Q1−1. |
適用範囲及び制限事項。 |
A1−1. |
(1) 主な適用基準
・平成8年『道路橋示方書W下部構造編』
・平成4年『杭基礎設計便覧』
・平成6年『設計要領 第二集』
(2) 杭種及び工法
・杭 種 |
・工 法 |
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・鋼管杭 |
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・打込み工法 |
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・PC、PHC杭 |
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・中堀工法 |
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・RC杭(1種、2種) |
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最終打撃 |
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・SC杭 |
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セメントミルク |
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・場所打ち杭 |
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コンクリート打設 |
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・任意杭 |
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・場所打ち工法 |
(3) 地層数:20層
(4) 杭 長:最大100m
(5) 杭本数:30×30
斜 杭:各行列毎に角度設定可(−15°〜15°)
(簡易入力、詳細入力何れも同様)
但し、以下の制約があります。
1.地層傾斜なし、杭径変化なしの場合
NX≦30、NY≦30
直杭を有する列数と斜杭有する列数の和≦30
直杭を有する行数と斜杭有する行数の和≦30
2.地層傾斜あり、もしくは杭径変化ありの場合
NX×NY≦100 NX:杭行数
NX≦20、NY≦20 NY:杭列数
この時、各杭毎に斜角の設定可。
(各行列毎に同一斜角でなくても可。)
杭タイプ数≦20
※「杭座標」入力の場合
杭本数≦100
(6) 荷重ケース
・2次元解析の場合
・X方向(15ケース)、Y方向(15ケース)
・2.5次元解析の場合 15ケース
(7) 照査項目:杭の安定計算、断面照査(全圧縮、全引張に対応)。
杭頭結合照査。杭頭補強鉄筋照査(全圧縮、全引張に対応)。
杭頭カットオフ照査。
許容支持力、引抜力の算出。
負の周面摩擦力の検討。
(8) その他
・杭径変化可能。杭長変化可能。
・断面変化:最大3断面まで。
(突出長区間は断面変化不可。)
・中間層の傾斜に対応。(X方向もしくはY方向)。
・突出長に水平荷重(流水圧、動水圧、慣性力)考慮可。
・柱下端の断面力、フーチング及び柱形状等を入力することによりフーチング下面における作用力自動計算機能。 |
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Q1−2. |
任意杭のサポート範囲。 |
A1−2. |
・安定計算(杭体断面力算出)までで断面計算はできません。
ヤング係数は1種類、断面二次モーメントは最大3種類(上杭、中杭、下杭の場合)の入力により安定計算を行います。
・杭軸方向バネ定数、許容支持力及び引抜き力は直接入力です。 |
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Q1−3. |
道路橋以外の杭基礎の計算もできるのか。 |
A1−3. |
本プログラムは『道路橋示方書W下部構造編』の杭基礎の設計の考え方に則って作られています。この設計の基本的な考え方は以下のとおりです。
(1) フーチングは剛体として取り扱う。
(2) フーチングは鉛直変位、水平変位、回転変位を起こす。
(3) 杭軸方向のバネは押し込み、引き抜きの双方に対し有効でありバネ定数は同じである。
(4) 地盤バネは変位に比例する。この考えに基づいて計算するのであれば計算することが可能です。 |
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Q1−4. |
深礎基礎の計算もできるのか。 |
A1−4. |
深礎基礎としての計算はできません。地層条件としては傾斜を考慮することができますが、設計地盤面は杭基礎として設計できる範囲の傾斜でなければなりません。本プログラムでは設計地盤面の傾斜の影響を考慮した地盤バネの低減は行っていません。 |
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Q1−5. |
H杭や木杭の場合の計算も可能か。 |
A1−5. |
杭種の選択で任意杭を選び、ヤング係数、断面二次モーメントを入力してください。安定計算まで可能です。 |
