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Q1−1. |
【F3D&Section共通】なぜ横拘束材料データを1つしか定義できないのか? |
A1−1. |
断面を構成するコンクリート要素には横拘束材料を1つしか定義できません。
これは、本プログラムが二軸曲げに完全対応した断面計算処理としているため、1つのコンクリート要素には1つの横拘束材料を持つようにしておく必要があるためで
す。
もし、1つのコンクリート要素に対してzp軸回りとyp軸回りの横拘束材料をそれぞれに持たせた場合、
(1)zp軸回りの曲げ耐力を算出するとき→zp軸回りの横拘束材料を使用する→問題なし
(2)yp軸回りの曲げ耐力を算出するとき→yp軸回りの横拘束材料を使用する→問題なし
(3)zp軸から角度θ傾いた軸回りの曲げ耐力を算出するとき→どちらの横拘束材料を用いるべきか決まらない
ということになり、(3)の解決方法がないためです。道路橋示方書V耐震設計編では、基本的に橋軸方向と橋軸直角方向を別々にモデル化する考え方なので上記(1)と(2)に対しは問題ないのですが、曲線橋などの二軸曲げを受ける場合に関する考え方は明確にされておりません。
したがって、現時点では2つの断面を作成していただくことになります。
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Q1−2. |
【F3D&Section共通】M-φ算出時、鉄筋最外縁位置で照査する方法は? |
A1−2. |
断面編集画面から、「断面諸量と断面計算オプション」画面を開いて、「Mu,My0]タブを開きます。このタブで、終局ひずみの発生位置を変更することが出来ます。
詳細は、ヘルプの「操作方法|断面作成|断面計算の入力(1)〜Mu、My0〜」を御参照ください。
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Q1−3. |
【F3D&Section共通】単鉄筋として計算する方法は? |
A1−3. |
本プログラムでは、単鉄筋、複鉄筋といった配置を認識していないので(矩形だけでなく、任意形状、任意配筋を対象としていますので)、断面計算するときは断面内に配置されている鉄筋すべてを考慮します。
単鉄筋としての応力度計算をさせたい場合は、引張側だけに鉄筋を配置することになります。
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Q1−4. |
【F3D&Section共通】初降伏モーメント算出時の発生位置(着目鋼材)は、デフォルトの場合最外縁の引張鉄筋となるか?また、2軸のときはどうか? |
A1−4. |
デフォルトの場合、通常は最外縁鉄筋が降伏ひずみに達するときが初降伏モーメントとなります。そして、降伏ひずみは引張側と圧縮側の両方を考慮しています。軸力が作用している場合は、引張側の降伏ひずみに達する前に、圧縮側の降伏ひずみで決定されることもあります。2軸曲げのときも同じです。
詳細に説明すると、デフォルトでは、断面内に配置されている全ての鋼材(CFRP、鉄筋、鋼板、PC鋼材など)の降伏ひずみεy(各材料の降伏点をヤング係数で除して求める)を考慮して、ひずみ平面の角度を変化させて断面内の力のつり合いがとれるように収束計算を行っています。ヘルプの
「計算理論(一般)|初降伏モーメント」
をご覧ください。
したがって、断面内の鋼材のうちどれか1つの材料が降伏ひずみ(圧縮or引張)に達したときに計算が終了し、そのときの曲げモーメントを初降伏モーメントMy0としています。
降伏ひずみの位置については、「断面諸量と断面計算オプション」画面の
「Mu,My0|初降伏ひずみの値と発生位置」
で変更することができます。以下、この設定についてご説明いたします。
「初降伏ひずみの値と発生位置」を使用しない場合(チェックオフの場合)は、前述のとおり、断面内に配置されている鉄筋や鋼板などの降伏ひずみεyを考慮します。εy発生位置は断面内に配置されている各材料の位置となります。
「初降伏ひずみの値と発生位置」を使用する場合(チェックオンの場合)は、任意に定義した降伏ひずみ値と位置(点のデータ)をすべて考慮してMy0を求めます。
このとき、任意定義点リストを使用する場合に下記オプションがあります。
(a)任意定義点リスト+断面内に配置された鋼材の降伏ひずみ
(b)任意定義点リストのみ(断面内の降伏ひずみは考慮しない)
(a)では、「断面内の鋼材の降伏ひずみの取扱い」で考慮する材料にチェックを入れます。
(b)では、「断面内の鋼材の降伏ひずみの取扱い」で全ての材料にチェックを入れます。
圧縮側降伏ひずみを無視して引張側降伏ひずみでMy0を求めたい場合は、(b)を利用してください。ヘルプの
「操作方法|断面作成|断面計算の入力(1)〜Mu、My0〜」
をご覧ください。
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Q1−5. |
断面諸量と断面計算オプションで「終局ひずみ発生位置(Mu:「道示-X」または「JH二集」をチェックしていない場合、Muはどの位置で算定するのか? |
A1−5. |
断面諸量と断面計算オプションで「終局ひずみ発生位置」のチェックボックスをチェックした場合では、圧縮縁から入力された距離までの範囲のコンクリートは圧縮力を負担しないものとしてMuが計算されますが、「終局ひずみ発生位置」にチェックがない場合は、最外縁の位置が終局ひずみ発生位置としてMuが算定されます。
このスイッチは、道路橋示方書V耐震設計編p.158の「最外縁の軸方向圧縮鉄筋位置におけるコンクリートのひずみが終局ひずみεcuに達した時」に対応するためのものです。上記で、チェックを入れて圧縮縁からの距離を入力すると、この定義に合致します。
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Q1−6. |
鉄筋本数を小数を使用して入力する方法は? |
A1−6. |
本プログラムでは、二軸曲げを基本としているので、計算時には鉄筋1本1本の位置と応力を評価します。このため、鉄筋本数の入力は整数としています。小数点での入力ができません。
一軸曲げの計算を行うときは、幅1m当たりの断面幅をモデル化する場合あり、この場合は下記のような変換をすることが考えられます。
nA=n’A’
n:入力したい本数(=6.666本)
A:本来の鉄筋1本当りの面積
n’:実際に入力する本数(=7本と仮定)
A’:調整した鉄筋面積
A’=(n/n’)A
このA’は、断面要素ウィザードのページ、「直径」において「任意」を選択すると入力できます。
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Q1−7. |
【F3D&Section共通】補強工法として、橋脚に炭素繊維シート巻き立てる場合、断面に「FRP貼り付け」を行ってよいか? |
A1−7. |
「FRP貼り付け」を使用して断面内に炭素繊維シートを物理的に貼り付けると、主鉄筋と同じように引張に抵抗する部材として考慮されます。結果として、曲げ耐力が向上します。
炭素繊維シート巻き立て橋脚は、曲げ耐力向上型ではなく、靭性向上型として設計することが多いと思います。
この場合は、「FRP貼り付け」を使用せずに、コンクリートの応力-ひずみ曲線に横拘束効果を見込む方法でモデル化します。
この設定は、コンクリート材料を定義する断面要素を配置するときの「断面要素ウィザード」で指定します。事前にメイン画面の「横拘束材料」タブで炭素繊維を用いた横拘束材料を作成しておく必要があります。
その他に、断面を作成するときに曲げ計算用準拠基準として、「JH二集炭素繊維」の指定が必要です。
曲げ耐力向上型、靭性向上型のどちらも設定できますが、入力場所は異なります。詳しくは、ヘルプの
「計算理論(一般)|炭素繊維シートの考え方」
をご覧ください。
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Q1−8. |
【F3D&Section共通】限界状態設計法による照査結果で、使用限界状態に表示されるひび割れ幅の表示桁数を変更したい。 |
A1−8. |
ひび割れ幅の表示桁数を変更するには、
「オプション|入出力書式の設定|項目」で[断面]を選択し、[鋼材関係の長さ(シース径、定着長)]の有効桁数を変更して下さい。 |
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Q1−9. |
【F3D&Section共通】断面タブで作成した断面が「削除ボタン」で削除できない。 |
A1−9. |
断面タブで作成された断面を「削除ボタン」で削除できないのは、その断面に従属関係があるためです。
従属関係の確認と削除の方法を以下に示します。
1.断面タブで断面を選択し、「従属要素の表示」ボタンを押す。でてくる画面で使用先が表示されます。
2.断面をダブルクリックし、「M-φ特性の削除」ボタンを押す。
3.断面力タブで、その断面が使用されている検討部材を削除する。
4.断面タブに戻って、目的の断面を「削除」ボタンで削除する。
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Q1−10. |
【F3D&Section共通】限界状態設計法の耐震設計・照査ができるか? |
A1−10. |
UC-win/FRAME(3D)、UC-win/Sectionで対応している限界状態設計法に関する準拠基準は、
(1)平成8年制定コンクリート標準示方書[設計編]
(2)2002年制定コンクリート標準示方書[構造性能照査]
(3)鉄道構造物等設計標準・同解説 コンクリート構造物(平成11年10月)
です。
(4)2002年制定土木学会コンクリート標準示方書【耐震性能照査編】には完全に対応していません。一部、ファイバー要素に用いる構成則は(4)に準拠しています。
したがって、「限界状態設計法の耐震設計・照査」が、(1)〜(3)に該当していれば可能ですが、(4)に該当する場合は対応していないということになります。 |
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Q1−11. |
【F3D&Section共通】主軸座標系が傾いてしまう。任意に角度を設定できないか?
