定画面で「モードの選択方法」で『刺激係数最大時』を選択している場合、プログラムが自動で2つのモードを選択します。しかしながら自動で問題ないときもあれば、負になる場合があります。
Rayleigh減衰の係数α、βが負になってしまうと負の減衰が作用してしまうため、固有値解析を実行した後、「モードの選択」にして2つのモードをご自身で指定してください。2つのモードを選ぶ方法としては、
・振動する方向の刺激係数が大きいモードを2つ採用する。
・モード形状をみて、採用する2つのモードが全体系での振動形状を表している。
・Rayleigh減衰曲線が振動数−モード減衰定数の関係(水色点)をよく近似している。
・係数α、βのいずれかが負の値にならないようにする。
・Rayleigh減衰曲線が高振動数領域でやや右肩上がりとなるようにする。
に留意してください。設計者によって選ぶモードは異なることが多々あると思います。
モデルによっては表示されるモード数が少ないために自動で2個のモードを選ぶ選択肢が少ない状況になることがあります。そのような場合は、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|固有値解析と減衰|減衰モデル」
にある
計算するモード数を例えば50に任意設定する
表示するモード数を全て表示
をお試しください。多数のモードが得られましたら、αとβが負にならないような2つのモードの組合せがみつかるかもしれません。
Q1−170.
断面照査で、曲げ応力度の算出式を教えてほしい
A1−170.
曲げ応力度計算は中立軸の角度と図心での軸方向ひずみ、およびひずみ平面の傾きを仮定して計算を行い、入力された軸力と曲げモーメントが内力と一致しているかどうかをチェックし、一致しなければ再度仮定をやり直して繰り返す収束計算です。ヘルプ
「計算理論|断面計算関連|曲げ応力度」
の
■計算上の仮定
に解説されている仮定の基で、
■計算手順
による繰り返し計算です。繰り返し計算なので1つの式で表現できません。
Q1−171.
コンタ図上に表示されている「プリミティブ平均結果」の数値をエクセルファイル等に出力したい
A1−171.
コンタ図上に「プリミティブ平均結果」の数値を表示する機能は図だけですので直接その平均値をデジタルデータとして出力できません。
そこで、CSVエクスポートの機能をご利用ください。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|FEM結果|CSVエクスポート」
の
「平板要素の結果」
に解説されております手順をお試しください。
ここに、「ガウス点結果の処理|プリミティブ単位で平均する」にチェックを入れるとプリミティブ内の各ガウス点の数値が平均されます。この平均値はスムージング前のガウス点の結果を平均したものですので、図の方でもスムージング方法を「平均」にしてください。
スムージング処理方法については、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|荷重ケース結果」
の
カテゴリ・・・平板要素断面力
スムージング方法
を御覧ください。
Q1−172.
「断面照査」のせん断応力度照査について、照査項目の表示指定が「一覧」の場合の比率と「τm<τa1」や「τm<τa2」に表示される比率が異なる理由は?
A1−172.
道示IV-H24[5.1.3]では
1) τm<τa1
2) τm<τa2
3) Awreal>Aw
の照査が実施されます。
(1) 照査項目の表示を1)と指定したときは、1)だけに着目した結果が抽出されます。この場合、2)と3)の結果は無視されます。
(2) 照査項目の表示を2)と指定したときは、2)だけに着目した結果が抽出されます。この場合、1)と3)の結果は無視されます。
(3) 照査項目の表示を3)と指定したときは、3)だけに着目した結果が抽出されます。この場合、1)と2)の結果は無視されます。
(4) 照査項目の指定を一覧と指定したときは、1)、2)、3)に着目した結果から抽出されます。
この場合、
1)がOKのときは、2)と3)の結果は無視されます。1)だけの結果が抽出されます。
1)がNGのときは、2)と3)の結果から抽出されます。1)の結果は無視されます。
たとえば、下図は、上記(4)の例です。フィルタする前の全結果の表示です。
赤枠部分の照査結果の中で比率が最も大きいものが黄色の部分です。これが最終的に抽出されます。
Q1−173.
i端とj端に異なる断面を割り当てた場合、その要素の剛性はどのように計算されているか?
A1−173.
i端とj端に異なる断面を割り当てた場合、プログラム内部では、その部材の断面積や断面二次モーメントはi端とj端での数値を平均し、部材で1個の断面積や断面二次モーメントとなります。そのため、解析上は、等断面部材として処理されています。
要素の質量は、i端の断面、j端の断面、要素長より立体の体積を求め、体積から質量を算出します。このとき、質量中心も算出されます。これらの結果は、「ナビゲーション「荷重|質量一覧|フレーム要素質量」で確認できます。したがって、質量については単純にi端とj端の平均ではありません。
Q1−174.
高架橋の非線形動的解析で、数値計算誤差が発生しない最小部材長の目安は?
A1−174.
モデル全体の相対的な剛性差で数値計算誤差が発生するかどうかが決定されますので、特に目安となる定量的な値はありません。たとえば、要素長が1ミリとか10ミリといった長さのフレーム要素がある場合は注意が必要です。要素長だけでなく、要素に割り当てている断面の断面定数も影響します。
フレーム要素の断面定数やばね要素のばね特性に大きな値を与えると、他のフレーム要素やばね要素との剛性の大小差が大きくなって、全体剛性マトリクスの状態が悪くなります。理想的な状態は、モデル内にフレーム要素だけが存在し、かつ、全てのフレーム要素の長さが同じで、さらに、同じ断面を割り当てているときです。このような場合は、数値計算誤差は発生しません。実際のモデルはこのような理想的な状態とはなりませんので、剛性差が大きくなるにつれて数値計算誤差が発生して解の精度が低下する方向に向かいます。
モデル内に極端に短い部材や極端に長い部材があっても剛性差が著しく大きくなって、数値計算誤差が発生します。
数値計算誤差が発生するかどうかを簡単に見極める方法がありませんので、極端に短い部材がないようにモデル化した場合と比較することや、ばね要素の場合は、ばね特性で固定を表す成分を10乗、9乗、8乗、...などと変化させて、結果を観察することになります。さらに、数値断面で断面積、断面二次モーメント、ねじり定数も変化させて結果を結果を観察することをご検討ください。
Q1−175.
地震波を直交2方向に同時に加震できるか?
A1−175.
可能です。ナビゲーション「荷重|荷重の定義|入力波サムネイル」のXw成分とZw成分に波形を入力しておき、その後シーケンス荷重で動的荷重としてその波形を選択すると、角度0度のとき、入力波形のXwが全体X軸方向に、入力波形のZwが全体-Z軸方向に入力されます。詳細は、ヘルプをご参考ください。
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|入力波サムネイル」
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|入力波詳細」
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|シーケンス荷重詳細|動的荷重|回転角度」
Q1−176.
ナビゲーション「照査設定|断面照査」で『照査用詳細入力』の列が赤表示となる理由は?
A1−176.
ナビゲーション「節点と要素|フレーム要素|フレーム要素」で割り当てられている断面と、「照査設定|断面照査」の『照査用詳細入力』で割り当てられている断面が一致していないことが考えられます。このように断面が不整合な状態となっているときは赤表示となります。照査用詳細入力の対象となる断面をフレーム要素の断面と一致させてみてください。
Q1−177.
複数のフレーム要素にまたがるようにして土圧等の三角形分布荷重を入力するには?
A1−177.
最初に連続した複数の要素を選択し、その後、荷重値の入力で「フレーム要素分布荷重(連続)」を指定することで可能です。
また、製品ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|荷重値|基本荷重」
の解説も併せてご覧ください。
Q1−178.
ナビゲーション「モデル特性|解析設定」で材料特性を「線形」とした場合や初期状態の線形弾性解析を行う場合、または固有値解析を行う場合は、正方向バイリニアや負方向バイリニアのばね特性の剛性はどのように考慮されるか?
A1−178.
下記のように、線形ばねとして処理されます。
正方向バイリニアのときは、正側の第1勾配が負側にも適用されて正負共通の線形ばね
負方向バイリニアのときは、負側の第1勾配が正側にも適用されて正負共通の線形ばね
となります。ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|モデル特性|ばね特性|ばね特性〜線形、バイリニア、トリリニア、テトラリニア〜」
の
線形解析時の取り扱い(固有値解析も該当)
をご参考ください。
Q1−179.
ケーブルの張力を初期状態として入力する方法は?
A1−179.
ケーブル要素の初期状態を入力するには、まず、ケーブル要素を配置する必要があります。
ナビゲーション「モデル特性|ケーブル材料」においてケーブル材料を新規に作成してください。その後、ナビゲーション「節点と要素|ケーブル要素」において、ケーブル要素を作成してください。このとき、ケーブルの形状を決定する入力が必要です。これには以下の4通りがあります。どれか1つを選んで入力します。
・水平張力または鉛直張力を与える方法
・自然長Luに対する弦長Lを与える方法
・自然長Luを与える方法
・i端から水平方向の位置xでのサグを与える方法
詳細は、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|節点と要素|ケーブル要素」
を御覧ください。
ケーブルの張力をプログラムに決定させる機能があります。ケーブルの張力が不明な場合にご利用可能です。サンプルデータの「SuspensionBridge.es」をご参照ください。デフォルトでは
C:/Program Files (x86)/FORUM 8/Engineers Studio x.x.x/Samples
にあります。
※x.x.xはお使いのバージョンに読み替えてください
このサンプルの解説が下記サイトにございますので、合わせて御覧ください。
http://www.forum8.co.jp/topic/up96-support-topics-ES.htm
(ケーブル構造の初期状態を作成するには)
Q1−180.
重複している節点をマージする方法はあるか?
A1−180.
ございます。
節点結合の機能をご利用可能です。
範囲選択などを用いて重複している節点を選択してください(全体を選択しても構いません)。
次にリボン「編集」の「節点結合」を押してください。
しきい値以内にある結合可能な節点が表示されますので、問題なければ「結合」ボタンを押してください。
詳しくは、製品ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|リボン|編集・生成|節点結合」
を参照願います。
Q1−181.
テキスト形式の加速度波形を読み込むには?
A1−181.
ご自身でEngineer’s Studioで読み込める形式に編集する必要があります。
加速度ファイル(*.acc)はテキスト形式で作成します。書式は以下のとおりです。
1行目:名称とコメント
2行目:全ステップ数 時間間隔(秒) ←半角スペースで区切る
3行目:空行(なくてもかまいません)
4行目以降:加速度の値(gal) ←半角スペースで区切る(複数のスペースも可)
たとえば、Engineer’sStudio(最新版6.0.4)をインストールした下記フォルダにあるaccファイルも参考にしてください。テキストエディタで開くことができます。
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio6.0.4\Samples\Waves\L2-H24Dosi
※Ver.6.0.4の場合。ご利用のバージョンによって「Engineers Studio 6.0.4」を読み替えてください。
また、「強震ネットワーク(K-NET)」や「気象庁(Japan Meteorological Agency)」が提供しているデータを読み込むことも可能です。
詳しくは、製品ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|入力波サムネイル」
を参照願います。
Q1−182.
警告メッセージ
「節点(XX)の回転角が XXX > 10.000 deg.となっています。微小変位理論が適用できない可能性があります。」
というメッセージが表示されたとき、どうすればよいか。
A1−182.
プログラムは解析後の節点の回転角をみて、10度以上の場合はこの警告メッセージを出します。10度はどこかの文献に掲載されている数値ではありませんが、tanθ≒θが成立するとみなしうる数値としてプログラムが採用している数値です。
微小変位理論では、変形前後の変位が小さいことを想定しているので、力の釣合いを変形前で考えます。大きな変位がでる場合にはtanθ≒θという仮定が適用できないので、このような警告が表示されます。
しかし、モデル内の全ての節点が小さな回転角内に収まっている必要がない場合もあります。あくまでも数学的なモデルなので、実際には大きな回転がでても無視してよい場合もあります。モデルを見直すか、あるいは無視するかは解析者の判断となります。
Q1−183.
可動支承のある下部構造を含む橋梁全体系を「震度算出(支承設計)」からエクスポートするとその下部構造もモデル化される。そのままで橋軸方向の動的解析を行なっても問題ないか?
A1−183.
道路橋示方書V耐震設計編では、設計振動単位でモデル化する範囲を決めるという考え方があります。その観点では、橋軸方向の設計振動単位でモデル化することになりますので、支承条件が可動の下部構造はモデル化しないことになります。支承条件が可動の下部構造は設計振動単位が1基下部構造になりますから、別の単柱モデルになります。
2つの設計振動単位が1つのモデルに混在していると、Rayleigh減衰のαとβに影響します。
本来は、1つの設計振動単位で決定されるαとβを使用すべきです。別の設計振動単位の振動特性がαとβに影響することは適切ではない可能性があります。
このように、道路橋示方書V耐震設計編の趣旨を踏まえて設計振動単位ごとにモデル化するのか、あるいは、あくまでも橋梁全体系でモデル化するという方針により複数の設計振動単位を混在させるのか、については設計者の判断となります。
Q1−184.
UC-1シリーズ 「FRAMEマネージャ」と同等なことができるか
A1−184.
本製品は3次元空間にモデルを作成して解析を行いますので可能です。
つまり、面内モデルを作成して面外荷重を載荷することは可能です。
ただし、3次元空間で面内モデルが安定するような支点条件は必要です。
たとえば、面内モデルがXY平面にある場合、面外荷重はZ軸方向となります。
荷重の方向は、全体座標系ベクトルで指定できますので、ベクトル(X,Y,Z)=(0,0,1)と入力します。
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|荷重値|基本荷重」
の
操作手順|(例)下図のような分布荷重を載荷する場合の入力
の7番の設定になります。
Q1−185.
平板要素2次要素を平板要素1次要素に変更することやその逆は可能か?
A1−185.
2次要素から1次要素への変換は可能ですが、以下の制限があります。
・2次要素の中間節点に支点が設定されている場合は変換できません。
・2次要素の中間節点に他の要素(平板、フレーム、ばね、ケーブル、剛体)が接続されている場合は変換できません。
・2次要素の中間節点に節点荷重、節点強制変位が設定されていえる場合は変換できません。
1次要素から2次要素への変換は、できません。この場合は、要素を削除して新しく追加する必要があります。
Q1−186.
鉄筋コンクリート断面の鉄筋を換算断面として考慮する場合、「A=Ac+As(n-1)」か「A=Ac+Asn)」を選択することはできるか?
A1−186.
可能です。
ナビゲーション「モデル特性|フレーム要素の断面|断面特性オプション」の基本要素の「換算断面の取り扱い」項目にて設定してください。
換算断面としての断面定数を算出するときに鋼材面積分(PC鋼材、鉄筋)の面積を基本要素に指定された断面要素の面積から控除するかどうかの設定が表示されます。
[A = f(Ai, ni)] ・・・鋼材面積を控除しません。基本要素がコンクリートのときは、「A=Ac + As・n」の意味になります。
[A = f{Ai, (n-1)i}] ・・・鋼材面積を控除します。基本要素がコンクリートのときは、「A=Ac + As・(n-1)」の意味になります。
ここで、AはAiとniの関数、Aiは各断面要素、niはヤング係数比、Acはコンクリート面積、Asは鋼材面積、です。
※この設定は断面エディタの「断面定数として考慮」でPC鋼材、鉄筋のチェックをオンにした場合に設定できます。
Q1−187.
シーケンス荷重「動的荷重」の「回転角度」はどのように入力したらよいか?
A1−187.
回転角度は、種別が「地盤全体」で、斜め方向に入力波を作用させるときに与えます。あるいはモデル全体が非対称構造物のときに地震波形を反転させる必要があるときに180度を与えます。いずれも全体Y軸回りの角度です。
入力波のXw軸を基準と考えたときの全体座標系X軸が反時計回りに成す角度を入力します。
ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|シーケンス荷重詳細|動的荷重|設定項目|回転角度」
に図を交えて解説しておりますので、ご参照ください。
Q1−188.
ナビゲーション「モデル特性|フレーム要素の断面|断面サムネイル」で鉄筋を入力するときに、「断面要素鉄筋エディタ」ウィンドウの「寸法データ」にある『アライメント』の違いは?
A1−188.
アライメントは、直線鉄筋の基点をどこからにするかという指定です。
・左は、左端からピッチを始めます。
・中央、中央からピッチを始めます。
・右は、右端からピッチを始めます。
以下はコンクリートの断面幅が2000mmで、直線鉄筋の幅が1000mmの場合の例です。
◆左
左の側方かぶりが500mmになります。そこからピッチを右へとります。鉄筋本数は5本になります。
◆中央
中央にピッチをとります。左右にピッチをとります。結果的に側方かぶりは750mmになります。
◆右
右の側方かぶりが500mmになります。そこからピッチを左へとります。鉄筋本数は5本になります。
Q1−189.
ばね特性を設定する場合の「d-k」と「d-F」の違いは?
A1−189.
勾配を指定する方法と座標で指定する方法の違いです。必要に応じてどちらかをご利用ください。
勾配指定は、d-Kを選択して、勾配を入力してください。バイリニア、トリリニア、テトラリニアの場合は、変化点の変位量も入力してください。
座標指定は、d-Fを選択して、変化点の変位量と荷重値を入力してください。線形の場合は変化点がないので、勾配の延長上にある点を与えることになります。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|モデル特性|ばね特性|ばね特性〜線形、バイリニア、トリリニア、テトラリニア〜」
も御覧ください。
Q1−190.
ばね特性「バイリニア」を設定するときに(K1、δ1)、(K2、δ2)の入力があるが、どのように考えて設定すればよいか? また、「許容変位」という入力項目があるが、これはどのように使用されるか?
A1−190.
ばね特性は、力と変位の関係となっています。
力=勾配×変位
これより、
変位=力/勾配
となります。ここで、
バイリニアの折れ点の力がF1
第1勾配がK1
バイリニアの折れ点の変位がδ1
とすると、
δ1=F1/K1
となり、δ1がバイリニアの折れ点の変位となります。
K2は、バイリニアの第2勾配です。
δ2は、バイリニアの骨格を決定するためには不要なので、どのような値でも構いません。ただ、ばね要素の変形性能基準「レベル3」として使用されますので、ばね要素の照査を行う場合にはそれなりの値を入れてください。
ばね特性の変形性能基準は下図に示すような順番で設定されます。つまり、
レベル1:δ1
レベル2:許容変位の値
レベル3:δ2
レベル4:(内部固定の大きな値)
となっています。この順番が逆転しないように「δ2」や「許容変位」の数値を与えてください。
Q1−191.
橋梁の上部構造の分担重量を算出するには?
A1−191.
Engineer's Studioは汎用の解析プログラムですので、上部構造の分担重量を自動算出する機能はありません。そこで、分担重量を算出するための静的解析モデルを別途作成することになります。
分担重量は、橋脚天端に生じているせん断力をみるのが一案です。
Engineer's Studioでは、設計水平震度による水平荷重を自動生成する機能があります。
画面左側のナビゲーション「モデル特性|解析設定」に「水平震度荷重」という項目がありますので、これにチェックを入れます。
すると、橋脚部材の質量に重力加速度と入力されたkhを乗じた荷重を水平方向の分布荷重や集中荷重として自動的に生成します。
この水平震度荷重をシーケンス荷重で漸増載荷してください。
kh=1.0を与えれば、モデル全体に自重相当の荷重(1.0G)を与えたときの柱天端部材に生じるせん断力が分担重量になります。
橋脚の水平梁部分を剛体要素としている場合は、その直下にある要素のせん断力を観察します。
設計水平震度荷重については、製品ヘルプ
「Engineer's Studio Help|目的別ガイド|水平震度khを与えるには」
をご一読ください。
なお、初期断面力を設定していると、せん断力に初期断面力も考慮されていますのでご注意ください。不要であれば無視するようにします。初期断面力を無視するには、ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」の「ラン」タブで”ランで初期断面力を使用”のチェックをオフにします。
せん断力の結果をレポート出力するには、リボン「レポート|任意設定」において、ランの時刻歴結果を出力するよう設定してください。
赤枠で示した内容を作成および編集し、印刷プレビューを実行願います。
【補足】
免震支承を表すばね要素をバイリニア型の非線形としている場合は、その非線形性を考慮した結果となります。一案ですが、線形ばねとして、等価剛性を与えることが考えられます。
Q1−192.
UC-win/FRAME(3D)のレポート出力と同じ形式で出力したい
A1−192.
残念ながら、Engineer's StudioとUC-win/FRAME(3D)はプログラム構造が全く異なるので、同じ出力ができません。
Engineer's Studioのレポート出力は、結果画面から1個ずつレポートへ追加する方法と標準出力の2種類があります。これらを用いてレポートを作成することになります。標準出力は主に照査に関する詳細な出力です。
FEM解析結果のレポート出力の方法に関しましては、以下のQ&Aをご用意しておりますので、ご参照下さい。
Q.5分でわかる入力から出力までの操作手順は?
http://www.forum8.co.jp/faq/ucwin/ES.htm#q
Q1−106.レポート出力の概要について教えてほしい
http://www.forum8.co.jp/faq/ucwin/ES.htm#q1-106
Q1−107.レポート出力の「任意設定」の基本的な設定方法が知りたい
http://www.forum8.co.jp/faq/ucwin/ES.htm#q1-107
Q1−193.
アニメーションの録画を行う際、画質を向上する方法は?
A1−193.
リボン「FEM結果」のAVI設定ボタンを押して設定画面を開き、動画ファイルの大きさ(幅、高さ)や圧縮率を設定してください。その他の設定項目については、製品ヘルプ
「Engineer's Studio Help|FEM結果|シーケンスコントロールについて」
をご覧ください。
Q1−194.
アニメーション録画後に他ソフトで再生するときに再生スピードを調整するには?
A1−194.
リボン「FEM結果」のAVI設定ボタンを押して設定画面を開き、フレームレイトを設定ください。
デフォルトは30fpsとなっています。
これは、1秒間に静止画を30コマ連続表示することで、動画として表示することになります。
このフレームレートを30から15に変更することで2倍ゆっくりに、10に設定することで3倍ゆっくりと再生される動画を作成できるようになります。
Q1−195.
橋梁の支承部において、支承の耐力分だけ抵抗し、耐力以上の力が作用した場合は壊れて完全に可動となるモデル(水平力も解放)をばね要素で作成する方法は?
A1−195.
ばね特性で線形を選び、破断変位を考慮することで可能です。
例えば250mmで破断する場合、ばね特性エディタにて「破断変位」にチェックを入れて、
+δfail(mm):250.00000
-δfail(mm):-250.00000
と設定してください(下図参照)。
Q1−196.
結果付で保存した後にフォルダ名称を変更すると、結果モードにならず、入力状態になった
A1−196.
結果付きで保存した後にリネーム(名前を変更)することはできません。
リネームではなく、本製品が結果モードの状態のときに別名で保存を行ってください。
一度結果付きで保存した後に入力ファイル(*.esxまたは*.es)はリネームしても入力ファイルとしては問題ありませんが、結果データと縁が切れます。結果フォルダ名称をリネームすると入力データファイルと結果フォルダの整合がとれなくなり、結果データを読み込むことができなくなります。
Q1−197.
結果付きでファイルを保存する仕組みは?
A1−197.
入力データのファイル名がたとえば「abc.es」とすると、結果付きで保存した場合には、ファイル「abc.es」とフォルダ「abc.results」が指定された場所に保存されます。
他の場所にコピーしたり、移動したりする場合には、ファイル「abc.es」とフォルダ「abc.results」の両方をセットでコピ−したり、移動したりしてください。
この場合、ファイル「abc.es」が入力データ、フォルダ「abc.results」が結果データが入ったフォルダとなります。
結果付きで保存する前は、システムオプションの作業フォルダに中間形式で保存されています。
結果付きで保存すると、指定された場所にフォルダが作成されて保存されます。
作業フォルダと同じドライブ内に結果付きで保存すると(例えばどちらもCドライブにあるとき)Windowsの仕様により高速です。作業フォルダと異なるドライブ(例えばesファイルがCドライブで作業フォルダがDドライブのとき)は、Windowsの仕様で遅くなります。結果データが大きい場合は時間がかかります。
可能であれば、作業フォルダとデータを保存するドライブを一致させておくことをお勧めします。
システムオプションは、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|基本操作|アプリケーションメニュー」
に示されるボタンをクリックして、システムオプション画面を呼び出し、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|基本操作|システムオプション|結果ファイル」
の作業フォルダの設定で行います。
Q1−198.
accファイルのインポートをした後、シーケンス荷重での単位はどれを選択したらよいか
A1−198.
accファイルはgalの数値が想定されています。accファイルをインポートするとプログラム内部で1/100した上で取り込みます。したがって、シーケンス荷重ではm/s2の単位を選んでください。cm/s2を選ぶと間違いになります。
Q1−199.
