1.共通編 |
Q1−1. |
締切内水位の表現をどうしているか |
A1−1. |
本製品では、堤外側(河川側)の水位として、H.W.L.とL.W.L.を入力し、その2/3を残留水位としています。
R.W.L.=L.W.L.+(2/3)(H.W.L.-L.W.L.)
なお、本水位(R.W.L.)をお客様側で直接入力できるようにもしております(編集可能)。 |
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Q1−2. |
三辺が二重締切りで一辺が一重締切りの場合、三辺を「切梁式二重締切工の設計」、一辺を「土留め工の設計」で照査すれば良いか? |
A1−2. |
三辺の堤体と一辺の土留め壁の設計についてはご質問の通りで設計が可能と考えられます。
内部の支保工の照査については、設計に使用する反力の扱い等、注意が必要と思われます。 |
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Q1−3. |
考慮できる偏圧は何か |
A1−3. |
本プログラムでは、流水圧と衝突荷重を偏圧として考慮することが可能です。 |
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Q1−4. |
何の基準に準拠したプログラムか? |
A1−4. |
設計要領第二集 平成18年5月 NEXCO 11章「7.二重締切りの設計」に準ずるものとしています。
・掘削側の根入れ地盤の安定および内側の鋼矢板・切梁・腹起しの断面は、中詰土砂天端を地盤とする鋼矢板方式土留工に準じて設計する。
・外側の鋼矢板およびタイロッド・腹起しなどは、「7-5.外側鋼矢板およびタイロッドの設計」に規定する方法により設計する。
・流水圧などの締切全体に偏圧として作用する荷重が考えられる場合は、これを考慮した設計を行う。 |
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Q1−5. |
安定計算の照査内容は? |
A1−5. |
偏圧が作用する場合には、これに対する安定な幅を決めなければなりません。本プログラムでは、与えられた堤体幅に対して、
(1)河床面に関する偏圧による転倒モーメントに対する安定
(2)河床面に関する偏圧によるすべり出しに対する安定
について、照査します。 |
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Q1−6. |
ある地層条件で計算すると土圧が0になってしまうがなぜか |
A1−6. |
砂質土にも関わらず粘着力Cに比較的大きな値を入力されているために、土圧が0になっていると考えられます。ランキンレザールの土圧式の性質 上、以下のように土圧が0となる場合があります。
慣用法で用いるランキンレザールの土圧式は、
Pa=Ka(Σγh+q)−2C√(Ka)
です。粘着力C>0が存在する場合、主働土圧Paが負値となることがあり、この場合は土圧Pa=0として評価しています。
土質種類が粘性土であれば、最小土圧0.3γhの考慮がなされるので何らかの土圧値が得られるのですが、土質種類が砂質土の場合は、この考えが適用されず最小土圧の考慮がなされないので土圧が0になります。 |
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Q1−7. |
内側壁を弾塑性法で計算できるか? |
A1−7. |
本プログラムでは、内側壁の設計は慣用法のみとなっております。
「土留め工の設計」の入力データファイルをエクスポートする機能がございますので、別途そちらで検討いただくようお願いいたします。 |
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Q1−8. |
通常、二重締切工の設計では常時・地震時の検討を行いますが、地震時の検討は可能でしょうか? |
A1−8. |
本製品は、仮設構造物を前提に開発した製品のため地震時の検討には対応しておりません。
「二重締切工の設計」は、仮設構造物ではありますが比較的長期間にわたり堤防機能の代替となりますので、地震時の検討が必要になるものと考えられます。 |
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Q1−9. |
初期入力画面で切ばりの段数を変更するにはどうしたらよいか |
A1−9. |
初期入力画面では、4段のデータが初期値としてセットされておりますが、3段以下で計算を行いたい場合は、不要な箇所(データ行)を削除していただく必要があります。
例えば、4段目を選択していただき「Delete」キーを押すと4段目のデータが削除されます。このように行を削除してお望みの段数に変更し てください。
〔行の削除〕
・数値(文字列)のセルが入力状態でない(カーソルを移動した直後で、まだキャレットが表示されていない、セルが点線で囲まれている状態)と き「Delete」キーを押すと、カーソル行が1行削除されます。
・コンボボックスのセルが選択状態でない(カーソルを移動した直後で、文字列の色が反転表示されていない)とき「Delete」キーを押すと、カーソル行が1行削除されます。
表入力操作の詳細は、本製品ヘルプの[操作方法]−[その他]−[表入力の操作]をご参照ください。 |
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Q1−10. |
河川側のみ二重締切の土留め計画を検討していますが、切梁式二重締めで内と外と両方計算できますでしょうか |
