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Q&Aアーチカルバートの設計計算 Q&A ('24.12.17)

NEW! 更新内容

Q3−15.構造物特性係数Csとは何か。('24.12.17)


目  次
 1.適用範囲、制限条件

Q1−1.プログラムで参照している基準や文献を教えてください。

Q1−2.温度荷重は考慮可能でしょうか

Q1−3.任意形状(外径はBOX形状、内部断面はアーチ)の入力は可能ですか

Q1−4.カルバート工指針P.164,165にある標準形は対応可能か?

Q1−5. 脚部の部材厚を上(アーチ側)と下(底版側)で変えたいのですが、対応は可能ですか。
入力で出来ないのなら、フレーム内での断面(AとI)を変えることは可能ですか。


Q1−6.左右の土被りが異なる計算は可能ですか

Q1−7.地震時の検討は可能か?

Q1−8.コンクリートや鉄筋の材料強度などは任意に設定可能でしょうか

Q1−9.水の単位体積重量γw = 9.8(kN/m3) の出典先は?

Q1−10.丸鋼(SR235)に対応しているか

Q1−11.円弧部と脚部をPC鋼棒で連結する二分割形に対応していますか

Q1−12.盛土厚は最大何メートルまで検討可能か?

Q1−13.隅角部に剛域を考慮した計算は可能ですか

Q1−14.多層の地盤条件での検討は可能か?

Q1−15.静止土圧係数が0.5で設定されていますが、任意に変更することは可能ですか

Q1−16.馬蹄形のカルバートに対応しているか?

Q1−17.左右の水平土圧係数を異なる値で計算したいが可能か

Q1−18.施工時の検討を行いたいが、1データで常時と施工時の許容応力度を変えて計算が可能か

Q1−19.底版に張出を設けた形状は可能か?

Q1−20.初期入力画面の基礎形式(地盤反力度、バネ基礎)のスイッチは、どのような使い分けを想定して設けられているのか

Q1−21.ウイングの設置および設計は可能か?

Q1−22.アーチ部を半円以外の形状に対応可能か

Q1−23.縦方向の計算でのバネ値を算出する際に用いるN値はどの値を参照しているのか

Q1−24.底版のない門形アーチカルバート構造の検討は可能か。

Q1−25.地表面から突出しているようなモデルは計算可能か。

Q1−26.断面方向の耐震設計対応(応答変位法)となってますが、地震時の地盤反力度も算出できるのでしょうか。

Q1−27.インバート時の底版端部部材高の「仮想ハンチとして考慮」と「全断面有効」とは?

Q1−28.埋戻し土の考慮は可能ですか?

Q1−29.底部半径Rからインバート部高さhへの変換式を教えてほしい。

 2.配筋

Q2−1.配筋の入力において、外側、内側に各々2種類ずつ鉄筋径とピッチが入力できるが、これは何を意味するのか。

Q2−2.構造体が無筋もしくは単鉄筋、複鉄筋いずれかの場合、全て対応できるか?  

Q2−3.配筋の各部位のかぶりは入力が1つしかないが、2段配筋することは可能か

Q2−4.せん断補強鉄筋はどのように入力すればよいか?

Q2−5.鉄筋の本数入力に対応しているか
 3.荷重

Q3−1.カルバート内空に荷重を載荷するにはどうしたらよいですか

Q3−2.死荷重のみ(活荷重無し)の条件で計算可能ですか  

Q3−3.地下水位以下の土の単位重量はどのように算出していますか。
また、水中重量を任意に設定することはできますか。


Q3−4.雪荷重を死荷重の路面荷重で設定すると全死荷重ケースに考慮される。
雪荷重を考慮するケースと考慮しないケースを同時に計算することは可能か。


Q3−5.アーチ天端を境に、2層盛土となる場合の土砂の設定はどうすればよいか?

Q3−6.任意死荷重においてアーチ部にどのように載荷するか

Q3−7.「入力」→「荷重」→「定型活荷重」において土被りGHの意味は?

Q3−8.設計応答速度の自動セットは可能ですか?

Q3−9.外水位がカルバート全高より高いケースは計算できるか。

Q3−10.任意死荷重で設定した荷重は、地震時(Lv1、Lv2)にも考慮されるか。

Q3−11.群衆荷重の設定方法を教えてほしい。

Q3−12.路面過載荷重とは何か。

Q3−13.「荷重」−「定型活荷重」にて「定型1」を「T荷重(2軸)」、「T荷重(単軸)」とした際に後輪活荷重が自動で設定されるが、この算出根拠を教えてほしい。

Q3−14.「荷重」→「地震荷重」画面 −「重要度別補正係数SI」の出典は?

Q3−15.構造物特性係数Csとは何か。
 4.断面照査

Q4−1.全検討ケースの照査結果を出力することは可能か


Q4−2.ハンチを考慮した応力度照査は可能か?

Q4−3.せん断応力度照査の出力において、全ケース中で最大のせん断力ではないケースが抽出されることがある。抽出方法について教えてほしい

Q4−4.曲げ応力度照査で必要鉄筋量が0.00(cm)となる場合があるのはなぜか

Q4−5.曲げ応力度照査と最小鉄筋量照査では決定ケースが異なる場合があるのはなぜか?

Q4−6.旧カルバート工指針(H11.3)に準拠したせん断応力度照査は可能か

Q4−7.「許容値」において「許容曲げ圧縮応力度隅角部(ハンチ無)」とは?

Q4−8.曲げ応力度照査で、鉄筋の許容応力度σsaがマイナスになっているのはなぜか?