照査に関するレポート出力の操作手順は?
A1−199.
操作手順を説明した文書(how-to-make-report.pdf )をご利用ください。この文書では、下記項目の操作例が解説されています。
・総括表のレポート出力
・断面照査のレポート出力
・入力データのレポート出力
・標準出力のレポート出力
・任意設定のレポート出力
Q1−200.
道路橋示方書V耐震設計編のせん断耐力用のせん断補強筋の入力と曲げ耐力算出用の横拘束筋の入力はどこで行うか?
A1−200.
どちらもナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」にて入力します。
それぞれの選択箇所は以下をご覧ください。
せん断耐力の入力に関する詳細は、インストールフォルダにある「SectionCodeConfigurations.pdf(断面照査用詳細入力の解説)」を御覧ください。
デフォルトのインストール状態では、
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio 9.0.0\Doc\Additional\
です。
※上記は64bitOSの場合。32bitOSの場合は「Program Files」と読み替えてください。
※上記はVer 9.0.0の場合。使用されているバージョンによって「Engineers Studio 9.0.0 」の部分を読み替えてください。
※Ver.6.0.1以前のバージョンでは保存先が異なります。「Doc」を「Bin」と読み替えてください。
Q1−201.
M−φ特性のカテゴリ「RC橋脚バイリニア(動解)」のMy'はどのように計算されているか?
A1−201.
バイリニアの2次勾配が完全にゼロだと数値計算上収束しないことが多いので、1次勾配の1.0E-5程度の傾きを持つように求めた値がM'yとなります。
参考までに、サンプルデータ「BlueBookBridge_TypeI_H24DosiVp122_DuctilityCheck.es」のM-φ特性「DosiVp122」を用いて説明いたします。
1次勾配K1の算出
K1 = φ'y/My
= 44719.0/3.9552E-3
= 11306381.47
2次勾配K2の算出
K2 = K1×1.0E-5
= 11306381.47×1.0E-5
= 113.0638147
M'yの算出
M'y = My+(φ'ls2-φ'y)×K2
= 44719.0+((1.7309E-2)-(3.9552E-3))×113.0638147
= 44720.51
Q1−202.
鋼管杭のM−φ特性を自動算出できるか?
A1−202.
断面が鉄筋コンクリート、若しくは道路橋示方書V耐震設計編11章の鋼製橋脚の断面であれば、断面と連動したM−φ特性を自動生成することは可能ですが、H24道路橋示方書IV下部構造編p.437の鋼管杭の全塑性モーメントMpの算出には対応しておりません。この場合は別途算出したものを任意定義のM−φ特性に与えることになります。
Q1−203.
解析後にフレーム要素の断面力は発生しているのに、フレーム要素の変形図がでない
A1−203.
変形図が必要な場合は、ナビゲーション「抽出と保存」の「節点時刻歴クエリ」、「フレーム要素時刻歴クエリ」で変位に関する結果を残すように設定してください。それらの設定がないと結果ファイルサイズは小さくなる傾向になりますが、結果がないので完全な変形図が得られません。
Q1−204.
モデル図をグループ毎にレポート出力するには?
A1−204.
下図のように、任意設定のモデル図において、生成ボタンを押すとグループ毎の図が自動生成されます。生成された各行をクリックすると右側のナビゲーションパネルで変更可能です。また、モデル図を回転したり、ズームしたりすることも可能です。
ヘルプ
「Engineer's Studio Help|リボン|レポート」
の
複数の結果の図を調整するには
の2番と3番の操作をお試しください。
Q1−205.
以下の警告が表示される、対処方法は?
====================================
[3402] (1) いくつかの警告が 断面照査点 にあります。
***** : この断面は、非構造弾性材料の要素を含んでいます。断面計算では、この要素を無視します。
====================================
A1−205.
断面計算をするときは、非構造材料(NS)や数値断面を無視するのでこの警告メッセージが表示されます。断面を構成する断面要素に非構造材料があるときは、
フレーム計算時:非構造材料の重量や質量を考慮
断面計算時:非構造材料は無視
という扱いになります。問題がなければ、この警告メッセージを無視されて結構です。
Q1−206.
以下のメッセージが表示された。対処方法は? ======================= [3532] : 非対称な断面計算結果が得られました。抽出キーがABSの行では非対称な結果は無視されています。 =======================
A1−206.
抽出キーがABS(絶対値)の照査は、せん断力の符号を反転してせん断耐力等が異なる値となるかどうかをプログラムが確認しています。同じ場合は照査結果が表示されますが、異なる場合はOK/NGの欄が「---」表示となります。これはせん断力の符号を反転したときに結果が異なる場合は、ABSで照査することができないためです。 エラーや警告ではなく、情報表示ですので、特に問題ありません。お知らせする目的で表示されます。 ナビゲーション「照査設定|断面照査用荷重定義」の抽出キーの列でABSを抜いた設定が可能ですので必要に応じてご利用ください。
Q1−207.
材料データベースに登録されているコンクリートのポアソン比の初期値0.15の根拠は?
A1−207.
H24道路橋示方書I共通編3.3(5)解説文では解(3.3.1)においてポアソン比1/6と書かれていますが、コンクリートのせん断弾性係数GがG=E/2.3と条文で規定されていますので、弾性体の理論式G=E/2(1+ν)に合致するようにポアソン比を逆算すると0.15です。そこでプログラムでは、コンクリート材料の材料データベースで0.15を設定しています。
コンクリートのポアソン比は、1/6=0.16666...や0.2などが考えられますので、ポアソン比を変更したい場合は材料データベース属性を解除して値を入力することになります。
Q1−208.
平板要素を使用して円筒形を作成し、ソリッド表示を行うと厚みの内側は重なり、厚みの外側は隙間が発生している。解析上問題ないか
A1−208.
平板要素は文字通り平板の形をした要素となり、真っ平らな平面内に幾つかの節点を持つ要素です。厚さ方向には厚さ中心に1つだけ節点を持ち、幾何学的に厚さを表現するための節点は考えず、厚さは長さの次元を持つパラメータとして考慮します。
ソリッド表示した場合には厚さ中心の面から法線方向に厚くして描画されますので、中心から外側には隙間ができ、内側は重なって表示されます。平板要素の仮定そのものなので問題ありません。
Q1−209.
平板要素を使用して円筒形を作成しているが、要素のつなぎ目で大きな応力が発生する
A1−209.
各メッシュ要素の要素座標系を円筒中心方向に向けるために、任意の角度のメッシュ要素を円周上に複数個接続して円筒形を作成する必要があります。
ところが、各メッシュ要素は独立するので、平板要素断面力は不連続になります。
この不連続状態を解消するには、スムージングIDをの機能を使用されることをお勧めします。
ナビゲーション「節点と要素|平板要素|メッシュ要素」において、一番右側の列に「スムージング対象ID」という列がありますので、スムージングの対象としたいメッシュ要素については、同じID番号を入力してください(たとえば、1)。スムージング対象IDが0番の場合は、スムージング対象としない意味になりますので、1つのメッシュ要素で閉じたスムージング処理になり、応力分布は不連続になります。詳しくは、製品ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|節点と要素|平板要素|メッシュ要素」
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|スムージング対象範囲」
をご参照ください。
Q1−210.
変位の最大最小の図を出力するには?
A1−210.
節点に対して抽出クエリを作成すると、「抽出キー」の結果で確認できます。
下図のように抽出と保存の「節点抽出クエリ」で変位を設定します。図では、並進3成分のみ指定しています。
下図のように抽出結果で節点の変位を指定し、抽出キーとランを指定します。
すると図のように、変位ベクトル図が作成されます。図では、並進ベクトルのみを指定しています(回転変位のベクトルをオフにしています)。
ベクトルの先を線で結んだような変位図はできません。
Q1−211.
2つの平板要素の接合部をピン(回転自由)に変更するには?
A1−211.
平板要素自体には接合条件を変更する機能がございません。常に剛結となります。
ピン接合とするためには、別々の平板要素を用意し、それぞれの節点の間に回転を自由としたばね要素を設定してください。
なお、平板要素の法線軸回りは自由度がないため、ばね特性において平板要素の法線軸回りとなる成分については回転しないようにする必要がありますのでご注意ください。
こちらに関しては、弊社ホームページのサポートトピックス:平板要素とフレーム要素の混在モデルで計算エラーを解決する方法
http://www.forum8.co.jp/topic/up90-support-topics-ES.htm
を御覧ください。
Q1−212.
X−Y平面上に作成された構造を90度回転してX−Z平面上に移動するには?
A1−212.
1.表示設定でフレーム要素だけを表示させ、フレーム要素をどれか1つクリックして選択状態にし、右クリックメニューから「フレーム要素を選択」をクリックする
2.回転コマンドをクリックする
3.図の黄色部分のように入力し、適用ボタンを1回だけ押し、閉じるボタンを押す
基準点Yについては適宜変更してください。
回転移動した結果です。
Q1−213.
M−φ特性「RC橋脚バイリニア(動解)」を適用するときは、地震時保有水平耐力法が適用可能な構造形式に適用が限定される理由は?
A1−213.
H24道路橋示方書V耐震設計編p.53解説文4行目には、地震時の挙動が複雑ではない橋梁に対しても動的照査を適用してよいとされていますので、このような場合にH24道示耐震編p.122モデルを使用することが考えられます。
H24道示V-p.122モデルは、H24道路橋示方書V耐震設計編p.122解説文下から3行目にあるように、地震時保有水平耐力法と等価となるように補正した式と解説されています。そのため、地震時保有水平耐力法が適用可能な構造形式に限定されると考えられます。
以上より、地震時の挙動が複雑な場合に動的照査法を適用する場合は、H24道示耐震編p.122モデルは採用できないと考えます。
Q1−214.
平成24年道路橋示方書V耐震設計編p.121解説文(2)を参考にした動的解析を行うには?
A1−214.
平成24年道路橋示方書V耐震設計編p.121解説文(2)を参考にした動的解析は、複数のモデルを作成して段階的に行うことになります。
まず最初に、死荷重状態での軸力によるM−φ特性をM−φ要素に割り当てて動的解析を行います。
その結果から、各部材に発生する軸力の最大値と最小値を求めます。
次に、軸力の最小値のM−φ特性をM−φ要素に割り当てて動的解析と照査を行います。
さらに、軸力の最大値のM−φ特性をM−φ要素に割り当てて動的解析と照査を行います。
照査を曲率で行うときに、同時性を考慮するかどうかの選択が発生します。
ナビゲーション「照査設定|曲率照査|φ照査用荷重」において、同時性にチェックが入っていると(デフォルトではチェック有り)、解析後に発生した軸力を用いてφc、φy、φaが再算出されます。応答曲率は、軸力の最小値(または最大値)で作成されたM−φ特性なので、そのときの軸力と許容曲率算出時の軸力は一致しません。同時性は考慮するものの、応答曲率と許容曲率は不整合な状態になります。
チェックオフの場合は、FEM解析前に決定したM−φ特性の骨格曲線より求めたφa、φy、φcが照査にも用いられますので、応答曲率と許容曲率は同じ軸力という点では整合します。
チェックオンでもオフでも、M−φ要素のM−φ特性は解析中にその骨格形状を変えないので、解析中に軸力が変動することによるM−φ特性の変更はされません。この意味で、M−φ要素は軸力変動に対応できないと言えます。
H24道示V-p.121解説文(2)のモデル化方法は、解析中M−φ特性が一定という想定をしていると考えられますので、同時性のチェックをオフにすることになります。もし、解析中M−φ特性が一定でも、許容曲率は同時性を考慮して再算出するという場合は、同時性のチェックを入れることになります。どちらを採用するかは、設計者の判断となります。
Q1−215.
橋梁の固有値解析の結果で有効質量比が0のモードが多いとき
A1−215.
有効質量比が0のモード形状をアニメーションで確認すると節点がくるくると回転することが多いです。
この場合に考えられる原因は、上部構造のねじり剛性が小さいことです。
回避策としては、上部構造のねじり剛性を大きくするか、解析設定画面において動的用質量モデルを「整合質量」から「集中質量」に変更してみることです。
「整合質量」や「集中質量」については、製品ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|モデル特性|解析設定|動的用質量モデル」
をご覧ください。
ねじり剛性を大きくすると、ねじりモードが消失する効果があります。
集中質量にする方法は、回転慣性質量を無視する効果があります。
Q1−216.
入力データのレポート出力で荷重図の支点や荷重の数値を非表示にするには
A1−216.
入力データのレポート出力では支点を非表示にしたり荷重の数値を非表示にしたりすることができませんので、任意設定のレポートを作成することになります。以下のような手順になります。
(基本荷重の図の例)
1.リボン「レポート|任意設定」に移動する
2.「ウィンドウ」左の『モデル図』を選択する
3.モデル図を追加する青色のプラスボタンを押下する
4.右側パネル「ナビゲーション|荷重」にて荷重図を作成したい基本荷重を選択、『荷重の表示』にチェックし、「数値表示」のチェックを外す
5.右側パネル「ナビゲーション|節点・要素」にて支点を非表示にする
6.手順4を各基本荷重やランについて繰り返す
7.ウィンドウ上部のプレビューボタンを押下する
追加した基本荷重の荷重図がレポートに出力されます。
(補足)
弊社ホームページQ&Aの中から、下記項目をご案内いたします。
Q1−102.
リボン"結果"タブの[ナビゲーション|荷重ケース結果|荷重ケース]の使い方が知りたい
http://www.forum8.co.jp/faq/ucwin/ES.htm#q1-102
Q1−217.
数値断面に線膨張係数αを設定するには?
A1−217.
数値断面の設定「材料特性を直接指定する」をオフにすると、数値断面に割当てられている材料のαが使用されます。
数値断面の設定「材料特性を直接指定する」をオンにした場合は、デフォルト値(1E-5)が使用されます。このデフォルト値は、
「ナビゲーション|モデル特性|断面特性オプション」
に表示されています。「ov」の列にチェックするとαの値を変更することができます。
Q1−218.
幾何剛性を考慮した固有値解析を行う方法は?
A1−218.
ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」において初期断面力を考慮し、さらに「ラン」タブにて「固有値解析で初期断面力を使用」にチェックを入れることで、幾何剛性を考慮した固有値解析が行えます。
上記の「固有値解析で初期断面力を使用」にチェックを入れると、該当するランの固有値解析に初期断面力考慮します。固有値解析に初期断面力を考慮するとは、初期断面力による幾何剛性を固有値解析で考慮するということです。したがって、幾何剛性を算出するために初期断面力の設定が必要です。
この設定は、モデル設定の幾何学的特性の設定(微小変位、大変位)に依存しません。また、この設定はランには影響しません。固有値解析のみに反映されます。
死荷重が載荷された状態でのアーチ橋の固有振動数など、幾何学的非線形を考慮した固有振動数を算出する場合にチェックを入れてください。幾何学的非線形の影響が小さい構造物ではチェックを入れる必要はありません。鋼アーチ橋の計算例では、1次モード(橋軸方向逆対称1次)で5%程度、鉛直方向の振動モードで4%程度固有周期が大きくなる試算結果が、下記に示す製品ヘルプ内の文献[1]に掲載されています。
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|初期状態」
Q1−219.
部材タイプがM−φ要素、ファイバー要素、非線形のばね特性を割り当てたばね要素のように、非線形要素が膨れまたまま線形弾性解析を行いたい場合、解析設定の材料特性で「線形」を選択すればよいか?
A1−219.
解析設定画面の材料特性を「線形」とすると、M−φ要素ではM−φ特性の第1勾配が使用されます。第1勾配が線形弾性の剛性であれば問題ありませんが、第1勾配が降伏剛性などの場合は弾性梁要素と違う結果が得られます。その意味では部材タイプを弾性梁要素にする方が安全です。
ファイバー要素では、各ヒステリシスの第1勾配または初期勾配が使用されます。
ばね要素ではばね特性の第1勾配が使用されます。詳細は、Q1−178.を御覧ください。
Q1−178.ナビゲーション「モデル特性|解析設定」で材料特性を「線形」とした場合、正方向バイリニアや負方向バイリニアのばね特性は、定義通りに挙動するか?
Q1−220.
プッシュオーバー解析の際、P(荷重)とδ(変位)の関係のグラフを作成したい。
変位は節点の解析結果で確認できるが、P(荷重)はどこで確認できるか?
A1−220.
荷重を入力してプッシュオーバー解析を行った場合、荷重は入力値なので結果画面には表示されません。
各ステップで入力した荷重を手動で整理することになります。
水平震度荷重の場合は、モデル内の複数部材に分布荷重や集中荷重が載荷されていますので、具体的な荷重値を1つに絞ることができません。このため、手動で整理するときは、水平震度の大きさをグラフの縦軸にとることになります。たとえば、水平震度1.0を1/100刻みで100回載荷した場合は、各ステップの結果は1/100、2/100、3/100、・・・のように表現します。
ヘルプにプッシュオーバー解析事例が解説されています。こちらに荷重-変位関係を手動でグラフ化した例になっております(水平震度ではありませんが)。ヘルプの
「Engineer's Studio Help|テクニカルノート|プッシュオーバー解析事例」
を御覧ください。サンプルデータは、Pushover-Rahmen-Case1.es、Pushover-Rahmen-Case2.es、Pushover-Rahmen-Case3.es、です。
サンプルデータは、デフォルトのインストール状態では、
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio x.x.x\Samples
(Windows10 64bit版 の場合)
にございます。
Q1−221.
断面を構成する断面要素の位置関係をつくるとき、UC-win/FRAME(3D)ではコネクションポイントとキーポイントという概念があった。
Engineer'sSutdioではどのように定義するか。
A1−221.
UC-win/FRAME(3D)では断面を構成する図形にキーポイントやコネクションポイントという概念がありましたが、Engineer's
Studioではありません。
ある図形の中心と別の図形の中心位置のオフセットで定義されます。
断面を作成するときに、たとえば、鉄筋を図上でドラッグすることが可能です。
ドラッグしながら目的の場所まで移動し(概算で)、後は並進方向のzとyで所定の位置におくことになります。zとyは、図形を作成している原点に対する相対座標です。
あるいは、下図のように、アウトラインに接続点を追加しておけば(@、A)、断面作成時にドラッグするとその接続点に吸い付くので便利です(B)。接続点の位置は図形を作成している原点に対する座標です。
ドラッグしたときに青い四角で表示される印が吸着する対象です。他の図形の吸着点やグリッド(格子)の点に吸着します。
下図に示すように、マウスカーソルを移動するだけで画面左下にzとyの座標値が表示されますので、座標値を把握できます。
なお、簡単な図形であれば、定形の断面形状と配筋が簡単に入力できる「簡易形状RC断面」がご利用可能です。詳細は、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|モデル特性|フレーム要素の断面|断面サムネイル|簡易形状RC断面」
を御覧ください。
Q1−222.
「フレーム要素の断面」で「アウトライン」から形状入力している場合、重心位置を知る方法は?
A1−222.
ナビゲーション「モデル特性|フレーム要素の断面|断面特性オプション」において、CzおよびCyの値を参照ください。この値が、アウトラインにおける原点から重心位置までの離れとなります。
アウトラインの原点は、下図のA部(図形がない場所)を右クリックし、B部にチェックを入れ、C部に断面寸法より大きな値を入力することで表示されるクロスカーソルの交点(D部)です。D部にマウスカーソルを持っていくとE部に座標値が表示されますので、この方法でも原点がどこかを確認できます。
Q1−223.
ナビゲーション「支点|支点」のテーブルにある「S.A.」とは?
A1−223.
支点には並進用の座標系と回転用の座標系の2種類があり、それぞれ独立して設定できます。
S.A.にチェックを入れると別々に設定できます。
S.A.のチェックをオフにすると並進用の座標系が回転用の座標系にも適用されます。
通常は、チェックをオフにしてください。
別々に座標系を設定したい場合にチェックを入れて回転用の座標系を設定することになります。
Q1−224.
H24道路橋示方書に準拠して、支承条件が橋軸方向に対して免震、橋軸直角方向に対して固定としたい場合の安全係数の設定方法は?
A1−224.
ナビゲーション「照査設定|道示照査設定」のタイプで、一般の橋と免震橋のどちらかを選択しますが、これは許容塑性率、許容曲率や許容回転角を算出するときの安全係数に使用されます。
今回は免震橋を選択されていますので、橋軸方向加震時に影響する方向(本データの場合はzp軸回り)はそのままとし、橋軸直角方向加震時に影響する方向(本データの場合はyp軸回り)についての安全係数を任意入力してください。
具体的には、ナビゲーション「モデル特性|M−φ特性|M−φ特性成分」において、安全係数の”任意設定”にチェックを入れて安全係数を入力してください。
その他の免震支承の設定につきましては弊社ホームページのQ&A Q1-51. をご参照ください。
Q1−225.
以下のエラーが発生したときの対処方法は?
======================================
[4261] Solverエラー : 選択しているモードのインデックスが不正です。
======================================
A1−225.
固有値解析において表示するモードが不足していることが考えられます。
下図はナビゲーション「固有値解析と減衰|減衰モデル」から呼び出す画面です。
表示するモード数がA部のときは20Hz以上のモードは表示されないので、モードを選ぶことができず、上記エラーが発生する場合があります。この場合、B部のように「全て表示」を選んでください。
表示モードにつきましては弊社ホームページのQ&A Q1-169. もあわせてご覧ください。
Q1−226.
ナビゲーション「モデル特性|M−φ特性」と解析結果で許容曲率φaの値が異なっている
A1−226.
ナビゲーション「モデル特性|M−φ特性」の段階では軸力が確定されていません。
M−φ特性の最終的な形は、ナビゲーション「節点と要素|M−φ要素」の表にあるボタン「M−φ骨格」を呼び出して確認してください。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|節点と要素|M−φ要素」
に、[M−φ骨格]ボタンの説明を御覧ください。このボタンにより、M−φ要素の最終的な骨格形状を確認する画面を呼び出すことができ、最終的な骨格形状を確認できます。最終的な骨格形状とは、非線形解析を行うときに参照される非線形特性の形です。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|モデル特性|M−φ特性|M−φ要素とM−φ特性」
にはM−φ特性とM−φ要素に関する概要が解説されていますので、こちらも合わせて御覧ください。
また、同時性のチェックのオン・オフによっても許容曲率が異なります。
ナビゲーション「照査設定|曲率照査|φ照査用荷重」において、同時性にチェックが入っていると(デフォルトではチェック有り)、解析後に発生した軸力を用いてφc、φy、φaが再算出されます。応答曲率は、解析前に作成されたM−φ特性なので、そのときの軸力と許容曲率算出時の軸力は一致しません。この場合、同時性は考慮するものの、応答曲率と許容曲率は不整合な状態になります。
チェックオフの場合は、FEM解析前に決定したM−φ特性の骨格曲線より求めたφa、φy、φcが照査にも用いられますので、応答曲率と許容曲率は同じ軸力という点では整合します。
同時性を考慮した場合に整合するのはファイバー要素の場合と軸力変動の影響が小さい構造(桁橋など)のM−φ要素です。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|計算理論|FEM計算関連|許容曲率と許容回転角」
の解説に具体的な例がありますので御覧ください。
Q1−227.
フレーム解析の結果は、Engineer's Studio と UC-win/FRAME(3D) とで同じとなるか?
A1−227.