A1−10. |
設計対象壁を限定いただくことで運用可能と考えます。
また、内、外の両壁につきまして同時計算可能です。 |
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Q1−11. |
内と外と異なる鋼材で計算させること可能でしょうか? |
A1−11. |
可能です。 [部材]-[壁体]画面で内側壁と外側壁でそれぞれ異なる鋼材番号を指定することができます。 |
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Q1−12. |
土留めにエクスポート機能がありますが、土留め側に読み込ませてFEM解析できるのでしょうか? |
A1−12. |
可能ですが、土留め工の設計にて幾つかの項目について設定いただく必要があります。
その上で、弾塑性法を行う必要があります。 |
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Q1−13. |
地層の入力方法について、層厚ではなく標高で入力したい。 |
A1−13. |
[オプション]-[地層入力方式]より、「地層」と「標高」で切り替えることができます。 |
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Q1−14. |
ある検討ケースのみ照査するということはできるか。(例えば、最終掘削時のみ計算したい) |
A1−14. |
[検討ケース]-[各検討ケース]画面より、「照査を行う」のON/OFFを切り替えることができます。
ONとした検討ケースについて照査を行いますので、各検討ケースについて設定してください。
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Q1−15. |
中間杭の位置を変えることはできないか。また、中間杭ごとに配置する/しないということはできるか。 |
A1−15. |
中間杭の配置は必ず切ばり交差点位置となります。 また、[内側平面(中間杭)]画面で各交差点ごとに配置の設定ができます。
なお、作図上は[図面生成]の[形状]-[支保工]-[内側]画面で、切ばり交差点のどの位置(第1〜4象限)に描画するのか変更できます。
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Q1−16. |
[初期入力]画面に通常の地層については層厚の入力があるが、中詰土については層厚は入力できないのか。 |
A1−16. |
中詰土につきましては、[初期入力]画面では壁体天端G.L.から河床面G.Lまでの厚さが設定されます。 [地層]画面の「堤体区間」タブに河床面G.L.の入力がありますので、本入力を変更しますと、中詰土の層厚を変更することができます。 また、同画面で中詰土がある堤体区間内の層厚についても設定可能です。 (ただし、中詰土につきましては単層となります)
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Q1−17. |
切ばり支保工の支間について、前後左右でそれぞれ変更することはできるか。(等間隔ではないような設定をしたい) |
A1−17. |
[形状]-[内側平面(支保工)]画面の「支間(全段共通)」より設定して下さい。 なお、入力にもありますように支間については全段共通となります。
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Q1−18. |
断面力の計算における曲げモーメントの算出過程を確認することはできないか。 |
A1−18. |
本製品には[構造力学]ツールが付属しており、片持ちばりや単純ばりの計算を実行して別途出力することができます。
(メインウィンドウ上部にあるメニュー[構造力学]より起動することができます)
本ツールは単体でも使用可能ですが、お考えのように内部計算値を確認するためにも使用可能です。
[計算確認]-[慣用法]の詳細確認「断面力、変位、剛性検討」タブより計算条件を構造力学ツールにセットすることができますので、条件をセットした上で構造力学ツールで計算内容をご確認ください。
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Q1−19. |
引張材(タイ材)の許容応力度を変更したい。 |
A1−19. |
[基準値]-[材質(引張材)]画面より変更することができます。
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Q1−20. |
土の水中単位重量γ'の初期値が湿潤重量から9.0kN/m3を引いた値となっているが、基準などに記載があったら教えてほしい。 |
A1−20. |
仮設指針p.28に以下の記載があり、本製品の初期値はこれに従っております。
「慣用法に用いる土圧を設定する場合の地下水位以下にある土の単位体積重量は、土の飽和状態と湿潤状態の単位体積重量の差を1.0kN/m3と想定し、土の湿潤単位体積重量から9.0kN/m3を差し引いた値を用いて良い」
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Q1−21. |
切ばり支保工の設置位置について、前後方向・左右方向の切ばりが重ならないように自動的に設置位置(高さ)が調整されるが、この上下関係を変更することはできるか。 |
A1−21. |
