U.Pre操作編(入力関連) |
Q2−1. |
応力解放率とは?
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A2−1. |
掘削要素の指定がある場合もしくは前ステージで設定していた梁要素、棒要素、ジョイント要素を本ステージで解除した場合など、それら影響により地盤に応力が再配分される割合を示します。
本プログラムは2次元モデルを対象としますが、実際には奥行き方向にも地盤が存在しこの応力解放によって周辺地盤が負担する状態を再現できることとなります。
例えばトンネル掘削を考えた場合には、掘削断面のすぐそばに切羽面がありトンネル断面に全ての応力が集中するのではなく切羽面でも応力を負担します。
NATM設計施工指針平成8年などでは、この場合(掘削直後)の解放率を0.3〜0.4としています。
トンネル掘削がさらに進みその検討断面に支保工を設置する時点で残りの0.7〜0.6を負担することになります。
入力としては製品付属のサンプル[トンネル]-[Tunnel.GF2]をご参考下さい。 |
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Q2−2. |
ソリッド要素の材料パラメータの設定で「PZ-Sandモデル」はそれぞれ何を入力すればよいのか?(GeoFEAS®) |
A2−2. |
PZ-Sandモデルの15個のモデルパラメータのうち、12個は静的三軸試験から、残り3個は繰返し非排水三軸試験から同定することができます。一般に、下記の(1)〜(9)は静的三軸試験から決まり、(10)〜(12)は繰返し非排水三軸試験から決まります。
パラメータの値の目安を下記致します。なお、下に示すものは、液状化する可能性の高い緩い砂地盤の場合です。
(1)Mg:内部摩擦角φから算出したものを初期値とします。Mg=6*Sinφ’/(3-Sinφ’)で計算してください。結果が合わないようであれば、少し調整してください。
(2)Mf:概ね、相対密度Dr×Mgを用います。
(3)C:0.80でほぼ固定。
(4)αfおよびαg:0.45でほぼ固定。
(5)Ges0,Kev0:微小ひずみ領域のせん断剛性G0より算出することができます。
(6)mvおよびms:0.5〜0.7(0.5を初期値で用いて、結果が合わないようであれば、0.7程度まで増加させてみてください。なお、msよりもmvを調整することの方が多いかもしれません。)
(7)β0:4.2前後を良く用いています。
(8)β1:0.1〜0.3の間で調整してください。
(9)H0:200〜1000程度の間で調整してください。
(10)Hu0:6000前後で、1000ピッチで調整してください。
(11)γ:8.0前後で0.5ピッチで調整してください。
(12)γu:概ね、γ-2.0を用いています。
(13)OCR:過圧密比を入力してください。砂の場合は、通常、1.0を入力します。 |
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Q2−3. |
DXFファイルの読み込みは可能か? |
A2−3. |
可能です。
モデル作成の際にAutoCAD(DWG、DXF)ファイル、またはSXF(SFC、P21)ファイルのインポートに対応しております。
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Q2−4. |
メッシュ分割の際、メッシュの大きさをどのくらいに設定したらよいか? |
A2−4. |
何メートルメッシュでなければならないというような規定はありません。そのため、これぐらいの大きさでメッシュ分割しなさいという助言も致しかねる状況です。 メッシュ分割を非常に細かくすれば、FEMの計算結果は厳密解に近づくと言われていますが、その確認は簡単ではないということのようです(はじめて学ぶ有限要素法:地盤工学会より)。 メッシュ分割において、中間節点の指定を有(2次要素)にすることも計算精度を向上させる手法だと思います。中間節点は[メッシュ分割]画面の右側のボタン「中間節点の指定」で設定することができます。
また、ある程度の手間はかかりますが、段階的に粗いメッシュ→細かいメッシュのデータをいくつか準備して試し計算を行い、計算結果に大きな影響がなくなる段階のメッシュを採用する、という方法もあるかと存じます。 |
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Q2−5. |
SXFファイルのインポートで、SXFファイルの座標(0,0)とGeoFEAS®上の座標を一致させたい。 |
A2−5. |
SXFファイルのインポートでは、SXFファイルに保存されている座標情報(実寸)をそのまま読み込みます。
お手持ちのCADソフトにて、スケールシートの原点や各座標値をご確認ください。 |
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Q2−6. |
ジョイント要素とばね要素の違い(GeoFEAS®) |
A2−6. |
両方とも地盤と地盤、地盤と構造物との間における変形を表現するときに用い、長さや体積を持たずに剛性だけで規定します。
ジョイント要素は、圧縮状態であれば変形せず引っ張りやせん断が規定値を越えると、すべりや剥離などの不連続面を表すために用いられます。
ばね要素は圧縮時でも引っ張り時でも同じ剛性を保ちます。 |
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Q2−7. |
梁要素と棒要素の違い |
A2−7. |
梁要素はせん断、軸力、曲げモーメントを伝達する構造部材に対して用います。
棒要素は、一般にはトラス要素とも呼ばれ送電鉄塔などボルトでアングルを接合して組み立てるような曲げモーメントを考慮しない場合に用います。また二重鋼矢板締切りのタイロッドも該当します。 |
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Q2−8. |
弾完全塑性の物性値のサンプルはないか? |
A2−8. |
弾完全塑性の物性値としては、強度特性とダイレタンシー角が主なパラメータとなります。
強度特性については、「山岳トンネルにおける 模型実験と数値解析の実務」トンネルライブラリー第16号 土木学会などを参照すると、さまざまな機関における一般値が掲載されています。三軸試験など室内試験結果があれば、そのC,φを用い
て結構です。
ダイレタンシー角についてはゼロとする場合や内部摩擦角と同じにする場合もあります。三軸試験結果を参考にすることも考えられます。 「弾塑性有限要素法がわかる」、地盤工学会および「地盤の変形解析:
基礎理論から応用まで (39)」、地盤 工学会, 2002.7(地盤工学・基礎理論シリーズ)などが参考となります。
サンプルデータとしては、GeoFEAS®2Dに添付されているデータ(slope, embankmentなど)をご参考にしてください。
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Q2−9. |
「ソリッド要素のプロパティ設定」で「弾性」の時「線形弾性」とするのが一般的なのか? |
A2−9. |
線形の場合、線形弾性と積層弾性が選択できます。一般的には線形弾性を選択します。異方性を考慮する場合は積層弾性を用いることもあります。 |
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Q2−10. |
ソリッドのプロパティの設定での構成則や方式の使い分け |
A2−10. |
以下のようにお考え下さい。
■積層弾性モデル
直交異方性を表すために用います。積層ゴムのように縦方向は剛で水平方向には柔な構造を対象としています。地盤においても堆積過程や地中応力状態において異方性が大なり小なりあると言われています。
■非線形弾性モデル
破壊接近度法:主にトンネルの掘削にともなう地盤の緩みを解析するときに用いられます。応力状態が破壊基準に近づくに従って変形係数が減少(地盤が緩んで変形しやすくなる状態)を表現します。
■非線形モデルROモデル
せん断弾性係数とせん断ひずみを双曲線でモデル化して地盤のせん断変形(地震時の変形など)に対してひずみ依存性を表現するときに用います。
■非線形モデル HDモデル
ROモデルと同様にせん断変形に対してひずみ依存性を考慮するときに用います。ROモデルとは関数の形が異なります。
■非線形モデル UWclayモデル
せん断応力とせん断ひずみの骨格曲線を双曲線で表しますが、強度をパラメータと取り入れていることで変形と強度の関係を簡易に表すことができます。斜面の残留変形解析に用いた事例があります。
■弾完全塑性モデル Mohr-Coulomb方式(MC)
破壊基準(Mohr-Coulomb)を規定し、応力状態を表す応力円(Mohr円)との関係を判別して破壊基準に達していなければ弾性領域、破壊基準に達すれば塑性領域に分けて計算します。塑性領域に達した場合は大きな変形が生じます。
■弾完全塑性モデル Drucker Prager方式(DP)
破壊基準の規定のしかたがMCと異なりますが、2次元(平面ひずみ)の場合は違いはありません。
■弾完全塑性モデル MC-DP
破壊基準としてMC,塑性ポテンシャルにはDPにより規定します。破壊に達した状態で、せん断にともなう体積変化であるダイレタンシーが収縮するのか(負のダイレタンシー)膨張する(正のダイレタンシー)のか地盤によって規定したいときに用います。
■弾塑性モデル 粘土のPastor-Zienkiewiczモデル
弾塑性モデルの一般化したモデルで、パラメータによってひずみ軟化やひずみ硬化、または硬化係数(破壊に達したあとの変形係数)などを細かく規定できるモデルです。多くのパラメータを規定する必要があります。
■No-tension材料
線形モデルあるいは積層線形モデルと基本は同じですが、引っ張り応力に対して抵抗しない材料を表現するモデルです。 |
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Q2−11. |
ジョイント要素を複数設定したい(GeoFEAS®) |
A2−11. |
ジョイント要素は地盤と地盤(ソリッド要素)との間に設けます。
設定する場所と隣合うソリッド要素を規定するため一箇所ごと(一直線上の線分の固まり)に設定します。 |
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Q2−12. |
覆工と吹付けの間にジョイント要素を設定しているが問題ないか(GeoFEAS®) |
A2−12. |
実現象を再現しようとして細かく設定し過ぎると意図しない挙動を示すモデル化になる場合もありますので、ジョイント要素を用いる場合は注意が必要です。 |
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Q2−13. |
自動をブロック化をおこなってメッシュ→確認を行った場合と自動ブロック化を行わずにメッシュ→確認をおこなった場合でメッシュの生成までにかかる時間が大きく異なる |
A2−13. |
自動ブロック化は、解析対象としている領域を認識する過程のことを意味しているますので、メッシュから始まる場合は解析対象の認識がないので、それだけ短時間になります。また、メッシュ生成そのものに違いがあるということであれば、解析対象領域に違いがあることも考えられます。 |
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Q2−14. |
作成済みのモデルの節点を移動して形状を修正する方法 |
A2−14. |
以下の手順で修正して下さい。
1.モデル作成−作成画面で「選択モード」を指定する
2.移動したい節点を選択する
※選択した節点が赤く表示されます