Q4−9.許容応力度の割り増しを行いたいが割増係数の入力はあるか

Q4−10.計算確認画面の青色表示は何を表しているのか

Q4−11.許容軸圧縮応力度の値はどのように設定しているのか

Q4−12.付着応力度とは何か。

Q4−13.「考え方」−「応力度照査」の「曲げ耐力の算出方法」にある、「N一定」と「(M/N)一定」とは何か。

Q4−14.付着応力度の照査においてせん断力を1/2するか否かのスイッチがあるが、これはどういったものか。

Q4−15.レベル2地震時のRC部材の曲げ耐力Mudの値が「RC断面計算」で計算したMudと一致しない。
 5.その他

Q5−1.FRAME解析結果のデータをFRAME製品で利用することは出来ないのか?

Q5−2.メイン画面の正面図において、カルバートの全幅や全体の寸法線は表示されるが内空寸法や部材厚の寸法線は表示できないか?

Q5−3.「形状」−「土被り」画面−「鉛直土圧係数の算定条件」の「通常の地盤」「良好な地盤」とは?

Q5−4.断面力計算のFRAMEモデルにおいて、ハンチがある場合でもハンチを無視してモデル化していますが、何か考慮するスイッチがありますか

Q5−5.ヤング係数を変更しても、断面力がヤング係数変更前と変わらない

Q5−6.底版の鉛直方向分布バネの自動算出について、断面方向と縦方向とで値が異なるのはなぜか

Q5−7.メインメニュー「オプション」→「動作環境設定」画面の「バックアップファイルを作成する」とは?

Q5−8.「地盤」画面に基盤面直上の層番号の設定があるが基盤面とは何か。

Q5−9.計算書の断面力値は小数点以下1桁までの表示となっていますが、小数点以下3桁に変更することはできないでしょうか?

Q5−10.「考え方」−「基本・荷重」画面の「アーチ部分割数」とは何ですか?



 1.適用範囲、制限条件

Q1−1.

プログラムで参照している基準や文献を教えてください。
A1−1. 本プログラムは、以下の基準、文献を参考にしております。
 ・道路土工カルバート工指針(平成21年度版)(平成22年3月)(社)日本道路協会
 ・道路橋示方書・同解説W下部構造編(平成14年3月)(社)日本道路協会
 

Q1−2.

温度荷重は考慮可能でしょうか
A1−1. 申し訳ございませんが、現プログラムでは温度荷重の考慮には対応しておりません。
 

Q1−3.

任意形状(外径はBOX形状、内部断面はアーチ)の入力は可能ですか。
A1−3. 任意形状の入力や、ご質問の外形はBOX形状、内部断面はアーチ(直載形)には対応しておりません。ご了承ください。
 

Q1−4.

カルバート工指針P.164,165にある標準形は対応可能か?
A1−4. 可能です。
但し呼び名に応じた形状寸法自動セット等には対応しておりませんので、各寸法を直接入力していただく必要があります。
 

Q1−5.

脚部の部材厚を上(アーチ側)と下(底版側)で変えたいのですが、対応は可能ですか。
入力で出来ないのなら、フレーム内での断面(AとI)を変えることは可能ですか。
A1−5. 現プログラムでは、アーチ、左脚部、右脚部は部材厚が全長にわたって等厚であるものを対象としており、部材厚が変化する形状には対応しておりません。
ヘルプ「概要」→「プログラムの機能概要」→「適用範囲」に関連内容を記載しておりますので併せてご参照ください。
また、ご質問のフレームデータの直接編集等につきましても対応しておりません。
 

Q1−6.

左右の土被りが異なる計算は可能ですか
A1−6. 本プログラムでは、アーチ天端は地表面以深に存在し、地表面は水平として対応しています。
そのため、左右の土被り厚が異なる場合について、直接的には対応しておりません。
ただし、左右土被りの差分を任意死荷重として別途入力することでお考えと等価な状態で検討することは可能と考えます。
また、本プログラムでは左右それぞれの水平土圧係数の入力を用意しています。
水平土圧係数を0入力することで自動的に算出される水平土圧を無視し、予め算出しておいた水平土圧を任意死荷重で入力して検討することも可能です。
 

Q1−7.

地震時の検討は可能か?
A1−7. Ver.2.0.0より応答変異法による地震時の検討(レベル1地震時、レベル2地震時)に対応しました。
・下水道施設の耐震対策指針と解説 2014年版 (社)日本下水道協会
・下水道施設耐震計算例−管路施設編 前編−2015年版 (社)日本下水道協会
より、アーチ部は円形の「差し込み継ぎ手管きょの耐震設計」、脚部、底版は矩形の「矩形きょの耐震設計」を参考にしています。
 

Q1−8.

コンクリートや鉄筋の材料強度などは任意に設定可能でしょうか
A1−8. 以下の項目について設定することが可能です。
■コンクリート
 ・設計基準強度 (16.00〜50.00)
 ・ヤング係数 (0.01〜9.99)×10^4
 ・許容応力度
■鉄筋
 ・鉄筋材質(SD295/SD345)
 ・許容応力度
なお、鉄筋の降伏点強度については、選択された鉄筋材質から内部で設定(SD295→295、SD345→345)
としており、任意に設定することはできません。
 

Q1−9.