可能です。 [形状]-[側面]画面で「左右、前後方向支保工の高さ関係を指定する」にチェックを入れて上下関係を指定して下さい。
なお、切ばりの設置位置(高さ)は[初期入力]画面にある「支保工を入力する堤体」で左右または前後を指定して入力します。 指定していない方向の設置位置(高さ)は自動調整されます。 この時、以下のようなルールで上下関係が決まります。 (上述したように、この上下関係は「左右、前後方向支保工の高さ関係を指定する」で変更できます)
パターン1:Bx(左右方向幅)とBy(前後方向幅)の内、短い方を下段とします。Bx=Byの時は前後方向を上段にします。 パターン2:左右方向、前後方向のいずれかの切ばり本数が0の場合は両方向とも同一位置とします。
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Q1−22. |
各検討ケースで上載荷重を変更することはできるか。 |
A1−22. |
可能です。 [検討ケース]より、各ケース画面(「最終掘削時」など)を開いて下さい。 同画面に、「上載荷重を変更する」という入力がありますので、こちらをONにして、該当ケースに考慮したい上載荷重を設定して下さい。
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Q1−23. |
隅火打ちについて、あるコーナーには設置し、別のコーナーには設置しないという設定はできるか。 |
A1−23. |
可能です。 [形状]-[内側平面(支保工)]画面より、各段の重数を設定することができます。 火打ちを設置しない箇所につきましては、重数をゼロとして下さい。 (隅火打ちだけでなく、切ばり火打ちについても設定することができます)
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Q1−24. |
引張材の登録や変更はどこで行えるか。 |
A1−24. |
[基準値]-[材質(引張材)]画面で行うことができます。
(関連:Q1-19)
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Q1−25. |
鋼矢板の有効率は変更できるか。 |
A1−25. |
[部材]-[壁体]画面で変更することができます。 なお、有効率は全壁で共通となります。
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Q1−26. |
腹起しのみ(切ばり支保工なし)の検討ができるか。 |
A1−26. |
可能です。 [初期入力]画面より、切ばりの左右本数および前後本数を0本としてください。
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Q1−27. |
腹起しや切ばり支保工を同じ位置に2段設置することはできるか。 |
A1−27. |
3段までの設置に対応しております。火打ちについても対応しております。 [内側腹起し][内側切ばり][内側切ばり火打ち][内側隅火打ち]画面の各入力表内に「段数」という入力がありますので、そちらで設定してください。 計算では支保工反力を同位置にある本数で割った値を設計反力とします。そのため1本に作用する荷重が軽減されるとお考えください。
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Q1−28. |
壁長はどこで入力すればよいか。 |
A1−28. |
計算実行後に表示される[形状決定]画面で入力してください。 必要根入れ(壁長)は同画面で確認できます。本製品では必要根入れ(壁長)を確認した上で決定値を入力できるように、このような仕様にしております。
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Q1−29. |
火打ちを2重にすることはできるか。 |
A1−29. |
可能です。最大で5重まで対応しております。
[形状]-[内側平面(支保工)]画面より、各段の重数を設定してください。
また、ある位置について設置しないという設定も可能となっており、その場合は火打ちがない箇所の重数を「0」としてください。
(関連:Q1−23)
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Q1−30. |
地盤改良の設定はできるか。できる場合はどのように入力すればよいか。 |
A1−30. |
可能です。以下の方法で設定してください。
(1)[検討ケース]画面を開く
(2)地盤改良を行う検討ケース(例えば「最終掘削時」)の編集画面を開き、「地盤改良」の条件を入力する。
(改良範囲は「掘削側のみ、背面側のみ、両側」の中から選択することができます)
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Q1−31. |
岩盤層の設定はできないか。土圧を考慮しないようにしたい。 |
A1−31. |
断面計算用の主働土圧につきましては、ある地層より下を岩盤層として扱うことができます。
以下の手順で設定してください。
(1)[考え方]-[設定方法]画面の「岩盤層の扱いを行う」にチェックを入れる
(2)同画面の「断面計算用主働土圧の作用方法」を設定する。
(ゼロの場合は「考慮しない」を選択してください。他に「一定の強度を作用させる」や「低減する」といった設定ができます。
(3)岩盤層とする地層を、[地層-##堤体-堤体区間]画面で指定します。
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Q1−32. |