UC-win/FRAME(3D)の節点、断面形状、アウトライン、フレーム要素などの骨組みに関するデータは正確に変換されますので、基本的には同じ結果になります。
断面照査に関する設定に関して、Engineer'sStudioとUC-win/FRAME(3D)とでプログラム構造の違いが大きいため、f3dファイルを読み込むときに、多くの変換処理が発生します。機械的に変換されるため、Engineer'sStudioで最初から照査に関するデータを作成するよりも、冗長な入力データになりますので、必要に応じてEngineer'sStudioの中で整理されることをお勧めします。
以下のいずれかに該当する場合は計算結果に違いが発生します。
1) M−φ要素、ばね要素、ファイバー要素の各非線形特性において、水平勾配や負の勾配があると収束しにくい状態になって解が不安定になる場合があります。このような場合は計算結果に違いが発生します。
2) UC-win/FRAME(3D)ではラン毎に部材タイプ(ファイバー要素、M−φ要素、弾性梁要素)を変更できましたが、Engineer'sStudioでは各ランで共通になりました。そのため、f3dファイルの最初のランの部材タイプが有効になります。この結果、1番めのランの結果は同じになりますが、2番目以降は異なる結果になります。
3) 断面から自動算出するM−φ特性を割り当てたM−φ要素において、初期状態の断面力からM−φ要素の軸力を自動算出する場合の処理がUC-win/FRAME(3D)と異なります。
UC-win/FRAME(3D)では、解析前に自動決定するM−φ特性は、要素内の最大軸力と最小軸力の平均値を用いていました。これは、要素内の最大軸力と最小軸力の平均値が常に要素中央位置とは限らないという問題がありました。
Engineer's Studioでは、解析前に自動決定するM−φ特性も要素中央位置での軸力を用いて算出するように改定されています。
これにより、自動算出される軸力の値に違いが発生すれば(結果的に同じ場合も有り)、M−φ特性が異なるために計算結果にも違いが発生します。
4) UC-win/FRAME(3D)の残留変位の設定は破棄されます。Engineer'sStudioの残留変位の照査機能はUC-win/FRAME(3D)よりも高機能になっています。そのため、UC-win/FRAME(3D)の残留変位の照査結果を再現することができません。UC-win/FRAME(3D)では、指定された節点の絶対変位を最大応答変位とし、基礎の回転による水平変位や基礎自身の水平変位は除去されません。一方、Engineer's
Studioでは以下のように算出されます。
・橋脚天端節点の最大応答変位から基礎の回転による水平変位や基礎自身の水平変位を除去することによって、橋脚躯体自身の変形量δprを算出します。
・各ステップで残留変位δRを逐次算出して、その中から最大値を求めます。
・曲線橋や斜橋などの二軸曲げを受ける場合は、最大応答変位の方向での降伏変位をプログラムが自動的に算出します。これにより、最大変位と降伏変位の方向が一致しないという問題は生じません。
・降伏変位δyは、H14/H24道路橋示方書V耐震設計編の地震時保有水平耐力を求める手法で自動算出します。
Engineer's Studioの残留変位算出は道路橋示方書だけでなく、下記文献
・(財)海洋架橋・橋梁調査会、既設橋梁の耐震補強工法事例集、平成17年4月、p.II-97
・前原康夫;鉄筋コンクリート橋脚の設計例とチェックポイント、基礎工、総合土木研究所発行、2002.6
を参考にして拡張されております。詳細は、Engineer's Studioの下記ヘルプのトピックに説明がございますので併せて御覧ください。
「Engineer's Studio Help|ナビ|照査設定|橋脚残留変位照査|残留変位照査」
Q1−228.
ナビゲーション「固有値解析と減衰|減衰一覧」の剛性選択で瞬間剛性と初期剛性のどちらを選択したらよいか?
A1−228.
ナビゲーション「固有値解析と減衰|減衰一覧」での剛性選択は、動的解析において瞬間剛性を使用するか、初期剛性を使用するかを選択するものです。この設定は、固有値解析時の剛性を決定するものではありません。
初期剛性を選ぶと材料特性が線形領域の部材剛性を使用して減衰マトリックスを作成します。部材が非線形領域に入った場合でも減衰マトリクスは変化しません。
瞬間剛性を選ぶと解析中に非線形領域に入った部材はその剛性が低下します。それを減衰マトリックスにも反映させます。
下記文献を紹介いたしますので参考にされてください。初期剛性と瞬間剛性の違いや使い分けについても解説されています。
<文献>
独立行政法人 土木研究所 耐震研究グループ耐震チーム、
共同研究報告書 第351号
すべり系支承を用いた地震力遮断機構を有する橋梁の免震設計法の開発に関する共同研究報告書「すべり系支承を用いた地震力遮断機構を有する橋梁の免震設計法マニュアル(案)」
Q1−229.
ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」で設定した初期断面力の値を断面力図として確認するには?
A1−229.
荷重値を何も設定しない基本荷重ケースを新規に作成し、それをシーケンス荷重(単調増加、1回載荷)で指定することで、ステップ1の結果が初期断面力による断面力図になります。
Q1−230.
非線形解析を行うとき、デフォルトの収束基準をそのまま解析に使用しても問題ないか
A1−230.
特に目的がない場合は、デフォルト値(比率=0.01、絶対値=5)のままでも問題ないと考えますが、収束したとみなす力の大きさが5kN、5kNmなので、モデルによっては厳しすぎることがあります(重量の大きいモデルなど)。
逆にデフォルトでは緩すぎる場合もあります(小さな構造物やケーブル要素を使ったモデル、幾何学的非線形問題など)。
必要であれば、収束基準を変えて何ケースか行い、支点反力などの結果を比較検討してください。
不平衡力は理想的にはゼロがよいのですが、非線形解析では完全に不平衡力をゼロとする計算ができません。そのため、いくらかの許容範囲が必要です。収束基準値を緩くするとその範囲内で不平衡力が残っていれば収束した(力の釣り合いはとれたと判断)とみなされますので、意図しない結果が得られることがあります。その場合は収束基準の設定をご検討ください。
不平衡力については、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|FEM結果|収束結果」
を御覧ください。
収束基準の設定や収束しない場合に打ち切る設定については、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|モデル特性|解析設定」
を御覧ください。
Q1−231.
線状の分布荷重(線分布荷重)を平板要素へ載荷する方法は?
A1−231.
線状の分布荷重を平板要素に載荷することはできません。
等価な節点荷重を別途計算して、節点への集中荷重として載荷してください。
Q1−232.
回転慣性質量を入力する方法は?
A1−232.
回転慣性質量を節点に直接入力できます。入力場所は、ナビゲーション「荷重|質量一覧|節点質量」です。
整合質量を指定している場合は自動的に回転慣性質量が考慮されます。
ナビゲーション「モデル特性|解析設定」で動的質量モデルが整合質量になっていれば、断面形状と要素長さ及び単位体積重量から自動的に回転慣性質量が考慮されます。ただしその値を画面やレポート出力で確認することはできません。整合質量は別名「分布質量」とも呼ばれます。
断面形状を持つフレーム要素を剛体要素に定義すると、ナビゲーション「荷重|質量一覧|剛体要素質量」のテーブルで回転慣性質量の値を確認できます。これは元のフレーム要素の回転慣性質量とは異なります。剛体要素は主節点のみが解析に使用されますので、主節点に対する集中質量(回転慣性質量考慮)が自動算出され、その値が表示されます。剛体要素の回転慣性質量算出については、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|節点と要素|剛体要素」
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|質量一覧|剛体要素質量」
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|質量一覧|剛体要素座標系」
を御覧ください。
Q1−233.
ナビゲーション「モデル特性|解析設定」の「内力によるフレーム要素断面力算出」にある『1次力』、『2次力』とは何か?また、『2次力』はどのような場合に選択するか
A1−233.
1次力とは、断面に配置されたPC鋼材によるプレストレス荷重(自動的に作成される荷重ケースです)のことです。
2次力とは、1次力によって発生する断面力のことです。単純梁などの静定構造では2次力は発生しません。内力の1次力、2次力については、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|計算理論|FEM計算関連|プレストレス2次力について」
に例がありますので御覧ください。
断面照査を行うときは2次力のみの断面力を用いて実施されます。その値を確認する場合に、2次力のみを選ぶことになります。仮に「1次力+2次力」を選んでも断面照査では2次力だけが使用されます。断面照査では1次力を断面計算の中で常に考慮しますので、どちらのスイッチでも2次力だけが断面照査に使用されます。
プレストレス荷重の他に、1次力を内力として直接入力することができます。入力する場所は、ナビゲーション「荷重|荷重の定義|内力」です。部材に与える内力は、1つの部材内で力の釣り合いがとれている必要がありますので、入力されたi端とj端で断面力の向きや大きさが異なる場合は力の釣り合いがとれるようにプログラムが自動的に補間します。具体的な説明が、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|初期状態」
の
初期断面力の方向と符号|主軸座標系
にございますのでご覧ください。
(※初期断面力の説明ですが、内力も同じです)
このように、内力は1個の部材内で釣合いが成立している必要があります。通常の荷重は外力なのでそのような概念がありません。外力である荷重に対して部材内に断面力(内力)が発生するので、外力と内力が釣合うことになります。
Q1−234.
各節点の最大変位の変形図をレポート出力する方法
A1−234.
節点に対して抽出クエリを作成すると、「抽出キー」の結果で確認できます。
抽出と保存の「節点抽出クエリ」で変位を設定します。図では、並進3成分のみ指定しています。
抽出結果で節点の変位を指定し、抽出キーとランを指定します。
すると上図のように、変位ベクトル図が作成されます。図では、並進ベクトルのみを指定しています(回転変位のベクトルをオフにしています)。
なお、ベクトルの先を線で結んだような変位図はできません。
Q1−235.
分布ばね反力を確認する方法
A1−235.
解析前の準備として、「ナビゲーション|抽出と保存|フレーム要素抽出クエリ」の「抽出キー」にて『分布ばね反力』の抽出キーを設定します。
また「ナビゲーション|抽出と保存|フレーム要素時刻歴クエリ」についても設定します。
これらの設定については、ヘルプの
「Engineer's Studio Help|ナビ|抽出と保存|抽出クエリ」
「Engineer's Studio Help|ナビ|抽出と保存|時刻歴クエリ」
をご参照ください。
FEM解析を実行します。
時刻歴結果の場合、 リボン「シーケンス結果|ラン」において「カテゴリ:反力」、「テーブル表示」にチェック(レ)すると「フレーム要素」にてご確認できます。
抽出結果の場合、リボン「シーケンス結果|抽出キー」において「カテゴリ:分布ばね反力」を選択するとご確認できます。操作方法については、ヘルプの
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|抽出キー結果」
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|ラン結果」
をご参照ください。
Q1−236.
M−φ特性を断面から自動算出する場合、橋軸方向と橋軸直角方向とで有効長が異なるなどの理由で、zp軸回りとyp軸回りのコンクリート用曲線パラメータ(応力ひずみ曲線)を個別に入力したい。その方法は?
A1−236.
(Ver 9.1.0以降)
示方書条項が「H14道示V、H24道示V、H29道示V、NEXCO二集RC」の場合に設定する横拘束鉄筋の拘束効果を考慮したコンクリートの応力ひずみ曲線に対して、橋軸方向解析時と橋軸直角方向解析時とで有効長dや体積比ρsが異なることを考慮できるように、zp軸回りとyp軸回りの個別入力に対応しました。同様に、示方書条項が「JH二集、NEXCO二集FRP、海洋架橋H17、アラミド研H10」の場合に設定するFRPの拘束効果を考慮したコンクリートの応力ひずみ曲線に対してもFRPの有効長や体積比をzp軸回りとyp軸回りに個別に入力可能としました。また、終局ひずみ発生位置についてもzp軸回りとyp軸回りに個別に入力可能としました。これにより、1つの照査用詳細入力の中で、橋軸方向と直角方向とでかぶりが異なる場合を考慮できます。
(Ver 9.0.3以前)
M−φ特性において、zp軸回りの照査用詳細入力とyp軸回りの詳細用詳細入力は別々に入力できます。そのため、照査用詳細入力を橋軸方向用と直角方向用の2つを用意し、それぞれをM−φ特性に与えることになります。
1.zp軸回り用とyp軸回り用の2つの「断面照査用詳細入力」を用意します。
2.M−φ特性サムネイル、M−φ特性表テーブルなどで、zp軸回りとyp軸回りのそれぞれに1で作成した「断面照査用詳細入力」を別々に与える。
なお、M−φ要素は二軸曲げを受ける場合や軸力変動の影響が大きい場合に対応できません。それらが必要な場合はファイバー要素をご利用ください。
Q1−237.
M−φ特性を断面から自動算出する場合、タイプIのみ計算され、タイプIIのφy、φu、My、Muが0となるのはなぜか?
A1−237.
ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」において、タイプIIの応力-ひずみ曲線が設定されていないことが考えられます。
M−φ特性に関連する示方書条項が選択されている行をダブルクリックして編集画面を開き、左上の一覧でコンクリート材料が用いられている行を選択すると、右側に曲線パラメータが表示されます。
ここに、タイプI,タイプIIのタブが表示される場合には、両方のタブについて曲線パラメータを入力してください。
Q1−238.
矩形の平板要素の内部に丸い開口を設ける方法は?
A1−238.
「アウトラインを用いる方法」と「前もって作成した節点を用いて平板要素を作成する方法」をご紹介します。
【アウトラインを用いる方法】
1−1.ナビゲーション「モデル特性|アウトライン」にて、開口を考慮した側壁の形状を作成してください。
1−2.リボン「モデル|メッシュ要素|アウトライン形状」にて、作成済みの形状を選択肢、さらに座標系やメッシュサイズを指定してモデル空間上に配置してください。
1−3.開口を設けた平板要素が作成されました。
【前もって作成した節点を用いて平板要素を作成する方法】
2−1.ナビゲーション「節点と要素|節点座標」にて、側壁外縁や開口部円周の節点を作成してください。
2−2.メッシュ形状をコントロールするため、開口部の節点どうしをダミーのフレーム要素で繋げてください。
2−3.リボン「モデル|メッシュ要素|任意形状メッシュ要素」にて、外周の節点をクリックして平板要素を作成してください。
2−4.開口部にも平板が作成されてしまいますので、ナビゲーション「節点と要素|平板要素|メッシュ要素」で要素をダブルクリックして編集画面を開き、開口部の要素を削除してください。
2−5.「独立した節点の削除」にチェックを入れてOKボタンを押してください。
2−6.開口を設けた平板要素が作成されました。
Q1−239.
下記エラーの対処方法を知りたい
===================================
[4123] (1) ファイバー断面にヒステリシスの情報がありません。
: [***(ファイバー断面名称] は、ヒステリシスが設定されていません。
===================================
A1−239.
ナビゲーション「モデル特性|ファイバー要素の断面|ファイバー断面」にて該当するファイバー断面の編集ウィンドウを開いてください。
ヒステリシスの設定が空(未設定)のためエラーとなります。各ファイバー断面に対してヒステリシスを選択してください。
Q1−240.
ケーブル要素の「セグメント」の値をデフォルトの値から変更すると計算ができなくなる
A1−240.
ケーブル要素はセグメントの単位で計算されます。デフォルトは1ですが、これを増やすと計算部内部ではケーブル要素が複数に分割され、1個のセグメントが直線に近くなり(ケーブル要素の剛性が大きすぎて)、収束しにくい場合があります。
静的解析であればセグメントを1のまま計算して問題ありません。
動的解析においてもケーブル要素の揺れを考慮しない場合はセグメントを1のまま計算して問題ありません。
Q1−241.
「・・・・横拘束筋の体積比ρsが上限値0.018を超えています」というメッセージが表示された場合、そのまま計算を行うと0.018以上の値でMφが算出されるのか
A1−241.
文献[1][2][3]には繊維シートで補強された場合のコンクリート応力ひずみ曲線の式が示されていますが、いずれも道路橋示方書V耐震設計編の応力ひずみ曲線をベースとしたものです。
これらの横拘束筋の体積比ρsには上限値0.018の規定がないこと、また、上限値0.018を超えてもコンクリート応力ひずみ曲線の形が成立すること、から上限値なしとしております。
文献
[1]東・中・西日本高速道路(株):設計要領第二集橋梁保全編、平成20年8月
[2]海洋架橋・橋梁調査会:既設橋梁の耐震補強工法事例集、平成17年4月
[3]アラミド補強研究会:アラミド繊維シートによる鉄筋コンクリート橋脚の補強工法設計・施工要領案、平成10年1月
警告メッセージは注意喚起が目的ですので、計算を止めるようなエラーになりません。
計算エラーが発生する場合は、コンクリートの応力ひずみ曲線の形が成立していない可能性があります。コンクリートヒステリシスか、または、照査用詳細入力をご確認ください。エラーについては、下記Q&Aを御覧ください。
Q1−27.断面と連動したM−φ要素の設定手順は?
の中の手順で、5番が横拘束筋に関する入力です。道示Vの場合は横拘束筋に関する入力がないとコンクリートの応力ひずみ曲線が成立しないため、M−φ特性側でエラーになります。5番でコンクリートの応力ひずみ曲線が描画されない状態になります。
Q1−242.
斜めに配置されているケーブル要素を入力する際、入力方法で「張力(Th/Tv)」を選択すると「水平(Th)」を入力するようになっているが、鉛直(Tv)に対する入力は必要ないか?
A1−242.
水平(Th)を入力することで、つりあうように鉛直(Tv)は内部で自動算出します。
Q1−243.
弾性座屈固有値解析は可能?
A1−243.
弾性座屈固有値解析には対応しておりません。
通常の固有値解析の各モードより座屈モードを判断することは可能です。
幾何剛性を固有値解析で考慮するスイッチがありますので、こちらを使うことで、死荷重が載荷された状態でのアーチ橋の固有振動数など、幾何学的非線形を考慮した固有振動数を得ることができます。
幾何剛性を固有値解析で考慮するには、ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」にあるランタブ内の「固有値解析で初期断面力を使用」にチェックを入れることで可能です。
Q1−244.
平板要素の辺に沿った複数の節点を移動するには?
A1−244.
平板要素の辺に沿った複数の節点を移動するには、該当要素の節点を複数選択し、移動コマンドを使います。操作の一例を下図に示します。
Q1−245.
動物等がフェンスに衝突するときの衝撃荷重を考慮する方法は?
A1−245.
動物等の衝突を衝撃力という静的な荷重として載荷させるのであれば、一般的な集中荷重で対応可能です。道路橋示方書の自動車の衝突荷重と同じ扱いとなります。
これとは別に”衝撃解析”という考え方があり、これは動物等がフェンスに衝突した際に、フェンスという構造物の内部に衝撃波がどの様に伝わるかを解析するものになります。残念ながら、本製品は”衝撃解析”には対応しておりません。
Q1−246.
照査に関する設定を行い、FEM解析と照査を実施したが照査結果がない原因は?
A1−246.
ナビゲーション「抽出と保存|フレーム要素抽出クエリ」が設定されていない可能性があります。この場合、照査に用いる抽出結果がないために照査が実施されません。
ナビゲーション「抽出と保存|フレーム要素抽出クエリ」で新規作成ボタンを押して抽出クエリを作成してください。詳細は製品ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|抽出と保存|抽出クエリ」
を参照願います。
Q1−247.
「国総研資料第700号 既設橋の耐震補強設計に関する技術資料 平成24年11月 国土交通省 国土技術政策総合研究所」(以下、「国総研資料」と称します)に沿ったモデル化を行いたい
A1−247.
「国総研資料第700号 既設橋の耐震補強設計に関する技術資料 平成24年11月 国土交通省 国土技術政策総合研究所」(以下、「国総研資料」と称します)に直接は対応していません。この考え方に沿ったのモデル化は、
地域別補正係数や地震波形をH24道示の波形にします。
塑性ヒンジ長に補正係数0.8を乗じた長さをM−φ要素の要素長とする
照査用詳細入力プロパティ画面は示方書条項「道示-V H14 [Mu,Ma]」とする。
同画面の「タイプI」タブでは、Edesを考慮にチェックを入れる(終局ひずみはεcuとなる)
ナビゲーション「モデル特性|M−φ特性|M−φ特性サムネイル」において、「係数」タブ内の安全係数を任意設定にしてタイプIの列にタイプIIの数値(B種の橋1.5 or A種の橋1.2)にする
と考えております。
Q1−248.
断面形状をCADで作成してDXF/DWGインポートで読み込むと円弧部が抜ける原因は?
A1−248.
ポリラインには直線の集まりと円弧の集まりの2種類がありますが、インポート可能なのは直線の集まりとしてのポリラインです。円弧は読み込むことができません。
CAD側で円弧部を直線の集まり(多角形)で表現する必要があります。
Q1−249.
固有周期の算出機能はあるか?
A1−249.
本製品には道路橋示方書V耐震設計編に示されるT=2.01√δの式で固有周期を算出する機能はありません。道路橋示方書V耐震設計編の解説文にある「別途固有値解析」に相当する固有値解析が可能です。
ナビゲーション「モデル特性|解析設定」において、荷重載荷方法を”シーケンス載荷”とした場合に固有値解析を行うことができます。
リボン「ホーム|固有値解析」を押すことで固有周期を算出し、リボン「シーケンス結果|固有値期解析結果」もしくは、リボン「ホーム」にて画面左側のナビゲーション「固有値解析と減衰|減衰モデル」から各モードにおける固有周期を確認してください。
本製品で固有値解析を行うと、3次元モデルなので、モード次数も3次元で得られます。そして固有振動数の小さいものからMode1、Mode2、Mode3、・・・と数えられ、モードごとに刺激係数や有効質量が得られます。
そのため、橋軸方向が全体X軸と一致している場合は、橋軸方向(全体X)の有効質量比X1、X2、・・・Xnをみて、その中から大きいものを選び、大きい順に並べたものが道路橋示方書V耐震設計編等でよく言われる1次モード、2次モード、n次モードと言えます。
このように、並び替えた後の一番大きな1次モードは、橋軸方向の振動に着目したときに最も卓越する振動形状および固有振動数(逆数が固有周期)であると言えます。
設計水平震度を算出する機能はありませんので、手動で別途求めることになります。
Q1−250.
「曲率照査用荷重」で同時性を考慮すると、曲率照査の許容値は応答曲率発生時の軸力で再算出されるが、それに対する許容曲げモーメントを確認することができるか?
A1−250.
下図の赤丸部分のボタンを押すと、現在表示されている照査結果の詳細な内容がレポート出力として表示されます。その中に、「許容曲率を求めるときのM−φ特性」があります。平均に対してはありません。
Q1−251.
プログラムが自動作成した死荷重(st.)の荷重値の値を変更したい
A1−251.
ナビゲーション「モデル特性|解析設定」にて、「荷重ケースの設定」の「死荷重」にチェックが入っている場合、断面に与えられた単位長さ重量、もしくは断面に与えられた断面積と単位体積重量から自動算出された単位長さ重量は、必ず荷重ケース「死荷重(St.)」もしくは「死荷重(NonSt.)」に設定されます。自動算出された荷重値を変更することはできません。
材料の単位体積重量を変更すると荷重値も自動的に変更されますのでお試しください。
また、荷重ケース「死荷重(St.)」をコピーすると通常の基本荷重ケースになりますので、荷重値の変更が可能になります。この場合は、コピーした後に元の自動算出された「死荷重(St.)」が不要になるので、ナビゲーション「モデル特性|解析設定」にて、「荷重ケースの設定」の「死荷重」をチェックオフにします。
Q1−252.
DXF/DWGモデルエクスポートによって生成したファイルをCADソフトで読み込むと、寸法が実際と異なっている理由は?
A1−252.
DXF/DWGモデルエクスポートの画面で、エクスポートの種類に「2Dに投影」を選択してエクスポートされていると思われます。
「2Dに投影」を選択した場合、現在のCADビュー上の描画と見た目が同じになるように2次元平面に投影します。この場合、座標系変換が行われるため、寸法は本来の大きさとは異なります。
寸法通りのDXF/DWGファイルをエクスポートするには、エクスポートの種類に「3Dデータ」を選択して再度エクスポートをお試しください。
Q1−253.