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A1−11. |
構造力学では、断面諸元として
断面積A
断面二次モーメントIz
断面相乗モーメントIzy
ねじり定数J
などがあります。
このうち、断面相乗モーメントIzy=0となる軸を主軸と定義されています。このため、主軸を任意の角度で指定することは力学的にできません。
長方形断面や円形などの対称断面ではIzy=0となります。
任意形状断面では、一般的にIzyはゼロになりません。Izy=0となる主軸を探すと傾きθがでてきます。長方形断面でも鉄筋の配置が非対称な場合は換算断面諸量算出で主軸が傾きます。
もし、主軸の傾きをゼロにしたい場合があるときは、断面形状を左右対称、あるいは上下対称な図形に変更してください。 |
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Q1−12. |
【F3D&Section共通】道路橋示方書X耐震設計編に準拠したせん断耐力を算出する場合、PC鋼材を考慮したい。
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A1−12. |
道路橋示方書V耐震設計編に準拠したせん断耐力を算出する場合には、PC鋼材面積を無視して、鉄筋面積を考慮して主鉄筋比、補正係数Cptを求めています。耐震編ではPC鋼材が配置された部材を考慮していないためです。
PC部材の場合のせん断耐力の考え方を調べるために、道路橋示方書IIIコンクリート橋編「斜引張破壊に対する耐力」を見ると、“PC鋼材の引張力のせん断力作用方向の分力”を考慮していました。これは、耐震設計編のように主鉄筋比として考慮するという考え方ではなく、曲げ上げたPCケーブルに働く有効プレストレスの鉛直成分を考慮すると解釈できます。これによると、PC鋼材が部材軸に平行に配置された場合では、鉛直成分はゼロとなり、PC鋼材はせん断耐力には何ら貢献しないことになります。 |
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Q1−13. |
【F3D&Section共通】材料データベースに登録されていない材料を追加したい。
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A1−13. |
材料データベースの内容は、プログラム内部で固定なので編集や追加を行うことはできません。
新しい材料を作成して、その材料だけをファイルに落とすことができますのでこの機能をご利用ください。ファイルに落とすには、材料を選択して、エクスポートを実行します。すると、matという拡張子のファイルが生成されます。利用するときは、材料タブでmatファイルをインポートして取り込みます。
UC-win/Sectionヘルプの
「操作方法|設定|ファイルの読込みと保存|インポート(1)〜概要〜」
「操作方法|設定|ファイルの読込みと保存|エクスポート」
をご覧ください。 |
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Q1−14. |
【F3D&Section共通】「横拘束材料」が削除できない場合がある。 |
A1−14. |
準拠基準を一度でも
道示-V(タイプI)
道示-V(タイプII)
道示-V(鋼製充填あり)
道示-V(鋼製充填なし)
JH二集(タイプI)
JH二集(タイプII)
のいずれかに設定した場合は、断面要素ウィザード「応力度・耐力等の照査用パラメータ」タブで横拘束材料を指定したと考えられます。すると、その後で、横拘束材料を使わない他の準拠基準に変更しても過去に設定した横拘束材料の情報をプログラムが保持しており、従属関係が残ってしまいます。このため、横拘束材料を消すことができません。
消すことができない横拘束材料は計算には使用されないので結果には影響しません。
計算に使用しない横拘束材料を削除するには以下の手順をお試しください。(添付図参照)
<Ver 3.00.00以前>
1.断面タブで該当する断面を選択する。
2.「準拠基準の参照/変更」ボタンを押して曲げ設計用準拠基準を「JH二集(タイプU)」にする。
3.コンクリート要素を選択して、応力度・耐力等の照査用パラメータの設定:JH二集の画面の炭素繊維(JH-U)の画面で「横拘束材料なし」を選択する。
4.「準拠基準の参照/変更」ボタンで元の準拠基準に変更する。
5.全てのコンクリート要素に対してで上記1〜4の手順を実行する。
<Ver 3.00.01以降>
1.断面タブで該当する断面を選択する。
2.「準拠基準の参照/変更」ボタンを押して呼び出される画面で「はい」のボタンを押す。
3.計算に使用されない横拘束材料が削除されます。
4.全てのコンクリート要素に対してで上記1〜3の手順を実行する。 |
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Q1−15. |
【F3D&Section共通】許容塑性率は算出されないのか? |
A1−15. |
許容塑性率については直接の表示・出力はございません。別途手計算により算出していただく必要がございます。
参考までに曲率の照査式について説明します。
φa =μa x φy0
μa= 1 + ( φu -φy0 ) / ( α x φy0 ) ---@
μa:許容塑性率(曲率による)
φa:許容曲率
φy0:降伏曲率
φu:終局曲率
α:安全係数(道路橋示方書V耐震設計編p.150の表10.2.1に準拠)
この算出式は、
平成14年道路橋示方書X耐震設計編p.117 1行目
の「許容曲率は許容塑性率の算定法に準じて設定する」に準拠した方法です。
また、
道路橋の耐震設計に関する資料 平成10年1月(PCラーメン橋・RCアーチ橋・PC斜張橋等の耐震設計計算例) p.3-68
にも同じ内容が示されています。
一方、塑性率μは、
μ=φ/φy0
で算出できます(φは応答曲率)。この式は、式@中のφuをφに、α=1と置き換えると導出できます。
「φ/φy0」は、部材の編集画面「荷重ケース」タブでチェックを入れれば計算後の照査一覧に表示されますので、お試しください。
ヘルプの
「目的別ガイド|曲率による照査を行うには」
「計算理論|断面計算関連(一般)|許容曲率の算出式」
もご一読ください。 |
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Q1−16. |
【F3D&Section共通】アウトラインデータベースにない寸法の材料を登録したい。 |
A1−16. |
アウトラインデータベースにない寸法は、通常のアウトライン作成手順で作成することとなります。
通常の手順で作成したアウトラインは、アウトラインデータベースに登録することはできません。その代替機能としてアウトラインをエクスポートしてファイル管理することが可能です。メイン画面のアウトラインタブから作成したアウトラインを選択して「エクスポート」ボタンを押すとファイルに保存することができます。保存したファイルは、アウトラインタブにある「インポート」ボタンで、取り込むことができます。
通常のアウトライン作成手順については、ヘルプの
「目的別ガイド|断面を作成するには」
をご覧ください。ここには、アウトライン作成から断面作成までの手順を、実際の画面を交えて解説しております。 |
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Q1−17. |
【F3D&Section共通】円管などの中空断面を作成したい。 |
A1−17. |
中空断面を作成するにはアウトラインで「控除」というオプションを用います。以下に作成例を示します。
<円管のアウトラインを作成する手順>
円管を作るために、外形・内径2つの円形形状を作成し、外径円から内径円を削除して作成する方法が簡単です。これらは、アウトラインエディタにて作成を行います。以下に手順を示します。
1.アウトラインエディタの「新規作成」ボタンを押す。
2.新規名称を入力し、「OK」。
3.左のリストから「円」を選択し、下の「追加+」ボタンを押す。
4.半径(外径)を入力し、「次へ」。
5.そのまま「次へ」
6.「終了」。
7.再度、左のリストから円を選択し、下の「追加+」ボタンを押す。
8.半径(内径)を入力し、「次へ」。
9.そのまま「次へ」
10.「動作」で「控除」を選択して「終了」。
11.「OK」
以上で円管のアウトライン作成が可能です。このアウトラインに材料を割り当てるには、「断面エディタ」にて行います。
1.断面エディタの「新規作成」ボタンを押す。
2.新規名称を入力し、「OK」。
3.断面作成ウィザード画面がでてきますので、そこで「空白」をクリックして選択し、終了ボタンを押します。
4.断面エディターがでてきます。
5.左のリストから「アウトライン」を選択し、下の「追加+」ボタンを押す。
6.先に作ったアウトラインを選択し、「次へ」。
7.割り当てる材料を選択して「次へ」
※「データベースから選択」を選択して「次へ」と押すと、データベースから材料データを選択することが可能です。
8.ファイバー要素として解析を行う場合は、「ヒステリシス」にチェックを入れ、「次へ」。
※ここでは弾性梁要素とすることにし、この「ヒステリシス」にチェックをしないものとします。
9.「次へ」
※断面計算用パラメータは、断面の耐力を算出するために必要なデータですが、入力が無い場合もあります。また、鋼材のみからなる断面では、耐力の計算はできません。
10.「次へ」
11.「終了」
12.「OK」。 |
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Q1−18. |
【F3D&Section共通】レポート出力において、不要な方向の検討を省いて出力したい。例えば面内方向のみの計算(yp方向)で、zp方向の断面照査などを消すことができますか? |
A1−18. |
UC-win/FRAME(3D)、UC-win/Sectionは二軸曲げの計算に対応した製品のため、常にzp、yp方向の結果を出力しております。
したがって、レポート出力でzpあるいはyp方向のみの結果を表示するという設定はありません。 |
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Q1−19. |
【F3D&Section共通】レポート出力の設定を記憶させたい。 |
A1−19. |
レポート設定画面の左側ツリーのチェック状態は保存できませんが、右側のタブシート内の設定状態は保存することができます。
レポート設定画面にある「適用」ボタンを押してください。すると「レポート選択の保存」ボタンが押せる状態に変わります。