仮設指針にある「小規模土留めの設計」は行えるか |
A1−32. |
可能です。 小規模土留めとしての検討を行う場合は[検討ケース]の各検討ケース画面に「小規模土留めの検討を行う」をONにしてください。
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Q1−33. |
地層の水平地盤反力係数を直接入力することはできるか。 (デフォルトだと変形係数αE0から内部計算されている) |
A1−33. |
[設計方法]画面にある「各層の水平地盤反力係数」を「kHを直接入力」として下さい。 本入力に変更しますと、[地層]画面でkHを直接入力することができます。
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Q1−34. |
掘削底面の安定は検討できるか。 できる場合はどのように入力すればよいか |
A1−34. |
ボイリング、パイピング、ヒービング、盤ぶくれの検討が可能です。 以下の方法で設定してください。
(1)[考え方]-[照査項目]画面の「内側底面安定を行う」をONにする。 (2)[掘削底面]画面でボイリングなど必要な検討の設定をそれぞれ行う。
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Q1−35. |
[部材]-[隅火打ち]画面に「2段重ねの検討を行う」というスイッチがあるが、どのような検討なのか。 |
A1−35. |
隅火打ちの「2段重ねの検討を行う」は、火打ち材を上下2段に重ね状態に対して、重ね継手部の必要ボルト本数、必要板厚の検討を行うスイッチです。通常の隅火打ちの検討には影響しません。 必要に応じてチェックしてご検討ください。
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Q1−36. |
各堤体ごとに天端高や幅が変更できるか。 |
A1−36. |
[形状]-[側面]画面で変更可能です。 この時、[形状]-[設計対象堤体]画面でチェックが入っている堤体のみ表示されますので、合わせてご確認ください。
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Q1−37. |
仮設指針の最小根入れ長について、指針の記載ページも含めて教えてほしい。また、直接設定することはできるか。 |
A1−37. |
仮設指針の最小根入れ長についてまとめますと以下の通りです。(p.##は指針の記載ページ)
(1)通常((2)(3)以外の場合)
・親杭:1.5m
・親杭以外:3.0m
※慣用法(p.87)、弾塑性法(p.95)で同一
(2)自立式土留め(p150)
・掘削深さ3m以深:3m
・掘削深さ3m以浅:掘削深さと同等
(3)小規模土留め(p.159)
・最小根入れ長は土留め壁の種類に関係なく掘削深さの1/2
※土留め壁の種類によらない
なお、本製品では以下の方法で自身の用意した値を最小根入れ長として使用することもできます。
・[基準値]-[適用基準別設定値]の「最小根入れの規定」を「直接指定する
・同画面の最小根入れ長を設定する。
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Q1−38. |
堤体ごとに異なる壁体鋼材で検討できるか。 |
A1−38. |
可能です。 [部材]-[壁体]画面で各堤体ごとに使用鋼材番号を設定してください。 なお、本画面で設定可能なのは[形状]-[設計対象堤体]でONとなっている堤体になりますので、合わせてご確認ください。
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Q1−39. |
必要根入れ長を満たす決定長としたが、根入れ照査がNGとなった。 このような状況は有り得るのか。また、有り得るとしたらどのような理由によるものか教えてほしい。 |
A1−39. |
状況としては有り得ます。 プログラムでは、土留め壁の長さを掘削底面より1.0cmずつ伸ばして、安全率を満足する必要長さを検索します。 この時、多層地盤の場合はある層を堺に側圧の状況が大きく変わる場合があります。 根入れ先端がある層にある場合にOKとなる場合(必要根入れの計算はここで打ち切られます)でも、根入れ長を更に長くして層が変わり、側圧分布が「受働<主働」となる場合は、この受動側圧と主働側圧のバランスにより、結果として、必要根入れを満たす決定根入れ長で安全率がNGとなる状況が生じます。 上記のような理由で、地盤条件により、プログラムが提示している必要根入れ長より長くした場合でも、安全率を確保できない場合がありますことはご理解下さい。 申し訳ありませんが、このような場合の最終的な決定根入れにつきましては設計者様のご判断でお願いいたします。
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Q1−40. |
地層データの粘着力の増分とは何か |
A1−40. |
粘着力は、一定値だけでなく、深さ方向に強度が増す1次関数として入力できます。 各層上端からの距離Zの着目位置での粘着力を C=Co+k・Z で表すこととします。本画面では粘着力Co、および、粘着力増分kを入力してください。 Coは各層上端での粘着力、kは各層における深度1m当たりの粘着力の増加分k(kN/m2/m)、Zは各層上端からの距離とします。
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