3.その状態で右クリックし、ポップアップメニューの「座標値修正(P)」を選択する
4.選択した節点の現在の座標が表示されているので、修正後のX座標、Y座標を入力し、「確定」する
5.なお、複数の節点を移動するような場合、メッシュを切った後の節点に影響することがあるので、既に流れたデータであってもモデル作成ー作成のメニュー以降の確認が必要です。 |
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Q2−15. |
ダイレタンシー角の入力方法(GeoFEAS®) |
A2−15. |
ダイレタンシー角の入力方法としては、変形解析のときは内部摩擦角と同じとし、安定解析のときはゼロとする方法が推奨されています。 |
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Q2−16. |
斜面の計算で、地下水位を考慮した場合としない場合の2通りを計算したいが、別々に実行したほうのがよいか、ステージを分けて実行した方がよいか?(GeoFEAS®) |
A2−16. |
地下水位を考慮した場合としない場合について、一つのデータの中でステージを分けた場合、前のステージの応力等を引き継ぐので注意が必要 です。むしろ別々のデータを作成したほうが、目的に沿った解析ができます。 |
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Q2−17. |
解析条件の設定の「本ステージ追加節点の変位をゼロにする」とはどういうことか |
A2−17. |
追加節点の変位をゼロにするという意味は、盛土や埋め戻しによって施工基面FLまで土を盛るため変位量は、施工の過程で吸収されてしまうため、最終的には所定のレベルまで土がある(見かけ上は変位がない)ことを表します。
ステージ1の場合は、白紙の状態から現状地盤を作成するので、いわば所定の形状まで盛土したのと同じことになります。現状地盤では変形していないわけですから「追加節点の変位をゼロとする」チェックをするのが正解です。ステージ2で盛土した場合は、盛土による即時沈下を見たい場合はチェックを外しておき、所定のFLまで盛土するというモデルであればチェックしておきます。
ちなみに掘削の場合は削除であって追加節点ではないので、「追加節点の変位をゼロにする」のチェックをしても変位はリセットされることはなく、解析結果に対して何も影響しません。
ただし梁部材、棒部材が設定されているステージに対して、本スイッチは以下二つのケースの扱いになります。
(1)解析領域の中に既に存在する節点(メッシュ部分のうちソリッド要素が設定されている要素に属する節点)の間で、梁・棒要素を追加する場合は、本スイッチの影響を受けません。ソリッド要素の節点と同じ扱いとなります。
(2)解析領域の中に存在しない節点(メッシュ部分のうちソリッド要素も何も設定されていない要素に属する節点)を用いて梁・棒要素を追加する場合は、本計算スイッチをONにすると、追加した節点の変位がゼロにされ変形しません。
この場合は、梁・棒要素の追加は2ステージを分けて考慮する必要があります。まず、梁・棒要素を追加するというステージ、次に、自重も外力として作用させるというもう一つのステージとなります。
この場合、梁・棒要素を設定したステージでは梁・棒要素の自重を考慮しないために、単位体積重量をゼロにした上で、自重は外力として入力して下さい。 |
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Q2−18. |
H19河川構造物の耐震性能照査指針による解析を行っている場合、ソリッド要素のプロパティ入力で、液状化材料を指定した場合、ポアソン比はどのように再設定しているか |
A2−18. |
ポアソン比については、河川構造物の耐震性能照査の式に基づいて、地震前のせん断弾性係数Gと液状化時のせん断弾性係数G1と地震前のポアソン比νから再設定します。 |
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Q2−19. |
トンネルの解析後、沈下防止のため地盤改良を実施したい場合、どの時点でのステージを用いたらよいか |
A2−19. |
沈下防止のための地盤改良ということであれば、沈下の原因(解放応力もしくは荷重がかかる)のあるステージと同じステージでプロパティ設定を変更します。あるいは、トンネル掘削の前にステージを追加しておいてプロパティ設定を変更しても同じことになります。
すなわち、トンネル掘削に伴い沈下が生じる場合は、同じステージにおいてプロパティ設定を変更すれば、そのステージのプロパテイを基に掘削時の変形を解析します。プロパティ設定の変更するには、たとえば初期応力解析で1から3までの材質番号を最初に使っていたなら、地盤改良部分に相当する材質番号として新たに4番目の材質番号を設定し、初期の材質番号と入れ替える必要があります。 |
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Q2−20. |
推進工法による小口径トンネルの解析を行う上で土の構成則としてどのモデルを使用したらよいか(GeoFEAS®) |
A2−20. |
トンネル解析の場合は一般に破壊接近度法を用います。
破壊接近度法は破壊規準に対して応力円が接近する度合いをもとに変形係数が変化する現象をモデル化しており、周辺の変形状態や掘削周辺の緩みを検討するのに適しています。
また、安定性や破壊にいたるかどうかを検討したい場合は弾完全塑性のモールクーロンを選ぶことも考えられます。 |
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Q2−21. |
あるステージから梁要素を削除(撤去)することはできるか?
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A2−21. |
梁要素の解除は可能です。
以下の手順で行って下さい。
1.ステージ設定で梁要素を削除(撤去)するステージを選択する。
2.[選択モード]ボタンもしくは[矩形選択モード]ボタンをクリックする。
3.[梁要素選択]ボタンをクリックする。
4.該当する線分を選択する。
5.[解除]ボタンをクリックする。
ヘルプ「操作方法」−「プレ編」−「ウィンドウ/ダイアログ」−「[ステージ設定]ウィンドウ」の『[要素定義]タブ』をクリックし
・梁要素を設定する
・要素設定を解除する
をご覧下さい。 |
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Q2−22. |
「強度比線形定数a」は旧道路公団の「非線形指数a」と同じものか(GeoFEAS®)
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A2−22. |
定義が異なります。弾塑性地盤解析(GeoFEAS®)2Dの「強度比線形定数a」は、せん断強度による破壊基準の包絡線を指数関数で表現する式の指数部分です。(林正夫・日比野敏:地下の開削による周辺岩盤の緩みの進展に関する解析,電中研報告,No.67095,1968.)
一方、旧日本道路公団の「非線形指数a」は、破壊接近度Rを用いて変形係数を低減させる場合に用いられる指数部分の定数です。aの逆数が弾塑性地盤解析(GeoFEAS®)2D では非線形特性指数mと等しくなります。 m=1/a (日本道路公団試験研究所:技術資料、都市部NATMトンネル解析的設計の手引き、2002) |
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Q2−23. |
「緩み係数k」は旧道路公団の「弾性限界パラメータk」と同じものか(GeoFEAS®)
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A2−23. |
同一のものです。 |
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Q2−24. |
液状化前の変形量とは
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A2−24. |
液状化前の変形とは、自重計算による変形量であり、液状化後の計算をしたのちに差し引きます。
柔構造樋門・樋管の計算で求める常時(即時沈下および圧密沈下量)とは異なります。 |
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Q2−25. |
掘削個所の水位はどのように入力したらよいか
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A2−25. |
通常解析の場合、水位線を入力することで水圧荷重を計算します。たとえばGL−0mに地下水位があった場合にGL−10mの深さの地盤では水圧荷重として98.1kN/m2の等方等圧荷重がかかることになります。
掘削後の開放部分では排水されることになるので、掘削底面等の実際の地下水位線を入力すればよいと考えられます。 |
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Q2−26. |
液状化層が複数に分かれて互層になっている場合、層ごとにファイルを作成し、それぞれの結果を足し合わせたらよいか
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A2−26. |
計算事例-01では1つの液状化層について1つのファイルを作成して地盤変形解析し、他の層も別々に計算して、最後に全ての解析結果を足し合わせる、となっています。 |
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Q2−27. |
「非線形特性指数m」と「非線形特性指数n」について、資料等ないか(GeoFEAS®)
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A2−27. |
m, nについては岩盤の材料特性によるものです。一般的な資料としては、既往の指針や研究資料等が参考になり、学会の文献検索等で探すことができます。当社の有償セミナーでは、標準値や解析事例を取りまとめた資料を配付しております。
参考文献としては、 「山岳トンネルにおける模型実験と数値解析の実務」、トンネルライブラリー第16号 土木学会などがあります。 |
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Q2−28. |
シールドの覆工部分をGeoFEAS®2Dでモデル化する場合、
・セグメントを要素定義する
・実際に線で厚みを持たせて物性値を入力する
上記に違いがあるのか?
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A2−28. |
シールドの覆工部分をGeoFEAS®2Dでモデル化する場合は、梁要素を用います。 ソリッド要素を使うと間違いというわけではありませんが、一般にセグメントの厚さは周辺地盤の大きさからすると薄いのでソリッド要素としても肉厚方向にメッシュ分割は困難です。すると厚さ方向には1つのソリッド要素で断面力を評価することになるので、梁要素から比べると精度が落ちます。なお、梁要素は断面積や断面2次モーメントを材料パラメータとして入力しますが、解析モデル(メッシュ図)では厚さのない線として表現されます。 参考文献としては、トンネルライブラリー第16号「山岳トンネルにおける模型実験と数値解析の実務」、土木学会編などをご覧になると良いでしょう。 |
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Q2−29. |
軸対称解析を行う場合、対称軸の境界条件はy方向自由、x方向拘束でよいか?