このボタンを押すと、右側のタブシート内の設定状態をファイルに保存できます。 |
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Q1−20. |
【F3D&Section共通】M−N相互作用図に「該当材料なし」という材料がでてくることがあります。これは何でしょうか? |
A1−20. |
Muを求めるときには、圧縮側と引張側に終局ひずみが必要です。鉄筋コンクリート断面では、圧縮側にコンクリートの終局ひずみがありますが、引張側の鉄筋にはそれがありません。この状態だとMuを計算できないので、便宜的に引張側に大きな引張ひずみを置いて計算しています。このダミーのひずみが「該当材料なし」です。断面内に配置された材料のひずみではないため、このような表現をしております。 |
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Q1−21. |
【F3D&Section共通】計算結果(応力度)の小数点以下の桁数を変更する方法は? |
A1−21. |
断面照査結果で表示する小数点の桁数を変更するには、
「メインメニュー|オプション|入出力書式の設定」画面の項目で
「材料定義」を選択して、コンクリート応力度の有効桁数を3桁としてください。
ヘルプの
「操作方法|設定|入出力書式の設定」
もご覧ください。 |
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Q1−22. |
【F3D&Section共通】換算断面としての断面二次モーメントを求める方法は? |
A1−22. |
添付図(01.gif)に示す画面で、鉄筋やPC鋼材にチェックを入れれば換算断面、チェックをいれなければコンクリート断面(全断面)になります。レポート出力は、このチェック状態に応じて算出された値を表示しますので、分けて出力したい場合は、断面を2つ作成してください。
ヘルプの
「操作方法|モデル作成|断面(7)〜断面諸量と断面計算オプション〜」
にチェックのオン・オフに関する詳しい説明がありますのでご覧ください。
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Q1−23 |
鉄筋の許容応力度を水中とする方法 |
A1−23. |
添付図(02.gif)に示す「仮想部材エディター」を開いて水中部材と設定してください |
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Q1−24 |
【F3D&Section共通】メイン画面の断面力タブや、部材の編集画面の荷重ケースタブで、許容せん断応力度にチェックを入れて照査させようとしたが、せん断応力度の照査結果が表示されない。 |
A1−24. |
せん断計算用準拠基準をご確認ください。「道示V」が指定されている場合、せん断耐力の照査が可能ですが、せん断応力の照査は実行されません。
準拠基準に応じて照査項目が異なるので、下記ヘルプの表をご覧ください。
UC-win/FRAME(3D)ヘルプ:
「操作方法|断面計算|断面計算結果(3)〜照査一覧(せん断応力度)〜」
「はじめに|プログラムの概要|UC-win/Sectionとは|◆準拠基準の指定に応じてせん断関連の計算」
UC-win/Sectionヘルプ:
「操作方法|結果|断面計算結果(3)〜照査一覧(せん断応力度)〜」
「はじめに|プログラムの概要|UC-win/Sectionとは|◆準拠基準の指定に応じてせん断関連の計算」 |
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Q1−25 |
【F3D&Section共通】ヘルプ「計算理論|断面計算関連(一般)|許容曲率の算出式」で、鋼製橋脚の場合はα=1.0としているが、道路橋示方書V耐震設計編のどこに記載されているか? |
A1−25. |
ヘルプの許容曲率の算出式を変形すると、
φa = φy0 + (φu - φy0 ) / α
となります。
鋼製橋脚の場合にα=1.0とすれば、右辺のφy0は消去されて、終局曲率φuだけが残ります。そして、実はφuは許容ひずみεaで決定されたφaなので、最終的に右辺はφaとなります。 |
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Q1−26 |
【F3D&Section共通】補強後の断面に対して、補強前と別の応力ひずみ曲線を設定することはできるか? |
A1−26. |
1つの断面に対して定義できる応力ひずみ曲線(「応力度・耐力等の照査用パラメータの設定」ページでの)は、断面を構成する要素(=1つの図形、断面要素と呼んでいます)で1種類です。断面要素が複数あれば、たとえば、コンクリート部分と鋼部分の2種類があれば、それぞれに1個の応力ひずみ曲線を持たせます。このデータには、補強前と補強後という区別はありません。1つの解析で使用できる断面は1種類のみです。したがって、部材に割り当てる断面を補強前用と補強後用の2つを準備しておき、部材に割り当てる断面を解析目的に応じて入れ替えることになろうかと思います。あるいは、断面だけを入れ替えたモデルを2つ作成することになろうかと思います。 |
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Q1−27 |
【F3D&Section共通】限界状態設計法による照査において、終局モーメントMu算出時、部材の安全係数(構造物係数、材料係数)は考慮されているか?
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A1−27. |
Mudを求めるときは部材係数、材料係数を考慮しています。
詳しくはヘルプの
「計算理論(限界状態設計)|終局限界状態の照査〜曲げ・軸力〜」
をご覧ください。 |
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Q1−29 |
【F3D&Section共通】許容応力度の割増係数はどこで入力したらよいか? |
A1−29. |
「荷重ケースの編集画面|基本荷重ケースタブ」、もしくは「荷重ケースの編集画面|組合せ荷重ケースタブ」で入力することができます。
組合せ荷重ケースで許容割増を入力した場合は、各基本荷重ケースで設定した許容応力度の割増し係数は使用されません。 |
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Q1−30 |
【F3D&Section共通】鋼断面の断面計算は可能か? |
A1−30. |
鋼断面に関しては、曲げ応力度計算のみができます。
ただし、許容値は1種類しか設定できないため(鋼材料で入力します)、道路橋示方書II鋼橋編に示される局部座屈や板厚による許容値は自動で計算されません。
道路橋示方書II鋼橋編への対応は、現時点では対応予定がありませんが、将来的には対応したいと考えています。
現時点で、
・せん断応力
・せん断耐力
の計算はサポートしていませんので、せん断に関する断面照査はできません。
このため、せん断計算用準拠基準を「なし」としてください。 |
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Q1−31 |
【F3D&Section共通】SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)断面のせん断応力度、せん断耐力の計算方法は? |
A1−31. |
せん断応力度、せん断耐力の計算方法は、UC-win/FRAME(3D)ヘルプの
「計算理論(一般)|平均せん断応力度(道示III、道示IV、土工指針)」
「計算理論(一般)|せん断耐力(道示IV、V)」
ですが、これらは鉄筋コンクリート断面を想定した算出方法です。
SRC断面(鉄骨鉄筋コンクリート)の場合も上式を用いています。
上式中には形鋼に関する項目がないので、せん断補強筋の入力項目で反映(代用)させてください。つまり、
「断面|断面諸量と断面計算オプション|せん断|オプション|斜引張鉄筋」
の断面積Awや間隔a、鉄筋材料の選択、を流用することになります。鉄筋材料については、形鋼に合う許容応力度や降伏点がなければ、新規に鉄筋材料を追加して用意することになります。 |
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Q1−32 |
【F3D&Section共通】曲げ応力度の照査で、最外縁にある材料の許容応力度になっていないことがある。 |
A1−32. |
本プログラムでは、コンクリート材料、鉄筋材料の許容値に対する曲げ応力度の比率を計算し、その比率が厳しいものを抽出して表示しています。
このため、常に最外縁にある材料が抽出されるとは限りません。内側の材料が厳しい結果になることもあります。 |
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Q1−33 |
せん断耐力の照査で「有効幅がゼロのため計算できません」というエラーが発生する |
A1−33. |
せん断耐力の有効幅は、断面タブで断面を選択後「断面の編集画面|断面諸量と断面計算オプション|せん断タブ」で入力してください(有効幅参照)。
入力するときは、事前にヘルプの
「操作方法|モデル作成|断面計算の入力(3)〜せん断(b、d)〜」
「操作方法|モデル作成|断面計算の入力(4)〜せん断(オプション)〜」
をご一読いただいて各入力項目の意味をご確認ください。
(有効幅) |
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Q1−34 |
【F3D&Section共通】2軸曲げの時の許容値を採用するかしないかの判定について、(1)中立軸の傾きと主軸zp軸の傾きが3度未満のとき(2)
Iy = IzかつIyz = 0 のときは一軸曲げと判定するとあるが、この根拠は? |
A1−34. |
(1)について
特に基準類に沿った値ではありません。厳密には中立軸の傾きと主軸zp軸の傾きが0度を少しでも超えると一軸曲げではないことになりますが、実際の設計上では不都合な場合(多少の傾きでも一軸曲げと考えたい場合など)が生じると考えて3度までに緩和しています(3度についても特に根拠はありません)。
(2)について
任意の図形に関して、
断面zp軸回りの断面二次モーメントIzp
と
断面yp軸回りの断面二次モーメントIyp
とが同じで、かつ、
断面相乗モーメントIypzp(主軸が傾きがゼロ)
のときは、
zp軸方向の曲げ変形
yp軸方向の曲げ変形
45度方向の曲げ変形
30度方向の曲げ変形
