5.解析関連 |
Q5−1. |
分布バネを特定方向のみに作用させることは可能か? |
A5−1. |
FRAMEでは、バネは双方に作用する線形バネとして取扱っております。
部材分布バネについても同様に、双方に作用する分布バネとして働きます。
したがって特定方向のみに作用させることは、できません。 |
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Q5−2. |
抽出とは何か?また、入力の方法は? |
A5−2. |
抽出とは、部材力に着目して、指定された荷重ケース内から最大/最小を抽出(抜き出す)する機能です。
抽出データの入力について
以降に考え方等ならびに実際の入力例等を検証しながら、抽出入力について解説いたします。
(入力例)基本荷重 1〜6
組み合わせ 1〜5
このとき
開始側荷重タイプ 開始側荷重番号 終了側荷重タイプ 終了側荷重番号の入力値組み合わせが次の場合
0−2−0−5
1−2−1−4
0−3−1−3
1−2−0−6
(抽出ケースの考え方)
始めに、抽出ケースの入力の考え方を下記します。
抽出ケースで定義可能な基本荷重ケースと組合せケースを下記のように、昇順に並んだリストとお考えください。
基本ケース1(開始)
基本ケース2
・
・
基本ケース6
組合ケース1
組合ケース2
・
・
組合ケース5(終了)
見ていただくとお分かりのように、定義されている基本ケースの次に組合ケースを配置するのがルールです。
(入力例を解説)
これを踏まえて、入力例の内容を見ますと、
(1)0−2−0−5
この場合は、前述のリストに照らし合わせると、基本ケースの2から基本ケースの5までの4ケース中からの抽出を指定したことになります。
(2)1−2−1−4
この場合は、組合ケースの2から組合ケースの4までの3ケース中からの抽出を指定したことになります。
(3)0−3−1−3
この場合は、基本ケース3から組合ケース3までの7ケース中から抽出を指定したことになります。
この場合には、基本ケースと組合せケースをまたぐ指定となりますが、前述したリストのルールに適合するので、この入力で問題はありません。
(4)1−2−0−6
これは、前述のリストに照らし合わせると、入力が矛盾しています。
リスト後方を開始位置にして、リスト前方を終了位置に指定するのは誤りです。
よって、この間のデータから抽出したい場合には、下記のように指定する必要があります。
0−6−1−2
以上のように変更すると、基本ケース6から組合せケース2までの3ケース中からの抽出が指定されたことになります。
以上が、実際の入力を例にした、抽出データの解説でしたが、最後に簡単に入力項目についてまとめますと、
荷重タイプ・・基本ケースか組み合わせケースかを指定します。
荷重番号・・・前述の荷重タイプで指定された荷重ケース番号を指定します。
上記の2項目には、開始側と終了側がありますので、この2項目により抽出の範囲を設定していただくことになります。
範囲指定のルール等については、前述の入力例をご参考ください。
※)また、入力セル内への入力中には、表入力ウィンドウの下側にガイドが表示されますので、こちらをご参考になりながら、入力できるデータをご確認ください。 |
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Q5−3. |
分布バネを設定した場合、モーメント荷重が計算できないのは、なぜか? |
A5−3. |
本製品では、分布バネ部材に対して分布及び集中モーメント荷重を載荷する事はできません。
このような仕様としている理由は、プログラム処理が複雑になることと併せて、実際の構造解析でそのような荷重条件はほとんど生じないであろうとの判断からです。
詳しくは、製品HELP「計算理論及び照査の方法-構造データの処理について-分布バネデータ」をご参照ください。
ただし、格点への集中モーメント荷重は、格点集中荷重として入力頂く事で載荷が可能となります。
部材集中モーメント荷重であれば、格点を設けて格点荷重として載荷を行ってください。 |
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Q5−4. |
4辺固定版の面外解析(メッシュ状に骨組み化)は可能か? |
A5−4. |
弊社FRAME製品は、骨組み化による解析プログラムです。
その為、面としての設計をお考えの場合に、4点固定の板モデルは直接の解析はできません。ただし、板をある部材幅で格子化し、その格子モデルをもって解析するなど、モデル化を工夫した面外方向による解析手段もあるかと思いますが、実際のモデル化の問題などは設計者の考えに委ねることになります。
残念ながら直接の入力では対応が出来ません。設計者のご判断でお願いいたします。 |
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Q5−5. |
分布バネ支点のみのモデルを計算するとエラーチェックメッセージが表示される。
強制実行ボタンも表示されるが、強制実行を行った場合の計算は正しいか?それとも分布バネ支点だけでは計算できないのか?