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A2−29. |
軸対称の軸はY軸となります。 Y軸回りに杭などを解析する場合はY軸でY方向自由、X方向固定が正しい境界条件です。 |
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Q2−30. |
CADファイルから読み込んだデータを使ってモデルを作成する方法
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A2−30. |
CADのファイル(DXF, DWG, SFC, P21形式)をインポートし、本体のモデル作成画面にて4角形あるいは3角形のブロックで構成されるモデルに修正します。次に、モデル作成-確認で自動ブロック化をします。白抜き部分があれば再度モデルを確認し、修正して作業を繰り返します。 |
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Q2−31. |
メッシュを作成した後に、節点座標を若干修正して解析を再び実行したい。
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A2−31. |
メッシュ生成後に節点を移動したり、座標を画面上で変更することはできません。 モデル作成から修正するほどの大幅な座標値変更でなければ、解析部が読み込むファイルを直接編集してロードモジュールとして流すと便利です。 モデルを作成するプレ部から、解析部にデータを引き渡すファイルには2種類あります。
一つは解析モデルを制御するデータファイルで拡張子に*.Staがついています。 もう一つのファイルはメッシュの節点座標と構成を表すデータファイルで、拡張子に*.Mhsがついています。Mhs形式のファイルの節点座標を直接編集して、解析部(ロードモジュール)を直接実行する方法を取ると可能です。
また、微小な座標値の修正であれば直接数値データを変更するほうが便利です。
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Q2−32. |
水位の設定はどのような際に使用するのか
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A2−32. |
一般に水の影響を間隙水圧として考慮するのは有効応力法ですが、「GeoFEAS®2D」の場合は全応力法を用いており、水圧荷重として外力として考慮します。マンホールやボックスカルバートのような揚圧力を考慮する場合、構造物周辺から水圧荷重を掛けて浮き上がりの検討をすることができます。
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Q2−33. |
地下水位がある場合は、考慮した方がよいのか
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A2−33. |
地下水位がある場合でも、必ずしも水圧荷重を考慮する必要はありません。
例えば、土留め壁を例にとれば、設計上で考慮するような土圧と水圧を分離して考慮することができません。全応力法を基本とします。
仮に水圧荷重を考慮する場合は、水圧荷重は浮力として作用します。すなわち、地下水位以下の土留め壁には、全応力から水圧分を差し引いた荷重が作用することになります。
したがって、地下水位があるからと言って、必ずしも水圧荷重(=浮力)を考慮する必要はありません。全応力の中に土圧と水圧が含まれているとお考えください。
(関連:Q2−32, Q2−37)
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Q2−34. |
ジョイント要素の材料定数はどのように考えたらよいか(GeoFEAS®)
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A2−34. |
ジョイント要素は岩盤亀裂などの剥離やすべりを表現するための要素で、剛性が高い剛性を設定すればよく、ジョイント要素の圧縮剛性[Kn]は、無限大に近い値を用いるべきですが、計算経験によれば、数値計算上は周囲地盤のヤング率の100倍程度が良いようです。 せん断剛性[Ks]に関しまして、2つの考え方があります。 一つは周囲地盤のせん断弾性係数を用いるべきという考え方です。 もう一つはジョイント要素が剛塑性であるべきで、周囲地盤のせん断弾性係数の100倍程度で設定する考え方です。そうすれば、弾性状態では、ジョイント要素の有無に関わらず、ほぼ同じ挙動が得られます。
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Q2−35. |
下記メッセージが表示された場合の対処方法は?
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警告
モデル形状と旧ブロック形状に相違があります。
追加または変更した箇所を再度ブロック化してください。
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A2−35. |
一度作成済みのモデルを修正して、[モデル作成]-[決定] のタブを選択すると修正があるのでブロック化が必要なので警告表示します。右側アイコンの[自動ブロック化]をクリックしてください。
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Q2−36. |
矢板掘削を検討する際、掘削底面より上に水位があった場合、掘削面の水位は自動に掘削面まで引き下げられて検討されるのか
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A2−36. |
水位線は自動的に変化することはありません。地下水位よりも下に掘削面があれば、水圧荷重として掘削面に作用します。
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Q2−37. |
水位以下の物性値は浮力を考慮し、単位体積重量等に変化があるか
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A2−37. |
材料物性は通常の湿潤単位重量を入力します。地下水を入力しても土の材料物性には変化がありません。構造物に作用する力として土による力、水による力とそれぞれ別々に計算します。
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Q2−38. |
強制変位の入力方法を教えてほしい
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A2−38. |
境界条件の設定と同様に「選択(節点)モード」を使用し「節点自由度拘束の設定」を実行下さい。 設定したい方向の拘束条件を「拘束」とし、対応する「DX」「DY」に変位量を入力します。
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Q2−39. |
場所打ち杭の施工手順でモデル化したい
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A2−39. |
ステージ設定をし、ステージ1では初期応力解析、ステージ2で掘削、ステージ3で[盛土]のコマンドを使用してコンクリート打設を表現することが考えられます。ただし、平面ひずみとして場所打ち杭の部分を掘削すると、奥行き方向に無限に長く掘りのような掘削になりますので、円形に掘削することが考慮されていないことをご注意ください。杭だけのモデルであれば軸対象として解析することも考えられます。
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Q2−40. |
シールドトンネルの応力解放率はどのように設定できるか |
A2−40. |
掘削時に20%あるいは30%を設定し、残りのステージで合計し100%となるように応力解放率を設定します。発注者側の判断にもよるところではございますが、JR等は0.3〜0.4と設定する場合もあるようです。
応力解放率について記載がある基準類・参考図書として下記のようなものがございます。
『NATM設計施工指針:日本鉄道建設公団編』
『山岳トンネルにおける模型実験と数値解析の実務 (トンネル・ライブラリー)』
『近接施工技術総覧:近接施工技術総覧編集委員会』
『在来線整備基準』
関連:Q2-1
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Q2−41. |
準貫入試験実施位置の入力について、ソリッド要素の材料パラメータの設定の下記の値は何に用いているのか X0:標準貫入試験実施位置を示すX座標
Y0:標準貫入試験実施位置を示すY座標
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A2−41. |
GeoFEAS®2Dは地形条件を入力するので、場所によって地表面からの深さや地下水位との関係が異なります。そのため、N値測定位置のx0,y0が必要となり、N値を補正するための上載圧σvの計算に用います。 詳しくは、ヘルプ[解析理論]-[液状化による自重変形解析]-[液状化に対する抵抗率FLの計算]の繰り返し三軸強度比RLの計算をご覧ください。
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Q2−42. |
耐震性能照査指針(案)Q&A 問.U−4−2に計算事例-01に記載の方法で非液状化層の剛性低下を行う場合、どのように設定したらよいか
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A2−42. |
液状化層よりも上の地層(非液状化層)の最下端に引張応力が発生しないように設定する、という記述を基に「弾塑性」「Notension」などの他の土の構成モデルを用いることが考えられます。また、「せん断剛性低減材料1」を用いてG1を低下させた値を直接入力して繰り返し解析して引張応力が発生しない値を採用するといった試行錯誤で行うことも考えられます。 定式化された方法はないので、いろいろな方法や入力値を試して引張応力が発生しないように設定することになります。
関連Q&A:Q3−24.
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Q2−43. |
上載圧の計算方法
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A2−43. |
上載圧の計算については、ユーザ様が選択できるようになっています。 [ソリッド要素の材料パラメータの設定]の「上載圧の計算方法」の入力方法に4通りあります。 1:直接入力 2:標準貫入試験実施位置の要素におけるY方向の応力の平均値 3:材料番号で認識されたブロック内のY方向における応力の平均値 4:材料番号で認識されたブロック内で、Y0_SPTより定義される標準貫入試験実施深度に位置する全ての要素におけるY方向の応力の平均値
1の場合は、別途計算した結果を入力します。 2の場合は、標準貫入試験位置の上載圧なので、盛土でない場所でN値を測定した場合は、盛土の影響が考慮されません。 3の場合は地層全体で上載圧の平均を取ります。 4の場合は、N値測定の深さにおける全要素の平均値です。
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Q2−44. |
複数の液状化層を設定することは可能か
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A2−44. |
入力として複数の液状化層を設定することは可能です。各層においてFL値を求め、そのFL値の大きさにしたがってせん断剛性を低減します。
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Q2−45. |
複数の液状化層を設定した場合、天端直下の液状化層をどの層としたらよいか
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A2−45. |
堤体盛土に最も影響を与える層を取り上げることになるので、通常は2層ある中で上の層と考えられます。
なお、「河川構造物の耐震性能照査」にある考え方や導入について、参考文献をご参照いただくと良いでしょう。 一つの意見としては、小分けに層を区分するよりも単純な層構造にして液状化層と非液状化層をそれぞれ1層ずつとして設定する方が、本来の計算モデルとして前提とする地層構成に近いので理論的に整合しているとも考えられます。 堤体盛土の非液状化層の取り扱いは経験(統計的なデータ)に基づく方法なので、お考えの解析モデルの場合に当てはめることができるのか検討の余地があります。場合によっては単純にせん断剛性を1/10に低減する方法や、弾塑性モデルを試されるのもよいでしょう。 参考文献: 液状化に伴う流動の簡易評価法 土木学会論文集No.638
III-49, 71-89, 1999.12
液状化に伴う地盤の大変形の簡易予測方法
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Q2−46. |
あるステージから地盤改良によってソリッド要素のEを変更したい
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A2−46. |
地盤改良後のプロパティを別番号として新たに設定し、該当する部分に当てはめます。たとえば、最初は材料番号1だった部分が、地盤改良によって変形係数が変わったなら、材料番号を別にして新たなプロパティを設定し直します。