任意角度方向の曲げ変形
: :
はいずれも同じになります。このため、このような断面形状に対しては、一軸曲げと判断し、二軸曲げよりは厳しい許容値(道示で規定されている)を適用しています。 |
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Q1−35 |
【F3D&Section共通】曲げ応力度の照査で、最外縁にある材料の許容応力度になっていないことがある。「メイン画面|照査一覧|応力度・耐力等の照査」において、許容せん断応力度の照査やせん断耐力の照査が表示されますが、照査する項目があったりなかったりします。なぜでしょうか。
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A1−35. |
断面に設定している「せん断計算用準拠基準」の種類によって照査項目が異なります。詳しくは、ヘルプの
「はじめに|プログラムの概要|UC-win/Sectionとは|◆準拠基準の指定に応じてせん断関連の計算」
「操作方法|断面計算|断面計算結果(3)〜照査一覧(せん断応力度)〜」
「操作方法|断面計算|断面計算結果(5)〜照査一覧(せん断耐力)〜」
をご一読ください。 |
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Q1−36 |
【F3D&Section共通】曲げ応力度の照査で、最外縁にある材料の許容応力度になっていないことがある。「断面|断面諸量と断面計算オプション|断面諸元一覧」の左側ツリーにチェック状態は何を意味しますか。
M−φ特性を計算させるときのMcやφcを計算させるときはどのように設定したらよいですか。 |
A1−36. |
「断面|断面諸量と断面計算オプション|断面諸元一覧」の左側ツリーにチェックを入れると、チェックを入れた断面要素を考慮した換算断面としての断面定数が計算されます。デフォルトでは、鉄筋にチェックはつきません。これは、フレーム計算によって断面力を求める場合は全断面有効(鉄筋を無視)にして断面定数を求める、という従来の設計方法に対応するためです。
鉄筋を考慮した換算断面諸量が必要な場合は、チェックを入れてください。
Mcやφcを計算させるときはチェック状態に応じて以下のようになります。
(1)鉄筋にチェックがある場合
Mc、φcは鉄筋を考慮して算出されたものです。
I=Mc/φc/Ecで検算すると、Iは、換算断面としての値と一致します。
(2)鉄筋にチェックがない場合
Mc、φcは鉄筋がないものとして算出されたものです。
I=Mc/φc/Ecで検算すると、Iはコンクリート断面としての値と一致します。
道路橋示方書V耐震設計編p.157では、ひび割れ曲率φcを求めるためのIiは「上部構造の慣性力作用位置から数えてi番目の断面における軸方向鉄筋を考慮した橋脚の断面二次モーメント」とされています。これに準じるのであれば、断面要素「鉄筋」の項目にチェックを入れてください。 |
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Q1−37 |
【F3D&Section共通】道路橋示方書V耐震設計編p.158、解10.3.7で算出される降伏曲率φy=(Mu/My0)*φy0で部材の応答曲率を照査したい。 |
A1−37. |
M−φ特性の画面で「降伏点の処理」を「My=Mu」としてください。このオプションの意味についてはヘルプ
「操作方法|モデル作成|M−φ特性(2)〜M−φエディター〜」
をご覧ください。 |
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Q1−38 |
【F3D&Section共通】「荷重ケースの編集画面|荷重ケース、組合せ荷重ケース」の「許容割増」で係数を入力しても許容せん断応力度が割増されない |
A1−38. |
断面に設定しているせん断の準拠基準は「道示III」となっていないでしょうか。この場合、コンクリートが負担する平均せん断応力度が許容応力度の章から除外されていることから、許容割増を乗じておりません。
許容応力度の割増しを考慮したい場合は、コンクリート材料において、割増し後の値を「平均せん断応力度(道示III)」に任意定義していただき、この材料を使用する断面を作成しておくことになります。 |
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Q1−39
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【F3D&Section共通】「UC-win/FRAME(3D)」と「RC断面計算」でねじり定数が異なる |
A1−39. |
「RC断面計算」のねじり定数はデザインデータブック(社団法人日本橋梁建設協会)に記載の方法で算出しております。
「RC断面計算」ヘルプの
「計算理論及び照査方法|計算式及び算出の考え方|ねじり定数 」
をご覧下さい。
「UC-win/FRAME(3D)」のねじり定数Jの算出方法は、プラントルの薄膜アナロジーによる方法です。
「UC-win/FRAME(3D)」ヘルプの
「計算理論|断面計算関連(一般)|ねじり定数の算出方法」
に詳しく書かれていますので、ご確認ください。この方法は、断面形状や部材厚などに依存せず、任意形状断面(充実、中空、開断面、閉断面も含めて)に対して適用できます。
このヘルプ内の、「ヒント」以降にUC1/RC断面計算とのねじり定数の比較結果を記載しております。
上記ヘルプには、両プログラムの算出方法の違いによって約2%程度の差が生じることが示されています。
最終的に、どちらの値を正しいとするかは設計者の判断となります。
もし、手計算で算出されたねじり定数を使用するのであれば、「断面タブ」より変更したい断面を選択していただき、編集画面より「ねじり定数|任意設定」にチェックを入れ、数値を直接入力してください。 |
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Q1−40. |
【F3D&Section共通】「UC-win/FRAME(3D)」で作成した断面データを「UC-win/Section」で読み込みたい |
A1−40. |
「UC-win/FRAME(3D)」で作成した断面データを「UC-win/Section」で取り込むことは可能です。
方法は以下の通りです。
1.「UC-win/FRAME(3D)」の断面タブで右クリックし「UC-win/Section」で読み込みたい断面を選択し、「エクスポート」を選択する
2.ファイルの保存先、ファイル名を確認し、保存する
※拡張子が「*.sec」というファイルが保存されます
3.「UC-win/FRAME(3D)」の断面タブで右クリックし上記2で保存した拡張子「*.sec」のファイルをファイル名に設定し「開く」を押す
4.インポートウィザードで断面、アウトライン、材料を確認する
上記の方法は断面を1つずつエクスポートする方法です。複数の断面を一度にエクスポートすることも可能です。この操作方法は、UC-win/FRAME (3D)のメイン画面の断面タブを表示させた状態で、メインメニューから「ファイル|エクスポート|データのエクスポート」を実行します。
ファイルの読み込みについて、ヘルプの
「操作方法|ファイルの読込みと保存」
をご確認ください。
操作方法や、エクスポートされるデータについて記載しております。 |
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Q1−41
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【F3D&Section共通】許容応力度法の曲げ応力度照査が行われない
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A1−41. |
断面に設定する曲げ計算用準拠基準をご確認ください。「なし」となっている場合、曲げ応力度照査等の結果は得られません。
ヘルプの
「操作方法|モデル作成|断面(2)〜断面エディター〜」
にある「準拠基準選択画面を呼び出します。 」というボタンを押して設定してください。
なお、鋼断面に対してはせん断照査機能がないので、せん断計算用準拠基準は「なし」としておいてください。 |
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Q1−42. |
【F3D&Section共通】照査一覧で「曲げ耐力の照査」の「Mc<Mu」の結果が「---」表示となっている理由
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A1−42. |
断面に設定する曲げ計算用準拠基準をご確認ください。
曲げ耐力の照査において曲げ計算用準拠基準が道示III、IVの場合はMc<Muのチェックは行いません。そのため、Mc<Muの欄には『---』という表示になります。
このチェックは道示Vに基づいた処理としているためです。
道示V-149ページの式(10.2.2)にPc<Puという規定があり、この規定を準用しています。
UC-win/FRAME(3D)ヘルプの
「目的別ガイド|最小鉄筋量の照査を行うには」
「計算理論|断面計算関連(一般)|最小鉄筋量」
をご一読ください。 |
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Q1−43
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【F3D&Section共通】限界状態設計Vydの計算でスタ−ラップが加算されない。
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A1−43. |
断面の「断面諸量と断面計算オプション|限界状態設計タブ|せん断タブ|スターラップタブ」で断面積や間隔aが入力されているかご確認ください。
こちらに適切な値を入力していただきますと、Vydの計算でスターラップが考慮されます。
限界状態設計の計算には、一部を除いて限界状態設計タブで入力されたデータしか使用されませんのでご注意ください。一部とは、せん断タブの「b,d」タブ内の設定です。この設定は限界状態設計のときでも参照されます。
ヘルプの
「操作方法|モデル作成|限界状態設計の入力(4)〜せん断〜|◆スターラップ・タブ」
もご一読ください。 |
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Q1−44. |
【F3D&Section共通】断面から生成したM−θで動的解析を行う場合の許容回転角は、どのように算出しているか?