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Q1−6. |
「2.5次元」とはどういう意味か。 |
A1−6. |
仮に橋軸方向をX軸方向、橋軸直角方向をY軸方向、鉛直方向をZ軸方向とします。3次元の場合は一般に各軸方向の変位と力および各軸回りの回転変位と回転力が定義されます。したがって、変位と力はそれぞれ6つ定義されることになります。
本プログラムではZ軸回りの回転変位と回転力(フーチングを上から見てねじ込むような変位と力です)を考えていません。したがって、考えている変位と力はそれぞれ5つになります。自由度が5つであるので便宜上「2.5次元」 と称しているのです。「2.5次元の解析」をサポートしたことにより、橋軸直角方向に常時偏心している杭基礎の橋軸方向の地震時の解析が一回の計算で可能になりました。 |
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Q1−7. |
短杭の場合の補正がないが短杭でも計算できるのか。 |
A1−7. |
本プログラムは杭を地層毎に異なったバネで支持されている弾性床上のはりが剛結合されているものとして取り扱っています。したがって、長杭・短杭の区別なく取り扱えますので補正係数という概念は不要なのです。
『示方書』には短杭の場合の補正係数がグラフで与えられていますが、これは手計算で行う場合を想定して掲載してあると考えられます。手計算で簡単にかつ厳密に計算できるのは以下の条件を満足するときのみです。
地層が一様である。あるいは一様であると仮定できる。
杭長が十分長く半無限長の杭としてチャンの式が適用できる。
チャンの式が適用できる場合は杭先端の支持条件は杭反力や地中部の断面力に影響を及ぼしません。一方、短い杭の場合は杭先端の支持条件により杭反力や地中部の断面力が違ってきますが、手計算で簡単に求めることはできません。このために補正係数を用いて近似値を求めようとしているわけです。 |
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Q1−8. |
側方流動状態の検討もできるのか。 |
A1−8. |
側方流動の影響は考慮できません。杭前面の地盤バネは常に弾性領域にあるものと考えています。 |
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Q1−9. |
杭基礎の地震時保有水平耐力の照査ができるか。 |
A1−9. |
本プログラムでは地盤バネ、杭体、杭の軸方向バネ全てが弾性領域にあるものとして弾性解析を行っています。したがって、地盤や杭体等の非線形性を考慮した地震時保有水平耐力法による杭基礎の照査は本プログラムではできません。 上記の照査は別売の『杭基礎の地震時保有水平耐力』で行うことができます。 |
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Q1−10. |
橋軸直角方向に中間層が傾斜している場合で橋軸方向に水平力が作用する場合の解析は可能か。 |
A1−10. |
先に述べたように本プログラムでは鉛直軸回りの回転力と回転変位を考慮していません。
質問にある構造では地盤の弱い方の変位が大きくなり、よじれるような変位になりますので解析できません。本プログラムは各杭の杭頭のX、Y両軸方向の水平変位と両軸回りの回転変位は同一であるとして解析を行っていますので、計算結果は厳密解ではありません。 |
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Q1−11. |
場所打ち杭を指定 設計条件の入力にて、上杭、中杭、下杭指定
次に「杭径の変化あり」とするのですが、上杭をφ1600下杭φ1200という杭の計算なども
可能なのでしょうか。 |
A1−11. |
杭径変化は、同一フーチング内に異なる杭径を有する杭基礎への対応
を意味しております。同一杭で深度方向に杭径を変えることはできません。
但し任意杭として設計されれば可能です。この際には杭の断面検討は
出来ません。 |
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Q1−12. |
杭径一定として上杭、下杭のEIを直接入力できないのでしょうか? |
A1−12. |
断面二次モーメントは、プログラム側で自動設定しています。直接EIを
指定される場合は、杭種を任意杭としてください。また、ヤング係数Eと
断面二次モーメントIは、別入力になっています。Eは全杭共通として
いますので、深度方向のデータ入力時にEIをEで除した値を入力して
ください。 |
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Q1−13. |
PHC杭のヤング係数の出典は? |
A1−13. |
道路橋示方書・同解説 SI単位系移行に関する参考資料(社)日本道路協会には
高強度コンクリートの条件として表−解3.3.1に σck=80N/mm2→ヤング係数=
3.8×10^4N/mm2 と規定されていますが、PHC杭についてはIV-4に、「PHC杭のコンクリートのヤン
グ係数は,4.0×10^4N/mm2(4.0×10^5kgf/cm2)を用いてよい。」という記述があ
り、これに参照しております。 |