あるステージで上記のような地盤改良をして変形係数を変えても、そのステージで荷重の変化がなければ変位は生じません。実際の現場でも地盤改良をしただけでは特に変形はしないと考えられますが、どのような変形を予測して解析するかによって荷重条件を含めたモデルの設定が違ってきます。
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Q2−47. |
ソリッド要素の材料パラメータの設定−液状化材料のX0、Y0について、1つの層にボーリング試験値が2個以上ある場合はどうしたらよいか
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A2−47. |
1つの層にボーリング試験値が2個以上ある場合は、平均値をとるか、層を細分化するかすればよいでしょう。ただし、細分化する場合に1m以下の層厚に細かく設定するよりは、N値の精度や計算手法が経験則に基づくことから考えるとある程度平均化したほうがよいと考えられます。
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Q2−48. |
解析次元で指定する「平面ひずみ解析」と「軸対称解析」の違いは何か |
A2−48. |
平面ひずみ解析は、トンネルや土留め、河川堤防など一般的な横断面についてモデル化する場合に適用します。
これは断面が縦断方向(奥行き方向)にも続いていると仮定し、縦断方向の変形については無視できるような対象を取扱います。
軸対象解析は、杭や円形基礎のように軸回りに同じ断面を持つ回転対称な構造物をモデル化する場合に適用します。その断面(半径分の断面)を入力することで疑似的に3次元的な取扱いが可能となるものです。
ただし形状が回転対称であっても、力の作用が回転対称でない問題(たとえば一点だけに作用する集中荷重)は軸対称解析として取り扱えません。また梁要素や棒要素は使えません。
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Q2−49. |
掘削解放率についてどのように入力したらよいか
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A2−49. |
掘削を設定したステージの中で、その掘削に対する解放率を各ステージで振り分け合計して1となるようにします。
掘削の解放率は、トンネルなどの掘進にあわせ次第に応力解放していく割合いを入力します。もしくは覆工の施工方法によって掘削解放をどの程度見るかを指定するときに用います。 たとえば、ステージ2の1次掘削時の解放率をステージ2の時点で0.6と入力していますが、残り0.4(40%)は、ステージ3で解放されるとお考えであれば、 ステージ2 0.6 ステージ3 0.4 というように、2行で入力し、トータルで1.0にして頂かなければなりません。
トンネルのように奥行き方向に掘進するために、奥行き方向の壁の影響を考える場合に考慮する割合です。たとえば丸くトンネルを掘って1m程度の掘進しかない場合、断面としては円形にくりぬいた状態です。一方、山の反対側まで突き抜けて奥行きに壁がない場合も、2次元断面としては円形にくりぬいた状態です。前者では奥行きの壁があるので、トンネルとして抜けた状態よりも円形にくぼんだ状態であり、地盤応力(解放応力)の60%くらいの力が1m掘進した部分にかかり残りの40%は奥行きの壁が負担すると考えます。後者は完全にくりぬいたトンネルの状態なので周辺からの地盤応力がトンネル中心に向かって100%かかるので応力解放率は1.0となります。
通常の土の掘削では、掘削した時点で応力が全て解放されると考えて、
掘削時のステージで 1.0 という入力でもよいと考えられます。
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Q2−50. |
鋼管杭を使った土留め掘削による近接施工影響検討時の鋼管杭の断面モデル化の方法
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A2−50. |
鋼管杭を1mの奥行き幅に換算して梁要素で設定します。防護コンクリートが厚いものであれば、ソリッド要素でその部分を表現します。
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Q2−51. |
ライナープレートと支保工を同じ場所に設定したい
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A2−51. |
両方の断面諸元を足し合わせたプロパティ番号を用意して、該当するステージで設定してください。
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Q2−52. |
ボックスカルバート近辺で盛土を施工する場合に、土の構成モデルはどのように設定したらよいか
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A2−52. |
基本は、線形弾性を用いて変形状態やボックスにかかる断面力を見ます。
地盤の状態(軟弱である場合など)によっては弾完全塑性としてMC/DPを使うこともよいでしょう。
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Q2−53. |
2Dσの解析結果のメッシュ図(アイソパラメトリック要素メッシュデータ)から入力データを生成して取り込む方法
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A2−53. |
入力マニュアルで示された書式に合わせて、2DσのファイルからMifesやNotepadなどのエディターを用いて以下の2つのファイルを作ります。
*.msh メッシュデータ(節点座標と要素の構成)
*.sta コントロールデータ 作成したらプレ部を立ち上げずに直接、ソルバーを実行します。
詳しくは以下のヘルプをご覧下さい。
[操作方法]-[ロードモジュール]-[ロードモジュール版の操作方法]
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Q2−54. |
地層を区分した場合のN値の入力方法
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A2−54. |
地層を区分した場合は、その地層範囲内のN値で平均するのがよいでしょう。 なお、地層はN値の計測間隔が1mが標準なので、1m未満の細分化(同一砂質土層の中で)はあまり根拠がなくなります。
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Q2−55. |
1つの液状化層に複数の粒度試験結果がある場合、結果ごとに層を分けた方がよいか
(例:粒度試験結果が3つある場合、層を3つに分けて入力する)
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A2−55. |
平均粒径D50を見て粒度が深さごとに大きく異なる場合は層を分けた方がよいでしょう。あまり変わらない場合は平均値でもよいでしょう。通常は、沖積砂質土層として河川や海岸などの堆積過程で同じような粒径が集まると考えられます。同一地層として区分される場合は、粒度試験結果を平均してもよいでしょう。
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Q2−56. |
ソリッド要素の材料パラメータの設定において、ポアソン比νにはどのような値を入力したらよいか
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A2−56. |
ポアソン比はポアソン比νは静止土圧係数とポアソン比の関係を表す関係式があります。
ν=Ko/(1+Ko)
静止土圧係数を0.5とすれば
ポアソン比は0.333となります。通常は、0.33でもよいでしょう。トンネル示方書に記述があります。
付表2.8 地盤諸定数(抜粋)
標準N値
ポアソン比
粘性土
地 盤 軟らかい 0〜4 0.45
中位の 4〜8 0.45
堅い 8〜15 0.40
非常に堅い 15以上
0.35
砂質土
地 盤 緩い 0〜10 0.40
中位の 10〜20 0.35
やや密な 20〜30 0.35
密な
30〜50 0.30
非常に密な 50以上 0.30
岩盤 - -
0.25
トンネル標準示方書(開削工法編)H8.P266
圧密計算を有限要素解析で理論的に行う場合にはCam
Clayモデルや関口太田モデルが組み込まれたプログラムを必要としますが、本プログラム(GeoFEAS®)にはそうしたモデルはありません。
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Q2−57. |
上部は液状化し(FL1.0以下)、下部は液状化しない(FL1.0以上)ため、層を分けてモデル化を行いたい
その際、平均N値は上部、下部とも同じ平均N値を入力したほうがよいか、それとも分割した層内で各平均N値を入力したほうがよいか
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A2−57. |
同じ砂質土層でも、層厚が厚い場合や層の上下でN値や粒度が異なりFL値による液状化判定が異なることがありますが、N値だけで判断すると層を細かく分け過ぎる危険があります。 物理試験(粒径)の結果やコアの記述などを参考に、層の上下で土質が余り変わらない場合は平均を取ってもよいでしょう。しかし砂と粘土が互層になっている、あるいは近傍のボーリング結果では同じ地層でもかなり異なるN値を示しているなどの地質条件であれば、層を分けて考えても良いでしょう。
また、平均値を取ると全体が液状化しない判定となり、設計上は不安がある場合は層を分けて液状化をする部分を評価することもあります。
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Q2−58. |
2次要素(中間節点)の設定について教えてほしい |
A2−58. |
解析要素に対して中間節点を設けることで、要素の精度を高め大変形に対応した解析が可能となります。
通常4つの節点で一つの要素を構成する4節点要素ですが、中間節点を[有り]とした状態でメッシュを生成することで8節点要素とすることが出来ます。
本設定は[メッシュ分割]-[定義]タブ-サイドツールバー[中間節点の指定]ボタンより[中間節点の有無]を[有り]とすることで設定頂けます。
メッシュ分割済みのモデルに対して新たに中間節点を設ける場合は、新たに[メッシュ分割]-[確認]を行う必要がございますことをご注意ください。
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Q2−59. |
場所打ち杭をモデル化する場合、梁要素とソリッドのどちらにしたらよいか
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A2−59. |
場所打ち杭をモデル化する場合は、杭の杭長と杭径の比率で梁とするかソリッドとするかを決めても良いでしょう。杭径が細い場合は梁要素、深礎やケーソンのような場合はソリッド要素のほうがよいでしょう。 また、計算結果は断面力で表示する場合は梁要素を採用し、応力度で表示する場合はソリッド要素が便利です。 なお注意点として、杭の断面諸元(断面積、断面2次モーメント)は奥行き1m当たりに換算する必要があります。奥行きの杭間隔が1.5mならば杭の断面諸元を1.5で割ります。
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Q2−60. |
ライナープレートのような解析断面と直交する方向(奥行き方向)に円形の掘削がある場合に、2次元解析でどのようにモデル化するのか? |
A2−60. |
2次元の解析では奥行き方向には、同じ断面が続くと仮定します。たとえば河川堤防のような場合は横断面についてモデル化しますが、河川と平行の縦断方向は同じ断面が続くので変形を考えません。そのような奥行き方向の変形がないと仮定できる場合は、平面ひずみ問題として解法することが可能です。
しかしライナープレートを用いた掘削のように、奥行き方向の円形断面を考慮しないと解析結果として過大な変形が予想されるような場合は、2つの解析モデルに分けることが考えられます。1つ目のモデルは軸対象モデルとして円形の掘削断面の変形量を求めます。2つ目のモデルは周辺構造物を含んだ解析断面を平面ひずみモデルで設定し、先に求めた掘削部分の土留め壁の変位量を強制変位量として入力することで、平面ひずみモデルにライナープレートによる掘削の影響解析を行うことができます。
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Q2−61. |
材料プロパティの設定でROモデルなどでは平均有効応力を入力するようになっていますが、どのように決定して入力するのでしょうか、また役割はどのようなものでしょうか?(GeoFEAS®) |
A2−61. |
入力値の平均有効応力はσm’と表記され、添え字の意味は m:mean 中値を意味します。ダッシュは有効表示を意味します。
上載圧をσv’とすれば、静止土圧係数Koを掛けて水平土圧σh’が求まります。2次元解析では平面ひずみ問題として奥行きの変形は拘束されていますが、実は奥行き方向にも水平応力があります。
したがって次式で平均有効応力σm’は表現されます。
σm’=(σv’+σh’+σh’)/3=(σv’+2Ko・σv’)/3
ここでKo:静止土圧係数
静止土圧係数を0.5とすれば σm’=2/3σv’ となります。
σm’は、入力時に設定するので地層の代表的な深さにおける初期応力 (手計算)から設定してよいでしょう。
ちなみに、せん断弾性係数Gはひずみ依存性と拘束圧依存性があります。下記の式は拘束圧依存性を表す式です。
