A2−1. |
■地盤の非線形を考慮しない場合
杭の変位によらず、地盤反力係数を一定とする設定が行われている場合は、そのままkh=khoの値が使用されます。
■地盤の非線形を考慮する場合
・changの式および弾性床上はり理論による解析(荷重増分法以外の場合)
塑性地盤反力に達した場合は、下記式で地盤反力係数を算定します。
kh = Py・y-1
・荷重増分法の場合
塑性地盤反力に達した部分の地盤反力係数は、0として計算します。 |
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Q2−2. |
土木の杭の様に杭配置を考慮した軸力の分配はできないのでしょうか? |
A2−2. |
土木の杭の様にフーチング中心の軸力、曲げモーメントからフーチングの回転を考慮して各杭の軸力を算定するような機能はありません。
軸力の指定は、支点単位で行います。
現バージョンでは、支点内での杭の詳細な配置情報がありません。
軸力は、配置本数により均等に分配されます。 |
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Q2−3. |
塑性地盤反力を考慮しない計算は可能か |
A2−3. |
可能です。
Ver4.0.1にて「水平力の検討」における地盤反力係数の算定時に塑性地盤反力を考慮しない設定を追加しました。「計算条件|水平力検討|解析条件」画面にて設定します。
この設定を行っている場合は、塑性地盤反力に達しても地盤ばねを0.0とはせず、そのまま変位による低減を行い計算します。
尚、changの式を適用する場合は、設定によらず塑性地盤反力に達しても地盤バネを0.0とすることはありません。 |
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Q2−4. |
地盤反力係数を指定された杭変位までは、一定とするような計算ができますか? |
A2−4. |
可能です。
地盤反力の係数を一定とする杭水平変位の範囲を指定することができます。
範囲αが指定された場合
(0.0≦ y ≦α入力値)の範囲が一定となります。
kh =κ・kho κ=1/√α
(α≦ y) kh = kho・y^(-1/2)
y:無次元化水平変位(水平変位をcmで表したうえでの無次元化量) |
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Q2−5. |
地盤反力係数を算定するαEoのαの値が土木と大きく異なりますが、違うものなのでしょうか? |
A2−5. |
土木と建築では、地盤反力係数の算定式が異なり、αについても違うものです。 |
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Q2−6. |
水平力検討における杭頭水平バネ(K値)の算出はどのように求めていますか? |
A2−6. |
ヘルプの「計算理論及び照査の方法」−「水平抵抗力の検討」をご参照ください。
ここの「水平力の分配方法」に記載しておりますとおり、同じブロック内の杭の杭頭水平変位が同一となるように、各杭の杭頭水平バネを算出しています。
1本杭を弾性支承上のはりとしてモデル化、杭頭に単位水平荷重Hoiを載荷し、杭頭に生じる水平変位δoiを求め、Ki=Hoi/δoi により算出しています。 |
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Q2−7. |
鋼管杭の水平力検討において、許容曲げが軸力最大Nmaxよりも軸力最小Nminの方が大きくなっているのはどうしてですか? |
A2−7. |
許容曲げモーメントの算定式は、ヘルプ「計算理論及び照査の方法|許容曲げモーメント|◆鋼管杭」に記載のとおりです。
鋼管杭の場合は、軸力0付近がピークの三角形分布となりますので軸力の範囲が正であれば、軸力が小さい方が許容値が大きくなります。
この許容曲げモーメントと軸力の関係は、M-N図でご確認頂く事ができます。 |
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Q2−8. |
場所打ち杭で主鉄筋の材質を変更しても許容曲げモーメントの値に影響しないのはなぜですか?
鉄筋径を変更すると値が変わります。 |
A2−8. |
許容曲げモーメントは、下記を比較し小さい値とします。
Mrc:コンクリート圧縮縁応力度がコンクリートの許容圧縮応力度に達する曲げモーメント
Mrs:最外縁鉄筋の応力度が鉄筋の許容引張応力度に達する曲げモーメント
鉄筋の材質を変更しても、許容曲げモーメントの数値が変わらない場合は、いずれも許容曲げモーメントがコンクリートから決定されているためです。
Mrcを算定する場合、鉄筋もコンクリート換算して考慮されるので、コンクリートから許容値が決まる場合も鉄筋径が変更になると値が変わります。 |
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Q2−9. |
鋼管の板厚径比の低減係数を終局時も考慮するとした場合もMuの値が変わらないのはなぜでしょうか? |
A2−9. |
告示1113号の規定による低減は、許容応力度に対しての記述なので、σyに対しては低減を行っておりません。
「建築基礎構造設計指針」P304にMuの算定式が記載されていますが、こちらでもσyを低減する記述はございません。前ページの終局時の圧縮耐力算定時には考慮しています。
また、鋼管杭のサンプルデータを作成する際に参考としました「わかりやすい基礎の設計と計算例(総合土木研究所)」に記載される設計例においてもMu算定時のσd(この設計例ではσd:終局限界時の設計用限界強度を用います)はσd=1.1・F(設計基準強度)として低減は考慮されていません。
上記資料を参考に現バージョンでは、M-φ算定時には板厚径比の低減を考慮しておりません。 |
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Q2−10. |
多層地盤とした場合、曲げモーメント等はどのように算定されるのでしょうか?