水の単位体積重量γw = 9.8(kN/m3) の出典先は?
A1−9. 「道路土工 カルバート工指針(平成21年度版) H22.3 (社)日本道路協会」には水の単位重量について特に記載されておりませんが、「道路土工 擁壁工指針(平成24年度版) H24.7 (社)日本道路協会」の「4-2-5 水圧及び浮力 (1)水圧」(P.56)に、水の単位体積重量 = 9.8(kN/m3)の記述があり、これを元に初期値としております。
また、「土木構造物設計マニュアル(案)に係わる設計・施工の手引き(案) H11.11 (社)全日本建設技術協会」の「2.2.4 安定計算」(P.84)でも9.8(kN/m3)の記述があります。
「入力」モード→「材料」画面−「単位重量」に入力を設けておりますので、必要に応じて変更することも可能です。
 

Q1−10.

丸鋼(SR235)に対応しているか
A1−10. 丸鋼(SR235)には対応しておりません。
現プログラムで丸鋼での計算を行いたい場合は、
・「許容値」で、鉄筋の許容応力度を変更
・「配筋」で、ピッチまたは本数を調整して鉄筋量を近似
の入力でご対応くださいますようお願いいたします。
 

Q1−11.

円弧部と脚部をPC鋼棒で連結する二分割形に対応していますか
A1−11. 申し訳ございませんが、二分割形には対応しておりません。
 

Q1−12.

盛土厚は最大何メートルまで検討可能か?
A1−12. 盛土厚の入力範囲は0.000〜50.000(m)としており、最大50mまで検討可能です。
 

Q1−13.

隅角部に剛域を考慮した計算は可能ですか
A1−13. 剛域を考慮した計算には対応しておりません。ご了承ください。
 

Q1−14.

多層の地盤条件での検討は可能か?
A1−14. 最大30層まで可能です。
 

Q1−15.

静止土圧係数が0.5で設定されていますが、任意に変更することは可能ですか
A1−15. 「考え方」−「基本・荷重」画面に水平土圧係数の入力を設けています。こちらで変更することが可能です。
 

Q1−16.

馬蹄形のカルバートに対応しているか?
A1−16. 馬蹄形には対応しておりません。
アーチ部が真円の半円で、アーチ、左脚部、右脚部は部材厚が全長にわたって等厚のものが本製品の対象形状となります。
 

Q1−17.

左右の水平土圧係数を異なる値で計算したいが可能か
A1−17. 「考え方」−「基本・荷重」画面に「水平土圧係数」(左側、右側)の設定を設けており、左右で異なる値で設定することが可能です。
 

Q1−18.

施工時の検討を行いたいが、1データで常時と施工時の許容応力度を変えて計算が可能か
A1−18. 常時と施工時を同時に計算することができません。
お手数ですが、常時と施工時にデータファイルを分け、それぞれに許容値を設定してご検討していただきますようお願いいたします。
 

Q1−19.

底版に張出を設けた形状は可能か?
A1−19. 底版への張出の設置には対応しておりません。ご了承ください。
 

Q1−20.

初期入力画面の基礎形式(地盤反力度、バネ基礎)のスイッチは、どのような使い分けを想定して設けられているのか
A1−20. 「道路土工カルバート工指針 平成21年度版(H22.3) (社)日本道路協会」P.108〜の「1)カルバート底面の地盤反力」や「設計要領第二集カルバート編(H.26.7)NEXCO」P.8の「(4)について」を参考にスイッチを用意しています。

地盤反力の分布は直線(カルバートボックスを剛体)と仮定して算出する方法が基礎形式=地盤反力度となり、カルバート工指針P.108〜の@、B、設計要領P.8のT)@がこれに該当します。
一方、カルバートの部材や基礎地盤の弾性変位を考慮する方法が基礎形式=バネ基礎となり、カルバート工指針P.110のA、計要領P.8のT)Aがこれに該当します。

使い分けにつきまして、カルバート工指針では詳しく記述されておりませんが、設計要領P.8では内空幅12m程度下の通常のボックスでは@(地盤反力度),A(バネ基礎)の結果にほぼ差がなく簡便的な@の方法でよいが、本線カルバートのように内空幅が広いものではAの方法が望ましいと記述されています。
 

Q1−21.

ウイングの設置および設計は可能か?
A1−21. 申し訳ございませんが、ウイングの設置および設計には対応しておりません。
 

Q1−22.

アーチ部を半円以外の形状に対応可能か
A1−22. アーチ部は、真円の半円であることを想定しており、これ以外のアーチ形状を設定することはできません。ご了承ください。
 

Q1−23.

縦方向の計算でのバネ値を算出する際に用いるN値はどの値を参照しているのか
A1−23. 「初期入力」画面に『地盤の変形係数α・Eo(バネ値算出用)』の入力を設けています。
ここで入力された地盤の変形係数α・Eoを用いて縦方向の計算に用いる鉛直分布バネ値を算出しています。
N値からα・Eo値を推定される場合、α・Eo=2800・Nを入力してください。
バネ値は「基礎」−「分布バネ(縦方向)」画面上の[計算]ボタンにより計算します。同画面上の[ヘルプ]ボタンから開く説明画面に計算方法を記載しておりますのでご参照ください。
 

Q1−24.

底版のない門形アーチカルバート構造の検討は可能か。
A1−24. 「アーチカルバートの設計計算」では底版の存在を必須としていることから底版厚の入力最小値を0.050(m)としており、おそれながら底版の無いモデルの検討を行うことができません。ご了承ください。
 

Q1−25.

地表面から突出しているようなモデルは計算可能か。
A1−25. 本プログラムでは地表面は左右同じ高さで頂版天端以上としており、地表面から突出した状態での入力および計算を行うことはできません。どうぞご了承ください。
ただし、常時につきましては、以下の方法で等価な荷重状態を作成することは可能かと存じます。
・「形状」−「土被り」画面で、盛土厚=0.0とします。
・「荷重」−「任意死荷重」で、地表面が頂版天端にあるときと地表面が頂版天端より下にあるときとの土圧の差分を土圧の作用方向と逆向きに設定します。

なお、地震時については応答変位法にて行っており、地中に構造物が存在していることを前提としておりますので突出した状態には対応しておらず、また代用入力方法等についても適切な情報を持ち合わせておりません。どうぞご了承ください。
 

Q1−26.