G=Go(σc’/σm’)^m ( 式の最後のm は指数を意味します)
一般にせん断弾性係数は、初期せん断弾性係数Goに対する平均有効応力をσm’とすると、深度に応じた拘束圧σc’(プログラム 内の計算値)によってせん断弾性係数が変わります。そのときの拘束圧依存性を表す指数がmで、砂質土の場合は一般に0.5を取ります。
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Q2−62. |
モデルを修正するとエラーが発生しました。原因は何でしょうか。 |
A2−62. |
モデル作成において修正したならば、必ずモデル作成の決定で自動ブロック化を実行してください。
すると要素の定義がすべて消えてしまいますが、再度、要素定義で材料プロパティを各ブロックに割り当てます。
要素定義をし修正した後に[メッシュ分割]-[確認]をせずに、そのまま解析実行するとエラーメッセージが表示されます。
[モデル作成] の段階で何らかの修正の手を加えたなら、「必ず」その後に続く[メッシュ分割]-[確認]をする必要があります。すなわちモデルやプロパティを定義しなお した状態でメッシュを切り直します。その後の境界条件は再入力する必要があります。
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Q2−63. |
粘性土層の場合ですが一軸の試験値を使用したいのですがE50をそのまま入力すれば良いのでしょうか。
それともαEoとなっていますのでE50にα=4を掛けてαEoで入力をするのでしょうか。 |
A2−63. |
α=4をかけてください。
試験によって載荷している状態のひずみ状態(変形の大きさ)が異なります。
弾性波速度をもとに変形係数を推定する場合、土の変形は極めて小さいのでひずみは微小領域です。一方、室内試験の場合は実際目に見えて土の供試体が変形するのでひずみは大きい状態です。
土はひずみが大きいと変形係数が小さい(すなわち、少し荷重を加えるだけで大きく変形する)という性質があります。
そのひずみによる変形係数の違い、初期変形係数Eoと降伏の50%の状態で求めたE50との関係を調整する係数がαです。
本プログラムでは初期変形係数Eoを入力するので、Eo=αE50 とします。
なお、道路橋示方書には荷重条件(常時と地震時)で変えますが、本プログラムでは荷重条件で異なる値を入れず常時をもとにすればよいでしょう。
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Q2−64. |
Q2-63に一軸の試験値E50を使用する場合、GeoFEAS®では初期変形係数Eoを入力するので、Eo=αE50(α=4)とします、とあります。
道路橋示方書に試験根拠でαの記載とあるように、孔内水平載荷についても一軸圧縮同様、標準貫入による推定換算と違い、測定試験からの値なので同様にα=4と考えてよいでしょうか? |
A2−64. |
孔内水平載荷試験による変形係数とN値との関係式は、
E=700・N
です。孔内水平載荷試験結果と室内試験結果E50を同等みなしてよいでしょう。
GeoFEAS®2Dでは、初期変形係数E0(ひずみの微小なレベル)を設定します。その場合は、以下のようになります。
E0=2800・N
従って、ご質問の回答としては、α=4と考えてよいでしょう。
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Q2−65. |
オートメッシュで分割したいが、モデル作成の時のどのような条件が必要となるか? |
A2−65. |
基本的にはモデルが閉図形によって構成されていれば「オート」でメッシュ分割することは可能です。「セミオート」の場合はモデルが、三角形あるいは四角形の閉図形で構成されている必要があります。 ただし、どちらのメッシュモードもブロック化された状態(解析対象範囲が赤くハッチングされた状態)である必要があります。指定のメッシュモードで上手くブロック化出来ない場合は、「モデル作成」タブにて「自動ブロック化」をお試しください。
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Q2−66. |
モデル作成後に自動ブロック化した際に,閉図形になっているのにブロック化されない箇所が出るがどうすれば良いか? |
A2−66. |
まずメッシュ分割モードがセミオートとなっているか、オートメッシュとなっているかご確認ください。
セミオートの場合、モデル作成の段階で三角形あるいは四角形の閉図形になっている必要があります。
メッシュ分割モードに問題がなければ、ブロック化されない箇所の節点を拡大してご確認ください。特に全体表示では閉図形に見えますが、拡大すると図形頂点の節点が僅かにずれていて閉図形となっていない場合があります。
[作成]タブ、サイドツールバーにございます「モデルの閉口チェック」にてモデルの状態のチェックすることが可能です。
モデルに閉図形となっていない箇所がある場合には、下記のダイアログが表示され該当のID点を確認頂けます。
以下のID点で線分が閉じていません。
平面ひずみ要素の設定で当該箇所がエラーとなります。
平面ひずみ要素を構成するIDを閉口させてください。
==================================================================
ID点[ *** ]
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Q2−67. |
CADファイルをインポートした時、CAD上の原点がGeoFEAS®ではずれてしまうがどうすればよいか? |
A2−67. |
CADファイル上のセンター(0,0)が、GeoFEAS®2Dにインポートするとずれる場合は、インポート後に以下の手順で修正します。
(1) 原点とすべき節点を選択する
(2) 右クリックしてメニューを呼び出し「選択された節点を原点とする」を実行する。
(3) (1)で選択した節点が(0,0)となる
もし元のCADの原点位置に節点がない場合はGeoFEAS®側で一旦その位置に節点を作成し、上記の手順で全体を移動した後で不要な節点を削除することで移動可能と考えられます。
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Q2−68. |
計算時にエラー(終了しない)となるが原因がわからない。土質パラメータなどには問題がないと思うが、どんな原因が考えられるか? |
A2−68. |
計算時のエラーについては様々な原因が考えられますが、ステージ設定や土質条件などに問題がない場合は、よくあるケースとしてモデル自体に問題がある場合があります。
例えば、データ作成後にモデル作成の「作成」でなんらかの修正をした場合は、必ず自動ブロック化をする必要がありますが、線分や点を修正した後、自動ブロック化せずに設定を進めて計算を実行すると予期せぬエラーが生じます。
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Q2−69. |
オートメッシュで地上から突出したような梁要素を含んだメッシュが生成できない |
A2−69. |
当社が採用しているオートメッシュのライブラリは、閉図形から突出している線分については対応していません。
今後、対策を検討する可能性はありますが、今のところはセミオートでご対応いただくようお願いします。
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Q2−70. |
各ステージの荷重について、荷重の変化が無い場合はどのように入力すれば良いか? |
A2−70. |
本プログラムでは、前ステージと次ステージの差を増分として、荷重の変化(増分)をもとに解析します。
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Q2−71. |
境界条件について、一般的に「底面は固定あるいは水平ローラー、側面は鉛直ローラー」を設定すると思うが、何かもとになる基準はあるか?
また、底面については、何を根拠に固定か水平ローラーかを決めればよいか? |
A2−71. |
境界条件とは基準に記載されるものではなく解析理論からどのようなモデルを設定するかによります。
たとえば堤体の場合は横断面をモデルにするので、基盤面に相当するレベルでは変位はゼロとみなし境界条件を設定するので「固定」とします。横は、左右方向の変位が本体に影響がないほど離れているとみなせる位置に境界を設定し、鉛直方向は沈下や隆起を考慮するので鉛直ローラとします。
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Q2−72. |
液状化の計算において基盤面はモデルに組み込んだほうが良いか? また、組み込まなかった場合、沈下量に大きな影響はあるか? |
A2−72. |
基盤面は一般にN値がある程度の大きさ50以上あり、かつ層厚がある程度5m以上あるといった条件で決まります。
場所によっては基盤面が上記の条件で決まらない場合、基盤面までモデル化すると異常に深い設定になりかねません。対象とする構造物に対して5倍以上(たとえばトンネル径の5倍程度)取れば十分と考える場合もあります。いずれにせよ境界条件は、本体の変形と影響がないほど離れているか、基盤のようにそれ自体が変形しないような剛な地層に設定します。
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Q2−73. |
液状化の解析を行う上で、沈下量に大きく影響するものは何か? 例えば、タイプTとタイプUであまり沈下量が変わらなかった場合、一般的に理由としては何が考えられるか? |
A2−73. |
液状化解析では、大きく影響する要因としてせん断剛性G、液状化に影響するN値そして設計水平震度があげられます。地形の形状も平坦であるか、堤体が異様に高く突出しているかによっても異なります。
沈下量が変わらない理由として、そもそも液状化する地盤ではないかも考慮します。
また、道示に準拠すれば地表面から20m以上の深さは液状化対象層にならないと判断されます。
液状化層FL、RL、Drのパラメータを直接入力としている場合は、一度内部計算としてみるなどもお試しください。
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Q2−74. |
杭を梁要素ではなくソリッド要素でモデル化したいが、幅はどうすれば良いか? |
A2−74. |
ソリッド要素で杭を表現する場合、基礎幅で換算するとすれば弾性係数を固定として断面積から幅を算出するか、幅を杭径に固定しておいて弾性係数を換算することが考えられます。
(関連:Q2-59)
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Q2−75. |
弾性モデル([ソリッド要素]-[線形弾性モデル],[ソリッド要素]-[積層弾性モデル],[ジョイント要素]-[線形弾性モデル])のパラメータcとφは何に使用するのか(GeoFEAS®) |
A2−75. |
局所安全率の計算に使用します。
(局所安全率の算出のみに使用しますので、局所安全率の算出が必要ない場合、粘着力に大きな値を入力してください)
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Q2−76. |
岩盤を想定しているが弾性係数にα=4を考慮すべきか(GeoFEAS®) |
A2−76. |
岩盤は線形性が強いのでαのようなひずみ依存は不要と考えられます。
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Q2−77. |
液状化層の中間位置に水位線を設けた場合、自動的に水位以深と以浅で液状化層と非液状化層に分かれるのか?
それともモデル作成の段階で水位以深と以浅で要素を分ける必要があるか? |
A2−77. |
地下水位が地層の中間などにある場合は、必ず地下水位で地層を分けてモデル化して下さい。
特に、液状化層の中間に地下水位がある場合は、地下水位より下が「液状化層」、上は「非液状化層」というように、地盤の構成則を変更する必要がありますので、モデル作成時点で、両者を分けて下さい。
本プログラムでは、地下水位に関係なく(地下水位より上であっても)、「液状化層」と設定したソリッド要素は、液状化層とみなします。内部的に、地下水位より上と下で区別することは致しませんのでご注意下さい。
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Q2−78. |
PZ-Sand及びPZ-Clayについて詳しく知りたいのですが、参考文献などを教えてください。
また、PZ-Clayとカムクレイにはどういった関係がありますでしょうか。(GeoFEAS®) |
A2−78. |
PZ-Sand、PZ-Clayは一般的な弾塑性モデルです。参考文献を以下に示します。
パラメーターの設定には通常の物理試験(粒度、密度等)のほか、三軸圧縮試験があるとよいでしょう。
(関連:Q2-2, ソリッド要素の材料パラメータの設定で「PZ-Sandモデル」はそれぞれ何を入力すればよいのか)
また、PZ-Clayの場合は圧密試験を行うとよいでしょう。
PZ-Clay はカムクレイモデルから派生したモデルです。
参考文献:
1) Pastor, M., Zienkiewicz, O. C., and Chan, A. H.: Generalized plasticity and the modeling of soil behaviour, International Journal
for Numerical and Analytical Methods In Geomechanics, Vol. 14, No. 3, pp. 151-190, 1990.