せん断照査に関する照査用詳細入力プロパティ画面で、有効高さdを「dの算出」によって自動算出するときの考え方は?
A1−253.
矩形断面の場合、有効高dの取り方は”圧縮縁から側方鉄筋を無視した引張鉄筋の重心位置までの距離”となりますので、引張鉄筋の範囲のみがオレンジ色の網掛けとなるようeの値を調整してください。有効高さdは、指定が「dの算出」の場合、圧縮縁から鉄筋群図心位置までの距離dを自動算出します。
算出されたdが表と図に表示されます。鉄筋群図心を計算させるための鉄筋の範囲をeで入力します。eは引張鉄筋の範囲を指定する距離です。原点はコンクリート要素のみを考慮した図形の図心ですので、それより引張側にある鉄筋群が対象になります。
詳細は、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|計算理論|断面計算関連|せん断関連の計算方法」
の
eの意味
を御覧ください。
Q1−254.
せん断照査に関するFRP(繊維シート)の実配置面積には何を入力したらよいか?
A1−254.
FRPの実配置面積は、zp(yp)方向のせん断力に抵抗する面積なので、
FRPの総厚(mm)×FPRの間隔(mm)×2
となります。FPRの間隔は一般には1000mmとされています。製品に同梱されているSectionCodeConfigurations.pdf(断面照査用詳細入力の解説)の2.7.1の解説を御覧ください。この文書は、デフォルトのインストール状態では、
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\Doc
にあります。
Q1−255.
平板要素を作成する操作において、節点作成後、リボン「追加|メッシュ要素|任意形状メッシュ要素」で節点を選択するためにマウスのクリックで行うが、節点を選択できない
A1−255.
節点が認識されない件については、スナップで節点が選択されているかをご確認ください。
スナップについては、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|基本操作|ビューツールバー」
の
スナップ
を御覧ください。
なお、スナップでグリッドポイントが選択されていると、グリッドの交点が選択されやすくなりますので、必要に応じてON/OFFを切り替えてご使用ください。
また、後述する「操作ガイダンス」の第3章では、「3D入力グリッド」を指定して平板要素を配置する操作が解説されていますのでお試しください。
(ADVANCED版をご利用の場合、非線形平板要素は解析できませんので、平板鉄筋材料などの非線形の設定は無視してください。)
操作ガイダンスは 弊社ホームページの
ホーム>サポート>製品共通サポート>電子マニュアル・操作ガイダンスからダウンロード可能です。
http://www.forum8.co.jp/faq/manual-index.htm
Q1−256.
L1地震動における許容応力度照査で、許容応力度の割増係数はどこで与えるか?
A1−256.
下図はサンプル「Lohse-before-dampingElement.esx」の設定画面です。
許容割増は、下図の黄色部分で入力します。
Q1−257.
他社プログラムと動的解析の結果が大きく異なる場合、まず何を確認したらよいか?
A1−257.
他社プログラムと動的解析の結果が違う場合は、まず固有値解析の結果が同じかどうか、Rayleigh減衰のαとβが同じかどうかをご確認ください。そのレベルで異なる場合は、モデルの基本的な情報(節点座標、要素剛性、質量、支点条件など)が異なっていることが考えられます。それらが同じであれば、非線形特性の設定が同じかどうかご確認ください。
Q1−258.
インストールする時に出てくる「エクスプローラ拡張」とは?
A1−258.
esxファイルがどのバージョンで保存されたかをエクスプローラで確認するための機能です。
詳細はヘルプ
「Engineer's Studio Help|画面まわりの基本|データファイルのバージョン確認」
を御覧ください。
バージョン確認が不要であれば、はずしていただいて構いません。
Q1−259.
節点質量は死荷重や水平震度荷重に影響があるのか?
A1−259.
ナビゲーション「荷重|質量一覧|節点質量」に「死荷重 On/Off」および「水平震度荷重
On/Off」という設定があり、節点質量が入力されていて「死荷重On/Off」がチェックオンとなっていれば節点質量に重力加速度が乗じられた値が死荷重として考慮されます。
また「水平震度荷重On/Off」がチェックオンとなっていれば節点質量に重力加速度と水平震度が乗じられた値が水平震度荷重として考慮されます。
ヘルプの
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|質量一覧|節点質量」
をご参照ください。
Q1−260.
圧縮側と引張側の鉄筋量が異なる場合にM−φ特性で「カテゴリ:バイリニア(対称)」とすると、対称のM−φ特性が作成される。圧縮側と引張側の鉄筋量の違いはどのように処理されるか?
A1−260.
鉄筋量が圧縮側と引張側とで異なる場合はM−φ特性が非対称となります。対称を指定すると下図の黄色部分のスイッチに応じて対称型が作成されます。
「+Side」を選択すると、非対称のM−φ特性の正側を負側にも適用します。
「-Side」を選択すると、非対称のM−φ特性の負側を正側にも適用します。
Q1−261.
完全弾塑性型バイリニアのM−φ特性を割り当てたM−φ要素に発生する曲げモーメントが降伏曲げモーメントより大きくなっているのはなぜか?
A1−261.
M−φ要素は非線形特性(M−φ特性)を要素中央で評価しますので、計算結果も要素中央で得られます。その値は、個別結果のフレーム要素で確認できます。
グループ結果のランでは、曲げモーメント図を描画する必要がありますので、要素中央の値からi端側やj端側へ線形弾性理論により補間して算出された値となります。
このとき、厳密には不整合な状態が発生します。M−φ要素の結果は非線形の結果に対し、補間される値は線形弾性理論です。これによる違いが発生します。
そのため、M−φ要素の結果は要素中央に着目する必要があります。
Q1−262.
橋脚の非線形要素に鉄筋を考慮した断面定数(EI=Mc/φc)を使って固有値解析行いたい
A1−262.
断面を構成する断面要素(コンクリート、鉄筋)のうち、鉄筋について、下図の黄色部分にチェックを入れると鉄筋を考慮したひび割れ曲げモーメントとひび割れ曲率が算出されます。
Q1−263.
「ES-土木構造二軸断面計算(部分係数法・H29道示対応)オプション」と「Engineer's Studio Section」の違いは?
A1−263.
Engineer's Studioの「ES-土木構造二軸断面計算(部分係数法・H29道示対応)オプション」では、下記照査が可能です。
(1)H29道示IIIの曲げ応力度照査(RC/PC部材)
(2)H29道示IIIの曲げ耐力照査(RC/PC部材)
(3)H29道示IIIのせん断耐力照査(RC/PC部材)
(4)H29道示IVのせん断耐力照査(RC部材)
(5)H29道示Vのせん断耐力照査(RC部材)
(6)H29道示Vの曲率照査(RC部材、鋼部材)
(7)H29道示Vの単柱式鉄筋コンクリート橋脚と単柱式鋼製橋脚の変位照査
(8)H29道示Vの単柱式鉄筋コンクリート橋脚と単柱式鋼製橋脚の残留変位照査
詳細は、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|部分係数設計|部分係数設計の概要」
をご参照ください。
Engineer's Studio Sectionでは、上記(1)〜(6)が可能ですが、(7)と(8)はフレーム要素が必要なのでできません。
また、Engineer's Studio Sectionではフレーム要素が不要なので断面に断面力を直接与えることができます。Engineer's
Studioでは断面力はフレーム要素の計算結果なので、断面力を直接与えることはできません。
Q1−264.
平板断面で入力した各レイヤでの鉄筋の位置と平板要素での位置の関係は?
A1−264.
平板断面を作成する段階では、まだ平板要素に平板断面が割り当てられていないので、位置関係は定まりません。
平板断面では、下図のようにzl軸が下向きが想定されており、zl軸の起点側がレイヤ番号1番になります。zl軸の終点側に向かってレイヤ番号が増えていきます。
平板要素に平板断面を割り当てたときに、平板要素のzl軸が3次元空間でどの方向を向いているかによって、レイヤの位置が決定されます。
Q1−265.
断面を構成する断面要素の面積を一覧形式で確認するには?
A1−265.
Ver.8.0.0にて各材料毎の面積や、鉄筋量、鉄筋径、本数の出力に対応しました。
入力データ出力の「断面」をご利用ください。
Q1−266.
H14道示に準拠した耐震補強検討において、RC巻立てによる補強の斜引張鉄筋をどこで入力するのか?
A1−266.
本製品は補強設計に直接対応していません。既設とRC巻立ての両方を考慮した斜引張鉄筋の設定をすることになります。
既設道路橋の耐震補強に関する参考資料、平成9年8月、日本道路協会
のp.4-73では、既設の帯鉄筋と補強部分の帯鉄筋を考慮した設定例がございますのでご参考ください。その例では、既設の間隔を用い、せん断補強筋の断面積Awで調整しています。
Q1−267.
H29道路橋示方書V耐震設計編の「8.4 鉄筋コンクリート橋脚の限界状態」による水平変位に対する照査を行いたい
A1−267.
ナビゲーション「部分係数設計|橋脚変位照査|PFD変位照査」および「部分係数設計|橋脚変位照査|PFD変位照査用荷重定義」の各パラメータを入力してください。この照査は柱基部が塑性化する単柱式鉄筋コンクリート橋脚が対象です。設定方法については、製品ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|部分係数設計|PFD変位照査」
「Engineer's Studio Help|ナビ|部分係数設計|PFD変位照査用荷重定義」
に解説がございますので、ご参照ください。サンプルデータ「BlueBookBridge_Vp123_TypeII_Dosi2017.esx」において上記照査設定がされておりますので、併せてご確認ください。サンプルデータは、デフォルトのインストール状態では、下記場所にあります。
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio x.x.x\Samples
(Windows10 64bit版 の場合)
画面左上の「ファイル」メニューから「サンプルフォルダを開く」で選択できます。
Q1−268.
せん断耐力算出時の有効高d及び断面幅bを部材毎に一覧表形式で抽出したい
A1−268.
せん断耐力算出時の有効高d及び断面幅bは断面ごとに設定しますので、断面照査用詳細入力の画面から抽出することになります。
下図のように、ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力リスト」において、示方書条項にせん断耐力の条項を選択すると、入力した項目が表形式で表示されますので、ここから有効高d及び断面幅bの値を抽出することもできます。
表形式の画面で値を編集することも可能です。
Q1−269.
平板要素断面力の数値を全てのメッシュ要素に対して出力するには?
A1−269.
CSVエクスポートで可能です。各メッシュ要素内の各プリミティブ内の全ガウス点の断面力をCSVファイルとしてエクスポートし、確認します。
リボン「シーケンス結果|エクスポート|CSV/Text|平板要素CSVエクスポート」を選択してください。エクスポート画面が開きますので、ランやエクスポートする項目などを選択します。詳しくはヘルプ
「Engineer's Studio Help|FEM結果|CSVエクスポート」
の
「平板要素の結果」
を御覧ください。
Q1−270.
平板要素の結果確認画面の設定で「主値」や「方向」のボタンを押した際に、モデル描画のコンタ図は変化するが、テーブル表示の数字は変化しないのは何故か
A1−270.
・テーブル
平板要素の結果の数値テーブルには「平板要素(Max/Min)」と「平板要素
現在情報」の2種類があります。「平板要素(Max/Min)」は主値の結果です。「平板要素
現在情報」はナビゲーション内の「主値」または「方向」の各設定に応じた現在情報が表示されます。
「平板要素(Max/Min)」内の行をクリックすると、それに応じたコンタ図とガウス点位置情報(白色)がモデル図に描画されます。同時にナビゲーション内の「主値」のボタンが正しい設定に制御されます。
「平板要素 現在情報」内の行をクリックすると、それに応じたガウス点位置情報(白色)がモデル図に描画されます。数値はナビゲーションで指定された「主値」または「方向」の値です(前述どおり)。
・テーブルと「主値」
「主値」を指定すると、テーブル「平板要素(Max/Min)」はもともと主値なので内容は変化しません。テーブル「平板要素
現在情報」は「主値」に関する現在情報の数値が表示されま
す。
コンタ図は「主値」に関する図になります。
・テーブルと「方向」
「方向」を指定すると、テーブル「平板要素(Max/Min)」は主値の値のまま変化しません。テーブル「平板要素
現在情報」は「方向」に関する現在情報の数値が表示されます。
コンタ図は「方向」に関する図になります。
・平板要素の数値結果
ヘルプ
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|平板要素の数値結果」
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|コンタ図・平板要素座標系」
の解説を御覧ください。
Q1−271.
橋梁の動的照査をレポート出力する操作手順は?
A1−271.
例としてサンプルデータ「BlueBookBridge_Vp123_TypeII_Dosi2017.esx」を用いてレポート出力する操作手順を「Bridge-dynamic-check-report.pdf 」に示します。この例では、極力、出力枚数が少なくなるような例です。そのため、断面力図などのフレーム計算結果は出力しない設定です。下記項目の操作例が解説されています。
・入力データのレポート出力(枚数を減らす設定)
・総括表のレポート出力(詳細な計算内容付与)
・各照査のレポート出力(詳細なし、一覧のみ)
・標準出力をレポート出力しない設定
・任意設定のレポート出力(カメラ設定の一例)
なお、この例は、ランに対する設定です。平均に対する設定が必要な場合は同様な操作を行うことになります。
Q1−272.
免震支承をバイリニアでモデル化するには?
A1−272.
ナビゲーション「モデル特性|ばね特性|ばね特性サムネイル」にて”新規追加”ボタンを押し、ばね特性エディタを開いてください。以下のように入力することになります。 カテゴリ:バイリニア(対称) 詳細:正負方向 K1:1次剛性(kN/m) δ1:降伏荷重を1次剛性で除した値(mm) K2:2次剛性(kN/m) δ2:100mmなどの大きな値 許容変位:設計変位(mm)
描画範囲:適切と思われる値(mm) を入力し「適用」ボタンを押してください。
δ2と許容変位には大小関係があります。恐れ入りますが、弊社ホームページの下記Q&Aを御覧ください。 Q1−90.ばね特性の種類がバイリニアの場合に、以下のメッセージが表示された。対処方法は? この順番が逆転しないように「δ2」や「許容変位」の数値を与えてください。
Q1−273.
静的非線形解析(プッシュオーバー解析)で水平震度0G〜2Gまでを0.01Gずつ増加させて解析したい場合、どのように入力したらよいか?
A1−273.
ナビゲーション「モデル特性|解析設定|荷重ケースの設定|水平震度荷重(X’)」で
khX’=1.0 ---(a)
とした上で、ナビゲーション「荷重|ランの定義|シーケンス荷重」で
荷重ケース:水平震度荷重X’(+)
アクション:単調増加
荷重割増 :0.01
適用回数 :200回
としてください。この結果、(a)を0.01倍したものを順次200回単調増加されます。最後のステップが
1.0G*0.01*200 = 2G
の載荷になります。
Q1−274.
橋脚柱に鋼板巻き立て補強を行う場合の曲げとせん断に関する入力方法は?
A1−274.
(曲げに関して)
断面に鋼板を配置すると、主鉄筋を増加させた場合と同じような効果になり、M−φ特性の骨格形状が変わります。これは曲げ耐力向上型となります。
もし、鋼板による横拘束効果だけを考慮したい場合は、断面には鋼板を配置せず、横拘束筋の体積比で与えてください。具体的には「終局強度法 -曲げ」に関する照査用詳細入力画面で、示方書条項を「道示V H14[Mu,Ma]」し、コンクリート部分の断面要素に対して横拘束材料に関する入力、つまり体積比ρを任意設定にして直接与えます。
「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料(平成9年8月)、日本道路協会」のp.2-20に、鋼板を考慮した体積比の考え方がありますのでご参考ください。
(せん断に関して)
既設断面の帯鉄筋と鋼板の両方をせん断耐力Psに考慮する場合は、帯鉄筋と鋼板を考慮した面積を与えることになります。鋼板だけをせん断耐力Psに考慮する場合は、鋼板を考慮した面積を与えることになります。誠に恐れ入りますが、
既設道路橋の耐震補強に関する参考資料、平成9年8月 p.2-25に鋼板を考慮したせん断耐力の算出事例があるようですのでご参考ください。
入力する場所は、
ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」
です。断面全体に対する入力として、
[斜引張鉄筋:σy]
[斜引張鉄筋:実配置面積 Awreal]
[斜引張鉄筋:間隔a]
[斜引張鉄筋:部材軸からの角度θ]
が必要です。詳しくは、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|照査設定|断面照査用詳細入力プロパティ」
を御覧ください。
Q1−275.
静的解析または動的解析において、最終ステップの断面力を用いて照査を行うには?
A1−275.
最終ステップ応力で照査を行う場合は、「ナビゲーション|抽出と保存|フレーム要素抽出クエリ」でステップを[範囲]とし、開始ステップ、終了ステップに最終ステップを入力してください。
Q1−276.
道路橋示方書V耐震設計編に基づく動的照査について、H24版とH29版の違いは?
A1−276.
H29道示とH24道示との動的照査比較があります。その中では、曲げに関する照査において照査項目に違いがあります。せん断耐力の照査は違いがありません。
詳細は下記をご参照ください。
サポートトピックス:H29道示とH24道示との的照査比較
http://www.forum8.co.jp/topic/up122-support-topics-ES.htm
Q1−277.
旧活荷重「TT-43」(トレーラー荷重)を対象とした影響線解析の設定方法は?
A1−277.
TT-43は、長さ15.9m、幅2.75mの範囲内に、「6tf+13tf+12tf+12tf=43tf」の集中荷重を考慮したものです。ここでは、幅員が8.5m(=主載荷幅5.5m+従載荷幅3m)で支間長が80m未満の橋の主桁を設計する場合を想定します。この場合に旧道示に規定される活荷重は以下のとおりです。
(a) TT-43を橋軸方向に1台、幅員方向に2台
(b) TT-43の前後に主載荷荷重として等分布荷重「p=0.35tf/m2」(支間長が80m未満)を考慮
(c) TT-43の左右に線荷重「P=5tf/m」を考慮
(d) TT-43の左右に従載荷荷重としてpの1/2を考慮
上記(a)〜(d)を本製品の活荷重に入力する場合は以下のように考えます。
(a)は、4組の集中荷重で構成する連行荷重
(b)は、p2荷重の荷重強度
(c)は、1個の集中荷重で構成する連行荷重
(d)は、連行荷重の横に分布荷重を与えることができないので17個の集中荷重に置換
上記(a)〜(d)の数値を準備します。従来単位系をSI単位系に変換するためにg=9.80665(m/s2)を用います。(a)と(c)は別々の連行荷重として与えます。これにより、各着目点で(a)の厳しい結果と(c)の厳しい結果が合計されます。
(a)
前輪から順番に集中荷重をT1、T2、T3、T4とすると、幅員方向に2組あるので、下記のようになります。これを活荷重領域「TT-43」に入力します。
T1 = 6 * g * 2 = 117.680(kN)
T2 = 13 * g * 2 = 254.973(kN)
T3 = 12 * g * 2 = 235.360(kN)
T4 = 12 * g * 2 = 235.360(kN)
(b)
p2荷重強度をSI単位に換算します。
p2 = 0.35 * g = 3.430(kN/m2)
(c)
下記を活荷重領域「half-P」に入力します。
large_P = 5 * 3 * 1/2 * g = 73.550(kN)
(d)
長さ15.9m、幅2.75mの範囲内に0.35tf/m2の1/2を17個の集中荷重に分解するので、以下のようになります。
small_p = 15.9 * 3 * 0.35 * 1/2 * g / 17 = 4.815(kN)
以上の準備より、ナビゲーション「荷重|活荷重の定義」に入力します。下記2つを定義します。
・活荷重領域「TT-43」
・活荷重領域「half-P」
「TT-43」の基本タブ
下図赤枠のように設定します。
「TT-43」の幅員データタブ
主載荷荷重の幅に等分布荷重p2が載荷されます(連行荷重の前後)。従載荷荷重の幅に等分布荷重p2の1/2が載荷されます。
「TT-43」のZoning/p2,qタブ
等分布荷重p2の値を入力します。
「TT-43」の連行荷重タブ
上記の(a)と(d)を入力します。
「TT-43」の衝撃係数タブ
ここではRC橋の衝撃係数を設定します。
「TT-43」の単位荷重ピッチタブ
分割比は1%とします。
「half-P」の基本タブ
上記の(c)を設定するために赤枠部分のように入力します。
「half-P」の連行荷重タブ
上記の(c)を設定します。
上記の設定を行ったファイルは下記リンクより入手できます。
圧縮されておりますので解凍してご利用ください。
・TT43-Liveload.esx
(Ver 9.0.3で作成)
・関連:旧活荷重(TL-20)を対象とした影響線解析の設定方法は?
Q1−278.
鋼部材のM−φ特性を自動算出できるか?
A1−278.
H14/H24/H29道路橋示方書V耐震設計編の鋼製橋脚のM−φ特性算出が可能です。 鋼製橋脚以外の鋼部材(鋼管杭など)については対応していません。
Q1−279.
活荷重の影響線解析で斜角を考慮したり、拡幅部分を考慮したりできるか?
A1−279.
活荷重の計算は、1本棒に対する影響線解析です。幅員方向のイメージは、いつでも幅員中央(=骨組み線位置=断面図心位置)に活荷重が載っている状態です。つまり、影響線は橋軸方向のみ作成されます。幅員方向の影響線は作成されません。詳しくは、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|活荷重の定義|活荷重エディタ〜幅員データ〜」
の
ヒント<幅員の入力について>
の(1)に相当しますので、斜角の影響は考慮できません。
それが必要な場合は、格子状に組んだフレームモデルに対して橋軸方向と橋軸直角方向に影響線を考慮した解析が必要です。これは、弊社製品「任意形格子桁の計算」で解析することになります。
Q1−280.
データ入力後、FEM解析を実行したが曲率照査結果など照査結果が表示されない
A1−280.
FEM解析のボタンを押しただけでは断面照査や曲率照査が実施されませんので、照査のボタンを押して実行してください。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|リボン|ホーム|計算の実行」
の解説を御覧ください。
編集状態(FEM解析を実行していない状態)で照査ボタンを押すと、FEM解析計算と照査が順番に実施されます。
フレーム解析のみする場合はFEM解析のボタンを押してください。
照査まで行う場合は照査のボタンを押してください。
Q1−281.
平板面荷重を平板に平行に載荷できるか?
A1−281.
平板面荷重には全体分布と要素分布の2種類があり、全体分布は面に平行な載荷ができませんが、要素分布では平行な載荷が可能です。 なお、要素分布の場合には、左右オフセットを設定することができませんので、荷重載荷範囲に該当する領域がメッシュ要素となるよう設定してください。
Q1−282.
「限界状態 照査用荷重定義」で使用限界、疲労限界の荷重ケースを設定できない
A1−282.
ナビゲーション「モデル特性|解析設定」にて、荷重載荷方法を「ケース載荷」としている場合は、終局限界、使用限界、疲労限界の荷重ケースを設定できますが、「シーケンス載荷」としている場合は、終局限界だけを設定できます。シーケンス載荷では使用限界、疲労限界の荷重ケースを設定できません。
そのため、「シーケンス載荷」としている状態で照査を実行するためには、ナビゲーション「限界状態照査|限界状態照査用詳細入力」で各々の編集画面を開き、「示方書条項」タブの”使用限界”および”疲労限界状態”のチェックボックスをオフにしてください。
Q1−283.
下記のようなエラーの対処法は?
======================== [3504] (560) 終局曲げモーメントが見つかりません。
[3503] (280) 初降伏モーメントが見つかりません。
[3502] (67) ひび割れモーメントが見つかりません。
========================
A1−283.
圧縮軸力または引張軸力が大きすぎて、M-N相互作用図の範囲外になっていることが考えられます。リボン「照査|結果|道示断面力」の表内で、エラーの発生している荷重ケースの軸力をご確認ください。軸力を確認後、「簡易照査」画面において、その軸力がM-N相互作用図の範囲内に存在するかどうかを確認することが可能です。詳しくは、お手数ですが以下のサポートトピックスを参照いただきますようお願いいたします。
サポートトピックス・FEM / Engineer's Studio
「M−φ特性でエラーが発生したときの確認と対処」
http://www.forum8.co.jp/topic/up123-support-topics-ES.htm
Q1−284.