断面方向の耐震設計対応(応答変位法)となってますが、地震時の地盤反力度も算出できるのでしょうか。
A1−26. 本プログラムの地震時検討は、「下水道施設耐震計算例−管路施設編 前編−2015年版 (社)日本下水道協会」の計算例を参照しています。
計算例にアーチカルバートはありませんが、矩形と円形の計算例を参考としております。

こちらの矩形の計算例では、地盤バネを底版の分布バネとして設定されており、地震時の地盤反力について特に算出されておらず、地震時の安定計算についても特に記述されておりません。
このことから、現プログラムでは、地震時の地盤反力度の算出及び地震時ケースの安定計算は行っておりません。
 

Q1−27.

インバート時の底版端部部材高の「仮想ハンチとして考慮」と「全断面有効」とは?
A1−27. インバートによる底版の部材高の増分についての考え方です。
仮想ハンチとして考慮の場合、インバートによる増分を45°の仮想ハンチと考え、ハンチの影響を考慮した部材高とします。
全断面有効の場合、照査位置での高さを部材高とします。ハンチ端は仮想ハンチのハンチ端位置での高さを用います。
 

Q1−28.

埋戻し土の考慮は可能ですか?
A1−28. 可能です。
なお、埋戻し土は多層地盤かつ地震検討時のみ設定可能となります。
 

Q1−29.

底部半径Rからインバート部高さhへの変換式を教えてほしい。
A1−29. インバート部高さhは以下の式で算出します。
1.Wからハンチ部までの角度θを求める。
 θ = sin^-1(W ÷ R)
2.θからインバート部高さhを求める。
 インバート部高さh = W × tan(θ ÷ 2)
 ここに、
 R:インバートの底部半径
 W:インバートの底部中心から端部までの距離(内空幅÷2)

 2..配筋

Q2−1.

配筋の入力において、外側、内側に各々2種類ずつ鉄筋径とピッチが入力できるが、これは何を意味するのか。
A2−1. 1段に異なる鉄筋径を交互に配筋する場合に用いる入力です。同一鉄筋径を使う場合は1種類だけ入力してください。
 

Q2−2.

構造体が無筋もしくは単鉄筋、複鉄筋いずれかの場合、全て対応できるか?
A2−2. 無筋コンクリートおよび一般的に部材中央付近に1段のみ配置する単鉄筋構造につきましては、現プログラムでは対応しておりません。
部材の引張側と圧縮側に配置する複鉄筋構造については対応しており、圧縮側と引張側の両鉄筋を考慮する複鉄筋としての計算、および、圧縮側の鉄筋は無視して引張側の鉄筋のみ考慮する単鉄筋としての計算を行うことは可能です。
 

Q2−3.

配筋の各部位のかぶりは入力が1つしかないが、2段配筋することは可能か
A2−3. 2段配筋の入力には対応しておりません。
本プログラムで計算する場合は、1段目と2段目の鉄筋の重心位置を算出していただき、1段として近似していただく方法しかございません。
鉄筋の重心位置
 重心位置=(As1×d1+As2×d2)/(As1+As2)
  As1:1段目の鉄筋量(cm2)
  d1 :1段目のかぶり(cm)
  As2:2段目の鉄筋量(cm2)
  d2 :2段目のかぶり(cm)
この場合、鉄筋の応力度は、入力されたかぶり位置(2段配筋の重心位置)での値になり、最遠鉄筋位置での値ではありませんのでご注意ください。
 

Q2−4.

せん断補強鉄筋はどのように入力すればよいか?
A2−4. 「鉄筋量Aw(cm2/m)」には奥行1m当りに見込めるせん断補強鉄筋量を入力してください。

  Aw(cm2/m)=せん断補強鉄筋1本当りの断面積(cm2)×奥行1m当りにせん断効果が見込める本数

「間隔(cm)」にはせん断補強鉄筋の部材軸方向の間隔を入力してください。

せん断補強鉄筋の画面ヘルプにも記載しておりますので併せてご参照ください。
 

Q2−5.

鉄筋の本数入力に対応しているか
A2−5. 断面方向の計算に用いる主鉄筋の入力はピッチ入力にのみ対応しており、本数入力には対応しておりません。
なお、縦方向計算に用いる縦方向鉄筋は本数による入力を仕様としています。


 3.荷重

Q3−1.

カルバート内空に荷重を載荷するにはどうしたらよいですか
A3−1. 本プログラムでは、内空に荷重を載荷するケース等を想定して、「任意死荷重」の入力を用意しています。
「荷重」−「任意死荷重」画面で設定してください。
入力方法につきましては、入力画面上の[ヘルプ]ボタンから開く説明画面をご参照ください。
 

Q3−2.

死荷重のみ(活荷重無し)の条件で計算可能ですか
A3−2. 「初期入力」画面で「定型活荷重=考慮しない」と設定してください。
これにより定型活荷重(定型1、定型2)を無視します。
また、任意活荷重を入力している場合は、任意活荷重を削除してください。
以上により、死荷重のみの計算を行うことが可能です。
 

Q3−3.