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A5−5. |
本製品は拘束条件が正しければ分布バネのみでも計算が可能ですが、分布バネのみのデータを計算すると
[支点データの入力を行ってください]
[支点ケースが指定されていません]
などの計算前チェックにかかります。
その際、メッセージウィンドウには[強制実行]ボタンが表示されていますので、そのまま強制実行にて計算を続けてください。
計算中にエラーが発生しない限り計算は正しく行われております。
本体ヘルプ([エラーメッセージ]-[計算前エラーチェック一覧])もしくは、計算前チェックのメッセージウィンドウに出る[エラー詳細と対策]というボタンを押すと、エラーメッセージについての説明がありますので、
[支点データの入力を行ってください]
[支点ケースが指定されていません]
などのエラーについて、解説部分をご確認ください。 |
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Q5−6. |
従載荷荷重p2に、P1、衝撃を含まないようにしたい。 |
A5−6. |
本製品のIL計算でP1荷重を考慮しないという入力はできません。
但し衝撃係数については、表の入力を行わなければ考慮されません。
P2荷重のみの数値を確認されたい場合には、IL計算結果確認画面で集計結果の詳細表示を行い、P2荷重の結果をご確認くださいますようお願い致します。(衝撃係数については入力を行わず考慮しないようにしておいてください。)
集計結果は「単位系切替」ボタンの左側に配置されている2つのボタンで詳細表示との切替を行う事ができます。(マウスカーソルをそれぞれボタンに近づけるとヒントが表示されます。)
初期状態は「荷重ケースに着目して結果を表示します」とヒントが出るボタンが押されていると思いますので、詳細表示で確認する場合には、これを「着目点に着目して結果を表示します」とヒントが出るボタンに切り替えてください。 |
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Q5−7. |
分布バネ部材の場合、部材間Mmaxの計算を行うことは可能か? |
A5−7. |
分布バネ部材でも、一般部材と同様に部材中のM最大/最小位置を算出しその値を表示します。
但し、組合せ荷重ケース時には、i/j格点ならびに着目点間で得られたM値の最大/最小を表示しておりますので、できるだけ多くの着目点を設定してください。 |
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Q5−8. |
曲げモーメントが0の位置など任意の曲げモーメントの位置(着目点)の算出はできるか? |
A5−8. |
本プログラムでは、部材ij間における曲げモーメントの最大・最小位置を任意着目点として出力しますが、曲げモーメントが0の位置を自動的に検索する機能はありません。
計算結果から手動でみつける方法としては、曲げモーメント分布図で部材線と交差する点(M=0点)を、着目点を追加しながら繰り返し計算にて求める手順が考えられます。 |
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Q5−9. |
リングモデルで計算を行うと、せん断力がギザギザ(正負が反転する)となってしまう |
A5−9. |
FRAME製品では、円環モデルは多角形の近似モデルとなります。
そのため、外周から一様荷重を受けた場合でも各部材の軸力は格点で方向が偏心するため軸直角方向力が発生します。
せん断力分布がギザギザとなるのはそのためです。
部材分割数を増やすと発生するせん断力、モーメントは小さくなりますが、完全な円環モデルとはならないのでギザギザ形状は変わりません。 |
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Q5−10. |
組合せ荷重の荷重図を表示する方法は?
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A5−10. |
組み合わせ荷重につきましては荷重図は表示しておりません。
組み合わせケースは、単に結果を足し合わせているだけであるため、定義された格点、および着目点位置での合計を求めたものです。このとき、各荷重ケースの荷重図を合成する処理はしていません。その場合には、基本荷重ケース内にある「合成荷重ケース」の機能をご利用いただき、入力データとして各荷重を合成した新しい基本荷重ケースを作成することになります。
ただし、この「合成荷重ケース」により組み合わせられる基本荷重は、同じ支点条件を有するものである必要がございます。
合成荷重ケースについては、ヘルプの「操作方法|入力画面操作|モデルを作成する|荷重を入力する|9.合成荷重ケースについて」をご一読ください。 |
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Q5−11. |
「部材力」結果表でせん断力MAX(MIN)が最大値(最小値)ではない
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A5−11. |
「部材力」結果表に表示されている“MAX”“MIN”の値は、それぞれ、曲げモーメントが正側で最大となるときの値(Mmax)、曲げモーメントが負側で最大となるときの値(Mmin)です。そのときの、せん断力や軸力が表示されています。
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Q5−12. |
変位結果を格点毎で出力することはできるか? |