微小変位と大変位の違い、およびP-δ効果
A1−284.
微小変位は変形前の状態で力の釣り合いを立てて解きます。一方、大変位では変形後の状態で力のつりあいを立てて解くため、収束計算が必要な非線形問題となり、これを材料非線形とは区別して、幾何学的非線形と呼びます。変位の増大に伴うP-δ効果を無視することができない高橋脚などで幾何学的非線形が必要です。 材料非線形解析は、材料特性の非線形性を考慮した解析で、ファイバー要素、M−φ要素、バイリニアなどのばね要素を用いるときに必要です。 材料非線形と幾何学的非線形を同時に考慮すると、非線形問題を同時に2つ考慮するので、モデルによっては収束しない場合があります。最初は材料非線形だけで解析を行い、必要に応じて幾何学的非線形を考慮してください。 ヘルプの 「Engineer's Studio Help|プログラム概要|機能概要」 に「材料非線形と幾何学的非線形」の説明がありますので、こちらもご覧ください。 本プログラムの幾何学的非線形については、 ・弊社元技術顧問後藤先生の解説サイトhttp://www.forum8.co.jp/forum8/ronbun1.htm を参考文献として挙げさせていただきます。
Q1−285.
コンクリートや鉄筋の許容応力度を変更するには?
A1−285.
ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」において断面の編集画面を開き、さらに鉄筋あるいはコンクリートの行を選択して、許容値の設定を”自動”から”任意設定”に切り替え(コンクリートの場合は”任意設定”にチェックを付ける)、許容値を入力してください(下図参照)。
Q1−286.
節点に質量を与える場合、1節点だけの剛体要素に質量を与える方法とナビゲーション「荷重|質量一覧|節点質量」で与える方法がある。これらの違いは?
A1−286.
どちらも節点に質量を与える点では同じです。違いは、節点質量が質量中心をオフセットできないのに対し、1節点だけの剛体要素は質量中心をオフセットできる点です(質量座標系の原点でオフセットします)。
このように、質量に関しては、1節点だけの剛体要素のほうが多機能です。
節点質量はシンプルな機能といえます。
Q1−287.
複数の節点をまとめて支点に設定する方法は?
A1−287.
範囲選択で複数の節点を選択後、リボン「節点|編集|支点」を用いることで、まとめて支点を作成することができます。
1.AまたはBのボタンを押します。
2.ドラッグして範囲選択します。
3.支点の設定画面を呼び出します。
Q1−288.
既に作成済みの断面がある状態で、新たに別の断面データをCADファイル(dwg/dxf)からインポートして既往の断面と入れ替えることができるか?
A1−288.
可能です。下記手順をお試しください。
新規モデルにおいて、新しい断面を作成します。断面名称を既存の断面名称に変更しておきます。 その後クリップボードにコピーします。図では新規断面が小判の例です。
既存モデルを開いて、既存の断面照査用詳細入力を削除しておきます。
クリップボードから貼り付けします。図では既存断面が矩形の例です。
貼り付けオプションで「貼り付けデータを維持」にします。これにより入れ替え作業になります。
図は小判に変更された様子です。
新しい断面照査用詳細入力を作成します。
断面全体の入力をします。
断面全体の入力をします。図は入力前の状態です。適切な値を入力してください。
断面要素の入力をします。図は入力前の状態です。適切な値を入力してください。
断面要素の入力をします。図は入力前の状態です。適切な値を入力してください。
断面要素の入力をします。鉄筋に入力はありません。応力ひずみ曲線が成立していることを確認します。図は入力前の状態です。
M−φ特性において、断面照査用詳細入力を選択します。
Q1−289.
前バージョンで作成した結果付きデータを新バージョンで開くことができない
A1−289.
新しいバージョンの修正によって以前のバージョンと同じ計算結果にならない可能性がある場合に、結果付きファイルの計算結果を破棄して入力データを読む動作になっています(すべてのデータではなく、ごく一部のデータが修正内容の影響を受ける場合であっても結果が破棄されます)。もし、この場合に結果付きを読んでしまうと再度計算した結果と一致しなくなる場合があるので再現できないという重要な問題になります。
また、バージョンアップに伴って機能改善や機能追加によって結果データの構造が変化することがあり、以前の結果データと構造が合わずに読めない場合もあります。
そのため、以前の結果データは結果を保存したバージョンで読むことを基本しており、このために新しいバージョンをインストールするときに古いバージョンを自動的にアンインストールしないようになっています(新旧バージョンが共存)。
バージョンによっては以前のバージョンと計算結果が完全に一致することが確実な修正内容である場合があります。この場合は以前のバージョンの結果データを破棄せずに読み込むことが可能です。
Q1−290.
ばね特性の種類が「線形」の場合のδ1とδaの設定方法は?
A1−290.
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|性能基準|変位レベル」
より、ばね特性が線形ばねの場合は、
レベル1 = δa
レベル2 = δ1
レベル3 = 破断変位
です。これらの大小関係
レベル1<レベル2<レベル3
を満足するように与える必要があります。δaやδ1は線形ばねを決定するためには不要なデータなので適当な値でも問題ありません。ばね要素の応答がレベル1や2を超えた場合に色分けして表示する変形性能基準として使用されます。
Q1−291.
繊維シートの巻き立てによる曲げ補強とせん断補強の入力方法は?
A1−291.
ヘルプ 曲げ補強に貢献する炭素繊維シートの入力とせん断補強に貢献する炭素繊維シート入力は異なります。
(曲げ補強)
曲げ耐力向上型の場合は、断面にFRPを配置します。靭性向上型の場合は、断面にはFRPを配置しません。どちらもM−φ特性にはそれぞれそれなりに反映されます。詳しくはヘルプ
「Engineer's Studio Help|計算理論|断面計算関連|炭素繊維シートの考え方」
を御覧ください。関連する下記Q&Aも御覧ください。これは曲げ耐力向上型に該当します。
Q1−165.繊維シートの貼付長はどのように考えたらよいか
(せん断補強)
PDFファイルによる理論ノート「断面照査用詳細入力の解説(せん断照査に関して)」を参照ください。これは、プログラムのインストールフォルダ内のDoc\Additionalフォルダを開き、その中の「SectionCodeConfigurations.pdf」の2.6や2.7に詳しく解説されています。
デフォルトのインストール先は
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio 9.1.1
です。
※64bitOSの場合。32bitOSの場合は「Program Files」と読み替えてください。
※Ver 9.1.1の場合。使用されているバージョンによって「Engineers Studio 9.1.1」の部分を読み替えてください。
※Ver.6.0.1以前のバージョンでは保存先が異なります。「Bin」フォルダをご確認ください。
Q1−292.
断面に配置した繊維シートの重量が死荷重に含まれるので除去するには?
A1−292.
繊維シート材料の単位重量は、(繊維目付量)/(繊維シート1層当りの厚さ)で算出され、直接変更することはできません。繊維シートの死荷重、質量をゼロとするには、繊維目付量をゼロとすることで可能です。また、繊維目付量は単位重量の算出以外には使用されません。
Q1−293.
非線形平板要素に与える平板断面の設定において、鉄筋比と有効鉄筋比はどのように考えたらよいか?
A1−293.
鉄筋比は、モデル化した要素寸法と厚さがつくる面積に対して鉄筋が占める面積の比率です。 有効鉄筋比は、鉄筋の付着効果が及ぶコンクリート領域に対して決定される鉄筋比です。 両者が一致するようなメッシュ分割が理想的ですが、モデル化上の種々な要因で異なる場合が生じると考えます。その場合に、それぞれに適切な値を与えることができる設定がアドバンスモードです。 鉄筋比は要素寸法の影響を受けますので、メッシュ分割が変われば変わります。 有効鉄筋比は要素寸法の影響を受けない付着領域に対する比率ですので、基本的にはメッシュ分割が変わっても変わらない量ですが、メッシュ分割によって鉄筋面積が変わればそれに応じて変わります。鉄筋比、有効鉄筋比については、後述の文献[1]が参考になると思います。 正解はございませんので、いくつかメッシュ分割と鉄筋比の設定を行い、結果を比較することで、どれを採用するかを設計者が判断することになります。 文献: [1]Numerical Simulation of Size Effect in Shear Strength of RC Beams、An,X., Maekawa, K. and Okamura, H.; Proc. of JSCE, No.564/V-35, pp.297-316,1997.5 (邦題:RCはりのせん断強度に現れる寸法効果の数値シミュレーション)
Q1−294.
桁の接触を表現するばねのモデル化方法は?
A1−294.
衝突を表現するには、橋台側節点と上部構造側節点の間にばね要素を設けて、そのばね特性には、原点から遊間量までは力ゼロ、遊間量から大きな剛性を有する「バイリニア非対称Gap/Hook」あるいは「トリリニア非対称 弾性型」を使用することで可能です。
ヘルプの
「Engineer's Studio Help|ナビ|モデル特性|ばね特性|ばね特性〜線形、バイリニア、トリリニア、テトラリニア〜」
をご覧ください。
それぞれのモデル化例を添付いたしますので、ご参照ください。
(関連)
Q1−161.剛性が正負非対称なばね要素作成上の留意点が知りたい
Q1−2.たとえば、橋台背面土の地盤ばねのように、地盤と構造物が接触する場合に地盤が抵抗し、離れる場合に地盤て抵抗しないような設定は可能か?あるいは圧縮だけに抵抗するばね構造のモデル化方法は?
Q1−295.
トラス構造をモデル化し解析を実行すると以下のメッセージが表示される
==========================
[4261] (1) Solverエラー : 支点が不安定です: ""支点ケース 1"" 不安定構造物
節点N
==========================
A1−295.
2次元のトラス構造のモデル化については、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|節点と要素|フレーム要素|材端条件」
の
トラス構造
に解説がございますが、3次元のトラス構造については不安定構造にならないように手動で安定させる必要があります。
エラーの原因の1つに、チェーン構造になっている可能性があります。
たとえば、フレーム要素1(i-j)、節点1、フレーム要素2(i-j)という並びがあるとき、ピン結合の設定は2箇所あります。すなわち、
(1)フレーム要素1のj端と節点1の間をピン結合
(2)フレーム要素2のi端と節点1の間をピン結合
です。このように、節点1の両側をピン結合にしてしまうと((1)と(2)の両方を設定すると)、節点1がぐるぐると回転してしまうので不安定構造となり、計算できないモデルになります。
通常は(1)のみ、あるいは、(2)のみを設定します。しかし、フレーム要素1、フレーム要素2、フレーム要素3、と連続している場合に、(1)のみ、あるいは、(2)のみを設定すると、チェーン構造となるので、不安定構造になります。
モデルが不安定構造にならないように考えてピン結合にする箇所を選ぶ必要がありますので、一旦全ての材端条件を剛結に戻した後に、チェーン構造にならないようにピン結合を設定する必要があります。
(補足)
材端ピン結合の座標系はフレーム要素の主軸座標系に対して設定されます。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|入力する前に|主軸座標系」
の解説を御覧ください。
Q1−296.
H29道路橋示方書V耐震設計編の部分係数設計において、免震橋の設定はどこで行ったらよいか?
A1−296.
H29道示の部分係数設計の設定で、免震橋に関する設定は、「PFD変位照査」だけです。
ナビゲーション「部分係数設計|橋脚変位照査|PFD変位照査」の列に「免震」という設定があります。ここをチェックオンにした場合は、δlimitタイプが「δls2di」に固定されます(グレー表示になり変更不可)。すると、αm=2が考慮されます。
これは、「直接δlimit」という列をオフにしているときです。
もし、「直接δlimit」という列をオンにしているときはδlimit
の数値を直接与えることになるのでαmを考慮した値を入力することになります。
(補足)
H29道路橋示方書の免震支承の橋梁サンプルがありますのでご参考ください。
「BlueBookBridge_Mphi_TypeII_Dosi2017_Isolation.esx」というファイルです。
このファイルの概要は、以下のとおりです。
--- from ---
サンプル「BlueBookBridge_Vp123_TypeII_Dosi2017.esx」を改変し、橋脚の橋軸方向に免震支承(バイリニアのばね要素を使用)を設置した例。橋台の支承条件は橋軸方向自由。免震支承を表現するばね要素はバイリニアで、ばね要素剛性低減を与え、かつ、等価減衰定数を考慮して固有値解析を実施。免震支承はRayleigh減衰のパラメータβをゼロとして動的解析。照査はH29道示Vの変位照査、残留変位照査、せん断耐力照査、ばね要素照査。
--- to ---
標準のインストール状態では、下記場所にあります。
C:\Program Files(x86)\FORUM 8\Engineers Studio 9.1.2\Samples
※32bit OSの場合。64bit OSの場合は「Program Files」と読み替えてください。
※Ver.9.1.2の場合。使用されているバージョンによって「Engineers Studio 9.1.2」の部分を読み替えてください。
Q1−297.
平板要素に荷重を載荷した場合、手計算した荷重の合計とプログラムで算出された荷重合計一覧とが一致しない理由?
A1−297.
平板面荷重は荷重の開始と荷重の終端に節点が存在すると最も精度が良くなる近似手法です。
節点と節点の間に荷重の開始や終端があったり、1個のプリミティブの中間部分に荷重の開始や終端があると精度が落ちます。
厳密に一致させるには、荷重の境界部分に節点がくるようなメッシュ要素を作成してください。
製品ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|荷重値|平板面荷重」
の
テクニカルノート:平面要素の荷重理論
に詳しい解説がございますので御覧ください。
Q1−298.
モデル図をDXFファイルへ出力することはできるか?
A1−298.
可能です。DXF/DWGモデルエクスポートは、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ファイルの読み込みと保存|DXF/DWGモデルエクスポート」
に解説されているように、Line、Polyline、Circle、3DFaceのデータとなります。これらは基本的に線のデータです。塗りつぶしたような立体のデータにはなりません。
出力が「3Dデータ」の場合は、モデルデータをそのまま3次元座標系でエクスポートされます。このデータは、3次元空間のデータを読み込み可能な3次元CADで開いてください。
出力が「2Dに投影」では現在のCADビュー上の描画と見た目が同じになるように2次元平面に投影します。この場合、座標系変換が行われるため、寸法は 本来の大きさとは異なる場合も発生します。Z座標は強制的に0.0となります。このデータは、2次元CADで読み込むことができます。
Q1−299.
フレーム要素のせん断変形を考慮できるか?
A1−299.
フレーム要素の種類によって考慮できます。
ファイバー要素1次モデル及びファイバー要素2次モデルでは、Timoshenkoはり理論によるせん断変形を考慮した要素として解析されます。それぞれ、
ファイバー要素(1次):アイソパラメトリック2節点要素、せん断剛性は弾性
ファイバー要素(2次):アイソパラメトリック3節点要素、せん断剛性は弾性
となります。
弾性梁要素やM−φ要素はオイラー梁のため、せん断変形は考慮されません。
Q1−300.
分布ばねの減衰定数の設定方法は?
A1−300.
減衰定数はフレーム要素に対して入力することになります。
たとえば、H24道路橋示方書V耐震設計編p.126によると、コンクリートの線形部材は0.05、直接基礎は0.1とされていますので、両者の平均をとってフレーム要素の減衰定数として与えるか、あるいは、0.05を無視して0.1とするかを判断することになります。
Q1−301.
あるファイル内にある複数の断面を別のファイルに一括して取り込む(インポートする)方法は?
A1−301.
1) コピー元のデータと貼付け先のデータの両方を開いておく(Engineer's Studioを2つ起動する)
2) コピー元のデータの断面サムネイルにおいて、コピーしたい断面を複数選択する
※下図は断面1個の場合の例です。
※複数の項目(断面)の選択には、Ctrlキーを押したまま選択したい項目をクリックしてください。
連続した範囲の項目(断面)を選択する場合は、Shiftキーを押したまま選択したい項目の最初と最後をクリックしてください。
(CtrlキーまたはShiftキーを使用した複数・連続項目の選択は、Windowsの標準操作です)
※選択された項目(断面)の背景が、薄い青色で着色されていることを確認してください
3) 選択された項目(断面)の上で右クリック後”オブジェクトをクリップボードにコピー”をクリックする
4) 貼付け先のデータに切り替え、リボン「モデル|貼付け」を押す
貼付けオプションが開きますので、そのまま”OK”ボタンを押すことで断面が貼り付けられます
※名称が衝突しないようにすると確実にインポートされます。そのためにはコピーする前に名称を変更しておくと便利です。
Q1−302.
固有値解析結果のレポートにて、モデル図の節点を表示させない方法は?
A1−302.
レポートタブのレポート設定を選択し、「ナビゲーション」にて、節点のチェックを外してプレビューを行って下さい。
複数のレポートリストを一度に変更することも可能です。ヘルプ
「Engineer's Studio Help|リボン|レポート」
の
複数の結果の図を調整するには
をお試しください。
Q1−303.
下水道の円筒タンク構造物を板要素でモデル化したとき、内容液の動水圧荷重を高さ方向にハウスナーの曲線を使い、円周方向には、cosθで変化するように作用させるには?
A1−303.
下記文献の「3.1.7.1 壁面に作用する地震時動水圧|1.水平動による地震時動水圧算定式|2)自由液面を有する円筒水槽|ハウスナーの近似式」に対応した平板動水圧の載荷機能があります。詳細は、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|荷重値|平板動水圧」
に詳しい説明がございますので御覧ください。
・(社)日本水道協会、水道施設耐震工法指針・解説 2009年版 I 総論、平成21年7月1日
このサンプルは、「CircleWall-PlateSoilDisp-DynamicWater-Load.esx」です。デフォルトのインストール状態では、下記場所にインストールされております(X.X.Xにはお使いの製品のバージョンが入ります)。
(OSが32bitの場合)
C:\Program Files (x86)\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\Samples
(OSが64bitの場合)
C:\Program Files\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\Samples
Q1−304.
活荷重(影響線解析)の結果で、断面力が最大値となった時点での活荷重の載荷位置を確認するには?
A1−304.
上図のように影響線解析結果画面で確認できます。
この画面では、着目点をどれか選び、活荷重の抽出キーを選ぶことで図のような内訳や活荷重(連行荷重)の位置を確認できます。
影響線解析結果画面の操作と表示内容については、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|影響線解析結果」
に詳細に解説されていますのでご確認ください。
Q1−305.
H24道路橋示方書V耐震設計編のM−φ特性が限界状態2(または限界状態3)の曲率や曲げモーメントが鉄筋の許容ひずみεst2(またはεst3)で決定されたのか、コンクリートの圧縮限界ひずみεcclで決定されたのかを知るには?
A1−305.
M−φ特性の画面では確認できません。下図の「簡易照査」ボタンから呼び出す「簡易照査結果」画面で確認することになります。
下図の黄色部分のように設定すると軸力が20000kNの場合は、鉄筋の許容ひずみで終局曲げモーメントMu(H24道示では限界状態の曲げモーメント)が決定されていることがわかります(赤の星印)。Mypにゼロ、Mzpに90000(適当な数値で可)を入力することでzp軸回りのMuを計算する方向指定になります。
M-N相互作用図では圧縮軸力が大きくなるとコンクリート材料の色でMuが決定されることがわかります。
簡易照査についてはヘルプの
「Engineer’s Studio Help|ナビ|照査設定|簡易照査」
をご参照ください。
Q1−306.
鉄筋コンクリート橋脚をM−φ要素でモデル化するときの要素長は?
A1−306.
日本道路協会から出版されている文献[1]の非線形動的解析用のモデルを調べてみると、以下のとおりです。
p.2-6:
(PCラーメン橋)
塑性ヒンジの発生が想定される部材長は、橋軸方向塑性ヒンジ長の半分の長さ
p.2-13:
(PCラーメン橋)
塑性ヒンジの発生が想定される部材長は、直角方向塑性ヒンジ長の半分の長さ
p.3-49:
(コンクリートアーチ橋)
塑性化が予想される部位は、節点間隔が部材厚の1/2程度(橋軸方向と直角方向共通)
p.4-47:
(PC斜張橋)
塑性化が予想される部位は、節点間隔が部材厚の1/2程度(3次元フレームモデル)
とされています。
「部材厚の1/2の長さ」は、H14道路橋示方書V耐震設計編の塑性ヒンジ長の上限値である0.5Dとも一致しますので、塑性ヒンジ長を基準に考えると
0.5Lp〜1.0Lp
がM−φ要素長の範囲と言えると思います。
文献
[1](社)日本道路協会、道路橋の耐震設計に関する資料〜PCラーメン橋・RCアーチ橋・PC斜張橋等の耐震設計計算例〜、平成10年1月
これを参考にすると、橋軸方向と直角方向とで共通とし、長さは部材厚の1/2程度としてもよいことがわかります。
一方、H24道路橋示方書ではM−φ要素の長さは、H24道示Vの式(10.3.9)で算出する塑性ヒンジ長Lpとすることが記載されております。H29道路橋示方書でも同じです。
Q1−307.
部分係数設計のPFD変位照査を設定すると変位制限値δx+、δx-、δy+、δy-が「NAN」と表示され自動算出されない。
A1−307.
H29道路橋示方書V耐震設計編の変位照査は、単柱式鉄筋コンクリート橋脚を対象としていますので、ナビゲーション「部分係数設計|PFD照査用詳細入力」での「鉄筋のεstを無視する」をオンにするとエラーとなって自動算出できなくなります。オフにした上でεst算出用の各入力を行う必要があります。
Q1−308.
「[4261] (1) Solverエラー : 初期断面力は収束しませんでした」というエラーメッセージが表示される原因
A1−308.
ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」では初期断面力が任意設定で入力されていないでしょうか?
入力された初期断面力の値が要素の弾性範囲内に収まっていない可能性があります。このことを確認するために、フレーム要素に対する初期断面力の値を全てゼロにして計算をお試しください。計算が可能となった場合、フレーム要素に設定されている初期断面力の値が適切かどうかをご確認ください。
初期断面力は線形弾性領域が想定されています。もし、非線形の要素が初期状態の断面力によって非線形領域に入ると力の釣り合いがとれず、収束しません。
Q1−309.
任意設定したM−φ要素を残留変位照査のδy用要素に指定した場合、降伏変位が自動算出されない。
A1−309.
M−φ特性が任意入力で作成されている場合、プログラムは降伏変位を自動で算出することができません。 ナビゲーション「照査設定|橋脚残留変位照査|残留変位照査」において、「基本」タブの”直接δy”にチェックを入れ、「降伏変位」タブにて降伏変位の値を手入力してください。
Q1−310.
平板要素断面力の面外曲げモーメントの符号の意味は?
A1−310.
平板要素の要素座標系xl-yl-zlによって曲げモーメントの符号が決まります。
要素座標系は、平板の面と平行方向にxl軸とyl軸があり、それと直交する方向にzl軸が設定されます。
曲げモーメントは、このzl軸の正方向に変形する場合が正曲げとイメージされると分かりやすいかもしれません。
平板要素断面力の符号については、製品ヘルプの
「Engineer's Studio Help|FEM結果|グループ結果|荷重ケース結果」の
「カテゴリ・・・平板要素断面力」
に平板断面力の正の向きが平板要素の要素座標系に対して定義される様子の図がございますので御覧ください。
Q1−311.
PC鋼材を配置した断面のM−φ特性の降伏点は鉄筋とPC鋼材のどちらで判定されているか?
A1−311.
ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」または「部分係数設計|PFD照査用詳細入力」の「初降伏ひずみの値と発生位置」の設定状態に応じて変わります。
下図の場合は、断面内に配置されている鉄筋とPC鋼材のいずれかが先に降伏ひずみに達するときで決定されます。鉄筋は圧縮降伏と引張降伏の両方が判定対象です。PC鋼材は引張のみ考慮されます。
下図の場合は、断面内に配置されているPC鋼材が降伏ひずみ(弾性限界)に達するときで決定されます。このとき、鉄筋は判定対象外です。
下図の場合は、断面内に配置されている鉄筋が降伏ひずみに達するときで決定されます。このとき、PC鋼材は判定対象外です。
Q1−312.