地下水位以下の土の単位重量はどのように算出していますか。
また、水中重量を任意に設定することはできますか。
A3−3. 地下水位以下の土の単位重量γ’は
 γ’=γsat−γw
  γsat:盛土(飽和)の単位重量
  γw :水の単位重量
により算出しております。
水中重量は上記のように算出しており、任意に設定することはできません。

お考えの水中重量をγ’’とした場合、盛土(飽和)重量γsatを
 γsat=γ’’+γw
で算出していただき、この値をγsatに設定することでご対処していただきますようお願いいたします。
 

Q3−4.

雪荷重を死荷重の路面荷重で設定すると全死荷重ケースに考慮される。
雪荷重を考慮するケースと考慮しないケースを同時に計算することは可能か。
A3−4. 「死荷重」画面の路面荷重で設定された荷重は、死荷重扱いとして常に載荷されることとなり、考慮、無視の2ケースの計算を同時に行うことはできません。
以下の手順で雪荷重による影響を任意死荷重として設定することで考慮、無視を同時に検討することが可能です。
 1.「荷重」−「死荷重」画面で同じ水位を2ケース設定し、雪荷重は0.0とします。
 2.「荷重」−「任意死荷重」画面で雪荷重による
   ・頂版に作用する鉛直方向荷重
   ・側壁に作用する水平方向荷重
  を入力し、「同時に載荷する死荷重ケース」で「ケース2」をチェックします。
以上により、死荷重ケース1は雪荷重なし、死荷重ケース1は雪荷重ありの荷重状態となります。
 

Q3−5.

アーチ天端を境に、2層盛土となる場合の土砂の設定はどうすればよいか?
A3−5. 本プログラムでは、盛土単位重量を2種類指定することはできません。

下記の方法でご対処して頂きますようお願いいたします。
上層をγt1、下層をγt2とします。
(1) 盛土単位重量に上層の値γt1(kN/m^3)を設定します。
(2)
(1)によりアーチ天端以深の水平土圧強度に差が生じますので、その差分を「任意死荷重」で設定します。
  ・アーチ天端の差分強度p1=0.0
  ・底版下面の差分強度p2=(γt2−γt1)×h×Ko
   h :カルバート全高(m)
   Ko:水平土圧係数

「任意死荷重」で次のように入力してください。
 ・データ1:部位=左側面、方向=水平、Lo=0.0、Lq=h、W1=p1、W2=p2
 ・データ2:部位=右側面、方向=水平、Lo=0.0、Lq=h、W1=−-p1、W2=−p2
 

Q3−6.

任意死荷重においてアーチ部にどのように載荷するか
A3−6. アーチ部上面へ鉛直方向に載荷する荷重は斜影長に載荷します(FRAME製品荷重コード=16)。
斜め部材の水平方向部材長に対して載荷します。
アーチ部側面へ水平方向に載荷する荷重も斜影長に載荷します(FRAME製品荷重コード=15)。
斜め部材の鉛直方向部材長に対して載荷します。
 

Q3−7.

「入力」→「荷重」→「定型活荷重」において土被りGHの意味は?
A3−7. 活荷重の扱いで土被りが一定以上になった場合、輪荷重を分散した値ではなく等分布荷重を載荷する考え方が各指針でうたわれていますが(土工指針:4.0m以上、設計要領 第二集:4.0m以上)、本プログラムでは各指針の値にとらわれず、設計者が指定したGHを参照して、「土被り厚(入力した舗装厚+盛り土厚)≧GH」ならば必ず等分布荷重として考慮する仕様になっています。
したがって例えば土被りが2mでも等分布荷重として考慮したい場合は「GH=2m」と入力すればよく、逆に土被りに関係なく輪荷重として考慮したい場合は「GH>実際の(舗装厚+盛土厚)」としてGHを入力してください。
 

Q3−8.

設計応答速度の自動セットは可能ですか?
A3−8. 可能です。
「荷重」‐「地震荷重」画面より、レベル1地震時、レベル2地震時それぞれの設計応答速度を設定いただけます。
こちらの入力で「下水道施設の耐震対策指針」を指定し「計算」ボタンを押下することで、指定基準に準じた値を自動セットすることが可能です。
 

Q3−9.

外水位がカルバート全高より高いケースは計算できるか。
A3−9. 外水位が路面以下であれば、計算可能です。
また、外水位が路面より上にある場合には「外水位=路面」とし、
・入力された盛土厚、外水位
・実際の盛土厚、外水位
の荷重の差分を「任意死荷重」で設定することで計算可能です。
 

Q3−10.

任意死荷重で設定した荷重は、地震時(Lv1、Lv2)にも考慮されるか。
A3−10. 任意死荷重、任意地震荷重Lv1、任意地震荷重Lv2で設定された荷重は以下のように考慮しています。
・任意死荷重
  死荷重に追加して考慮
・任意地震荷重Lv1
  レベル1地震時の荷重に追加して考慮
・任意地震荷重Lv2
  レベル2地震時の荷重に追加して考慮

地震時のケースは、死荷重+地震荷重として取り扱いますので、任意死荷重も地震時ケースの死荷重に含まれることとなり、結果的に地震時ケースに考慮されます。
そのため、任意死荷重と任意地震荷重に同じデータを入力された場合は重複して考慮することとなります。
 

Q3−11.

群衆荷重の設定方法を教えてほしい。
A3−11. 2種類の設定方法があります。
<群集荷重を死荷重として扱う場合>
(1)「初期入力」で、『定型活荷重=考慮しない』を設定します。
(2)「荷重」−「死荷重」で、『路面荷重qd』にお考えの群集荷重強度を入力します。

<群集荷重を活荷重として扱う場合>
(1)「荷重」−「定型活荷重」で、『GH(m)=0.00』と設定します。
(2)同画面の『Qw(kN/m2)』にお考えの群集荷重強度を入力します。
 

Q3−12.