2) Zienkiewicz, O. C., Chan, A. H. C., Pastor, M., Schrefler, B. A., and Shiomi, T.: Computational Geomechanics with Special
Reference to Earthquake Engineering, John Wiley & Sons Ltd., Chichester, 1999.
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Q2−79. |
あるデータで液状化時の解析条件において,地表面における設計水平震度を変更しても計算結果の変形量に全く変化が見られないのは何故か |
A2−79. |
液状化材料のパラメータ[G2:液状化時の回復せん断剛性]と[FL:液状化に対する抵抗率]が入力されている場合(ゼロとなっていない場合)、設計水平震度で計算せずに入力値で計算するので震度に何を入れても変わりません。
G2とFLをゼロにして内部計算とする必要があります。
なお、参考までにGeoFEAS®2Dにおける液状化解析の場合と通常解析の場合設計水平震度(あるいは水平加速度)の取扱いは以下の通りです。
GeoFEAS®2Dの中で、液状化解析の場合と通常解析の場合と設計水平震度(あるいは水平加速度)の取扱いが異なります。
液状化解析の場合は、道示に準拠して地表面からせん断応力分布を計算するために設計水平震度を用います。その地震時のせん断応力と液状化に対するせん断強度との比率がFLとなります。FLを計算するだけなので、荷重として水平力を算出して横に変形させるわけではありません。
「設計水平震度→FLの計算→G2の計算→自重による鉛直方向の変形」
一方、通常解析の場合は、応答震度法に相当する用い方となります。荷重として横方向に作用するので境界条件がフリーならば横方向に変形します。
「水平加速度→横方向への要素に作用する荷重→水平力による横方向の変形」
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Q2−80. |
地表面より上側に水位がある場合、地表面に沿って水位を入力するようになっているが(マニュアル+ヘルプ)、この場合地表面より上側の水の影響は考慮しなくてもいいのか?
(例えば分布荷重とか、上側荷重は液状化に影響すると思うが) |
A2−80. |
通常解析の場合と液状化解析の場合の水圧(水位)の設定により、考慮の仕方が異なることに原因があります。本プログラムの通常解析では「水圧」は荷重として計算されます。
一方、液状化解析は全応力解析を前提としており、画面上は同じですが「水位」の設定としてFLの計算をする際の有効応力を計算するのに使い、自重としては水圧(浮力)は考慮しません。
したがって液状化解析の場合に「水位」の設定はFL計算のためだけに用います。水圧として荷重を作用させるわけではないので地表面より上に設定しません。
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Q2−81. |
「柔構造樋門の設計」の本体縦方向の計算においてレベル2の検討を行う時、GeoFEAS®2Dを使ってレベル2の沈下量・変位量をもとめたいのですが、
この時の土質定数(堤体等)は現地盤の定数でしょうか? 施工後の新盛土の定数でしょうか?
施工後の新盛土の定数であれば、函体下面を地盤改良する場合は、これも地盤改良の定数を用いるのでしょうか? |
A2−81. |
盛土施工後の定数です。地盤改良をする場合はそれを考慮した定数となります。
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Q2−82. |
すべりや剥離を表現したいが、ジョイント要素を使えばよいか。それとも別の方法があるか。(GeoFEAS®) |
A2−82. |
GeoFEAS®2Dのみならず一般に有限要素法を用いた弾塑性解析は、連続体の力学をもとにしているので不連続面の表現が不得手です。ジョイント要素は岩盤の亀裂を対象にして提案されたものです。しかし、必ずしも使う人の予測したとおりの解析結果となるかどうか難しい面があります。
ジョイント要素のかわりにソリッド要素の薄層を設け、薄層の材料プロパティとして弱いヤング率(桁を周囲の地盤プロパティよりも1桁もしくは2桁小さくしたヤング率)をダミーに入れると、擬似的に不連続やすべりのような表現が可能です。
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Q2−83. |
空洞があるようなメッシュを作成したいが計算に問題ないか。
(例えば、地中にあるトンネル内部を空洞にして要素定義などをしないようにしたい) |
A2−83. |
問題ありません。該当部分をブロック化せずにメッシュ分割を行ってください。
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Q2−84. |
メッシュ分割をした後に、メッシュを直接編集できないか? |
A2−84. |
メッシュを直接編集することはできません。モデル作成に戻り、モデル編集後に再度分割をして頂くことになります。
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Q2−85. |
ソリッド要素のプロパティ設定にてプロパティNoは設定した順番に作成されるが、並び替えることはできないか。また、削除はできないか。 |
A2−85. |
登録済みのプロパティ番号を並び替えたり削除したりすることはできません。
ただし、未使用のプロパティにつきましては[ステージ設定]タブにある「未使用プロパティの削除」ボタンで削除することができます。
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Q2−86. |
モデル作成でマウス操作でモデルを作成しているが、意図した位置に線分などが作図できない。
(点がグリッドの位置に補正されている?) |
A2−86. |
[モデル作成]タブの右側のメニューの一番上に「グリッドの設定」があります。
こちらの画面で「グリッドにスナップ」をOFFとして下さい。
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Q2−87. |
非線形解析として軟弱粘性土にMC/DPを与える場合、定数値の入力は変形係数のほか強度定数も必要としているが、この強度を増強させると地盤の変形値は変わるのか(GeoFEAS®) |
A2−87. |
本製品に組み込まれている弾塑性モデルMCDPは、応力の小さな状態では線形弾性としてフックの法則に従います。
いわば荷重が増加するだけ、比例してそのまま変形も増加します。強度定数は破壊規準を設定するために入力します。応力状態が大きな状態で破壊規準まで達すると「降伏状態」となり、それ以降は塑性状態として、あまり荷重が増加しなくとも変形が大きくなる状態となります。
ご質問は「強度定数を大きな値(強度増加)を入力すると変形はどのような傾向になるのか」というご主旨かと思いますが、破壊規準が高めとなるので、ある程度の大きな応力状態でも線形弾性として微小な変形にとどまります。そのため全体的な傾向としては変形は小さめな傾向になります。
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Q2−88. |
せん断係数低減材料1と2の違いを教えて下さい |
A2−88. |
せん断剛性低減材料1は、初期せん断剛性G0と低減後のせん断剛性G1を入力で指定します。
せん断剛性低減材料2は、ヘルプにある式に基づき下部液状化層のFLによってせん断剛性G1を計算します。
せん断剛性低減材料2は既往の被災例をもとに経験式に当てはめる方法です。典型的な河川堤防のような台形ではなく堤体形状が不明瞭な場合は、経験式そのものが適用できるのかどうかという疑問点があります。堤体形状が不明瞭な場合の設定方法については、式の適用の問題となり、類似するような問題に対処する方法は既往研究成果には見かけません。
適用できるかどうか不明な場合は、せん断剛性低減材料1を使う、あるいは[線形]-[No-tension]を使うということをお薦めします。
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Q2−89. |
地盤内に地下水位を設定しても変位に変化が見られないが、なぜか。
なお、ステージ1を初期応力解析、ステージ2で盛土荷重を設定しています。 |
A2−89. |
土を線形弾性として盛土荷重を与える場合には水位の影響がでません。
地下水位の影響は水圧荷重として考慮します。
土のモデルが線形弾性の場合は初期応力解析(ステージ1)で水圧荷重を考慮しているか、しないかで、その後の盛土荷重の影響に差異が生ずることはありません。
盛土荷重は増分として計算し、その増分荷重が比例的に変形を生じさせるので、両者に違いがありません。
地盤が弾塑性のように初期応力の値によって、ステージ2の盛土による増分荷重の影響が大きく違いを生じさせる場合があります。初期応力が、破壊基準線に近い応力状態であれば変形が大きくなります。その初期応力に水圧が影響します。
また、ステージ2で掘削する場合は解放応力を増分荷重として考慮するので、土を線形弾性にしても地下水位の影響が発生します。
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Q2−90. |
液状化解析において2次要素(中間節点)の設定は必要か |
A2−90. |
製品サンプルデータ「計算事例-01」にございます通り、液状化時の自重変形解析を行う場合には必ず2次要素(中間節点)は有りとして設定下さい。
中間節点を設けることで解析要素の自由度が向上し大変形に対応した解析が可能になります。
関連 Q2-58
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Q2−91. |
補強土壁の補強材(ストリップ)を解析に組み込む場合において解析モデルはどれを選択すべきか? |
A2−91. |
補強材は構造部材となりますので棒要素か梁要素で表現するのが一般的となります。
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Q2−92. |
ソリッド要素のプロパティ等の入力データは印刷できるのか? |
A2−92. |
解析条件の印刷機能はVer.3.2.0よりご利用いただけます。
メニューの「ファイル」-「印刷プレビュー」-「解析条件」-「プレビュー」からご選択ください。
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Q2−93. |
コンクリート構造物のモデル化を行う際の材料パラメータ(変形係数、ポアソン比、C、φ)はどの程度の値を入力するのがが一般的といえるのか? |
A2−93. |
コンクリートは設計強度によって変形係数も変わりますので、コンクリート標準仕様書より適切な数値を 参照するのが良いと思われます。
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Q2−94. |
家屋荷重や一時的な重機荷重を想定した帯荷重や集中荷重のような荷重設定を行いたい |
A2−94. |
任意の分布荷重および集中荷重を設定をすることは可能です。
[ステージ設定]-[解析条件]タブより設定することができます。
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Q2−95. |
サンプルファイルに[河川堤防の地震時変形解析]-[計算事例-01.GF2]というファイルがあるのですが、これは国土交通省の資料の再現したものでしょうか |
A2−95. |
堤防(土堤)の地震時変形解析計算例(平成19年5月25日版)を再現したものとなります。
[ステージ設定-解析条件]タブ[解析条件の設定]において、[地震動タイプ]を[レベル2のタイプU]としています。ほぼ等価な解析結果を得られているものと考えられます。
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Q2−96. |
2重節点を入力したい |
A2−96. |
2重節点の入力には対応しておりません。
対象の節点に対して近傍点を設けてその間をバネ要素で結ぶことで便宜的に設定いただくことは可能です。
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Q2−97. |
解析実行時の出力データをネットワーク上の場所を指定したいのだが、 「解析用入力・出力ファイルの保存フォルダが存在しません。」と表示される。
解析用ファイル設定のタブで、フォルダの「参照」をクリックしても、ネットワークが選択できない。 |
A2−97. |
出力ファイルをネットワーク上にあるフォルダに保存したい場合は、予めネットワークドライブの割り当てを行う必要があります。
Windows 10/8.1/8/7 では、「コンピューター」または「PC」を開き画面上部のリボンより「ネットワーク ドライブの割り当て」から設定を行えます。
設定後、 [解析用ファイル設定]から参照ボタンを選択し、[ディレクトリの選択]-[ドライブ]より切り替えを行うことが出来ます。
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Q2−98. |
解析実行時に以下のようなエラーメッセージが出現したが対処法を教えて欲しい
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エラー
弾塑性解析データファイル(*sta)のデータカード15の盛土領域にある要素番号が、アクティブなメッシュに対して設定されています。
