Q4−1. |
曲げ耐力の算出方法(レベル2地震時照査用) N一定/(M/N)一定 とは? |
A4−1. |
「曲げ耐力の算出方法=N一定/(M/N)一定」は、曲げ耐力Mu算出における収束条件の指定となります。
「道路橋示方書・同解説 V コンクリート橋編(H14.3)日本道路協会」(P.142)図-解4.2.4 M−N相関関係図を元に説明しますと、以下のようになります。
・N一定:Md,Nd点を通り水平軸(M軸)に平行な線がNM曲線と交差する位置でMuを算出します。
・(M/N)一定:原点OとMd,Nd点を結ぶ線がNM曲線と交差する位置でMuを算出します。
なお、「昭和61年制定 コンクリート標準示方書 設計編 土木学会」(P.44)では、「e=Md/N’dを一定として求めた設計曲げ耐力Mudが式(6.1.1)を満足することを確かめることによって行うものとする。」と記述されていますが、平成3年版以降より上記のM/N一定の記述は無くなり、NM曲線の内側(原点側)にあればよいとのみ記述されています。
N一定/(M/N)一定の指定につきましては、設計者の方の判断で決定して頂きますようお願い申しあげます。 |
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Q4−2. |
PC部材のせん断応力度照査について、道示Wやカルバート工指針(H21)に記載の補正係数を考慮した方法は可能か? |
A4−2. |
可能です。「考え方」→「応力度照査」画面で「せん断照査位置(PC部材)=部材内面から部材高/2の位置」を選択し、「道示W,土工指針(H21)の方法で照査」をチェック(レ点を付ける)することで道示Wやカルバート工指針(H21)に記載の方法で検討を行います。 |
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Q4−3. |
全検討ケースの照査結果を出力することは可能か |
A4−3. |
可能です。
「計算書作成」→「結果詳細」→「出力項目選択」画面→「照査結果表の後に、全検討ケースの結果を出力」に各照査毎のスイッチを設けています。
こちらのスイッチにチェックが付いている項目は、照査結果表の最後に全検討ケースの結果を出力します。 |
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Q4−4. |
ハンチを考慮した応力度照査は可能か? |
A4−4. |
可能です。
「考え方」→「応力度照査」画面→「ハンチの影響」にて「1:n」の勾配を入力してください。
1:nより緩やかな部分を有効として計算します。
なお「1:n」は、曲げ照査,せん断照査ごとに入力を設けています。 |
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Q4−5. |
RC部材のせん断応力度照査の出力において、全ケース中で最大のせん断力ではないケースが抽出されることがあります。
抽出方法について教えてください。 |
A4−5. |
本プログラムのせん断応力度照査では、各照査断面ごとに全検討ケースについてせん断応力度を計算し、(せん断応力度/許容せん断応力度)が最大となるケースを抽出しています。
[入力]−「考え方」−「応力度照査」の入力画面で「せん断照査位置(RC部材)=部材内面から部材高/2の位置」が
選択されている場合、製品ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「断面方向の計算」−「断面照査」−「RC部材の応力度照査」の『RC部材のせん断応力度照査』に記載していますように、有効高、引張主鉄筋比、軸方向圧縮力の影響を考慮して許容せん断応力度の割増を行っており、軸方向圧縮力および曲げモーメントが影響しますので、必ずしも最大せん断力時が『応力度/許容応力度』最大とはなりません。
なお、本プログラムでは全検討ケースについて応力度結果を出力することが可能です。
計算実行後、「計算書作成」→「結果詳細」から表示される「出力項目選択」画面にて『照査結果表の後に、全検討ケースの結果を出力』で応力度照査用にチェックして頂くことで、計算書の「応力度計算」に全検討ケースの結果が出力されますので、こちらをご参照頂くことで抽出結果を確認することが可能です。 |
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Q4−6. |
道路土工カルバート工指針(H21年度版)(P.140)に記載のハンチを設けない場合の断面は、余裕としてコンクリートの曲げ圧縮応力度が 許容応力度の3/4程度となる部材厚にするのが望ましい。を選択する箇所はあるか。 |
A4−6. |
「許容値」→「常時」、「レベル1地震時」画面→「コンクリート」の「許容曲げ圧縮応力度隅角部(ハンチ無)σca」がご質問に該当します。
「許容曲げ圧縮応力度隅角部(ハンチ有)σca」の3/4の値を初期値としており、また「許容曲げ圧縮応力度隅角部(ハンチ有)σca」の入力を変更した際にもその3/4値を自動セットします。 |
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Q4−7. |
RC部材の曲げ応力度照査で、鉄筋の許容応力度σsaがマイナスになっているのはなぜか |
A4−7. |