路面過載荷重とは何か。
A3−12. 「荷重」−「路面過載荷重」は縦方向の計算に用いており、「路面過載荷重」画面の『q(kN/m2)』にカルバート断面方向全幅(m)を乗じ、更に地表面からカルバート頂部までの荷重の分散を考慮して最終的な荷重強度(kN/m)を算出し、縦方向のフレームモデルに載荷しております。
現プログラムの『q(kN/m2)』の初期値は、分布荷重強度の10.00(kN/m2)を設定しております。

 

Q3−13.

「荷重」−「定型活荷重」にて「定型1」を「T荷重(2軸)」、「T荷重(単軸)」とした際に後輪活荷重が自動で設定されるが、この算出根拠を教えてほしい。
A3−13. 後輪活荷重の算出につきましては、「道路橋示方書・同解説T共通編(平成8年12月)社団法人日本道路協会」図-解2.1.2(P.18)を参考としています。
こちらの図では前輪を0.1W、後輪を0.4Wとして計算しており、後輪活荷重の自動計算はこの式に基づいて行っています。

 

Q3−14.

「荷重」→「地震荷重」画面 −「重要度別補正係数SI」の出典は?
A3−14. ・「下水道施設の耐震対策指針と解説−2014年版−(社)日本下水道協会」(P.253)
にSI=1.1の記述があり、本プログラムでも1.1を初期値としています。

 

Q3−15.

「構造物特性係数Csとは何か。
A3−15. 構造物特性係数Csは、本プログラムではレベル2地震時の設計水平震度算出に使用します。
Csに関して「下水道施設耐震計算例−処理場・ポンプ場編−2015年版 (社)日本下水道協会」の「第1章 構造設計法」→「8 限界状態設計法」→「(2)じん性の考慮(構造物特性係数Cs)」では、「U類について応答変位法における外力設定がじん性を考慮したものではないことから、構造物特性係数Csは考慮しない」と記述されており(P.12)、同書計算例「4.U類(地中埋設線状構造物)」の中でも1.00として扱われており(P.4-22, 4-34)、これらを参考に本プログラムでは初期値を1.00としています。
最終的には設計者のお考えの値を入力してご検討くださいますようお願いいたします。


 4.断面照査

Q4−1.

全検討ケースの照査結果を出力することは可能か
A4−1. 可能です。
「計算書作成」→「結果詳細」→「出力項目選択」画面にて「断面方向:全検討ケースの応力度=出力する」に設定しますと、照査結果表の最後に全検討ケースの結果を出力します。
 

Q4−2.

ハンチを考慮した応力度照査は可能か?
A4−2. 可能です。
「考え方」→「応力度照査」画面→「ハンチの影響」にて「1:n」の勾配を入力してください。
1:nより緩やかな部分を有効として計算します。
なお「1:n」は、曲げ照査,せん断照査ごとに入力を設けています。
 

Q4−3.

せん断応力度照査の出力において、全ケース中で最大のせん断力ではないケースが抽出されることがある。抽出方法について教えてほしい
A4−3. 本プログラムのせん断応力度照査では、各照査断面ごとに全検討ケースについてせん断応力度を計算し、(せん断応力度/許容せん断応力度)が最大となるケースを抽出しています。

製品ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「断面方向の計算」−「断面照査」−「応力度照査」の『(2)せん断応力度照査』の『許容せん断応力度の割増』に記載されていますように、有効高、引張主鉄筋比、軸方向圧縮力の影響を考慮して許容せん断応力度の割増を行っており、軸方向圧縮および曲げモーメントが影響しますので、必ずしも最大せん断力時が『応力度/許容応力度』最大とはなりません。

なお、本プログラムでは全検討ケースについて応力度結果を出力することが可能です。
計算実行後、「計算書作成」→「結果詳細」にて表示される「出力項目選択」画面にて『断面方向:全検討ケースの応力度=出力する』に設定して頂くことで、計算書の「応力度計算」に全検討ケースの結果が出力されますので、こちらをご参照頂くことで抽出結果を確認することが可能です。
 

Q4−4.

曲げ応力度照査で必要鉄筋量が0.00(cm)となる場合があるのはなぜか
A4−4. 必要鉄筋量が小数2位で表せないほど微小な値となっていることを示しています。
曲げモーメントに比して軸力が大きい場合にこのような状態となります。
 

Q4−5.

曲げ応力度照査と最小鉄筋量照査では決定ケースが異なる場合があるのはなぜか?
A4−5. 曲げ応力度照査では、全検討ケースのなかで
 ・σc/σca
 ・σs/σsa
が最大となるケースを抽出しています。
曲げ応力度には曲げモーメントだけではなく軸力も影響しますので、最大曲げモーメント時が(応力度/許容応力度)最大とならない場合があります。
また、最小鉄筋量照査では、全検討ケースのなかで
 ・Mc/Mu
 ・1.7M/Mc
 ・0.008A1’/As’
が最大となるケースを抽出しています。

上記のとおり、曲げ応力度と最小鉄筋量では抽出方法が異なるため、曲げ照査と最小鉄筋量照査の検討ケースが異なる場合があります。
 

Q4−6.

旧カルバート工指針(H11.3)に準拠したせん断応力度照査は可能か
A4−6. 旧カルバート工指針(H11.3)の方法には対応しておりません。
現プログラムでは、「道路土工 カルバート工指針(平成21年度版) H22.3 (社)日本道路協会」に準拠した方法にのみ対応しています。
 

Q4−7.