データをご確認下さい。
要素番号:***
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A2−98. |
ソリッド要素として設定されている要素に対して、重複して盛土領域の設定がされております。
一度対象の要素を解除し再度盛土領域を設定ください。
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Q2−99. |
「掘削・埋め戻し・基盤面以上に盛土」のような場合にはどのようにモデルを作成するのか |
A2−99. |
モデル作成段階において予め盛り立てた形状の地盤モデルを作成します。
埋め戻し、盛り立ての段階で初めてソリッド要素の設定を行うようにします。
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Q2−100. |
液状化材料の[ ソリッド要素の材料パラメータの設定 ]-[地震時せん断応力比の計算方法]の選択肢について教えてほしい |
A2−100. |
地震時せん断応力比Lの計算方法を指定します。
1:N 値の位置のみ(X0,Y0位置)でL を計算します。この場合、該当液状化層のFL は一定となります。
2:当該液状化層に対して各要素のガウス点毎に、鉛直土圧を地盤に合わせて計算し地震時せん断応力比Lとします。この場合、FLの入力に依らず該当液状化層のFL値は要素ごとに異なります。
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Q2−101. |
CADからモデルをインポートする際に、既にメッシュを設定済みでも問題無いか |
A2−101. |
プログラムとして制限は設けておりませんが、二重節点や二重線などが発見しづらくなるため推奨は致しません。おおまかなブロックでモデルを分割しメッシュの分割はプログラム側で行うのが、処理が早くミスも少ない方法です。
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Q2−102. |
『新版 地盤FEM解析入門』p.182において以下のような記載があり、地表面より上の橋脚上部工は自重を考慮しないとしているがその理由について教えてほしい。
> 推進工法の立杭および推進管については、掘削時の検討のため構造体の断面は考慮しない。
> 地表面よりも上の橋脚、上部工は自重を考慮しない。 |
A2−102. |
近接する既存の構造物にかかる上部工荷重や自重は、近接施工影響検討に考慮しません。 例えば、既設構造物が杭基礎の場合は、その荷重は杭先端にかかります。仮に、推進管や土留め壁を近接して施工しても、既設構造物にかかる荷重は推進管や土留めには影響しないことになります。 一方、地表面に鉄道荷重が作用する場合は考慮することがあります。列車荷重によって推進管や土留め周辺の応力状態は変化するからです。 したがって、既存の地表面より上の橋脚上部工荷重の影響は、変形量を求めるときは、すでに構造物が存在している状態を初期状態とするため、考慮しません。
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Q2−103. |
同一線上に複数節点が存在する場合は繋げて一本の線としても良いか |
A2−103. |
分割のみを目的とした節点に場合、繋げても問題はないと存じます。
[メッシュ分割]にて要素自体の分割数を変更することが可能ですので、節点を追加入力しなくとも調整頂けます。ですが、各節点の座標値を正確に把握し、節点荷重を入力する場合等、敢えて繋げないケースも考えられます。
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Q2−104. |
例えば堤防地盤に対して被覆構を施工した場合の影響を、被覆構をFEMとしてモデル化する場合と堤防天端の各節点に節点荷重として与えていく場合ではどのような影響が考えられるか |
A2−104. |
おそらく節点荷重として設定した場合の方が変位は大きく算出されるのではないでしょうか。
節点荷重荷重として再現する場合は剛性が評価されないので、被覆構による変形抑止効果がなくなります。
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Q2−105. |
全体安全率とひずみの関係について教えてほしい。ひずみが増加すると全体安全率にどのように影響があると言えるか (GeoFEAS®)
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A2−105. |
全体安全率は、モデル全体の中で弾塑性解析の発散する箇所が発生した段階で、系全体の安全率として表示します。
ひずみは、その発散するような部分では応力状態が破壊基準に接近するので大きなひずみが生じるため、言わば全体安全率に最も影響を与える領域がひずみの大きな部分となります。
ひずみの大きさは剛性にもよるのでひずみが変化する割合すなわちひずみ増分が大きなところが、弾塑性解析の発散する箇所と考えられます。
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Q2−106. |
ジョイント要素を設定する際に左右どちらのソリッド要素を指定するかは関係あるか (GeoFEAS®) |
A2−106. |
ソリッド要素とソリッド要素の間にジョイント要素を設定する場合は隣り合う要素のどちらを指定しても問題ありません。
ただし掘削の山留めとしての要素にジョイント要素を設定する場合は隣り合う要素は存在しません。
そのような場合は背面側の地盤を指定する意味で関係はあります。
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Q2−107. |
解析対象の地盤に地盤改良を行う部分があるが、地盤改良箇所の弾性係数Eについて、参考になる資料があったら教えてほしい。 |
A2−107. |
改良部の弾性係数(変形係数)については以下の文献に記載があります。
一軸圧縮強度との関係から E = 100〜200・qu とする場合が多いようです。
(1)「鉄道構造物等設計標準・同解説 土構造物(平成19年1月)」(鉄道総合技術研究所? 丸善)「参考資料-53 安定処理土の強度と変形係数の関係」に以下のような記載があります(以下は内容の要約)
一般に安定処理土の一軸圧縮強さquと変形係数Eの間には
E = α・qu
があるとされ、これまでの研究結果を大まかに見るとαは100〜700程度の値であると考えられる。
本標準において、安定処理土の一軸圧縮強さquから変形係数Eを推定する場合はE = 200・quの式を用いるものとする
(2)「鉄道構造物等設計標準・同解説 土構造物(平成12年2月)」(鉄道総合技術研究所? 丸善)「参考資料-35 路床改良の深さと深度」に以下のような記載があります(以下は内容の要約)
安定処理した改良土の一軸圧縮強さと変形係数の関係は
E = α・qu
で示され、このαは100〜700程度のばらつきを持つ係数であるが、最低値であるα=100(E = 100・qu)を採用する。
(3)「陸上工事における 深層混合処理工法 設計・施工マニュアル(平成16年3月)」(土木技術センター)
P.215に「改良地盤の強度」としてE = 100・qu としています。
(4)「地盤改良のためのAliCC工法マニュアル」(土木研究所? 鹿島出版会)
p.17の改良体の沈下量を求めるためのパラメータとして、E = 100・qu としています。
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Q2−108. |
液状化解析を行う場合は、ステージ設定で解析状態を「液状化前」にすればよいのか |
A2−108. |
はい。液状化解析を行う場合は以下の3ステージがセットになっております。
(1)液状化前
(2)液状化時
(3)液状化後の体積圧縮
なお、この中で任意に設定するのは「液状化前」のみです。
「液状化前」を設定しますと、次の追加ステージが自動的に「液状化時」「液状化後の体積圧縮」となります。
また、液状化解析を行う場合は二次要素(中間節点あり)である必要がありますので、ステージを設定する前に必ずご確認ください。
(関連:Q2-90)
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Q2−109. |
要素の定義色として赤色を使用したいが、要素選択する場合などの色と同じになってしまい、選択・未選択がわかりにくくなってしまう。何かいい設定方法はあるか。 |
A2−109. |
画面上部にある[オプション]-[表示項目の設定]画面より「選択された節点・線分・要素」や「未定義の平面ひずみ要素」の色を変更することができます。
デフォルトですと赤色になっておりますので、こちらの色を変更していただければ、要素の定義色を赤色にした場合でも区別がつきやすくなります。
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Q2−110. |
地盤を弾塑性モデルとして土留めの掘削を検討しているが、計算が発散してしまう。ステージを1つとし、土留めは梁要素として設定しているが、どのような問題が考えられるか。 (なお、地盤を弾性モデルにすると問題なく計算できるので、メッシュなどについては問題ないと思われる) |
A2−110. |
ステージ1で梁要素(土留め)があると梁要素に応力集中して、その先端に大きな力(周辺地盤の自重)が集まり、弾塑性モデルの場合は発散しやすくなります。 以下のようにステージを分けて解析することをご検討ください。
ステージ1:初期応力解析(地盤のみ。梁要素はなし) ステージ2以降:梁要素や掘削要素など設定
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Q2−111. |
液状化解析を検討している。 液状化層の材料パラメータとして「液状化材料1」と「液状化材料2」があるがどのような違いがあるのか。 また、「せん断剛性低減材料1」と「せん断剛性低減材料2」があるが、関連などあれば教えてほしい。 |
A2−111. |
液状化材料1と液状化材料2では理論的背景としている対応基準が違います。
液状化材料1は 「平成19年河川構造物の耐震性能照査指針」 液状化材料2は 「平成28年河川構造物の耐震性能照査指針」
に準じた構成則となります。 (液状化のサンプルデータとしては液状化材料1については「河川堤防の地震時変形解析」フォルダ、液状化材料2については「河川堤防の地震時変形解析(H28指針)」フォルダをご参照下さい) また、関連する構成則として せん断剛性低減材料1はせん断剛性の低減を比率で簡易的に設定する方法 せん断剛性低減材料2はH19限定の方式で、経験的に被災事例等から統計処理して得た推定式 となります。 したがって、液状化材料2を使用する場合はせん断剛性低減材料1をご使用ください。
(関連:Q1−8、Q1−12)
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Q2−112. |
土留め掘削で背面側の地盤に既設杭があるような状況で、掘削による既設杭への影響を検討している。解析領域(メッシュ領域)として、杭からどの程度離れた位置までを解析領域とすれば良いかというような指針はあるか。 |
A2−112. |
解析領域をどの範囲までモデル化すればよいかについて、明確な指針はないと思われます。 あまり近すぎると解析に影響が生じますので、ある程度既設構造物から離れた位置までを解析領域とする必要がありますが、どの程度まで解析領域をとればよいかというのは解析条件にもよります。 このような場合は、解析領域の異なる複数のモデルを作成して結果を比較し、解析結果への影響がないと考えられる解析領域を決定するのか確実かと存じます。
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Q2−113. |
地中構造物の検討を行うため、途中のステージで一部のソリッド要素の材料を変更した(「地盤 → コンクリート」を想定)。 この時、地盤からコンクリートへの変更となるため、合わせて単位体積重量も増加したのでその分の応力増加が生じると予想したが、変位などが全く生じない結果となった。原因は何か。 |
A2−113. |
本製品では荷重の増減がない限り、変位は発生しません。 ソリッド要素を変更した場合、荷重の変更がなく、物性値だけ地盤からコンクリートに置き換わったということになります。
実現象としては、地盤からコンクリートにしたので単位体積重量も変化しているのですが、本ソフトでは初期応力解析の段階だけ重力加速度による変位量と応力を解析します。 途中のステージで、単位体積重量を変化させても重量の増加分として計算しません。そのため、変位量はゼロとなります。
コンクリートの単位体積重量の増加分を見込むためには、荷重として当該ステージで考慮します。 あるいは、当該ステージでコンクリート該当部分を掘削として一度空洞にし、新たにステージを設けて、コンクリートを「盛土」ボタンで要素の追加するという方法もあります。
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Q2−114. |
液状化解析を行う時、「液状化材料」の材料パラメータに「上載圧σv」があるが、これはゼロで良いのか。入力する必要はあるか。 |
A2−114. |
液状化材料の材料パラメータ[上載圧の計算方法]の選択により異なります。 「1:直接入力」を選択している場合は入力が必要です。それ以外の場合はプログラム内部で自動計算されるため、0.0で問題ありません。
(関連:Q2−43.)