地盤ばね自動生成機能で作成された、ばね要素、ばね特性、節点、支点のデータの管理は?
A1−312.
地盤ばね自動生成機能で作成されたばね要素、ばね特性、節点、支点は、独立したデータとなります。平板要素のメッシュを変更したり、地盤特性を変更したりしても、自動的に更新されません。
自動生成されたデータを全部削除してから、再度、自動生成機能を利用することになります。
自動生成されたデータのうち、ばね要素、固定支点のために追加された節点は、新しいグループに属していますので、グループの表示/非表示機能を用いて範囲選択し、一括削除が可能です。
自動生成されたばね特性は、ばね特性サムネイルにて、複数選択して削除することが可能です。Ctrlキーを押しながらAキーを押すことで全てのばね特性を選択し、Ctrlキーを押しながら削除したくないばね特性をクリックすると便利です。
また、下図A部のボタンを押すことによって、ばね要素に使用されていないばね特性を一括で削除できます。ばね特性だけでなく、フレーム要素に使用されていない断面データなども削除できます。
Q1−313.
ケーブル要素の概要や補足情報について
A1−313.
ケーブル要素は、引張だけに抵抗し、圧縮や曲げには抵抗しないカテナリー(懸垂曲線)を仮定した要素です。ケーブル要素は、材料パラメータとして、断面積A、ヤング係数E、ケーブル軸線に沿った単位長さ当たり質量mを与え、ケーブルの形状を定めるための4通りの入力方法があります。それは、水平張力を与える方法、自然長を与える方法、自然長に対する最大サグを与える方法、水平方向任意位置でのサグを与える方法、のいずれかを用いて入力します。詳細は恐れ入りますが、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|節点と要素|ケーブル要素」
「Engineer's Studio Help|テクニカルノート|ケーブル要素の初期状態」
をご覧ください。
ケーブル要素の力学的な定義については、たとえば、文献「構造力学公式集、(社)土木学会、1986.6」のp.293「9.1.2
カテナリー・ケーブル」を御覧ください。
(補足1)
本製品には、張力が不明なケーブル要素がある場合にその張力を求める処理(非線形計算)を行う機能があります。下記を御覧ください。
ケーブル構造の初期状態を作成するには
http://www.forum8.co.jp/topic/up96-support-topics-ES.htm
(補足2)
ケーブル要素と弾性梁要素とを比較した図が下記ページの図4,5,6,7にあります。
http://www.forum8.co.jp/topic/up94-p32.htm
この中で図6は「10個の梁要素+大変位」の例です。梁要素なので曲げ剛性、軸剛性、ねじり剛性をケーブルの断面形状より与えています。10個の梁要素の材端条件は剛結です。
この方法では、圧縮にも抵抗します。しかし、フレーム要素を使う限りは仕方ありません。
フレーム要素の結果をみて圧縮が発生していないかどうかを確認することになると思います。
(補足3)
ヘルプ
「Engineer's Studio Help|計算理論|PDFファイルによる理論ノート」
の
初期状態が非線形となる場合の解説
に紹介しているPDFファイルは、非線形解析の結果を初期状態とする場合の一例として「初期断面力+ケーブル要素+地盤抵抗非線形ばね要素」を解説したものです。
Q1−314.
ファイバー要素に割り当てるファイバー断面のメッシュ分割を円環断面や円の充実断面に対して行うとき、半径方向の分割数を1(分割なし)とすることができるか?
A1−314.
円に対するメッシュ分割では、中心方向に最低2個以上のセルが存在するように制限をかけていますので、円環の板厚方向に対しても2以上のセル分割が必要です。
Q1−315.
「断面照査用詳細入力リスト」の書式でレポート出力するには?
A1−315.
レポート出力には出力できませんが、下図の矢印のボタンを押すことで、表計算ソフトへ貼り付けることができますのでお試しください。表計算ソフトで加工することになります。
Q1−316.
曲率照査では降伏曲率を超えた結果となるが、残留変位照査では降伏無しとなる場合がある理由
A1−316.
曲率の照査では、M−φ特性の降伏曲率を応答曲率が超えたときのステップが降伏ステップとなりますが、残留変位の照査はM−φ特性を直接使いません。指定された橋脚天端節点が降伏変位を超えたかどうかで判定されます。
橋脚天端節点の降伏変位は柱基部が降伏する単柱式橋脚として算出されるものですので、対象モデルがそのような構造であれば、曲率照査の降伏と残留変位照査の降伏はほぼ一致しますが、そうでない場合は、両者の結果は異なることになります。
残留変位の照査は、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|照査設定|橋脚残留変位照査|残留変位照査」
に解説しておりますように、
6) δpr = δt+h1*θt-δb-h*θb を計算する
7) μr = δpr/δy を計算する
8) δR = CR*(μr-1)*(1-r)δy を計算する
9) 安全率δR/δRaを求める
により算出していますので、応答塑性率μrが1を超えない場合は降伏しなかったと判定されます。曲率照査では、上式は使用されず、要素の応答曲率だけをみて判定されますので、柱基部が降伏する単柱式橋脚の場合はほぼ一致しますが、そうでない構造の場合は一致しない場合が発生します。
Q1−317.
軸力変動を考慮したM−φ要素に対応しているか?
A1−317.
Ver 10.0.0 において、軸力変動を考慮したM−φ要素に対応しました。
こちらの機能をご利用いただくには「軸力変動オプション」を購入いただく必要があります。購入に関するお問い合わせは営業窓口で承ります。
軸力変動を考慮したM−φ要素は、軸力の異なる複数のM−φ特性を準備して、解析中の軸力に応じたM−φ特性を選択あるいは補間しながら計算するものです。
詳細は、下記ページを御覧ください。
Up and Comingの記事|Engineer’s Studio Ver.10 の紹介
https://www.forum8.co.jp/topic/up133-seihin04.htm
Q1−318.
動的解析の積分時間間隔を細かくしたまま、解析結果の保存はとびとびの時刻で保存するには?
A1−318.
可能です。
ナビゲーション「抽出と保存|節点時刻歴クエリ」および「抽出と保存|フレーム要素時刻歴クエリ」において、保存対象およびステップを減らすことができます。
たとえば、以下のような対策が考えられます。
・出力対象の節点をグループに入れて、そのグループだけを出力対象とする
・出力対象の要素だけをグループに入れて、そのグループだけを出力対象とする
・ステップを「全部」ではなく「範囲」にして開始と終了のステップを入力する
・保存間隔を10、100などのように変更する
上記のように変更すると(再度FEM解析が必要です)、保存される結果がそれなりに減少します。ただし、保存対象に設定していない節点や要素の時刻歴結果は解析後に残らないので、変位図アニメーションや断面力図のアニメーションなどはみることはできなくなります。詳細は、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|抽出と保存|時刻歴クエリ」
を御覧ください。
Q1−319.
動的解析の時間刻みについて、観測地震波の記録間隔(0.01sなど)で問題ないか? 細かく(0.002s以下)分割する必要があるか?
A1−319.
通常は、道路橋示方書が提供する地震波形の時間間隔を積分時間間隔としていても、収束することが多いですが、モデルによっては、積分時間間隔を細かくしないと収束しないかあるいは精度が落ちる場合もありますので、解析結果を確認しながら、必要に応じて細かくすることになります。
Q1−320.
平板面荷重を部分的に載荷するには?
A1−320.
メッシュ要素(平板要素)に対して部分的に平板面荷重を載荷する場合は、載荷する領域と同じ範囲のメッシュ要素を用意する必要があります。つまり、荷重の境界部分に節点が必要です。全体で1つのメッシュ要素として作成されている場合は、一旦分解して、載荷することになります。分解しても荷重の境界に節点がない場合は、節点がくるようにメッシュ要素を定義し直す必要があります。 メッシュ要素を分解については、下記をご覧ください。 複数のプリミティブで構成するメッシュ要素を分解するには
http://www.forum8.co.jp/topic/up119-support-topics-ES.htm
Q1−321.
断面から自動算出しない任意設定のM−φ特性の場合でも軸力変動を考慮したM−φ要素の設定が可能か?(軸力変動オプション有り)
A1−321.
断面から自動算出しない任意設定のM−φ特性の場合も軸力変動を考慮できます。 下図の黄色部分を入力してください。 「線形弾性剛性」タブの入力も必要です。固有値解析時の剛性として使用されます。
Q1−322.
鉄筋コンクリート断面や鋼製断面の終局限界状態あるいは限界状態の軸力と曲げモーメントの相関図(M-N相互作用図)を表示させるには?
A1−322.
ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」から呼び出す「照査用詳細入力プロパティ」(終局強度法 - 曲げ)画面上部に「簡易照査」の「M−N」タブで確認できます。詳細はヘルプの
「Engineer's Studio Help|ナビ|照査設定|簡易照査」
をご覧ください。また、下記のサポートトピックスも関連情報です。
サポートトピックス・FEM / Engineer’s Studio
「M−φ特性でエラーが発生したときの確認と対処」
http://www.forum8.co.jp/topic/up123-support-topics-ES.htm
Q1−323.
M−φ特性を断面から生成する場合に、M−φ特性のグラフを表示させる方法は?
A1−323.
事前にランが作成されている必要があります。
Ver 10.0.8までは、M−φ特性の画面下にある「プリ処理」ボタンを押してください。M−φ特性のグラフが描画されます。
Ver 10.1.0以降は、M−φ特性のグラフが描画されます。M−φ特性の画面下にある「プリ処理」ボタンはありません。
Q1−324.
Ver.10にて軸力変動を考慮したM−φ要素が追加されたが、どのように設定して計算をすすめたらよいか?
A1−324.
(1) 1つのM−φ特性の中で複数の軸力を入力します。「範囲入力」にすると開始軸力と終了軸力を入力します。開始軸力は「From N'」、終了軸力は「To N'」と表記されています。開始軸力と終了軸力は小さな値から大きな値、あるいは、大きな値から小さな値のいずれでも可能です。最小軸力と最大軸力の値は不明なので、一旦軸力変動なしのモデルで解析を行って、軸力の最小と最大を確認します。それを参考にして軸力の範囲を入力します。解析後にずれがあれば修正します。したがって、トライアル作業になります。軸力数M−φ特性の個数)は5個から10個程度で十分です。
(2) 軸力変動の対象となるM−φ要素に対して下図のように設定します。
(3) 下図のように設定すると固有値解析の初期剛性が降伏剛性になります。詳細は、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|ナビ|固有値解析と減衰|フレーム剛性低減」
の
固有値解析時剛性と低減率
を御覧ください。
Q1−325.
残留変位照査結果を「平均から」に指定すると残留変位の値や許容値が表示されない。
A1−325.
残留変位照査は、二軸曲げに対応しているので全ステップで照査を行っています。その結果、最大応答変位が発生する方向が各ランで異なる可能性があること及び許容残留変位を最大応答変位が発生する方向で算出していることから、方向の異なる最大応答変位や許容残留変位の平均をとることができません。 このため、残留変位照査の平均の結果は、各ランの照査の比率を平均しています。比率を平均しているので残留変位の値や許容値の平均は算出されていません。
Q1−326.
可動支承の移動変位制限装置が衝突するモデルにおいて、可動支承の遊間や摩擦係数はどのように入力したらよいか?
A1−326.
衝突ばねを表すばね要素と支承を表すばね要素を個別に作成することになります。
両者の位置が同じ場合は、2つのばね要素のi端とj端の節点は同一とすることも可能です(ばね特性の異なる2個のばね要素が重複する状態)。
衝突ばねについては、
カテゴリ:バイリニア(非対称)
詳細:Gap/Hook
として、マイナス方向もしくはプラス方向にばね値および隙間量(=遊間)を入力し、逆側には微小なばね値を入力してください。
詳しくは、下図の図@を参照願います。
摩擦を考慮した可動支承については、
カテゴリ:トリリニア(対称)
詳細:弾性
として、
K1:1.0E+6などの大きな値(kN/m)
δ1:死荷重反力×摩擦係数を上記K1で除した値(m)
を入力し、K2,K3には微小なばね値、δ2,δ3は適切な値を入力してください。
詳しくは、下図の図Aを参照願います。
(補足:ばね要素の符号について)
ばね要素の符号の詳細は、i端側節点とj端側節点の位置関係と要素座標系の向きによって決定されます。詳しくは、製品ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|計算理論|FEM計算関連|ばね要素の符号について」
を参照願います。
また、弊社ホームページのサポートトピックス「非線形ばね要素の符号ミスを防止するには」
(http://www.forum8.co.jp/topic/up118-support-topics-ES.htm )
の5番のようにばね要素の時刻歴結果を確認して、変位の状態とばね特性の正側負側の状態の整合性を確認することも一案です。
Q1−327.
門型ラーメン構造の水平梁部分を半径が3.15mの円形に変更するには?
A1−327.
多角形のように直線を多数並べて曲線の形に近似することになります。
1) 水平梁部分を範囲選択します
2) フレーム要素を分割します(図では7分割の例)
3) 複数節点を範囲選択します。
4) 節点の規則配置を呼び出して節点を円弧に並べます。
Q1−328.
鉄筋コンクリート部材のM−φ特性を断面から連動して作成するときに降伏点処理を「My=Muと設定した場合、降伏後の剛性は完全にゼロですか?
A1−328.
降伏点以降の剛性が剛性が完全にゼロになると数値計算上収束しにくいため、(My0/φy0)/10^5の勾配を与えています。この勾配をユーザ様にて変更することはできません。 しかしながら、解析モデルによってはこの勾配では収束できない場合があります。 その様な場合には、降伏点を越えそうな要素に対して降伏点以降の勾配を手動で調整したM−φ特性を作成して与えるか、降伏点処理を「My=My0」としたデータを用いることをご検討ください。
Q1−329.
変形の様子を録画しようとすると「Failed to create AVI video stream」というメッセージが表示される
A1−329.
リボン「FEM結果」のAVI設定ボタンを押して設定画面を開き、各種設定をご確認ください。
ここで、コーデックに何も指定されていないとお問合せのエラーが発生します。
コーデックを指定すると改善されると思われますので、お試しください。
コーデックには大きく下記のものがあります。
・非可逆圧縮(一部の情報を捨てる。ファイルサイズが小さい)
・可逆圧縮(オリジナルのまま保存。ファイルサイズが大きい)
非可逆圧縮ではXvid、H.264、可逆圧縮ではUT Video、Lagarith等があります。
コーデックにつきましては、弊社では配布しておりませんので、ご自分で入手してご利用下さい。
Q1−330.
断面のM-N相関図を確認する方法は?
A1−330.
最初にナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」または「部分係数設計|PFD詳細用詳細入力」の入力画面を呼び出します。次に「簡易照査」ボタンを押します。
すると下図のように、「簡易照査結果」画面が呼びだされます。
下図の黄色部分のように設定して、軸力(A部)と曲げモーメント(B部、C部)を入力すると、D部またはE部で結果をみることができます。
M−φ特性のzp軸回りの正側は、Mypをゼロ、Mzpに+999などの数値を与えます。
M−φ特性のzp軸回りの負側は、Mypをゼロ、Mzpに-999などの数値を与えます。
M−φ特性のyp軸回りの正側は、Mzpをゼロ、Mypに+999などの数値を与えます。
M−φ特性のyp軸回りの負側は、Mzpをゼロ、Mypに-999などの数値を与えます。
Q1−331.
曲率照査でφaやφyが0となる原因は?
A1−331.
φaやφyがゼロとなる原因は、ナビゲーション「照査設定|曲率照査|φ照査用荷重」において、同時性にチェックが入っていることが考えられます。
同時性のチェックがオンの場合には、解析後に発生した軸力を用いてφa、φy、φcを再算出しますので、この時に引張軸力が大きすぎるとMuやMyのM-N相互作用図の範囲外となって、φaやφyがゼロと表示されます。
「簡易照査」画面において、任意の軸力を入力してM-N相互作用図との関係を確認することが可能です。
詳しくは、以下のサポートトピックスをご参照ください。
サポートトピックス・FEM / Engineer's Studio
「M−φ特性でエラーが発生したときの確認と対処」
http://www.forum8.co.jp/topic/up123-support-topics-ES.htm
Q1−332.
非対称断面のせん断照査を行う場合、Szpの正負、Sypの正負、それぞれ設定できるが、照査結果は正負どちらで照査しているか?
A1−332.
せん断力の符号は、照査を行うステップでの曲げモーメントの符号によって決定されています。たとえば下図の例では、yp軸方向のせん断耐力照査の例です。
黄色部分にMzpの符号が示されています。これにより、yp軸方向の負側のb、d等が計算に使用されます。
Q1−333.
節点に強制変位を斜め45度方向に与えるには?
A1−333.
下図の赤枠のように入力してください。 強制変位の方向を45度方向とするためにベクトル指定でX=1?Y=1?Z=0とします。 また、支点の設定では、支点の座標系xl-yl-zlは全体座標系X-Y-Zと一致させておき(デフォルト)、xl成分とyl成分を固定します。
Q1−334.
中空の断面を作成するには?
A1−334.
断面を作成するには、最初にアウトラインを作成し、そのアウトラインに材料を割当てて断面に配置することになります。ヘルプ 「Engineer’s Studio Help|目的別ガイド|断面を作成するには」 を御覧ください。 この中の5番では、「操作」の列に「追加」を指定しています。 この例は1個だけのアウトラインですが、2個のアウトラインを重ねて配置できます。 最初の行のアウトラインでは追加で、2行目のアウトラインで「控除」を指定すると、控除されたアウトラインが箱抜き状態となります。これにより中空図形を作成できます。
Q1−335.
連結桁の橋脚に支承を表す2個のばね要素を配置した場合、2個ばね要素に発生する力の大きさが大きく異なる場合がある。このような場合のモデル化の留意点は?
A1−335.
連結桁の支承については、『コンクリート道路橋設計便覧 平成6年2月』p.302に以下のような記述があります。 「中間橋脚上に用いる支承は、所要の鉛直バネ定数をもつゴム支承とし、連結後の主桁の挙動が1点支承に近い支持条件を持つようにする」 これは鉛直方向に関する記述ですが、橋軸方向や直角方向についてもゴム支承の剛性を表現するばね値を設定することで、改善できる可能性があります。ご検討ください。
Q1−336.
動的解析のときに地域別補正係数Cz、CIz、CIIzは、どこで入力するか?
A1−336.
地震波形の振幅に乗じる係数として考慮する場合は、ナビゲーション「荷重|ランの定義|シーケンス荷重」から呼び出す画面で「動的荷重の追加」をした際の「スケール」列に低減した値を入力します。下図の赤枠部分です。 ただし、道路橋示方書V耐震設計編では、地域別補正係数と減衰定数別補正係数を考慮した加速度応答スペクトルに近い特性となるよう振幅調整した加速度波形を用いるとされていますので、別途振幅調整した加速度波形を取り込んで解析することが厳密です。
Q1−337.
軸力変動を考慮したM−φ要素の軸力変動範囲はどのように設定すればよいか?
A1−337.
一度、従来どおり、軸力1個で計算して各部材に発生する最大軸力と最小軸力の値を確認し、それを設定する手順になります。その後、再度各部材に発生する最大軸力と最小軸力の値を確認して調整するといったトライアル作業になります。
Q1−338.
M−φ要素の軸力変動を考慮した動的解析において、M−φ特性で設定した最大軸力と最小軸力の範囲を超えた応答軸力が発生した場合は、どのように行われるか?
A1−338.
設定した最大軸力を越えた場合は最大軸力のM−φ特性で解析されます。 設定した最小軸力を下回った場合は最小軸力のM−φ特性で解析されます。
Q1−339.
入力データにすべてのチェックマークを入力しても入力した荷重ケースに関するレポートが出力されない
A1−339.
下図に示すように、リボン「レポート」タブの「入力データ」にて画面左側の「荷重ケース、ラン、平均」を選択すると、画面右側に「荷重ケース」が表示されます。
「基本荷重ケース」タブや「組合せ荷重ケース」タブの中を指定してください。
Q1−340.
鋼板材料の降伏点に5000(N/mm2)の値を入力すると赤字となるが、このまま計算を行っても問題ないか?
A1−340.
計算は可能です。入力された値を用いて解析を行います。 赤字となる原因ですが、プログラムがデフォルトで用意している最大値を超えた値であるためです。 最大値を変更するには、ファイルメニューからシステムオプションを開き、入出力フォーマットの[項目:材料定義:にて、”鋼/FRP 応力度”の最小値および最大値の値を編集してください。
Q1−341.
M−φ要素の軸力変動を考慮した場合、固有値解析時の剛性はどのように考慮されるか
A1−341.
軸力変動を考慮した場合は、複数の軸力によって、複数のM−φ特性が定義されますが、どれを固有値解析時の剛性として使用すべきかが決まりません。そのため、弾性剛性(EI)が解析に使用されます。断面と連動したM−φ特性の場合は、断面の情報から弾性剛性(EI)を自動的に参照します。断面と連動しないM−φ特性の場合は、M−φ特性の入力画面で弾性剛性(EI)を入力します。従来との違いはヘルプ 「Engineer's Studio Help|ナビ|固有値解析と減衰|フレーム剛性低減」 の 固有値解析時剛性と低減率 をご覧ください。
Q1−342.
バイリニア(非対称)のM−φ特性を作成すると、第1勾配は同じにしてください、とエラー表示される理由?
A1−342.
バイリニア非対称を指定すると、原点と降伏点を結ぶ直線の勾配が正側と負側で同じにする必要があります。そうでない場合は原点で折れた形となり、原点で不連続(微分不可能)となり、計算できません。バイリニア対称に変更して正側か負側のいずれかを使用するか、あるいは、断面から生成ではなく、任意設定のM−φ特性として定義するか、になります。
Q1−343.
断面内に配置する鉄筋の材質が異なる場合、強制的に外側の鉄筋が降伏ひずみに達する時をMy0とすることは可能か?
A1−343.
可能です。zp軸回りに関しては、下図のように「初降伏ひずみの値と発生位置」のチェックボックスをオンにし、降伏ひずみ発生位置を座標で指定して降伏ひずみの値を与えます。 「断面内の鋼材の降伏ひずみ」の設定はオフにします。
Q1−344.
ばね要素に割り当てるばね特性の設定で、2番目の勾配K2を1番目の勾配K1より大きくする(K2>K1)には?
A1−344.
下図のように、カテゴリ:トリリニア(対称)、詳細:弾性とした設定をお試しください。
Q1−345.
摩擦を考慮した可動支承をばね要素でモデル化するには?
A1−345.
下図のように、ばね特性の編集画面において、”d-K”(変位とばねの関係)を選択し、
カテゴリ:トリリニア(対称)
詳細:弾性
として、
K1:1.0E+6などの大きな値(kN/m)
δ1:死荷重反力×摩擦係数を上記K1で除した値(mm)
を入力し、K2,K3には微小なばね値、δ2,δ3は適切な値を入力してください。
もしくは、”d-F”(変位と力の関係)を選択し、
F1:死荷重反力×摩擦係数の値(kN)
δ1:微小な値(mm)
を入力し、F2以降は水平とするのが理想ですが、収束性向上のために若干の勾配を持たせるよう入力してください。
Q1−346.
複数の橋脚に異なる加速度波形を入力するには
A1−346.
多点入力を利用することになります。
加速度波形を入力したい節点を指定して入力することになります。加速度波形を入力したい節点が基礎ばね位置であればその位置(支点)に入力します。作用させる方向を固定またはばねとした支点の設定が必要です。
ヘルプは、
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|シーケンス荷重詳細」
です。
なお、各節点に異なる波形を入力した場合、たとえば、波形1(節点1に入力)の10sec時の加速度のとき、波形2(節点2に入力)の10secの加速度が同時に入力されますので、互いに影響しあって、構造物の応答は共振したり減衰したりします。節点1と節点2に同時に入力されることが物理的に正しい場合(観測された波形)は問題ないのですが、波形1と波形2が無関係な場合は、物理的な意味がありません。道路橋示方書V耐震設計編では、橋長が長い橋梁の場合に異なる地盤種別の地震波形を同時に考慮することは知見がないとされています。
Q1−347.