「許容値」において「許容曲げ圧縮応力度隅角部(ハンチ無)」とは?
A4−7. ハンチのない隅角部のコンクリート許容曲げ圧縮応力度σcaは、「道路土工カルバート工指針(平成22年3月)社団法人日本道路協会」(P.140)の内容に基づき、一般部の3/4を初期設定しています。
 

Q4−8.

曲げ応力度照査で、鉄筋の許容応力度σsaがマイナスになっているのはなぜか?
A4−8. 鉄筋の応力度σsは、σs>0.0のとき引張応力度,σs<0.0のとき圧縮応力度が生じていることを示しています。
圧縮軸力(Nが正)に対して曲げモーメントがかなり小さい(0に近い)場合に、σsが圧縮応力度となる傾向があります。
鉄筋に
・引張応力度(σs>0.0)が生じる設計断面では、σsaとして「許容値」画面の「鉄筋の許容引張応力度」で設定されている値
・圧縮応力度(σs<0.0)が生じる設計断面では、σsaとして「許容値」画面の「鉄筋の許容圧縮応力度」で設定されている値
を出力し、応力度の符号にあわせて出力しております。
なお、鉄筋に圧縮応力度が生じても(σs<0.0となっていても)、許容応力度内であれば問題ありません。
 

Q4−9.

許容応力度の割り増しを行いたいが割増係数の入力はあるか
A4−9. 割増係数の入力は設けておりません。
「許容値」画面で割り増した値を入力していただくようお願いいたします。
 

Q4−10.

計算確認画面の青色表示は何を表しているのか
A4−10. せん断応力度τがコンクリートのみでせん断力を負担する場合の許容せん断応力度τaを超えた場合、必要せん断補強鉄筋量を合わせて出力しています。
このとき、せん断応力度τが斜引張鉄筋と協同してせん断力を負担する場合の許容せん断応力度τa2以下で、入力しているせん断補強鉄筋量が必要せん断補強鉄筋量を満たしている場合に青色表示となります。
 

Q4−11.

許容軸圧縮応力度の値はどのように設定しているのか
A4−11. 「道路橋示方書・同解説 W下部構造編(H14.3)日本道路協会」P.147の表-4.2.1
「道路橋示方書・同解説 W下部構造編(H24.3)日本道路協会」P.157の表-4.2.1
を元に初期値を設定しておりますが、この表では設計基準強度σckが30(N/mm2)までしか記述されて
おりませんため、σck>30(N/mm2)の場合につきましては上記表を元に線形補間で求めた値を設定しております。
 

Q4−12.

付着応力度とは何か。
A4−12. 付着応力度とはコンクリートと鉄筋をくっつけている力の大きさのことです。付着応力度はコンクリート中に埋め込まれた鉄筋の引き抜き抵抗力の大きさによって計られます。異形鉄筋は付着面を凸凹にすることによって、見かけ上の許容付着応力を大きくしています。
一方、せん断力が作用している断面においては、作用面と直交する方向にもせん断応力度が発生しています。鉄筋コンクリートのはりについていえば、このせん断応力により水平方向にずれようとします。このため引張鉄筋とコンクリートとの間にずれに抵抗しようとする力が作用しています。この応力度が前述の付着応力度より大きいと鉄筋とコンクリートがずれ、鉄筋コンクリートとしての用をなさなくなります。
 

Q4−13.

「考え方」−「応力度照査」の「曲げ耐力の算出方法」にある、「N一定」と「(M/N)一定」とは何か。
A4−13. 「曲げ耐力の算出方法=N一定/(M/N)一定」は、曲げ耐力Mu算出における収束条件の指定となります。
「道路橋示方書・同解説 V コンクリート橋編(H14.3)日本道路協会」(P.142)図-解4.2.4 M−N相関関係図を元に説明しますと、以下のようになります。
・N一定:Md,Nd点を通り水平軸(M軸)に平行な線がNM曲線と交差する位置でMuを算出します。
・(M/N)一定:原点OとMd,Nd点を結ぶ線がNM曲線と交差する位置でMuを算出します。
なお、「昭和61年制定 コンクリート標準示方書 設計編 土木学会」(P.44)では、「e=Md/N’dを一定として求めた設計曲げ耐力Mudが式(6.1.1)を満足することを確かめることによって行うものとする。」と記述されていますが、平成3年版以降より上記のM/N一定の記述は無くなり、NM曲線の内側(原点側)にあればよいとのみ記述されています。
N一定/(M/N)一定の指定につきましては、設計者の方の判断で決定して頂きますようお願い申しあげます。
 

Q4−14.

付着応力度の照査においてせん断力を1/2するか否かのスイッチがあるが、これはどういったものか。
A4−14. 「考え方」−「応力度照査」−「付着応力度の照査」−「せん断力」を「1/2する」としたとき、
・「コンクリート標準示方書 [平成8年制定] 設計編 土木学会」P.213
・「道路橋示方書・同解説 V コンクリート橋編 (平成24年3月) 社団法人日本道路協会」P.172
に記載されているスターラップと協同してせん断力を負担する場合を想定して、せん断力を1/2して付着応力度を算出します。
なお、この場合はスターラップに関係なくせん断力を1/2して付着応力度を算出します。
 

Q4−15.