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A1−44. |
許容回転角は、ばね特性の編集画面「M−θ」タブに表示されている安全係数を使用して、道路橋の耐震設計に関する資料 平成10年1月(PCラーメン橋・RCアーチ橋・PC斜張橋等の耐震設計計算例) のp.2-75の式にて算出されています。
ヘルプの
「計算理論|断面計算関連(一般)|許容曲率と許容回転角|■許容回転角」
もご覧ください。 |
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Q1−45
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【F3D&Section共通】モデルの設定でB種の橋・一般の橋を選択した場合、断面から生成したばね特性の許容回転角算出に必要な安全係数はどのように算出しているか? |
A1−45. |
安全係数は、断面作成時に設定した曲げ計算用準拠基準とモデル設定(オプション設定)に応じて自動的に設定されます。モデル設定だけでなく、断面に設定する曲げ計算用準拠基準もご確認ください。
例として、橋種が「一般の橋」で、橋の重要度が「B種の橋」の場合は、以下のようになります。
道示-V(タイプI):3.0
道示-V(タイプII):1.5
道示-V(鋼製橋脚充填あり、なし):1.0
ヘルプの
「計算理論|断面計算関連(一般)|許容曲率と許容回転角|◆安全係数α」
もご覧ください。 |
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Q1−46. |
【F3D&Section共通】モデルの設定で、「一般の橋」にした場合と「免震橋」で、断面から生成したばね特性の許容回転角が同じ値になるのはなぜ? |
A1−46. |
曲げ計算用準拠基準が「道示-III,IV 」または「道示-V(H14鋼製橋脚)」の時は「一般の橋」、「免震橋」ともに安全係数α=1.0となり、許容回転角の値も同じになります。安全係数は道路橋示方書V耐震設計編に準拠していますので、道示-V(タイプI)などを指定してください。
ヘルプの
「計算理論|断面計算関連(一般)|許容曲率と許容回転角|◆安全係数α」
もご覧ください。 |
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Q1−47. |
【F3D&Section共通】繊維シートを断面に貼り付けた場合のM−φ特性の算出方法 |
A1−47. |
繊維シートを断面に貼り付けた場合のM−φ特性の算出方法については、ヘルプの
「計算理論|断面計算関連(一般)|炭素繊維シートの考え方」
に図入りで解説しておりますのでご覧ください。ここに解説しているように、
土木研究所の「コンクリート部材の補修・補強に関する共同研究報告書(III)、H11.2」に準拠したコンクリート床版やコンクリート桁などの補修・補強の場合に準拠して、破壊判定と終局曲げモーメントMuを計算します。
破壊の定義は、
コンクリート圧壊:圧縮コンクリートが終局ひずみεcuに達したとき
(このとき、繊維シートは破断・剥離していない)
繊維シートの破断:炭素繊維シートが終局ひずみεfrpuに達したとき
(このとき、コンクリート圧壊、繊維シートの剥離は発生していない)
繊維シートの剥離:繊維シートが剥離ひずみεdelaminateに達したとき
(このとき、コンクリート圧壊、繊維シートの破断は発生していない)
の3種類を考慮しています。
また、Mu算出時に用いる炭素繊維シートの応力ひずみ曲線は、終局ひずみを
εfrpu:終局ひずみ(=k*σfrpu/Efrp)
ただし、
σfrpu:保証引張強度
k:引張強度に乗じる係数
Efrp:ヤング係数
としています。
この他に、剥離ひずみも考慮しています。算定式については、上記ヘルプをご覧ください。 |
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Q1−48. |
【F3D&Section共通】横拘束筋の有効長はどこで入力したらよいか
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A1−48. |
横拘束筋の有効長につきましては、横拘束材料タブで横拘束材料編集画面を開いてください。 任意設定ρのチェック(レ)を外すと横拘束筋の有効長dが入力いただけます。 Ah、s、dを入力すると、ρを自動計算しますが、0.018を超えると赤表示となり確定できません。0.018以下となるように入力してください。
ヘルプの 「操作方法|モデル作成−横拘束材料(2)〜横拘束エディター〜」 をご覧下さい。
横拘束材料を準備できましたら、断面要素をダブルクリックして、断面要素ウィザード画面を呼び出し、横拘束材料を選択するページで設定します。 |
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Q1−49. |
【F3D&Section共通】「Engineer’s Studio面内」から、UC-win/Section形式でエクスポートしたが、全ての部材がエクスポートされていない
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A1−49. |
「Engineer’s
Studio面内」から、UC-win/Section形式でエクスポートされるデータは、着目点を設定しているもののみとなります。 全ての部材に着目点を設定することにより、全部材エクスポート可能となります。 |
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Q1−50. |
【F3D&Section共通】「Engineer’s Studio面内」から、UC-win/Section形式でエクスポートしたが、数値断面のため断面照査が行われない
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A1−50. |
「Engineer’s
Studio面内」では断面形状寸法データを持っていません。フレーム要素の計算に必要な断面定数のみのデータを持っています。このため、以下の方法をお試しください。 <方法A> 1.エクスポートされたデータを、「UC-win/FRAME(3D)」で開く。 2.各断面を、数値断面ではなく、アウトラインを用いた形状を持つ断面として、「UC-win/FRAME(3D)」で作成する。 3.「UC-win/FRAME(3D)」にて作成した断面を、 「断面力タブ」より、各部材毎に編集画面を開き、選択しなおす。 こうすることにより、断面照査が可能となります。 注意点としましては、 ・準拠基準を必ず選択する。(断面タブ) ・「荷重ケースの編集」画面にて、 「照査」の欄を必ず選択する。 「σsa用荷重種類」を必ず選択する。 ・断面を作成する時に、 「断面諸量と断面計算オプション|せん断タブ|b,d」を設定する。(せん断照査が必要な場合) 「断面諸量と断面計算オプション|せん断タブ|オプション|斜引張鉄筋」より「鉄筋材料」を必ず選択する。などです。
<方法B> こちらは、「UC-win/FRAME(3D)」にて、先に断面を作成する方法について記載します。
1.「UC-win/FRAME(3D)」にて、アウトラインを用いた形状を持つ断面を作成する。 2.作成した断面を、「断面タブ」画面の「エクスポート」ボタンより、それぞれ「UC-win/Section断面ファイル(*.sec)」としてエクスポートしておく。 3.作成した断面を、それぞれ「コピー|数値断面に変換してコピー}より数値断面としてコピーする。 4.3の数値断面を、ES(面内)にて入力する。A,Izl(=Izz),J,E,γなど必要なものだけで良い。 5.「Engineer’s
Studio面内」にて、モデルを作成ー計算実行ーエクスポート(UC-win/Section形式)を行う。 6.5でエクスポートしたUC-win/Section形式ファイルを開き、2でエクスポートしておいた断面ファイルを、「断面タブ」画面の「インポート」ボタンよりインポートする。 7.「断面力タブ」より、各部材毎に編集画面を開き、6の断面に選択しなおす。 以下は、<対処方法Aと同じ>
その他の注意点としましては、UC-win/Sectionでは抽出荷重ケースを扱うことが出来ません。「Engineer’s Studio面内」にて、抽出荷重ケースを作成されている時は、この照査結果がエラーと表示されます。 |
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Q1−51.
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【F3D&Section共通】許容せん断応力度照査で下記エラーが発生する。
[エラー]断面[X]斜引張鉄筋の材料が未定義です |
A1−51. |
斜引張鉄筋を定義していないためにエラーが発生します。 このエラーを消失させるには、斜引張鉄筋の材料を指定する必要があります。
断面タブで断面編集画面上部左上「断面諸量と断面計算オプション
|せん断|オプション|斜引張鉄筋」より斜引張鉄筋の鉄筋材料を選択してください。
詳細はヘルプの「操作方法|モデル作成|断面計算の入力(4)〜せん断(オプション)〜」をご参照下さい。 |
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Q1−52.
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【F3D&Section共通】「主軸に違いがあります」というメッセージが表示される
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A1−52. |
このメッセージにつきましてはヘルプの 「操作方法|モデル作成|断面計算の入力(3)〜せん断(b、d)〜」 をご覧ください。 こちらに解説しているとおり、有効高さの算出方向と応答せん断力の方向が一致しないことを意味しており(主軸中心がずれてもメッセージがでます)、道路橋示方書が想定していない状態です。
このメッセージがでる原因の一例としては、「断面諸量と断面計算オプション画面|断面諸元一覧タブ」で「骨組み線の位置」をずらしているときです。骨組み線の位置をずらすと重心位置がずれてしまうので、骨組み線の位置には偏心曲げモーメントが生じます。UC-win/FRAME(3D)が自動的に生成する死荷重では、これを厳密に考慮します。ところが、フレーム計算時の部材剛性は、ずれた後の剛性ではなく、ずらす前の剛性を用います。一方、断面計算では、骨組み線の位置に対して偏心曲げモーメントを考慮します。このように、フレーム計算や断面計算において、整合のとれない状態になってしまいますので、そのことがせん断計算にも影響が及んでしまいます。
「主軸に違いがあります」というメッセージは、このようにフレーム計算と断面計算の整合が取れない状態にあることを示す警告メッセージです。このメッセージが表示されても計算自体は可能です。最終的には設計者の判断となりますので適宜ご検討下さい。
骨組み線位置は断面図心位置からずらさないことをお勧めします。
この機能は計算上興味のない箇所において、3次元ソリッド表示の見た目をよくするためにご利用下さい。 |
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Q1−53.