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Q2−115. |
ステージの途中で基礎を梁要素として設定したが、全く変位しないような結果となった。梁要素にも単位体積重量を設定しているので、自重による荷重増分が生じると想定したが、そうならないのはなぜか。何か別の設定が必要となるのか。 |
A2−115. |
地盤を表すソリッド要素にしても、梁要素にしても、体積×単位体積重量で求まる自重のことを体積力と分類します。体積力は、ステージ1の初期応力解析でのみ計算します。 途中段階で、梁要素を付け加えても荷重増分となりません。また、削除しても重量変化を考慮しません。 ただし、地盤(ソリッド要素)の場合は[盛土][掘削]という別の機能を特別に設けており、盛土した分だけの重量が加算されます。掘削の場合は掘削した重量と応力解放率で減じられます。 従って、梁要素の場合は明瞭に自重を考慮したい場合は、単位体積重量をゼロとして、自重分を分布荷重として設定してください。撤去などを想定する場合は、その部分の荷重を削除するようにするモデルとして明瞭に自重の増減を設定する必要があります。
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Q2−116. |
「二次元浸透流解析(VGFlow2D)」の解析結果(水位線)をインポートする方法を教えてほしい。 |
A2−116. |
本プログラムで「二次元浸透流解析(VGFlow2D)」の解析結果(水位線)をインポートする場合は以下の方法で行うことができます。
(1)[ステージ設定]画面の[水位(水圧)の設定]タブの右側にあるボタンの中から[浸透流解析連携データ(水位線)のインポート]ボタンをクリックします。
(2)表示された[データ連携ファイル(水位線)のインポート]画面より、インポートする解析結果を選択し、[確定]ボタンをクリックします。
(3)解析結果(水位線)がモデルにインポートされます。
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Q2−117. |
地中構造物をモデル化しているが、内部(中空部)をメッシュ化しない方法があれば教えてほしい。 |
A2−117. |
[モデル作成]-[決定]タブで中空部のブロック化を解除してください。 自動でブロック化されている場合は、画面右側のボタン[ブロック解除]モードをONにして、手動でブロック化を解除する必要があります。 ブロック化が解除された箇所はメッシュ化されません。ソリッド要素の定義なども不要となります。
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Q2−118. |
土留めの掘削に伴う周辺地盤の影響検討において、壁体変位を強制変位として与える方法を検討しているが、この場合は壁体は梁要素などでモデル化する必要があるか。 また、他にモデル化の注意点などがあったら教えてほしい。 |
A2−118. |
壁体変位を強制変位として与える簡易的な方法の場合、壁体についてはモデル化せずに、地盤のみをモデル化する検討が一般的かと思われます。 地盤を線形弾性でモデル化し、後は壁体位置に弾塑性法などで計算した壁体変位を強制変位として与えることで計算できます。 また、線形弾性で検討する場合はマルチステージにする必要はなく1つのステージのみで検討することができます。本手法の場合は掘削による応力解放荷重なども設定する必要はありません。
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Q2−119. |
台形荷重を載荷させることはできるか。 |
A2−119. |
可能です。
[ステージ設定]-[解析条件]タブより、以下の手順で設定してください。
(1)右側のボタンの選択モード([BOX囲み]など)で、荷重を設定する線分を選択する
(一つの線分、または連続した線分に対して設定可能です)
(2)右側のボタン[座標系分布荷重の設定]ボタンをクリックする。
(3)[全体座標系分布荷重の設定]画面で選択した線分のi端とj端側の荷重をそれぞれ入力する
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Q2−120. |
地中構造物でBOXカルバートなどの場合に中空部があるが、どのようにモデル化すればよいか。 |
A2−120. |
中空部をメッシュ化しない(ブロック化しない)方法やダミー要素としてメッシュ化する(ブロック化する)方法が考えられます。 前者の方法は中空部のメッシュ化自体を行わないため要素定義の手間も省け、見た目もわかりやすくなります。 後者は中空部も要素定義を行い、中空部を想定したパラメータ(例えば変形係数を非常に小さくする)を設定する方法です。要素定義などの手間がかかりますが、例えば中空部の一部を後から土として設定して比較する場合などは要素がないと設定が行えないため、後者の方法を取る必要があります。
(関連:Q2−117.)
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Q2−121. |
オートメッシュでのメッシュ生成を考えているが、「三角形」「四角形」「混合」のどれが良いか。 |
A2−121. |
基本的には「混合」で良いかと存じます。 なお、「三角形」や「四角形」の場合はモデル形状によりオート分割できない場合があるため、そのような場合も「混合」で分割をお試しください。
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Q2−122. |
同じメッシュや荷重条件でも弾性解析と弾塑性解析で計算時間が大きく異なる場合があるが、なぜか。 |
A2−122. |
弾塑性解析では解析部で収束計算を行っているため、一般的には弾性解析よりも計算時間が長くなります。 (なお、弾塑性解析における荷重分割数や最大繰り返し回数、収束誤差などはステージ設定の[解析条件]タブの[解析条件の設定]で変更できます) 弾塑性解析でも条件により(例えば、ほぼ塑性化しない場合など)、計算時間が弾性解析とあまり変わらない場合もあります。
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Q2−123. |
液状化層より下層の非液状化層線形弾性モデルに設定する弾性係数Eについて教えてほしい。 例えば、E0の推定方法E0=αEの式があるが、補正係数αは常時or地震時のどちらを用いれば良いか。 液状化前は常時 液状化時は地震時 体積圧縮時は常時 と、ステージにより分けた方が良いのか。 |
A2−123. |
液状化層よりも下の地層の物性値はステージによらず常時の値をご使用ください。
一般に、液状化現象はゆるい粒径をもつ均一な飽和砂が地震動によって揺動され、粒子間の摩擦が減少するとともに、せん断変形にともない膨潤しようとする体積変化(ダイレタンシ)が発生することによって、過剰間隙水圧が発生し、同時に有効応力が減少することでせん断強度およびせん断剛性が急減して、その結果、地盤が液体のような性状となり大きな被害を引き起こす現象です。
液状化層よりも下の非液状化層は、液状化になんら影響しません。
地震動を伝播する媒質としてあるだけです。液状化解析の場合に、この地層の取り扱いを常時、地震時で区別するかは明確に規定されている記述は指針にありません。
そもそも常時、地震時の区別は、道路橋示方書のような実務設計(構造物の設計に用いる基準)に対して、安全に設計するように補正が加わっています。地震時が常時の2倍というのは、土質材料が載荷速度に影響されて剛性や強度がゆっくり荷重をかけた場合と、急激に荷重をかけた場合に異なる、載荷速度が速い方が大きな値をもつためです。それを根拠に安全に設計することができるように人為的に常時と地震時の物性値を分けています。
一方、FEMは物理現象を忠実に数値解析するというのが基本になるため、上記のような設計思想は入り込む余地がありません。
応力ひずみ関係や荷重条件をなるべく物理現象に忠実に再現することが求められて成り立ったシミュレーション手法です。
そのため、物理量としては、常時と地震時の区別はありません。常時の変形係数を用います。
しかも、解析プログラム上の流れでは、重力によるモデルの自重は体積力として、ステージ1(液状化解析でも通常解析でも)のときにだけ計算します。この計算は初期状態を計算するもので、ステージ2で物性値を変化させても初期状態は何も影響しません。
つまり、ステージ1の変形係数で初期状態の変形と応力を求めたら、それ以降に変形係数を2倍にしても初期状態の変形と応力はそのまま引き継がれます。
液状化解析では、液状化層とその上にある地層については変形と応力を再計算します。液状化層以下はたとえ物性値を変えても初期状態のままとなります。
したがって、液状化層よりも下の地層の物性値は常時の値をご使用ください。
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