レベル2地震時のRC部材の曲げ耐力Mudの値が「RC断面計算」で計算したMudと一致しない。
A4−15. 「考え方」−「応力度照査」画面の『曲げ耐力の算出方法』をご確認ください。
『曲げ耐力の算出方法(レベル2地震時照査用)=N一定』を選択されていないでしょうか。

「RC断面計算」では限界状態設計法による通常の結果確認画面や計算書では、「M/N一定」で算出したMudのみ表示され、「N一定」で算出したMudを確認することができません。
ただし、RC断面計算プログラムで「限界状態設計法」→「基本定数」タブ画面にて「曲げ耐力Mu(N一定で計算)の参考出力=する」として計算実行後、「ファイル」メニュー→「印刷プレビュー」→「テキスト印刷プレビュー」で表示される計算書の「#.終局限界状態の検討」→「●作用軸力と軸方向耐力を一致させた場合の、曲げ耐力の参考出力」でN一定時のMudが確認できますので、こちらの値と比較することで一致することが確認できます。


 5.その他

Q5−1.

FRAME解析結果のデータをFRAME製品で利用することは出来ないのか?
A5−1. 可能です。「計算確認」→「FRAME」→「断面方向」または「縦方向」で「FRAME解析結果」画面を開き、画面左下にある「保存」ボタンを押下してください。
弊社FRAME製品で読み込めるFRAMEデータ(*.$O1)として保存します。保存したFRAMEデータは、Engineer's Studio,Engineer's Studio面内,FRAME(面内),FRAMEマネージャ,FRAME(2D)で読み込み可能です。FRAME(3D)はサポートしておりません。
 

Q5−2.

メイン画面の正面図において、カルバートの全幅や全体の寸法線は表示されるが内空寸法や部材厚の寸法線は表示できないか?
A5−2. メインメニュー「オプション」→「表示項目の設定」画面→「表示・描画」→「詳細寸法線」にチェックを付けていただくことで、内空寸法および部材厚を示す寸法線が描画されます。
 

Q5−3.

「形状」−「土被り」画面−「鉛直土圧係数の算定条件」の「通常の地盤」「良好な地盤」とは?
A5−3. 「道路土工カルバート工指針(平成22年3月)社団法人日本道路協会」(P.98)に鉛直土圧係数の表(解表5-3)があります。
良好な地盤はこの表の条件が「良好な地盤上〜」の場合、通常の地盤は条件が「上記以外の場合」を指しています。
 

Q5−4.

断面力計算のFRAMEモデルにおいて、ハンチがある場合でもハンチを無視してモデル化していますが、何か考慮するスイッチがありますか
A5−4. 本プログラムでのFRAME解析時の本体骨組みモデルにつきましては、
「道路橋示方書・同解説 W下部構造編(H24.3)日本道路協会」P.211の
 3)断面力を算出する場合の軸線は、ハンチを無視した部材断面の図心軸線に一致させる。
の内容を採用しており、ハンチの影響を考慮した骨組みモデル化は行っておりません。
 

Q5−5.

ヤング係数を変更しても、断面力がヤング係数変更前と変わらない
A5−5. ヤング係数を変更した場合、変位に影響が生じます。
バネ基礎で部材分布バネを有する場合など変位が断面力に関係するケースでは、ヤング係数の変更により断面力値も変わりますが、基礎形式=地盤反力度の場合、断面力値は変化しません。
 

Q5−6.

底版の鉛直方向分布バネの自動算出について、断面方向と縦方向とで値が異なるのはなぜか
A5−6. 断面方向の計算は奥行1m当りにモデル化するため、奥行1m当りのバネ値となります。
縦方向の計算は全幅当りをモデル化するため、全幅当りのバネ値となります。
断面方向のバネ算出式は「基礎」→「分布バネ」画面
縦断方向のバネ算出式は「基礎」→「分布バネ(縦方向)」画面
のヘルプに記載しております。
 

Q5−7.

メインメニュー「オプション」→「動作環境設定」画面の「バックアップファイルを作成する」とは?
A5−7. 上書き保存時、または指定した保存ファイル名と同名のファイルが存在する場合に、バックアップファイル(*.F5A~)を作成するかどうかを指定します。
 

Q5−8.

「地盤」画面に基盤面直上の層番号の設定があるが基盤面とは何か。
A5−8. 基盤面について、「下水道施設の耐震対策指針と解説 2014年版」および「道路橋示方書・同解説X耐震設計編(H.24.3)」では下記のように記載されています。

---下水道施設の耐震対策指針と解説 2014年版(P.8)より-------
 耐震設計時に想定する基盤層であって、表層地盤に比べて相対的に堅固な地盤が下方に続くとき、その地盤の上面のことをいう。

---道示X(P.33)より-------
 耐震設計上の基盤面とは、対象地点に共通する広がりを持ち、耐震設計上振動するとみなす地盤の下に存在する十分堅固な地盤の上面を想定している。ここで、十分堅固な地盤とは、せん断弾性波速度300m/s程度(粘性土層ではN値25、砂質土層ではN値50)以上の値を有している剛性の高い地層と考えてよい。
 

Q5−9.

計算書の断面力値は小数点以下1桁までの表示となっていますが、小数点以下3桁に変更することはできないでしょうか?
A5−9. 「オプション」→「出力値の書式設定」画面の「仮数小数桁数」を「*.ddd」に変更することで、小数第3位まで出力することが可能です。
なお、本スイッチによる桁数変更は、計算書の「設計断面力」や「応力度照査」の結果表に反映されますが、「断面力図」には反映されません。どうぞご了承ください。
 

Q5−10

「考え方」−「基本・荷重」画面の「アーチ部分割数」とは何ですか?
A5−10 本プログラムでは、入力されたデータから骨組モデルを作成し、断面力を算出,応力度照査を行っています。骨組モデルでは円弧を設定することができませんので、「基本・荷重」画面の「アーチ部分割数」で設定された分割数でアーチ部を分割し、分割した点を結んでアーチ状にしてモデル化しています。



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