「照査対象のばね要素が、ばね抽出クエリに登録されていません」というメッセージが表示される
A1−347.
ばね要素の照査は変位に対して可能です。力に対する照査はできません。 ナビゲーション「抽出と保存|ばね要素抽出クエリ」での抽出キーの設定が「力」になっていると思います。「変位」の設定を行ってください。
Q1−348.
整合質量と集中質量の違い
A1−348.
部材全長に渡って連続分布している質量を解析する上でどのように考えるか、というオプションです。集中質量マトリクスは、質量点が少ないと精度が低下すると言われています。そのために部材長を短くして節点を多数設ける必要があります。整合質量マトリクスに比べると質量点が多数必要になるというデメリットがある反面、部材質量を単純に2節点間に割り振る(=2で割る)のでわかりやすい、という利点があります。
整合質量マトリクスは、分布質量マトリクス(教科書によっては調和質量マトリクス)と呼ばれるもので、剛性マトリクスを導出する際の形状関数を用いて作成する方法です。Engineer's Studioで普通にモデル化するとこれがデフォルトとなっています。寸法形状を持つ断面を作成して部材に割り当てると、プログラムが、断面形状、部材長、単位体積重量から部材の質量を算定し、それより整合質量マトリクスが計算内部で作成されます。回転慣性質量も自動的に考慮されます。この方法は、少ない節点数でも精度のよい解を出すと言われています。2006年に発刊された
「鋼橋の耐震・制震設計ガイドライン」(宇佐美勉編著・日本鋼構造協会編、2006年9月1日、技報堂)
では、p.123にこれらの質量マトリクスの違いを解説しており、その中で集中質量法では数値的不安定を起こすことがあるので、整合質量法を採用するのがよい、とも紹介されています。
Q1−349.
作成したモデルの原点座標を移動するには?
A1−349.
1.最初に原点にしたい節点の座標値を確認します。
たとえば、(X,Y,Z)=(1,2,3)とします。
2.モデル内の全ての節点を選択します。
3.モデルタブの「コピー/移動|並進」をクリックします。
4.呼び出された画面で「移動」を指定し、(Δx,Δy,Δz)=(-1,-2,-3)を入力します。
5.適用ボタンを押し、閉じるボタンを押します。
Q1−350.
モデル内の節点名称や要素名称の文字を大きくするには?
A1−350.
ナビゲーションの「表示設定」タブにて、名称のチェックボックスの横にある…のボタンを押して表示される画面でフォントサイズを変更できます。
Q1−351.
以下のメッセージが表示される場合の対処方法は?
==========================
[5102](34)いくつかのエラーが曲率照査にあります。
タイプT/タイプUを決めるための照査用荷重定義が設定されていません。
==========================
A1−351.
ナビゲーション「節点と要素|M−φ要素|M−φ要素」にあります「タイプI/タイプIIを決めるための照査用荷重定義」(下図参照)が設定されていないからです。ナビゲーション「照査設定|断面照査用荷重定義」を作成した上でそれを指定してください。
Q1−352.
要素の減衰定数hをゼロにしている要素に対しては、Rayleigh減衰のαとβも0とする必要があるか?
A1−352.
お考えのとおりです。 Rayleigh減衰はαとβが考慮されます。要素に与える減衰定数hはRayleigh減衰には考慮されません。減衰定数hがゼロの要素に対しては、ナビゲーション「固有値解析と減衰|減衰定数」のタイプで「任意設定」を選択し、α、βをゼロにする必要があります。
Q1−353.
フレーム要素内で曲げモーメントがMax/Mminとなる結果を得るには?
A1−353.
ナビゲーション「モデル特性|解析設定」に「フレーム要素着目点間Mmax算出」というスイッチがあります。ここをチェックオンにした上で、ナビゲーション「照査設定|フレーム要素着目点」において、「Mz Max」や「Mz_Min」などを選ぶことができます。 この機能は、フレーム要素(分布バネ部材は除く)間のMmax/Mmin値とその発生位置を計算します。 Mmax/Mminの位置は、材端、荷重集中点、せん断力0点の中から検索します。 この設定は、重ねあわせの原理(線形結合)が可能なケース載荷のときだけ設定が可能です。 シーケンス載荷の場合は非線形解析が可能なので設定が不可になります。
使わない場合は、ナビゲーション「モデル特性|解析設定」の「フレーム要素着目点間Mmax算出」というスイッチをチェックオフにした上で、ナビゲーション「照査設定|フレーム要素着目点」において、「Mz Max」や「Mz_Min」の着目点を削除してください。
Q1−354.
M−φ特性に繊維シート(FRP)による横拘束効果を考慮する方法は?
A1−354.
ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」において、終局強度法-曲げの示方書条項を下記のいずれかに選択します。
JH二集 [Mu]
NEXCO二集 FRP [Mu]
海洋架橋 H17 [Mu]
アラミド研 H10 [Mu]
これらは、横拘束鉄筋とFRPの横拘束効果を考慮したコンクリートの応力ひずみ曲線を作成します。それがM−φ特性に反映されます。
この場合は、靭性向上型となりますので、断面には「FRP貼り付け」をしません。詳しくはヘルプ
「Engineer’s Studio Help|計算理論|断面計算関連|炭素繊維シートの考え方」
の
じん性向上が目的の補強
を御覧ください。
Q1−355.
以下のメッセージが表示されるのはなぜか? ---------------------- 塑性率照査 : 無効な準拠基準です *** : 道示H24以外が指定されています。道示H24を指定してください。 ----------------------
A1−355.
塑性率照査は、H24道路橋示方書V耐震設計編7.4(2)を参考にした変位による塑性率の照査を行う機能です。
そのため、ナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」で準拠基準にH14道路橋示方書を選択して作成した断面照査用詳細入力をM−φ特性に割り当てて、さらにそれをM−φ要素に用いている場合には、塑性率照査を行うことができません。エラーが表示され計算はできません。
Q1−356.
以下のメッセージが表示された。対処方法は? ---------------------- [4186]着目点はフレーム要素を参照していません。 <部材なし>:x=0.000L <部材なし>:x=0.000L <部材なし>:x=0.000L ----------------------
A1−356.
ナビゲーション「照査設定|フレーム要素着目点」で呼び出される画面において、着目点に要素が指定されていないはずです。要素を設定するか、あるいは、着目点が不要であれば着目点を削除してください。
Q1−357.
「ランで初期断面力を使用」と「固有値解析で初期断面力を使用」の使い分けは?
A1−357.
シーケンス荷重のステップ1で死荷重に相当する静的な荷重を考慮する方法を「方法A」と呼びます。
初期断面力は断面力、つまり力の次元「kN」をフレーム要素やばね要素に与える簡易な方法です。変形や支点反力は対象外です。さらに、フレーム要素の初期断面力はi端とj端位置だけに与えるので、その内部の断面力分布は無視されます。方法Aでは内部の断面力分布も忠実に考慮されます。初期断面力は方法Aよりも厳密性に欠けるので近似手法です。
本来、初期断面力は分割施工などの本製品では算出できない断面力を他の手法で算出し、それを任意入力で与えるためにあります。もし、ナビゲーション「荷重|ランの定義」の「基本設定」タブ内で初期状態の荷重ケースが選択されていると、選ばれた荷重ケースで線形弾性解析を行い、その結果を初期断面力としてセットします。しかし、近似的な方法なので、特に問題なければ方法Aを推奨します。
<ランで初期断面力を使用>
ここにチェックを入れると、該当するランに初期断面力を考慮します。ランの1ステップ目の結果に影響します。固有値解析には影響しません。
<固有値解析で初期断面力を使用>
ここにチェックを入れると、該当するランの固有値解析に初期断面力考慮します。固有値解析に初期断面力を考慮するとは、初期断面力による幾何剛性を固有値解析で考慮するということです。したがって、幾何剛性を算出するために初期断面力の設定が必要です。 この設定は、モデル設定の幾何学的特性の設定(微小変位、大変位)に依存しません。また、この設定はランには影響しません。固有値解析のみに反映されます。
死荷重が載荷された状態でのアーチ橋の固有振動数など、幾何学的非線形を考慮した固有振動数を算出する場合にチェックを入れてください。幾何学的非線形の影響が小さい構造物ではチェックを入れる必要はありません。文献[1]の鋼アーチ橋計算例では、1次モード(橋軸方向逆対称1次)で5%程度、鉛直方向の振動モードで4%程度固有周期が大きくなる試算結果が掲載されています。
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|ランの定義|初期状態」
の解説も御覧ください。
(文献)
[1] 宇佐美勉編著・日本鋼構造協会編:鋼橋の耐震・制震設計ガイドライン,技報堂,2006年9月1日
Q1−358.
弊社「深礎フレームの設計・3D配筋」で算出した基礎ばねをEngineer's Studioへ入力する場合、ばね値の符号はどのように考えればよいか?
A1−358.
深礎フレームの面内解析で算出した基礎ばね(Ass、Avv等)をEngineer’s Studioの支点に入力するときは、Engineer’s Studioの
・全体X軸方向が橋軸方向
・全体Z軸方向が直角方向
・全体座標系X-Y-Zと支点の要素座標系xt-yt-ztが一致
を満足する場合に、下記のようにばね値を入力します。
下記で「符号反転」の箇所は、深礎フレームの値の符号を反転させて入力してください。それ以外の箇所は、深礎フレームの値をそのまま(符号そのまま)入力してください。
橋軸方向
Ass:xl-xl
Avv:yl-yl
Arr:θzl-θzl
Asv:xl-yl
Asr:xl−θzl
Avr:yl−θzl(符号反転)
橋軸直角方向
Ass:zl-zl
Avv:yl-yl
Arr:θxl-θxl
Asv:zl-yl
Asr:zl−θxl
Avr:yl−θxl(符号反転)
Q1−359.
FEM解析を実行すると「ばね要素の座標系が無効です。第1ベクトルと第2ベクトルが平行です。」というエラーが発生して計算できない。
A1−359.
ばね要素の要素座標系はxl→yl→zl、v1→v2の順番で考えます。
ベクトルを選択でv1を指定し、要素座標系の軸を選択でローカルyを指定すると、v1 が yl と一致します。
このとき、v2は、zlを含む平面内にあると仮定され、その平面に法線方向がxlとなります。
ベクトルを選択でv2を指定し、要素座標系の軸を選択でローカルyを指定すると、v2 が yl と一致します。
このとき、v1は、xlを含む平面内にあると仮定され、その平面に法線方向がzlとなります。
このように、v1(第1ベクトル)とv2(第2ベクトル)の方向を指定することで最初に平面を決めます。v1とv2は平面が定義できればよいので直交している必要はありませんが、平面が定義できない平行となるようなベクトル指定は不可です。御質問のエラーはその状態です。
すべての組合せを列挙すると、以下のとおりです。
v1(第1ベクトル)が[xl]の場合は平面は[xl-yl]となり、法線方向が[zl]となります。
v1(第1ベクトル)が[yl]の場合は平面は[yl-zl]となり、法線方向が[xl]となります。
v1(第1ベクトル)が[zl]の場合は平面は[zl-xl]となり、法線方向が[yl]となります。
v2(第2ベクトル)が[xl]の場合は平面は[zl-xl]となり、法線方向が[yl]となります。
v2(第2ベクトル)が[yl]の場合は平面は[xl-yl]となり、法線方向が[zl]となります。
v2(第2ベクトル)が[zl]の場合は平面は[yl-zl]となり、法線方向が[xl]となります。
ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|節点と要素|ばね要素座標系」
の「ベクトルで指定する」をご覧ください。
Q1−360.
H24道路橋示方書V耐震設計編X11.3に記載されているように板厚中心位置で許容ひずみや降伏ひずみを算出する方法
A1−360.
本プログラムでは、多数の図形を配置することで複雑な断面形状を作成できます。そのため、板の中心などといった情報を認識できません(板厚を複数の断面要素で構成されている場合など自由なので)。
現状の機能を用いて板厚中心とする方法があります。それは、下図のように、外側の円環アウトラインと内側の円環アウトラインで構成するように断面を作成し、許容ひずみを内側の円環アウトラインの最外縁に考慮する設定をします。外側の円環アウトラインに対しては許容ひずみを無視する設定にします。
また、降伏ひずみについては、図のように板厚中心位置に降伏ひずみを直接入力し、断面内の降伏ひずみを考慮しない設定にすることで可能です。
Q1−361.
Engineer's StudioからEngineer's Studio Section へデータ連動することはできるか?
A1−361.
Engineer's Studio から Engineer's Studio Section へデータを連動することは可能です。
ヘルプの
「Engineer’s Studio Section Help|ファイルの読み込みと保存|essファイル形式」
「Engineer’s Studio Section Help|ファイルの読み込みと保存|esecエクスポート」
をご覧ください。
ただし、連動可能なのはフレーム要素に関するデータです。平板要素のデータは連動できません。
Q1−362.
鉄筋コンクリート部材のねじりモーメントに対する照査は可能か?
A1−362.
道路橋示方書のねじりに対する照査機能には対応していませんが、下記の土木学会コンクリート標準示方書にあるねじり照査が可能です。
平成8年制定コンクリート標準示方書[設計編]
2002年制定コンクリート標準示方書[構造性能照査]
2007年制定コンクリート標準示方書[設計編]
2012年制定コンクリート標準示方書[設計編]
鉄道構造物等設計標準・同解説 コンクリート構造物(平成11年10月)
鉄道構造物等設計標準・同解説 コンクリート構造物(平成16年4月)
具体的には、下記項目です。
安全性-断面破壊-ねじり
耐久性-鋼材腐食-ねじりひび割れ
使用性-外観ひび割れ-ねじりひび割れ
終局限界状態-ねじり
使用限界状態-ねじり
詳細は、ヘルプ
「Engineer's Studio Help|計算理論|限界状態設計|平成8年コンクリート示方書[設計編]」
「Engineer's Studio Help|計算理論|限界状態設計|2002年コンクリート示方書[構造性能]」
「Engineer's Studio Help|計算理論|限界状態設計|2007年コンクリート示方書[設計編]」
「Engineer's Studio Help|計算理論|限界状態設計|2012年コンクリート示方書[設計編]」
をご確認ください。
Q1−363.
基本荷重ケースや組合せ荷重ケースの断面力図をレポート出力するには?
A1−363.
モデルがケース載荷の場合は、下図にある「生成」ボタンが便利です。変位図や変位の数値表、断面力図や断面力の数値表を各荷重ケースに対して一度に生成できます。基本荷重ケースだけでなく組合せ荷重ケースについても生成されます。この生成ボタンは押した回数だけリストが増えていきますので、やり直す場合は、一端リストを削除してから生成ボタンを押してください。
また、下図のように、赤枠ボタンを押して黄色部分のように設定すると、黄色部分に関するレポートが生成されません。
断面力図を2次元にするには、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|リボン|レポート」
の
複数の結果の図を調整するには
の2番と3番の操作をお試しください。
なお、モデルがランの場合は、生成ボタンはありません。結果画面において出力したい結果を任意設定レポートに逐次追加する操作になります。
Q1−364.
水平に配置されたフレーム要素の死荷重(St.)は等分布荷重だが、傾斜したフレーム要素では不等分布荷重が自動生成されるのは何故か?
A1−364.
傾斜した部材は、質量中心と断面全体の剛性中心(図心、骨組み線の位置)とが一致しなくなります。すると、傾斜の低い方に質量中心が少しずれます。これにより、傾斜の低い方の荷重強度w1が大きく、傾斜の高い方の荷重強度w2が小さくなるように、台形分布荷重が生成されます。
詳しくは、製品ヘルプ「Engineer’s Studio Help|ナビ|荷重|荷重の定義|荷重値|基本荷重」の「傾斜した部材の死荷重」を御覧ください。
Q1−365.
断面データを他のファイルで使用するには?
A1−365.
断面データをファイルに保存できます。それを他のデータファイルに取り込むことができます。クリップボードを介して他のデータに取り込むこともできます。恐れ入りますが、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|画面まわりの基本|自動複製とコピー/ペースト」
を御覧ください。
あるデータファイルで断面名称が「sec1」のとき、別のデータファイルにペーストすると、ペースト先に同じ名称「sec1」があると、衝突しますので、コンフリクトオプションとして、元データを維持するか、貼り付けデータを維持するか、という選択が必要です。
別のデータファイルに同じ名称がないようにしておけば、コンフリクトオプションを気にせずにペーストできますので、簡単です。
Q1−366.
ファイバー要素の場合、「ナビゲーション|固有値解析と減衰|フレーム剛性低減」の「剛性低減方法」は、どのように設定したらよいか?
A1−366.
ファイバー要素であってもM−φ特性を割り当てることができます。その場合はM−φ特性から自動算出されます。 M−φ特性を割り当ててない場合は任意の値を入力する必要があります。
ヘルプの 「Engineer’s Studio Help|ナビ|固有値解析と減衰|フレーム剛性低減」
をご覧ください。
Q1−367.
ファイバー要素の時刻歴結果画面をリボン「FEM|個別結果|ファイバー要素」から呼び出したときの操作方法は?
A1−367.
まず最初に下図の赤枠部分(ラン、ステップ、ガウス番号等)を設定します。B部で「パフォーマンス」(変形性能基準)を選んだときはC部でヒステリシスの種類を選んでください。B部で「ひずみ」を選んだときはコンタ図が表示されます。
次に断面内のセルをクリックしてください。たとえばD部をクリックすると、そのセル中心座標が黄色部分に表示され、そのセルの情報がE部に表示されます。
断面内のどこが最もひずみが大きい(小さい)かを探すときは、断面内の一番外側のセルを順番に観察してください。たとえば、断面内に1種類のヒステリシスしかない場合は、左上、左下、右上、右下の4箇所の中のいずれかが最大最小になることが多いです。
詳細は、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|個別結果|ファイバー要素時刻歴」
を御覧ください。
Q1−368.
背面土の影響を考慮したバイリニア型のばねを設定したい
A1−368.
背面土の影響を考慮する場合の事例が、文献「(財)海洋架橋・橋梁調査会、既設橋梁の耐震補強工法事例集、平成17年4月」p.I-104にあります。これはばね要素を用いて橋台のパラペット背面土を表現し、バイリニア型を採用しています。そして除荷時は第1勾配と同じ勾配で力が減少する図が示されています。これに該当するのは、バイリニア対称の正負方向、バイリニア非対称の正方向・負方向・正負方向です。
ばね要素の符号は、i端側節点とj端側節点の位置関係と要素座標系の向きによって決定されます。
符号について詳しくは、製品ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|計算理論|FEM計算関連|ばね要素の符号について」
をご参照願います。
弊社ホームページのサポートトピックス「非線形ばね要素の符号ミスを防止するには」
(http://www.forum8.co.jp/topic/up118-support-topics-ES.htm )
の5番のようにばね要素の時刻歴結果を確認して、変位の状態とばね特性の正側負側の状態の整合性を確認することも一案です。
Q1−369.
固有値解析の剛性の「初期剛性」とは、M−φ要素をトリリニアでモデル化した場合は原点とひびわれ点を結ぶ剛性、バイリニアでモデル化した場合は原点と降伏点を結ぶ剛性となるか?
A1−369.
固有値解析の非線形部材は、M−φ特性の初期剛性(バイリニアやトリリニアの第1勾配)を使用しません。弾性剛性(EI)となります。
断面と連動したM−φ特性の場合は、断面の情報から弾性剛性(EI)を自動的に参照します。
断面と連動しないM−φ特性の場合は、M−φ特性の入力画面で弾性剛性(EI)を入力していますのでそれが使用されます。
(関連)
固有値解析時の剛性は、Ver 9 と Ver 10で異なります。詳細は、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|固有値解析と減衰|フレーム剛性低減」
の
固有値解析時剛性と低減率
をご覧ください。
Q1−370.
リボン「照査|結果|ファイバー一覧」において、ヒステリシスを1つ選び、フィルタを「ON(フィルタリング)」に指定したときの結果はどのように処理されているか?
A1−370.
損傷レベルが最も大きいものが最終結果になります。損傷レベルの順番は、ナビゲーション「性能基準|ファイバー要素|ひずみレベル」で設定されています。具体的には、以下のように処理されます。
全てのファイバー断面の損傷レベルが洗い出されます。
損傷レベルの引張側での応答ひずみ最大(ε最大)と圧縮側での応答ひずみ最小(ε最小)を取り出します。
ε最大とε最小のうち、絶対値が大きいものが最終結果になります。最終結果は、フィルタ対象に応じて、各グループ、各要素、各ランのいずれかで表示されます。
Q1−371.
幾何学的非線形解析(大変位解析)の変位図が小さいので、大きくするには?
A1−371.
幾何学的非線形解析(大変位解析)の変位図は等倍がデフォルトであり、変位倍率の変更ができないように制御されます。理由は、等倍の倍率で変位図をみても見た目で変位していることが分かる程度の大きな変位になるのが大変位解析だからです。このような場合に、変位図に対して倍率を考慮した図にすると意味のない変位図になります。 一方、大変位解析を行なっても変位が微小なことがあります。このときに等倍で変位図をみてもどのように変位しているかがわかりませんので、変位倍率を大きく調整できる設定が解析設定の大変位解析時のポスト処理方法にあります。ここを「微小変位」にしてください。 大変位解析のときに正確な変位図とする場合は「大変位」を、変位が小さすぎて変位しているかどうか不明な場合に「微小変位」を指定してください。
Q1−372.
以下のメッセージが表示された。対処方法は? --------------------------- [5142]:節点に複数の固定条件があります。節点には1つの固定条件のみ割り当てれます。 *:*は固定条件を持った1個のばね要素と1個の従属節点に接続しています。 ---------------------------
A1−372.
プログラムの制限事項です。ばね要素は2つの節点間に定義しますが、いずれかの節点が ・「固定」条件が設定されたばね要素の節点である ・剛体要素の節点である場合 の条件を満たす場合は、ばね特性の各成分(xl、yl、zl、θxl、θyl、θzlのいずれか)に「固定」を設定することができません。 このような場合は、ばね特性として「固定」条件の代わりにほぼ固定とみなせる大きなばね定数を持つ「線形ばね」としてください。
Q1−373.
約4000個のメッシュ要素を選択して平板面荷重を載荷しようとすると、その処理時間がかなり長くかかるので、対処方法があるか?
A1−373.
原因はプログラムが自動生成する死荷重や水平震度荷重の自動更新に時間がかかっているためです。平板面荷重の入力をする前に、ナビゲーション「モデル特性|解析設定|荷重ケースの設定」の「死荷重」、「水平震度荷重(X’)」、「水平震度荷重(Z’)」のチェックをオフにしてください。平板面荷重の入力をした後に、それらをオンにすることで改善すると思いますのでお試しください。
Q1−374.
道路橋のフーチング下面に設定する基礎ばねを手入力ではなく、UC1製品から連動させて設定したい。
A1−374.
弊社UC1製品「UC-BRIDGE」、「橋脚の設計・3D配筋」、「橋台の設計・3D配筋」、「震度算出(支承設計)」、「箱式橋台の設計計算」、「ラーメン式橋台の設計計算」では、基礎ばね連動用XMLファイルを読み込む(インポート)ことができます。その後、「橋脚の設計・3D配筋」や「震度算出(支承設計)」からEngineer’s Studioファイルをエクスポートすることで、基礎ばねが支点ばねとして設定されます。詳しくは「基礎の設計・3D配筋」のヘルプ 操作方法|メニューの操作|ファイル の「■基礎ばね連動用XMLファイル」をご参照ください。
Q1−375.
上部構造と下部構造を同時にモデル化した場合の死荷重解析の結果で、上部構造全体の質量と支承を表すばね要素に発生する鉛直力の合計値が異なるのはなぜか?
A1−375.