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【F3D&Section共通】曲げ耐力の照査[Mu_min < M < Mu_max]のMu値とM−φグラフでのMu値とが異なるのは何故か。
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A1−53. |
フレーム計算の結果得られた断面力MzpとMypから、角度θを tanθ=Myp /
Mzp で求めています。
M−φグラフでは、この角度θを中立軸角度として、Mc、My0、Muを算出しています。したがって、Mc、My0、Muのそれぞれの中立軸角度はいずれも角度θで統一されています。
一方、M-N相互作用図では、この角度θの方向にMc、My0、Muを求めています。つまり、3次元MN相互作用図を作成して、それを平面で切り取るときの角度としてθを用いています。そのため、算出される中立軸角度は、角度θと異なる場合があります。
ヘルプの 「操作方法|結果|断面計算結果(10)〜M-φグラフとM-N相互作用図〜」 の ・M-φグラフ
・(注意) および、 「計算理論(一般)|ひび割れモーメント」 「計算理論(一般)|初降伏モーメント」 「計算理論(一般)|終局曲げモーメント」 に詳しく解説しておりますので、ぜひご一読ください。
このため、曲げ耐力の照査[Mu_min
< M <
Mu_max]のMu値とM−φグラフでのMuの値は一般に一致しません。断面形状や配筋が対称でかつ1軸曲げの場合には一致しますが、それ以外の条件では異なる数値となります。 |
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Q1−54.
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【F3D&Section共通】せん断耐力のCN、Cpt、Ceを出力したい。
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A1−54. |
下図に示すように、レポート出力の「断面計算|標準出力|詳細|せん断結果書式2」で出力可能です。
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Q1−55.
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【F3D&Section共通】鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC構造)の断面計算が可能か。
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A1−55. |
UC-win/FRAME(3D)、UC-win/Sectionでは、自由に断面形状を作成することができますので、SRC構造の断面計算は可能と考えます。ただし、SRC構造に特化した入力はありません。入力するときに注意すべき点は、添付図01.gifに示す2カ所です。左側ツリーでチェックを入れた材料を考慮して換算断面図心位置が算出されます。この図心は断面計算を行うときに軸力作用位置になります。RC断面であれば、鉄筋のチェックをはずしてコンクリートだけで部材剛性を算出してフレーム計算を行うことが従来からよく行われてますが、SRC断面のときにもコンクリートだけでフレーム計算を行ってよいかは明らかではありません。鉄筋とは異なり、断面内に占めるH型鋼の面積が大きいと考えられるからです。無視せずに、考慮する場合は鉄筋にもプレートにもチェックを入れてください。チェックのある鋼材を考慮した図心が算出されます。
曲げ応力度計算を行う場合は、添付図01.gifに示すように、デフォルトで鉄筋とコンクリートのヤング係数比を15とします。しかし、この仕様はRC断面計算が前提ですので、SRC断面では実ヤング係数としたほうがよいかもしれません。その場合は、添付図01.gifに示す箇所で「実ヤング係数比」を指定してください。
曲げ応力度の算出はRC断面でもSRC断面でもその他の複雑な材料の組合せでも可能ですが、注意すべき点は許容応力度です。UC-win/FRAME(3D)、UC-win/Sectionには道路橋示方書等に準じた許容値を持っていますが、SRC断面特有の許容値はありません。必要に応じてコンクリート材料や鋼材料の許容値を変更することになります。
曲げ耐力の計算では、添付図02.gifに示すように、鋼板の応力ひずみ曲線は材料係数を考慮して算出されます。添付図02.gif最下部には、限界状態設計の照査一覧の様子を示しています。
せん断応力、せん断耐力の計算では、鋼板に関係する入力がありません。代替案として、せん断補強筋の入力で鋼板を考慮した断面積を与える等の工夫が必要になります。
01.gif 02.gif
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Q1−56.
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UC-win/SectionでM−φを求めるには? |
A1−56. |
UC-win/Sectionで、M−φを作成する方法として、製品添付のサンプル「M-phi.rc2」に示すように(デフォルトではC:\Program Files\FORUM 8\UCwinSection\Samplesフォルダにあります)
面内M−φを算出するときはMzpに1,10,100,1000などの数値を与え、Mypをゼロ
面外M−φを算出するときはMypに1,10,100,1000などの数値を与え、Mzpをゼロ
として断面詳細結果画面の「M-N相互作用図」をみる方法があります。このサンプルデータでは、
面内が橋軸方向(断面の主軸zp軸回り)
面外が直角方向(断面の主軸yp軸回り)
を想定しています。つまり、それぞれ、
Mypがゼロなので、√(Myp^2 + Mzp^2) = Mzpとなり、事実上N-Mzp相互作用図になる
Mzpがゼロなので、√(Myp^2 + Mzp^2) = Mypとなり、事実上N-Myp相互作用図になる
となります。このサンプルのように、断面詳細結果画面の「M-N相互作用図」を表示させるには、検討部材の設定と断面力の入力が必要です。ヘルプの
「目的別ガイド|全体的な操作の流れ」
の3番、4番以降を御覧ください。
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Q1−57.
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【F3D&Section共通】道路橋示方書では、鉄筋の許容応力度に、水中/地下水以下の部材用や、地震/衝突の場合用があります。これらをどこで設定するか?
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A1−57. |
「荷重ケースの編集」画面で、「一般荷重」「地震・衝突」「主荷重」のいずれかを選択します。 「部材の編集」画面「荷重ケース」タブで、「一般部材」「水中部材あるいは地下水位以下の部材」「上部構造部材あるいは下部構造はり部材」のいずれかを選択します。
UC-win/Sectionヘルプでは、 「操作方法|荷重|断面力(2)〜検討部材エディター〜」 「操作方法|荷重|基本荷重ケース」 「操作方法|荷重|組合せ荷重ケース」
を御覧ください。
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Q1−58.
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【F3D&Section共通】道示IVに準拠したPHC杭のM−φ特性を算出できるか?
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A1−58. |
コンクリートの設計基準強度が60N/mm2以上の場合であれば、プログラムが終局ひずみを0.0025に設定します(道示III-p.138の表-4.2.2を使用)ので、コンクリートの応力ひずみ曲線は定義可能です。しかし、PC鋼材の応力ひずみ曲線については、道示IV-p.413「図-解
12.10.5」に対応していません。つまり、PHC杭に用いるPC鋼材の応力ひずみ曲線では、σpuに対して0.93や0.84の係数を乗じないこと、0.05という終局ひずみを考慮することが道示IIIと異なります。そのため、道示IVに準拠したPHC杭のM−φ特性を算出することは困難です。
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Q1−59.
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【F3D&Section共通】断面要素として「FRP貼付け」を使用すると、「部材軸方向の貼付長」という入力があるが、考え方は?
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A1−59. |
「部材軸方向の貼付長」とは、照査位置から炭素繊維シート端部までの長さの最小値のことで、下図に示すLです。
ここで入力された貼付長は、剥離ひずみを計算するときに使用されます。照査する位置によって貼付長が異なる場合は、設計上厳しい剥離ひずみ(小さなひずみ)になるように何ケースか検討して入力することになると推察します。剥離ひずみの規定は土木研究所「コンクリート部材の補修・補強に関する共同研究報告書(III)、H11.12」に準じておりますので、それに準じない場合は剥離ひずみを考慮しないこともあろうかと思います。剥離ひずみを無視したい場合は、剥離ひずみで終局曲げモーメントが算出されないように、貼付長に大きな数値(例:100mなど)を与えてください。
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Q1−60.
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【F3D&Section共通】せん断応力やせん断耐力の検討で、FRP(繊維シート)の入力がわからない。
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A1−60. |
まずは、下記ヘルプをご確認ください。 「操作方法|モデル作成|断面計算の入力(4)〜せん断(オプション)〜」 「計算理論|断面計算関連(一般)|せん断力による炭素繊維シートの必要面積(道示III)」 「計算理論|断面計算関連(一般)|せん断耐力(道示IV、V)」 「計算理論|断面計算関連(一般)|斜引張破壊に対する耐力(H14道示III)」
繊維シートの必要面積を求める場合に必要な入力が、 [CFRPが負担するせん断力
Scf] [貼付け間隔 s] [配置角度 θcf] [設計時の許容引張応力度 σcf] [終局時の引張強度
σcf] 繊維シートを考慮したせん断耐力を求めるために必要な入力が、 [断面積 Acf] [貼付け間隔 s] [配置角度
θcf] [設計時の許容引張応力度 σcf] [終局時の引張強度
σcf] です。ヘルプ 「はじめに|プログラムの概要|UC-win/Sectionとは|◆準拠基準の指定に応じてせん断関連の計算」 に指定するせん断関連の準拠基準の種類に応じて計算される項目が異なります。 上記入力部分は入力の途中で準拠基準を変更しても過不足がないようになっていますので、全てを入力することになります。もし、準拠基準を変更しない場合は
必要な部分だけ入力してください。
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Q1−61.