A5−12. |
「出力設定」画面の「結果データ」タブにて、変位の出力形式を「部材毎に表示」と「格点毎に表示」から選択いただけます。 「格点毎に表示」を選択すると、格点変位が一覧形式で出力されます。 ※Ver.5〜Ver.6では部材毎の表示のみとなっており、格点毎に表示することはできません。 |
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Q5−13. |
解析結果にて設定していない着目点が追加されているが、なぜか? |
A5−13. |
処理スイッチの「着目点の自動追加」にチェック(レ)があるかどうかご確認ください。
「着目点の自動追加」にチェック(レ)がある場合、集中荷重点、分布荷重の始端・終端に着目点が自動追加されます。
断面力図(曲げモーメント図、せん断力図、軸力図)は、着目点位置の値を直線で結ぶため、荷重状態によっては正しいものが得られない場合があります。そこで、着目点間に集中荷重が載荷される場合についても正しい断面力図を得るために、荷重載荷点に着目点を設けておく必要があります。
なお、着目点数の上限を超えて自動追加されることはありません。 |
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Q5−14. |
左右対称の構造物・荷重条件で解析を行ったが、断面力結果では左右に「0.001」の差異が発生し対称とならない場合がある |
A5−14. |
計算結果の値は小数第4位で四捨五入が行われております。 プログラムの仕様上、小数第4位の値が「5」となるケースでは、四捨五入の過程で誤差が発生する場合があります。 例えば、「100.0005」のように小数第4位の値が「5」となっていた場合、通常であれば「100.001」となります。 しかし、この値をコンピュータ上で扱う際は、厳密には「100.00049999...」のような非常に小さな誤差を含んだ値となります。 この誤差により、小数第4位での四捨五入結果に差異が発生する場合があります。 |
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Q5−15. |
両端がピン支点の部材に上から荷重を載荷した結果、軸力が0kNとなるのはなぜか? |
A5−15. |
本プログラムは微小変形理論(力のつり合いを考える上では変形の影響は無視でき、力は変形前の形状に対して釣り合っていると考える)に基づいた変位法による平面骨組みの構造解析プログラムです。
微小変形理論とは、部材自身の変形(伸び・縮み)がほとんど発生しないことを前提にした解析理論で、「部材自身はほとんど伸びも、縮みもしない」事を前提として、変形前の骨組軸線で力のつり合い状態を解き、部材に発生する断面力を算出するものです。
上記より、鉛直荷重のみ載荷した状態であれば、水平方向の荷重はありませんので軸力も発生しません。
鉛直荷重による部材のたわみの分だけ部材軸方向の力(=軸力)が生じるのではないか、という疑問を持たれているかもしれませんが、このような状態を解析する方法(変形後の骨組軸線で力のつり合い状態を考慮して解く方法)は大変形解析と呼ばれます。
残念ながら本プログラムではこの理論による解析能力はありません。
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Q5−16. |
移動する車両の計算を連行荷重で行った場合、断面力が最大・最小となる時の軸位置を確認することは可能か? |
A5−16. |
各着目点における最大・最小断面力発生時の連行荷重載荷位置は、以下の手順で確認することが可能です。
(1) 計算結果画面上部の「単位系切替」ボタンの左にある表示切替を行うボタンにて、「着目点に着目して結果を表示します」とヒントが出るボタンを選択する。
(2) 「単位系切替」ボタンの下にあるコンボボックスにて、結果を表示する着目点を選択する。
以上の手順により、[ 位置(m) ]の項目に範囲を示す書き方で載荷位置が表示されます。
この位置表示の最初の値が1軸目の位置、後ろの値が最後の軸位置となります。
軸位置の値は格点座標の入力と同様の座標値です。
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Q5−17. |
温度荷重を設定した部材に軸力が発生しないが、なぜか? |
A5−17. |
温度荷重は、次式のように軸力に変換されて載荷されます。
N=Δt×α×Ec×A
このとき、
N :導入軸力
E :材料のヤング率
α :線膨張係数
Δt:変化温度差
A :部材断面積
ただし、温度荷重は外力ではなく内力として考慮されます。
したがって、温度荷重を設定した部材に直接的に断面力は発生せず、部材が膨張あるいは収縮しようとすることにより、隣接する部材に対する外力として作用します。
そのため、部材端が拘束されていない場合は、変形するのみで軸力は発生しません。
例えば、両端をピン支点で固定した場合には、部材の変形に対する抵抗が生まれるため上式と同じ値の軸力結果が得られます。
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Q5−18. |
全く同じモデルで着目点の数のみ変更した場合に、IL計算結果に差異が生じるのはなぜか? |
A5−18. |
IL解析では各着目点位置に単位荷重を載荷して影響線を作成しております。
そのため、着目点を追加することで、滑らかな影響線が得られ精度が向上します。
着目点は1部材20点までという制限があるため、足りない場合は部材を分割する必要がございます。
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