鉄筋の応力度σsは、σs>0.0のとき引張応力度,σs<0.0のとき圧縮応力度が生じていることを示しています。
圧縮軸力(Nが正)に対して曲げモーメントがかなり小さい(0に近い)場合に、σsが圧縮応力度となる傾向がございます。
鉄筋に引張応力度(σs>0.0)が生じる設計断面では、σsaとして「許容値」画面の「鉄筋の許容引張応力度」で設定されている値を出力し、圧縮応力度(σs<0.0)が生じる設計断面ではσsaとして「鉄筋の許容圧縮応力度」で設定されている値を応力度の符号にあわせて出力しております。
なお、鉄筋に圧縮応力度が生じても(σs<0.0となっていても)、許容応力度内であれば問題ありません。 |
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Q4−8. |
RC部材(側壁、底版)の曲げ応力度照査で必要鉄筋量が0.00(cm)となる場合があるのはなぜですか |
A4−8. |
必要鉄筋量が小数2位で表せないほど微小な値となっていることを示しています。
曲げモーメントに比して軸力が大きい場合にこのような状態となります。 |
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Q4−9. |
RC部材の曲げ応力度照査と最小鉄筋量照査では決定ケースが異なる場合があるのはなぜか? |
A4−9. |
曲げ応力度照査では、全検討ケースのなかで
・σc/σca
・σs/σsa
が最大となるケースを抽出しています。
曲げ応力度には曲げモーメントだけではなく軸力も影響しますので、最大曲げモーメント時が(応力度/許容応力度)最大とならない場合があります。
また、最小鉄筋量照査では、全検討ケースのなかで
・Mc/Mu
・1.7M/Mc
・0.008A1’/As’
が最大となるケースを抽出しています。
上記のとおり、曲げ応力度と最小鉄筋量では抽出方法が異なるため、曲げ照査と最小鉄筋量照査の検討ケースが異なる場合があります。 |
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Q4−10. |
死荷重時と設計荷重時とで許容値を別設定することは可能か |
A4−10. |
常時と地震時それぞれの許容値入力を用意しておりますが、これ以外の荷重状態の許容値入力は用意しておらず、死荷重時と設計荷重時とで別設定とすることはできません。 |
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Q4−11. |
「許容値」において「許容曲げ圧縮応力度隅角部(ハンチ無)」とは? |
A4−11. |
ハンチのない隅角部のコンクリート許容曲げ圧縮応力度σcaは、「道路土工カルバート工指針(平成22年3月)社団法人日本道路協会」(P.140)の内容に基づき、一般部の3/4を初期設定しています。 |
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Q4−12. |
側壁が必要鉄筋量不足でNGとなるため、使用鉄筋量を増やして再計算を行うと必要鉄筋量も増え、OKとならない |
A4−12. |
必要鉄筋量は、
(1)コンクリートの圧縮応力度σcが許容応力度σcaとなるときの鉄筋量
(2)鉄筋の応力度σsが許容応力度σsaとなるときの鉄筋量
を求め、(1)、(2)のうち大きい方としています。
ご質問のケースでは、(1)により必要鉄筋量が決定されているものと考えられます。
(2)により必要鉄筋量が決定される場合は、鉄筋量を増やすことによりσsが小さくなりますが、
(1)により必要鉄筋量が決定される場合は、鉄筋量を増やしてもσcの減少が僅かなため、
ご質問のように必要鉄筋量が増えていきます。この場合、部材厚を大きくする方が有効と思われます。 |
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Q4−13. |
許容応力度の割り増しを行いたいが割増係数の入力はあるか |
A4−13. |
割増係数の入力は設けておりません。
「許容値」画面で割り増した値を入力していただくようお願いいたします。 |
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Q4−14. |
計算確認画面の青色表示は何を表しているのか |
A4−14. |
せん断応力度がコンクリートのみでせん断力を負担する場合の許容せん断応力度(τa)を超えても、斜引張鉄筋と協同してせん断力を負担する場合の許容せん断応力度(τa2)以内にある場合に青色表示としています。
なお、RC部材の側壁はせん断応力度がτaを超えた場合に必要スターラップ量を算出し、これを満たすせん断補強鉄筋が入力されてなければ赤色表示となります。 |
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Q4−15. |
レベル2地震時のRC部材の曲げ耐力Mudの値が「RC断面計算」で計算したMudと一致しない |
A4−15. |
「考え方」−「応力度照査」画面の『曲げ耐力の算出方法(レベル2地震時照査用)』をご確認ください。
『曲げ耐力の算出方法(レベル2地震時照査用)=N一定』を選択されていないでしょうか。