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【F3D&Section共通】終局ひずみ発生位置を橋軸方向と橋軸直角方向とで異なる入力にできるか?
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A1−61. |
終局ひずみ発生位置(圧縮縁からの距離)は図形の全周に適用されます。1つの断面で1つだけ定義できます。橋軸方向と橋軸直角方向とで異なる入力とすることはできません。「断面諸量と断面計算オプション|Mu,My0」画面右側に、角度を入力して二軸曲げが作用するときにどのように考慮されるかを確認できます。
この角度は計算上必要なデータではありません。確認用です。任意の角度で、黄緑色の内側が終局ひずみの位置になり、黄緑色に着色された部分のコンクリート応力はゼロと仮定されます。
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Q1−62.
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【F3D&Section共通】照査一覧タブ「応力度・耐力等の照査」では、ランの結果がNGなのに、総合判定はOKと表示されるのは何故か。
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A1−62. |
「モデル設定画面|オプション設定タブ」で「照査一覧での抽出判定」が「平均荷重から」になっている場合に、照査一覧タブ「応力度・耐力等の照査」が「OK 平均荷重から」と表示されることがあります。
この指定になっていると、OK/NGの判定は、ランの単位で実施されず、部材の下にぶら下がっている平均荷重ケースの抽出キー(N MAZ、N MIN、Mzp
MAX、Mzp MINなど)の結果をみて判定さ
れます。平均荷重ケースがないにもかかわらず、この指定になっていると、デフォルトのOKが表示されます。ランの単位で判定したい場合は、「モデル設定画面|オプション設定タブ」で「照査一覧での抽出判定」を「ランから」に変更してください。
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Q1−63.
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【F3D&Section共通】コンクリートの斜引張応力度σIの照査をしないようにするには?
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A1−63. |
本プログラムでは、せん断の準拠基準が、道示-III(H8orH14)の場合は、コンクリートの斜引張応力度σIの計算結果も照査一覧に表示する仕様となっております。せん断の準拠基準に道示-IVまたは道示-Vとした場合はσIの照査は行いません。
照査一覧画面ではσIの照査を省略するというオプションがありませんので、その準拠基準の場合はいつもσIの照査結果がでます。しかしながら、レポート出力ではσIの照査結果を出さないように指定することができます。
レポート設定画面にある「せん断出力オプション」ボタンを押して呼び出されるウィンドウ内で指定します。設定した内容は、「断面計算標準出力」に反映されます(添付図参照)。
なお、ヘルプ
「はじめに|プログラムの概要|UC-win/Sectionとは|◆準拠基準の指定に応じてせん断関連の計算」
にせん断関連の準拠基準の種類に応じて計算される項目が掲載されています。この表に従って、計算・照査されます。
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Q1−64.
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【F3D&Section共通】曲げモーメントが正とは、断面下側が引張になるときと考えてよいか?
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A1−64. |
二軸曲げ状態にも対応していますので、Mzpが正、Mypが正の2種類があります。 断面の図心から上側を圧縮側、下側を引張側となるような曲げモーメントMzpが正です。左右で言えば、右側が圧縮、左側が引張になるような曲げモーメントMypが正です。ヘルプの 「目的別ガイド|断面力の記号と一軸曲げの関係」
に示す図がわかりやすいと思います。
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Q1−65.
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軸力と曲げモーメント(Mc、My0、Mu)の相関図を取り出すには?
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A1−65. |
「断面詳細結果」画面の「M-N相互作用図」タブで下記操作を行うことで確認できます。
・Mcボタン、My0ボタン、Muボタンの3つを押す
・「作用力ライン」にチェックを入れる
・「Myp/Mzpのなす角度」にチェックを入れると横軸がM、縦軸がNの2次元グラフとなります 添付図がその様子です。右側のMとN’の列を全部選択してCtrl+Cでコピーできます。その後表計算ソフトへ貼り付けることができます。
詳しくは、ヘルプの 「操作方法|結果|断面計算結果(10)〜M-φグラフとM-N相互作用図〜」
をご覧ください。
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Q1−66.
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【F3D&Section共通】RC断面の許容応力度照査で、二軸曲げの許容値になっている。二軸曲げの判定はどのように行っているか。
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A1−66. |
一軸曲げか二軸曲げかを入力データから自動的に判断し許容応力度を表示します。一軸曲げと判定されるのは下記(1)または(2)に該当する場合です。 (1)中立軸の傾きと主軸zp軸の傾きが3度未満のとき (2)
Iy = IzかつIyz = 0
のとき 上記(1)または(2)に該当しない場合は二軸曲げの許容応力度を表示します。
(ヘルプの「計算理論|断面計算関連(一般)|許容応力度の適用範囲」より抜粋)
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Q1−67.
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【F3D&Section共通】複数のアウトラインを組み合わせて断面を作成した。あるアウトラインを削除したり、別のアウトラインに変更したい。
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A1−67. |
下図に示す「セット位置の編集」画面の「コネクションポイント」には、アウトライン要素の中心にいくつかのDefault
Originがあります。これらのうち最初のもの(下記(1)番)を指定し
て、図形どうしを配置すると、後でアウトライン要素を削除して別のアウトライン要素を定義することができます。 (アウトラインが矩形の場合の例) (1)
Default Origin (2) Default Origin(アウトライン1) (3) Default
Origin(矩形)
Default
Origin以外の参照点を使用して図形どうしを配置すると、依存関係ができるので、アウトライン要素を削除したり、別のアウトライン要素に変更したりすることができなくなります。
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Q1−68.
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【F3D&Section共通】断面に鋼板巻き立てをする補強の場合、鋼板巻き立てによる拘束効果を考慮したい。
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A1−68. |
断面に鋼板を配置すると(「巻き立て」を使うなどにて)、鉄筋を増加させた場合と同じような効果になります。鋼板による横拘束効果だけを考慮したい場合は、断面に配置せず、横拘束筋の体積比で与えてください。
具体的にはメイン画面の「横拘束材料」タブで、鉄筋の横拘束材料に対して、体積比を任意設定にして直接与えます。「既設道路橋の耐震補強に関する参考資料(平成9年8月)、日本道路協会」のp.2-20に、鋼板を考慮した体積比の考え方がありますのでご参考ください。
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Q1−69.
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【F3D&Section共通】断面幅1mに鉄筋を150mmピッチで配置するとき、鉄筋本数は1000/150=6.6666本となるが、鉄筋本数を小数点入力できない。どうすればよいか?
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A1−69. |
UC-win/FRAME(3D)は、二軸曲げを基本としているので、計算時には鉄筋1本1本の位置と応力を評価する都合上、鉄筋本数の入力は整数としています。このため、小数点での入力ができません。
幅1.0m当たりの応力度計算は、一軸曲げを想定しているので、この場合は下記のような変換をすることが考えられます。
nA=n’A’ n:入力したい本数 A:本来の鉄筋1本当りの面積 n’:実際に入力する本数 A’:調整した鉄筋面積
A’=(n/n’)A
このA’は、断面要素ウィザードのページ、「直径」において「任意」を選択すると入力できます。(添付図参照)
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Q1−70.
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【F3D&Section共通】PHC杭のモデル化(断面作成やM−φ特性など)は可能か?
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A1−70. |
PHC杭を対象とした断面作成を支援する機能はありませんが、円形アウトラインとPC鋼材の配置を行うことで、PHC杭の断面の定義は可能と思います。断面計算が不要でフレーム計算だけが必要であれば、円形アウトラインなどを用いずに、直接断面積や断面二次モーメントを与えることができる数値断面が利用可能です。ヘルプの
「操作方法|モデル作成|断面(10)〜数値断面リスト〜」
「操作方法|モデル作成|断面要素(5)〜数値断面〜」
をご覧ください
しかし、M−φに関しては、UC-win/FRAME(3D)が道路橋示方書IV下部構造編の「12章 杭基礎の設計」に準拠しておりません。そのため、H14道路橋示方書IV下部構造編p.411解説にある、コンクリートの終局ひずみを0.0025とするという規定に準拠していません(H24道路橋示方書IV下部構造編ではp.437)。H14道路橋示方書IIIコンクリート橋編p.138の表-4.2.2に準拠しています(H24道路橋示方書IIIコンクリート橋編ではp.142-143)。道路橋示方書IIIコンクリート橋編の範囲内でよければ利用可能です。
PC鋼材の応力ひずみ曲線についても、H14道路橋示方書IV下部構造編p.413「図-解
12.10.5」に準拠していません(H24道路橋示方書IV下部構造編ではp.439)。H14道路橋示方書IIIコンクリート橋編p.138に準拠しています(H24道路橋示方書IIIコンクリート橋編ではp.142-143)。PHC杭に用いるPC鋼材の応力ひずみ曲線では、道示IIIのようにσpuに対して0.93や0.84の係数を乗じないようです。さらに、0.05という終局ひずみを考慮するようです(道示IIIでは考慮しない)。この違いを縮める方法がありません。
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Q1−71.