上部構造と下部構造を同時にモデル化した場合のばね要素には、上部構造だけでなく下部構造や基礎ばねの影響を受けた結果が含まれます。そのため、ばね要素に発生する力を集計しても純粋な上部構造の重量とは一致しません。 上部構造の重量があっているかどうかを確認するには、上部構造だけをモデル化し、支承位置に支点を設けてください(支承を表すばね要素は削除してください)。そして、死荷重解析を行い、支点反力の合計と上部構造の重量が一致するかどうかを確認してください。
Q1−376.
減衰要素を使用してモデル化したダンパーは固有値解析に影響するか?
A1−376.
減衰要素は固有値解析時に剛性として評価されませんので、減衰要素でモデル化するとダンパーがない状態での固有値解析結果と同じになります。
Q1−377.
傾斜ローラー支点を設定する方法は?
A1−377.
ナビゲーション「支点|支点」にて、支点の座標系を設定してください。詳しくは、ヘルプ 「Engineer’s Studio Help|ナビ|支点|支点リスト|座標軸(並進)」 をご確認ください。計算結果(支点反力や変位)は、全体座標系で得られます。
Q1−378.
照査一覧表に表示されているせん断耐力の計算根拠をレポート出力へ出力する方法は?
A1−378.
「計算の詳細をレポートに含める」にチェックを入れると現在表示されている表とその詳細な内容がレポートリストに追加されます。詳細な内容には、中間データや計算式(収束計算の場合を除く)が含まれます。
詳細は、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|照査結果|総括表」
の
計算の詳細を出力など
を御覧ください。
Q1−379.
速度べき乗型粘性ダンパー(減衰要素)の減衰抵抗力を確認する方法は?
A1−379.
図1のように、個別結果から減衰要素をクリックし、赤枠部分のように設定するとグラフや力が表示されます。
【図1】
図2のようにランのタブの中に入ると時刻歴の結果を確認できます。数値表の右クリックメニューから「ヘッダ付きでコピー」をすると、表計算ソフトへ貼り付けることができます。
【図2】
Q1−380.
支点部に発生している最大の速度(m/s)を確認したい
A1−380.
速度は節点の結果ですので節点の抽出結果が保存されていることが必須になります。
ナビゲーション「抽出と保存|節点抽出クエリ」で新規に1行作成し、速度に関する抽出キーをオンにしてください。抽出クエリについては、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|抽出と保存|抽出クエリ」
を参照願います。FEM解析後にリボン「シーケンス結果|抽出キー」に入り、カテゴリを「節点」にすることで確認できます。詳細はヘルプ
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|グループ結果|抽出キー結果」
を御覧ください。
また、速度の時刻歴結果を保存するには、節点時刻歴クエリの設定が必要です。
節点時刻歴クエリが設定されていないと、節点の時刻歴結果を確認できません。
ヘルプの
「Engineer’s Studio Help|ナビ|抽出と保存|時刻歴クエリ」
を御覧ください。FEM解析後にリボン「個別結果|節点」に入り、カテゴリを「速度ーステップ」にすることで確認できます。ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|個別結果|節点時刻歴」
をご一読ください。
Q1−381.
PFD照査とは?
A1−381.
”PFD”は、Partial factor design method (部分係数設計法)の略で、H29道路橋示方書で採用された設計方法のことを示します。
PFD照査については製品ヘルプ
「Engineer’s Studio|ナビ|部分係数設計」
をご覧ください。
H24道路橋示方書のみの設計を行われる場合、PFD照査に関する設定は不要です。
なお、PFD照査を行うには「土木構造二軸断面計算(部分係数法・H29道示対応)オプション」のライセンスが必要です。
Q1−382.
円形にフレーム要素を配置した場合に要素座標のyl軸を円の中心に向ける方法は?
A1−382.
フレーム要素の要素座標系の設定で「任意ポイント」を使います。円の中心の座標値を入力します。
Q1−383.
ラーメン橋脚を有する橋梁の動的解析を実施する際、ラーメン橋脚の柱や梁に生じる軸力の最大値と最小値を抽出する方法は?
A1−383.
後述のグループ化の設定と抽出クエリの設定を行うことが考えられます。
抽出クエリについては、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|抽出と保存|抽出クエリ」
を参照願います。
1) 対象となる要素を1つのグループ「x」に入れます。
2) そのグループに対して軸力の抽出キーを設定します。
3) 軸力の抽出キーの結果です。要素中央を指定するためにガウス点のみを指定しています。グループに所属している各要素に対して、軸力の最大最小の結果が要素中央に関して表示された様子です。
(グループ化について) モデル内で節点や要素を複数選択し、リボン「モデルタブ|編集|グループ化」を選択することで、既存のグループに追加したり、新規グループに追加することになります。あるいは、ナビゲーション「節点と要素|グループ」のテーブルで直接要素名称を追加することでも可能です。詳細は、以下のヘルプをご参照お願いします。
「Engineer’s Studio Help|リボン|モデル|グループ化」
「Engineer’s Studio Help|ナビ|節点と要素|グループ」
Q1−384.
軸力変動の影響を考慮しない場合の断面と連動したM−φ特性用軸力の設定方法は?
A1−384.
便宜上下記のように記号を割り当てます
(A)ナビゲーション「モデル特性|M−φ特性サムネイル」
(B)ナビゲーション「節点と要素|M−φ要素|M−φ要素」
(C)ナビゲーション「荷重|ランの定義|初期状態」
(A)で入力した軸力の値は、(B)には直接は影響しません。(A)はまだM−φ要素に割り当てられていない段階のデータです。そのため、(A)で入力された軸力と(B)での軸力が異なる場合は(B)が最終的な軸力になります。
(B)の「軸力N'設定」が「M−φ特性より設定」のときは、(A)のM−φ特性表で入力されている軸力を使ってM−φ特性が決定されます。この場合、参考となる軸力を事前に知る簡単な方法はありませんので、一度計算して各部材に発生する軸力を確認し、それを設定する手順になります。
(B)の軸力N'設定が「初期状態より設定」のときは、(C)で設定された軸力が使用されます。「初期状態の荷重ケース」の指定は、(B)と(C)の2箇所がありますが、両方とも共通です。つまり、どちらかで設定すればもう一方に反映されます。
(B)の「軸力N'設定」が「任意設定」のときは、各M−φ要素に対して軸力を個別に与えることになります。軸力の数値を「任意設定」の列に与えます。この場合、軸力を事前に知る簡単な方法はありませんので、一度計算して各部材に発生する軸力を確認し、それを設定する手順になります。
したがって、たとえば、(B)または(C)で軸力算出用の荷重ケースを指定している場合は、(B)の軸力N’設定を「初期状態より設定」にすることになります。
Q1−385.
プラグイン「平板|平板モデルジェネレータ|円筒」の「N」、「NL1」、「NR」、「0:NON 1:UP 2:BOTH」の意味は?
A1−385.
「N」は円周部分、「NL1」は円筒の高さ方向の分割数(L1の長さに対する分割数)です。
「0:NON 1:UP 2:BOTH」は円筒の上下に平板要素を設定するためのスイッチになります。 0の場合は円筒だけになりますが、1の場合は円筒の上側に平板要素(円筒のふたの平板要素)が設定され、2の場合は円筒の上下に平板要素が設定されます。
NRは上記のスイッチにより円筒の上側もしくは両側に平板要素(円筒のふた)が設定される場合の円の半径に対する分割数(Rに対する分割数)になります。
Q1−386.
保存する結果ファイルサイズを小さくする方法は?
A1−386.
保存する結果ファイルサイズは、ナビゲーション「抽出と保存|節点時刻歴クエリ、フレーム要素時刻歴クエリ」の設定を調整することで小さくできます。すると、結果を読み込むときの操作が軽くなる場合があります。
たとえば、以下のような対策が考えられます。
出力対象の節点をグループに入れて、そのグループだけを出力対象とする
出力対象の要素だけをグループに入れて、そのグループだけを出力対象とする
ステップを「全部」ではなく「範囲」にして開始と終了のステップを入力する
保存間隔を10、100などのように変更する
なお、保存対象に設定していない節点や要素の時刻歴結果は解析後に残らないので、変位図アニメーションや断面力図のアニメーションなどはみることはできなくなります。詳細は、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|ナビ|抽出と保存|時刻歴クエリ」
を御覧ください。
Q1−387.
橋梁の動的解析において、剛体要素の減衰定数を考慮しない場合、剛体要素は「任意設定」でRayleigh減衰のαに0を入力する必要があるか?サンプルデータでは「デフォルト」という設定となっているが?
A1−387.
剛体要素の減衰定数を考慮しない場合は、剛体要素は「任意設定」でαに0を入力してください。 サンプルデータでは剛体要素に「デフォルト」が設定されていますが、剛体要素に質量がある場合に減衰作用が考慮されます。 剛体要素に質量がない場合はゼロでないαが入力されていても減衰作用が発生しません。 剛体要素に質量があるかどうかは、ナビゲーション「荷重|質量一覧|剛体要素質量」で確認できます。
Q1−388.
橋梁のフーチングのような質量をもったフレーム要素に剛体要素を重ねて設定している場合、剛体要素のαを入力すると、フレーム要素の減衰と剛体要素の減衰が二重に作用することになるのか?
A1−388.
剛体要素の中にあるフレーム要素は解析に使用されませんので、フレーム要素の剛性や減衰定数は無視されます。フレーム要素の質量だけが剛体要素の質量として解析に考慮されます。フレーム要素の質量は無視されます。ここで、剛体要素の中にあるフレーム要素とは青色に表示された状態です。ヘルプ 「Engineer’s Studio Help|ナビ|節点と要素|剛体要素」 の メモ|剛体要素とは... の 部材を剛体要素にした場合(上図中央) に該当します。
Q1−389.
M−φ特性のカテゴリと「バイリニア(対称)」とした場合の適用方向(+側、-側)とは?
A1−389.
非対称なバイリニアは、原点で連続となるようにプラス側勾配とマイナス側勾配が同じにする必要があります。 それができず、やむを得ず対称なバイリニアを採用するときに、プラス側で対称バイリニアとするか、マイナス側で対称バイリニアとするかを指定するものです。 M−φ特性(zp)の適用方向でプラス側とは断面上側が圧縮となる場合、マイナス側とは断面下側が圧縮になる場合です。 M−φ特性(yp)の適用方向でプラス側とは断面右側が圧縮となる場合、マイナス側とは断面左側が圧縮になる場合です。 いずれの場合も解析結果をみて、プラス側で応答しているか、マイナス側で応答しているかを観察し、それに応じてどちらを採用するかを決定することになります。プラスにもマイナスにも応答している場合は、どちらを採用するかを設計者が判断することになります。
Q1−390.
ナビゲーション「節点と要素|フレーム要素|フレーム要素」の「分割数」を増やすと節点を設けた場合と同じ解になるか?
A1−390.
節点は追加されません。 分割点と着目点は線形弾性理論によって算出されますので、弾性梁要素の場合は節点を設けた場合と解は同じになります。 M−φ要素、ファイバー要素では、非線形の結果を元に線形弾性理論によって補間しますので、節点を設けた場合と解は同じになりません。
Q1−391.
M−φ特性のカテゴリを「バイリニア(非対称)」としたときに「第1勾配は同じにしてください」というエラーメッセージが表示される理由は?
A1−391.
バイリニア非対称を指定すると、原点と降伏点を結ぶ直線の勾配が正側と負側で同じにする必要があります。 そうでない場合は原点で折れた形となり、原点で不連続(微分不可能)となり、計算できません。 バイリニア対称に変更して正側か負側のいずれかを使用するか、あるいは、断面から生成ではなく、任意設定のM−φ特性として原点で連続となるような定義をするか、になります。
Q1−392.
ナビゲーション「プリ処理」とは?
A1−392.
ナビゲーション「プリ処理」は、Ver.11で新たに搭載された、平板要素のリメッシュ機能によって自動追加されたデータを確認する画面です。 リメッシュ機能を用いた平板要素は平板要素の外形や円孔などをユーザが作成し、その平板内のメッシュを自動分割機能を用いて作成します。このとき作成された節点やメッシュ要素が、この「プリ処理」の各項目に表示されます。
平板要素のリメッシュ機能につきましては、以下リンク先を御覧ください。
https://www.forum8.co.jp/topic/up142-seihin02.htm
Q1−393.
材料データベースにない材料を新規に入力し、それを別のファイルにも再利用するには?
A1−393.
材料だけを作成したデータをファイル(*.esx)として保存し、別のデータファイル(*.esx)にインポートすることで取り込むことができます。
注意点として、esxファイルに保存するときに、材料以外のデータを全て削除しておく事です。
たとえば、モデルを新規作成すると
ファイバー要素用の横拘束材料
ファイバー要素用のヒステリシス
支点ケース(支点の設定がない空の支点ケース)
抽出クエリ
がデフォルトで用意されますので、これらを削除します。
(特に削除されなくとも問題ありませんが、純粋に材料データだけにしたい場合に削除します)
具体的には、下記場所のデータです。
ナビゲーション「モデル特性|ファイバー要素の断面|横拘束材料」
ナビゲーション「モデル特性|ファイバー要素の断面|ヒステリシスサムネイル」
ナビゲーション「支点|支点ケース」
ナビゲーション「抽出と保存|節点時刻歴クエリ」
ナビゲーション「抽出と保存|フレーム要素抽出クエリ」
ナビゲーション「抽出と保存|フレーム要素時刻歴クエリ」
ナビゲーション「抽出と保存|ばね要素抽出クエリ」
ナビゲーション「抽出と保存|平板要素時刻歴クエリ」
インポートするときは、「貼付けオプション」画面が開きます。そこでは何も設定せずに「OK」ボタンを押してください。
インポートについては、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|基本操作|アプリケーションメニュー」
の「インポート」の項目を御覧ください。
Q1−394.
モデルを鉛直軸回りに回転させるには?
A1−394.
モデルを選択後、リボン「モデル|コピー/移動|回転」を選択し、呼び出された画面で回転軸の座標や回転角を入力してください。
適用ボタンは1回押してください。何回も押すと押した分だけ回転します。
Q1−395.
プラグインの平板モデルジェネレータで、円筒を水平方向に設置したい
A1−395.
移動コマンドを使って回転させる方法があります。
下図のように、円筒をすべて選択状態にして、移動コマンドを呼び出します。
図の黄色部分のように設定すると横向きになります。
図では、全体Z軸回りに回転させるための設定の例です。
(補足)
プラグイン「平板モデルジェネレータ」を採用できない構造は、手動でモデル化することになります。平板要素の作成方法については、ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|目的別ガイド|平板要素を作成するには|平板要素の作成」
の例1から例5までの方法になりますが、複雑な構造の場合は、別途3次元CADにて作成し、それをインポートする方法をご検討ください。手順の例が下記Q&Aにあります。
Q1−26. 3次元CADファイルから平板要素を作成するには
Q1−396.
モデル内で選択した複数の節点のY座標値だけを一括して変更するには?
A1−396.
節点座標の表を使用して、ExcelのようにまとめてY座標を変更することができます。
選択する際は、画面上で選択(矩形領域)を使用されると便利です。
下図を御覧ください。
Q1−397.
既存の節点の並び方を円形にする方法
A1−397.
複数の節点の座標値を一定の規則に従って配置する機能があります。
サポートしている形状は直線(Line)、円弧(Circle)の2種類です。
3つ以上の節点を選択すると、リボンメニューに「節点|編集」が表示され、その中の「節点の規則配置」を呼び出すことができますのでお試しください。
詳細は、ヘルプ
「Engineer’sStudioHelp|リボン|編集・生成|節点の規則配置」
をご覧ください。
Q1−398.
モデル全体の質量合計を確認するには?
A1−398.
固有値解析実施後に、ナビゲーション「固有値解析と減衰|減衰モデル」から呼び出す画面の一番下に表示される「全体質量」で確認できます。
Q1−399.
コンピュータにIntel製グラフィックとNVIDIA製グラフィックが搭載されている場合に、Engineer's StudioがNVIDIA製グラフィックを使うように設定するには?
A1−399.
NVIDIAのドライバーに付属するツールで特定のアプリケーションに割り当てる設定があります。
ただし、Engineer's Studioが複数インストールされている場合は、各バージョンで設定が必要です。
最初にEngineer's Studioをすべて終了させておき、概ね下記のような手順で設定可能です。
デスクトップ上で、右クリックメニューを押すと表示される「NVIDIA コントロールパネル」を開きます。
「3D 設定」−「3D 設定の管理」をクリックします。
プログラム設定のタブに移動します。
「1.カスタマイズするプログラムを選択する」のなかにEngioneer's Studioがあれば選択します。無い場合は「追加」ボタンからEngioneer's Studioを追加します。
「2.このプログラムの設定を指定する」で「OpenGLレンダリング設定」をNVIDIA に設定します。
「NVIDIA コントロールパネル」を閉じて、Engineer's Studioを起動します。
システムオプションのOpenGLの画面にて、ベンダー:NVIDIAとなっていれば設定が正常に出来ています。
Q1−400.
深さ方向に荷重強度が変化する不等分布荷重を設定するには?
A1−400.
多角形の折れ線で設定が可能です。 荷重のタイプに「フレーム要素-分布荷重」を選択し、右方にある「UD」ボタンを押して、i端(j端)からの距離とその位置における荷重値を入力してください。
Q1−401.
既設橋梁の補強のために、繊維シートを中空断面の内側に貼り付ける方法は?
A1−401.
残念ながら、本プログラムは中空断面(=1つの図形)の内側に繊維シートを貼り付けることを想定しておりません(閉じた図形の内側にFRPを貼り付けることができません)。
面倒な作業になりますが、下図のように断面を作成するときに、複数の図形を組み合わせることで可能となります。
essファイルもあわせてご覧ください。
※essファイルはEngineer's StudioとEngineer's Studio Section との共通ファイル形式です。
essファイルにつきましては以下のヘルプをご覧ください。
「Engineer's Studio Help|基本操作|アプリケーションメニュー」
「Engineer's Studio Help|ファイルの読み込みと保存|essファイル形式」
essファイルダウンロード
※右クリックして「名前を付けてリンクを保存」を選択してください。
Q1−402.
フレーム要素の断面の数値断面と断面特性オプションのIzz=Izp、Izy=Iypのように表記が違う理由
A1−402.
数値断面で与えるIzz、Iyy、Izyは、断面内の任意の座標軸z'-y'に対する入力になります。
それらの入力から、主軸の傾きと主軸回りの断面二次モーメント(Izp、Iyp)が計算されます。
詳細は、
https://www.forum8.co.jp/faq/ucwin/ES.htm#q1-141
をご覧ください。
Q1−403.
平板要素に発生する面外せん断力の最大を確認するには?
A1−403.
平板要素に発生する断面力は、ヘルプの
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|グループ結果|荷重ケース結果」の
「カテゴリ・・・平板要素断面力」
の図に示すとおりです。
この図の中で、せん断力は、QxとQyです。
Qxは、メッシュ要素座標系のxl軸を法線とする面に作用するせん断力です。
Qyは、メッシュ要素座標系のyl軸を法線とする面に作用するせん断力です。
どちらに着目するかを決定してください。
平板要素の結果の数値テーブルのうち、「平板要素(Max/Min)」ではない方、つまり、「平板要素 現在情報」の方を確認します。
「平板要素 現在情報」内の行をクリックすると、それに応じたガウス点位置情報(白色)がモデル図に描画されます。ヘルプ
「Engineer’s Studio Help|FEM結果|グループ結果|平板要素の数値結果」
の
平板要素 現在情報
もご覧ください。
平板要素の結果の数値テーブルのうち、「平板要素(Max/Min)」タブ内で表示される面外せん断力は下記の|S|の値、つまり、平方和の平方根であることにご注意ください。
Sx' = 要素x'軸を法線とする面における面外せん断力
Sy' = 要素y'軸を法線とする面における面外せん断力
|S| = (Sx2 +Sy2 )0.5 で算出された値。
(ただし、x'とy'は平板要素の面内に定義した任意の向きの直交2方向)
なお、平板要素断面力は単位幅当たりのせん断力ですので、局所的に大きな値が発生していることもあります。その場合は隣の値と平均するなどの処置が必要かもしれません。
どの程度の範囲で平均するかは規定がありませんので、設計者の判断に委ねられます。
Q1−404.
橋軸方向と橋軸直角方向とで塑性ヒンジ長Lpが異なる橋の場合、M−φ要素の長さやばね要素を用いたM−θモデルのばね要素位置をどのようにすればよいか?
A1−404.
両立させるようなモデルを作成できませんので、どちらか一方の塑性ヒンジ長Lpでモデル化することになります。
たとえば、サンプルデータ「BlueBookSteelBridge_MTheta.esx」では、橋軸方向の塑性ヒンジ長1.1mで節点位置を決定し、直角方向のランに対しても適用した例になっています。
もし、橋軸方向と橋軸直角方向とで塑性ヒンジ長の違いを厳密に考慮したい場合は、解析モデルを橋軸方向用と橋軸直角方向用とに分けてモデル化することになります。
なお、サンプルデータは、インストールした場所の Samples フォルダにあります。デフォルトのインストール状態では下記です。
C:\Program Files\FORUM 8\Engineers Studio X.X.X\Samples
※X.X.X にはバージョン番号が入ります。
Q1−405.
ばね特性で履歴減衰を考慮しないバイリニアモデルを設定するには?
A1−405.
ばね特性「トリリニア対称+弾性型」で可能です。 K2とK3に同じ値を入力することで、バイリニアを表現できます。
Q1−406.
ナビゲーション「モデル特性|フレーム要素の断面|断面特性オプション」の「基本要素」の選択は、結果にどのような影響があるか?
A1−406.
「基本要素」で指定された断面要素のヤング係数をベースとした実ヤング係数比を使用して換算断面定数(断面積、断面二次モーメント、ねじり定数)が算出されます。 その換算断面定数を使ってフレーム要素の計算が実行されます。 断面内に複数の材料が混在しているときに、基本要素の選択で変わる項目は、E、G、A、Izp、Iyp、Jです。
Q1−407.
フレーム解析を実施せずに、せん断耐力を素早く確認する方法は?
A1−407.
画面左側のナビゲーション「照査設定|断面照査用詳細入力」において、せん断耐力照査のための示方書条項を選択した照査用詳細入力プロパティを作成し、画面左上にある「簡易照査」ボタンを押してください。 呼び出された簡易照査結果の画面の中で、断面力(軸力N'、曲げモーメントMyp,Mzp)を入力すると、せん断耐力が表示されます。 たとえば、曲げモーメントMzpに負の値を入れると断面の上側が引張の場合のせん断耐力が、Mzpにゼロ又は正の値を入れると断面の下側が引張の場合のせん断耐力が表示されます。
Q1−408.
モデル内の各要素を個別に色分けするには?
A1−408.
材料色で表示する機能を使う方法があります。 例えば、下図は、終局したことを表すコンクリートの材料に赤を、降伏したことを表すコンクリートの材料に緑を設定する準備を行い、それらの材料を各断面に割り当て、その断面を各フレーム要素に割り当てた事例です。
Q1−409.
Engineer's Studioで作成した任意の断面を別のデータで使用したい
A1−409.
ナビゲーション「モデル特性|フレーム要素の断面|断面サムネイル」画面のツールバーにある「オブジェクトをクリップボードにコピー」ボタンにより、クリップボードにコピーされます。
その後、他のesxファイルに貼り付けることができます。
貼り付けるには、リボンのモデルタブ内の「貼り付け」ボタン(下図のA部)を使います。
また、ツールバーにある「オブジェクトをファイルにコピー」ボタンを押すと、断面データをファイルとして保存できます。その後、他のesxファイルにインポートできます。
インポートはリボンのファイルメニュー内の「インポート」を使います(下図のB部)。
インポートするときに「貼付けオプション」画面が開きますが、何も設定せずに「OK」ボタンを押すことで問題ありません。
詳細は、以下のヘルプをご確認ください。
「Engineer’s Studio Help|画面まわりの基本|表エディタの機能」
「Engineer’s Studio Help|画面まわりの基本|自動複製とコピー/ペースト」
「Engineer’s Studio Help|基本操作|アプリケーションメニュー」の「インポート」