出力で式等を確認することが出来ますか? |
A2−10. |
多層地盤、一様地盤でchangが選択されていない場合については、弾性床上の解(剛性マトリクスを用いた解法)が適用されます。
単純な式ではないため、式の出力はありません。
解法については、一般的な構造力学の公式集などに記載されておりますのでそちらをご参照いただきますようお願い致します。
弊社所有の資料では、下記に記載がございます。
「構造力学公式集 (土木学会)」P173〜
「既製コンクリート杭 基礎構造設計マニュアル 建築編 2009年5月」(社団法人 コンクリートパイル建設技術協会) P261〜 |
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Q2−11. |
杭の重量はどの計算に影響するのでしょうか? |
A2−11. |
許容引き抜き力の算定に使用します。 |
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Q2−12. |
杭体の許容耐力を算定するときの長さ径比による低減は何に記載されるものでしょうか |
A2−12. |
通達(昭和59住指発392)によります。 |
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Q2−13. |
液状化の影響は、許容支持力算定に考慮されますか? |
A2−13. |
自動では考慮されません。
液状化層の周面摩擦を無視する場合は、「地層(登録)|多層地盤」の設定にて、液状化層の周面摩擦を考慮しないよう設定して下さい。
液状化による周面摩擦の低減には対応しておりません。
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Q2−14. |
基礎指針2019年基礎指針を選択し、PRC杭の計算を行ったところN-M図のラインがPHC杭と同じ形状になるが、正しいのでしょうか? |
A2−14. |
2019年指針を選択されている場合、基礎指針(2019)P280の記述によりPRCの許容曲げモーメントはRC基礎部材指針5.2.2PRC杭(P220〜)の記載に準拠して算定します。
式がPHC杭と同じなので、N-Mラインの形状は同じとなりますが、鉄筋が考慮されるので許容値は異なります。
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Q2−15. |
単杭梁ばねモデルを指定した際に地盤モデルとして「反復モデル」「増分法モデル」の2パターンがあると記載がありますが、選択するスイッチが見当たりません。単杭梁ばねモデル、多層地盤、非線形ばねを選択した際には、どちらで計算されているのでしょうか |
A2−15. |
地盤の非線形を考慮する場合、単純なケース(水平力の分担率が同一なケース)では、反復法により非線形を考慮します。
下記のケースでは、増分法により非線形を考慮します。
・杭体の非線形を考慮する場合
・地盤の非線形を考慮し、かつ、水平力の分担が不均等の場合
地盤の非線形を考慮する場合でも、地盤と杭の組合せを考慮したタイプが1種類しかない場合、全ての杭は同じ挙動(水平力の分担が均等)となります。 このようなケースは「反復法」が適用されます。 杭体の非線形を考慮する場合、地盤の非線形を考慮する場合(水平力分担が不均等)は、杭毎の結果が互いに干渉しあって変わっていくので計算が複雑となり「反復法」では収束できないケースが想定されます。 その為、「反復法」は単純なケースにのみ限って採用しています。 条件によって自動で計算方法が適用されるため選択はございません。
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Q2−16. |
応答変位法の解析で地盤変位の影響は、どのように考慮されるのでしょうか。 |
A2−16. |
杭の節点に強制変位として作用させます。
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Q2−17. |
パイルキャップ重量はどのように算定するのでしょうか。どの設定が影響しますか。 |
A2−17. |
下記式で算定します。 パイルキャップ重量 = A*h*γ A:パイルキャップ面積 h:パイルキャップ厚さh 「杭配置|パイルキャップ形状|h」で入力された値 γ:単位体積重量 「材質|コンクリート(基礎スラブ)|単位重量」で入力された値
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Q2−18. |
荷重増分法について、短期軸力および終局軸力によりM-φを設定しますが、荷重を増やして行く過程でM-φは変わることはない、という理解でよいでしょうか。 |
A2−18. |
お考えの通りです。計算中のM-φ関係は一定で変わりません。
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Q2−19. |