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【F3D&Section共通】応答曲げモーメントが初降伏曲げモーメントを超えないことを照査をしたい
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A1−71. |
応答曲げモーメントが初降伏モーメントを超えないことを照査する機能はありませんので、応答曲率が初降伏曲率を超えないことを照査する機能で代用することになります。この設定は、UC-win/FRAME(3D)の場合「部材の編集」画面で、下記設定を行うことになります。
・M−φ特性を指定する
・着目点を配置
・「荷重ケース」タブで、荷重ケースを右側に移動してφy0にチェックを入れる
UC-win/Sectionでは、断面力タブ内から検討部材をダブルクリックして呼び出す画面で設定します。
以下、UC-win/FRAME(3D)での解説になります。
UC-win/FRAME(3D)では、部材が「M−φ特性」を持っていれば、部材タイプが「弾性梁要素、M−φ要素、ファイバー要素」のいずれであっても、それらの応答曲率をM−φ特性の「ひび割れ曲率、降伏曲率、許容曲率」のいずれかで照査することができます。
PC部材の場合は注意点があります。PC部材のときに自動算出されたM−φ特性では、φy0が鉄筋降伏なのか、PC鋼材の降伏なのか、どちらで決定されたものかを把握しておく必要があります。通常は、鉄筋がPC鋼材の外側に配置されているので、鉄筋降伏によって決定されることが多いと思います。これを確認する方法は、2次元M-N相互作用図でプロットされている四角の点の色(←材料色)で判別することができます。下図は、PC鋼材の材料で決定したMy0は紫色、鉄筋で決定したMy0は茶色の四角点になっています。
ヘルプの
「操作方法|モデル作成|一時的な断面計算(2)〜M-N相互作用図〜」
にある下記記述もご覧ください。
『グラフ中の四角い点が各相互作用図を作成するために計算された点です。それぞれの計算点がどの材料で決定したかを色分け表示しています。緑色表示は断面に使用されている材料による点ではないことを示します。凡例の前にある赤い星印は終局モーメントMuがどの材料で決定したかを表しています。』
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Q1−72.
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【F3D&Section共通】UC-win/Section Ver.3.3.8で作成したファイルをUC-win/Section Ver.6.1.3で読むときの注意点は?
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A1−72. |
旧版のデータを新版で読み込むと、曲げ計算用準拠基準が平成24年道路橋示方書V耐震設計編のものに強制的に変換されますので、平成24年道路橋示方書V耐震設計編10章の鉄筋の許容ひずみを算出するための入力が新規に必要です。添付図に示すように、
・断面を右クリックして「編集」をクリックする
・ボタン「断面諸量と断面計算オプション」(左から2番目のアイコン)をクリックする
・「道示-X&NEXCO二集 H24(RC)」タブでデータを入力する
をお試しください。各入力パラメータについては「平成24年道路橋示方書V耐震設計編10章」を御参考ください。
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Q1−73.
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【F3D&Section共通】PC断面に対して、全断面有効の曲げ応力度計算ができるか?
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A1−73. |
曲げ応力度計算は通常のRC断面に対する処理ですので、常にコンクリートは引張応力を無視した計算です。
コンクリートの引張応力を考慮した全断面有効の曲げ応力度計算はできません。
プログラムの想定外となりますが、鋼板材料のヤング係数にコンクリートのヤング係数を入力し、鋼板材料を断面要素に適用すれば、全断面有効の曲げ応力度計算になります。
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Q1−74.
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【F3D&Section共通】限界状態設計法の途中の計算式は?
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A1−74. |
下図に示す「計算書書式」を指定すれば、詳細な計算書がレポート出力されます。
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Q1−75.
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鉄骨鉄筋コンクリート断面(SRC断面)の曲げ応力度算出値がUC1/RC断面計算と異なる理由?
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A1−75. |
(1)
UC1/RC断面計算は元々鉄筋コンクリート矩形断面を計算の対象として開発されましたが、UC-win/Sectionは最初から任意形状を対象として開発されました。この違いはあるものの、UC1/RC断面計算でも、たとえば、鋼板を断面の上下の縁に配置すれば、鉄筋量が増えた状態と同じなのでそれなりに計算が可能です。しかし、断面内部に鋼板を置いた場合は、鋼板面積に相当するコンクリート面積も考慮されますので、(計算結果に与える影響は小さい場合もある)、それを控除する設定がないなどの課題はあると思います。UC-win/Sectionでは、アウトラインでH型鋼を繰り抜くなどの作成方法が可能ですので、その場合は厳密と言えます。
(2)
UC1/RC断面計算のヘルプ[Q&A]-[入力]-[モデル化全般について」-「Q1-2SRCの断面計算は可能か?」及び「Q1-3鋼板による補強の方法は?」に関連する解説がありますのでご覧下さい。UC-win/Sectionと比べて精度が落ちる要因は、側方鉄筋を1本ずつ考慮していないことです。側方鉄筋が密に配置されており、事実上分布状態とみなせる場合は問題ないと考えます。ただし、前述(1)で説明したようなコンクリート面積の問題が重要と考えるなら、UC-win/Sectionを利用したほうがよいかもしれません。
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Q1−76.
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【F3D&Section共通】メイン画面「材料」タブで不要な材料を削除する方法は?
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A1−76. |
材料タブで消去したい材料を選択して、右クリックメニューから「従属要素の表示」を選択し、材料が他のデータに使用されているかどうかを確認します。あるいは、下図のように「従属要素の表示」ボタンを押します。
材料が他のデータに使用されている場合は削除できませんので、材料がどこにも使用されないようにデータを変更します。
その後、材料が削除可能になります。
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Q1−77.
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【F3D&Section共通】メールに添付されているUC-win/Sectionのファイル(*.rc2)を開くと、エラーメッセージ「not
well-formed (invalid token)」が出てファイルを開けないことがある
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A1−77. |
電子メールにrc2ファイルを圧縮せずに添付した場合によくみられます。rc2ファイルはテキストファイルですので、メーラー(メールソフト)あるいはメールサーバが改行位置を変更するなどの処理が施されることがあります。圧縮して添付すればこのような問題は生じませんので、お試しください。
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Q1−78.
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【F3D&Section共通】許容曲げ応力度の照査において、炭素繊維シートの許容値には許容割増(許容応力度の割増係数)が適用されていない理由?
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A1−78. |
炭素繊維シートの許容値は、土木研究所の「コンクリート部材の補修・補強に関する共同研究報告書(III)、H11.12」p.63に準拠したコンクリート床版やコンクリート桁などの補修・補強の場合を参考にしています。この文献のp.173の計算例には、炭素繊維シートの引張ひずみ1000μに相当する許容値が示されています。プログラムはそのひずみにヤング係数を乗じた許容応力度を算出しています。同計算例では、地震時に対する検討がないこと、1000μというひずみの値が応力度に変換したときの割増しの対象となるかどうかが不明なことから、割増係数を乗じない処理にしています(安全側、過大設計側となるように配慮)。
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Q1−79.
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【F3D&Section共通】既設橋梁の補強のために、繊維シートを中空断面の内側に貼り付ける方法は?
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A1−79. |
残念ながら、本プログラムは中空断面(=1つの図形)の内側に繊維シートを貼り付けることを想定しておりません(閉じた図形の内側にFRPを貼り付けることができません)。
面倒な作業になりますが、下図のように断面を作成するときに、複数の図形を組み合わせることで可能となります。UC-win/Sectionのデータも合わせて御覧ください。
・UC-win/Sectionデータダウンロード
※右クリックして「対象をファイルに保存」を選択してください。
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Q1−80.
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【F3D&Section共通】旧橋の補強設計を平成24年道路橋示方書で照査する場合、材料データベースに無い降伏点の低い鉄筋材料(たとえばSR235)を使用する方法は?
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A1−80. |
「UC-win/SectionVer.6」は平成24年道路橋示方書対応なので、従来の道路橋示方書に規定されていた材料は材料データベースに存在しません。データベースから削除したのみですので、新規に材料を作成すれば、自由に許容応力度を与えることができます。
新規作成する方法につきましてはヘルプの
「操作方法|断面作成|材料(1)〜リスト一覧〜」
「操作方法|断面作成|材料(2)〜材料エディタ〜」
をご覧下さい。
また、UC-win/Section Ver6.00.00以降は、従来の鉄筋材料に異形鉄筋と丸鋼の選択オプションがなく、異形鉄筋のみに対応しています。そのため、鉄筋を配置するときに直径を「任意」とし、丸鋼の鉄筋面積を直接入力することになります。
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Q1−81.
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【F3D&Section共通】H24道示V準拠で横拘束筋を考慮しない場合のM-φ特性を作成するには?
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A1−81. |
Ver.6.01.00以降から、平成24年道路橋示方書V耐震設計編に規定されている鉄筋の許容ひずみを無視し、コンクリートの限界圧縮ひずみだけを考慮して限界状態モーメントや限界状態曲率を算出できる機能を設けました。
これにより、横拘束筋を考慮しない場合のM-φ特性が作成できるようになります。
Ver.6.01.00以降の最新版にて、断面の曲げ計算用準拠基準に「道示-V H24(RC εst無)」を選択してください。
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