「RC断面計算」では限界状態設計法による通常の結果確認画面や計算書では、「M/N一定」で算出したMudのみ表示され、「N一定」で算出したMudを確認することができません。
ただし、RC断面計算プログラムで「限界状態設計法」→「基本定数」タブ画面にて「曲げ耐力Mu(N一定で計算)の参考出力=する」として計算実行後、「ファイル」メニュー→「印刷プレビュー」→「テキスト印刷プレビュー」で表示される計算書の「#.終局限界状態の検討」→「●作用軸力と軸方向耐力を一致させた場合の、曲げ耐力の参考出力」でN一定時のMudが確認できますので、こちらの値と比較することで一致することが確認できます。 |
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Q4−16. |
許容軸圧縮応力度の値はどのように設定しているのか |
A4−16. |
「道路橋示方書・同解説 W下部構造編(H14.3)日本道路協会」P.147の表-4.2.1
「道路橋示方書・同解説 W下部構造編(H24.3)日本道路協会」P.157の表-4.2.1
を元に初期値を設定しておりますが、この表では設計基準強度σckが30(N/mm2)までしか記述されて
おりませんため、σck>30(N/mm2)の場合につきましては上記表を元に線形補間で求めた値を設定しております。 |
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Q4−17. |
PC部材のせん断応力度の照査方法で、旧カルバート工指針のk値を用いる方法での照査は可能か |
A4−17. |
照査位置が部材高/2の位置で、道示W、土工指針(H21)の方法で検討されているものと思われます。
「考え方」→「応力度照査」画面→「せん断照査位置(PC部材)」に「道示W、土工指針(H21)の方法で照査」のスイッチを用意しています。
こちらのチェックをはずすことで、k値を用いた許容値割り増しを行います。 |
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Q4−18. |
周面せん断力の上限値τmaxが計算されないのはなぜか。 |
A4−18. |
「形状」→「地盤」画面の「地盤のせん断強度を算出する」にチェックが付いているかご確認ください。 「地盤のせん断強度を算出する」のチェックがついている場合に周面せん断力の上限値τmaxを計算します。 |
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Q4−19. |
「考え方」の「応力度照査」において「単鉄筋」、「複鉄筋」の選択肢があるが「単鉄筋」の指定するとどうなるか。 |
A4−19. |
この選択肢は曲げ応力度照査、曲げ耐力照査、破壊安全度照査における主鉄筋の取扱いを指定するものです。これらの計算は何れも「単鉄筋」と指定すると複鉄筋で配筋していても「単鉄筋」で計算します。但し応力度結果の印刷では複鉄筋の配筋状態で印刷されます。そして表の下にコメントとして「上表は、単鉄筋による曲げ応力度結果を示す」と印字されます。 |
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Q4−20. |
PC部材のせん断応力度照査で、隅角部のα:許容せん断応力度の割増係数は2で固定なのでしょうか? |
A4−20. |
「考え方」−「応力度照査」画面にてα=kと設定することも可能です。kは次式にて求めます。 k = 1 + Mo/Md ≦ 2 |
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Q4−21. |
地震時の周面せん断力の算出位置はどのように決めていますか? |
A4−21. |
周面せん断力の算出位置(頂底版軸線位置/頂版上面・底版下面)の指定に応じて、頂版位置,底版位置での周面せん断力を求めます。
■頂底版軸線位置の場合
頂版天端と頂版軸線位置、底面と底版軸線位置とで地質が異なる場合で選択されている層データのγt、Vsiを用いて計算します。
・周面の地層が選択されている場合
頂版上面、底版下面位置の層データを用います。
・軸線位置の地層が選択されている場合
頂版軸線位置、底版軸線位置の層データを用います。
zには地表面から頂底版の軸線位置までの深さを用います。
■頂版上面・底版下面の場合
頂版:頂版上面位置の層データのγt、Vsiを用いて計算します。zには地表面から頂版上面までの深さを用います。
底版:底版下面位置の層データのγt、Vsiを用います。zには地表面から底版下面までの深さを用います。
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Q4−22. |
「考え方」−「応力度照査」−「PC部材のMuの低減係数」とは何か。 |
A4−22. |
道路橋示方書・同解説Vコンクリート橋編(P.139)に、「プレストレストコンクリート構造において、PC鋼材とコンクリートとの付着がない場合の破壊抵抗曲げモーメントは、(2)又は(3)の規定により算出する値の70%とする。」との記述があり、これに対応するため入力を用意しております。PC部材のMuに対する低減係数を入力してください。
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