鋼管杭の局部座屈を考慮した低減係数の算定において、半径rは腐食代を考慮するべきなのでしょうか。 建築基礎構造設計指針(2001年)や告示1113号を見ても腐食しろを除く杭体の有効半径となく、”鋼管杭の半径”としか記載されていません。 |
A2−19. |
下記、日本建築学会の書籍においては、半径は腐食代を除く有効半径を用いています。
※式が変形され、直径を用いていますが等価の式です。
・小規模建築物基礎設計指針
・基礎部材の強度と変形性能 ※
面積や杭厚に考慮し、半径にだけ腐食しろを考慮しないのは整合が取れておらず、腐食しろを考慮する方が正しいと考えます。
・小規模建築構造物基礎設計指針
・小規模建築物基礎設計例集
に記載される鋼管杭の設計例では、いずれも半径に腐食しろを考慮しております。
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Q2−20. |
「杭の断面変化位置」でも「層境」でもないのに粘性土地盤が分割される位置があるのはなぜでしょうか。 |
A2−20. |
粘性土の塑性地盤反力度の算定式は、z/B(杭径)=2.5を境に変わります。 その為、杭径×2.5mの位置で分割しています。 この場合の深度は、地表面からではなく、杭の設計地場盤面からの距離としています。
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Q2−21. |
条件が全く同じなら、解析方法を変更しても同じ結果が得られますか。 |
A2−21. |
解析方法が異なる場合は、解析モデルが異なりますので結果は近似しますが、完全には一致しません。 例えば、分布ばねとする場合と離散ばねの違いでも若干の差は生じます。
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Q2−22. |
PHC杭の許容曲げ引張応力度はどの計算に影響するのでしょうか。 |
A2−22. |
杭体の引抜許容耐力算定に材質画面にて設定されている「許容曲げ引張応力度」の値を使用します。 ヘルプ「計算理論および照査の方法|2001基礎指針|支持力の検討」(1)杭の許容体力算定方法 ■引抜検討時 PHC杭をご参照下さい。
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Q2−23. |
地盤の変位を考慮する場合、杭先端位置の変位が0.0として扱われます。 これを標準化せずに地盤の変位を考慮することができますか? |
A2−23. |
「計算条件|水平力検討|共通」画面「地盤変位」の選択が「杭先端位置からの相対変位」が選択されている場合は、杭先端の変位を0とした相対変位を用います。 こちらの設定を「工学的基盤からの絶対変位」とすると杭長にかかわらず同じ位置には同じ変位が適用されます。
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Q2−24. |
2019年指針準拠として、水平力検討を行った場合に軸方向応力の判定が行われますが、これは何によるものでしょうか。 |
A2−24. |
「基礎部材の強度と変形性能(日本建築学会)」においては、「構造実験により検証された軸力(軸力比)を適用範囲とすることを明記した。(P39)」と記載されており、限界値算定における軸方向応力の範囲が杭種毎に定められています。 上記規定に基づき、掲載される軸方向応力比の範囲判定を実施しています。
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Q2−25. |
PRC杭の無筋部分は、PHC杭として扱われるのでしょうか。 |
A2−25. |
設定にてPRC杭として計算するのかPHC杭として計算するのかを選択できます。 また、PHC杭式を適用する場合、低減係数、割増係数、軸応力の範囲についてもPHC杭の設定を適用するか否を選択できます。 ※ただし、曲げについては、選択によらず鉄筋を考慮しない部分についてはPHC杭と同じ扱いになります。
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Q2−26. |
基礎指針2019年を選択し地盤に対する許容支持力の算定基準を基礎指針にして計算を行ったが杭先端閉塞効率ηが0となってしまいます。 どのようにηを求めていますか? |
A2−26. |
杭先端閉塞効率ηは2019年版 建築基礎構造設計指針 表6.3より以下の方法で求めます。
- 回転貫入杭:閉端杭で1.0、開端杭で0.8
- 打込み杭 :閉端杭で1.0、開端杭では以下の式で求める
2≦(LB/dI)≦5の場合 η=0.16 (LB/dI)
5<(LB/dI)の場合 η=0.8
ここに、
LB:支持層への根入れ長さ(m)※「地層画面|地盤面」で設定した支持地盤面〜杭先端までの距離を使用します。
dI :杭の内径(m)
ただし、「地層画面|地盤面タブ」より支持地盤面のチェックが外れている場合は根入れ長なしとなりη=0となります。
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