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杭基礎の設計計算 Q&A


4.支持力、周面摩擦力

Q4−1. 許容支持力、許容引抜力の計算過程を印字できないか。
A4−1. 「印刷項目設定」→「安定・断面計算」→「予備計算」→「許容支持力・引抜力」で出力されます。
 
Q4−2. 予備計算結果画面の「許容支持力、引抜き力」において「T1、T2」とは何か。
A4−2.  T1:支持層への根入れ深さ
 T2:杭先端から支持層下端までの長さ
をそれぞれ意味します。 

地層データの入力で支持層が「軟岩・土丹」の場合に「T1」が関係します。 
鋼管杭(打込み工法)の場合、杭先端の極限支持力度「pu」は入力したqu (一軸圧縮強度)から決まります。したがって「Lifi」は「T1」を除いた分で計算しています。支持層が「軟岩・土丹」以外の場合は杭長全体で「Lifi」を求めています。
 
Q4−3. 予備計算結果画面確認の「層厚」のところでl、l'がつくのはどのような場合か。
A4−3. 同一層内に断面変化がある場合のみ、下記のようにダッシュがつきます。
 上杭・下杭の場合:l、l'
 上杭・中杭・下杭の場合:l、l'、l''
 となります。
 
Q4−4. 鋼管杭先端閉塞効果の影響による低減がされていない。
A4−4. 「設計条件」において
 ・極限支持力度の「根入れ比≦5」→「低減する」
 ・「打込み杭の換算根入れ比」および「打込み杭の設計N値」を入力して下さい。
支持力算定時にはD(腐食代を減じない杭径)を用いて杭先端の閉塞断面積および周長を求めています。
 
Q4−5. 軟岩・土丹を支持層とする打ち込み鋼管杭の支持力算定時の杭断面の扱い。
A4−5. 杭体の断面積としては腐食後の断面積を用いています。
 
Q4−6. 負の周面摩擦力の検討結果として得られた鉛直支持力が、許容支持力として再セットされることもなく、処理としては何もされないようだが、どのように扱っているのか。
A4−6. 負の周面摩擦力の検討は、基本的にH8道示「下部構造編 10.4.3 負の周面摩擦力」(P338〜P342)(ただし、iv)杭頭沈下量の検討は除きます。)に従って、ある指定された荷重ケース(一般的には死荷重)についてのみ 
 1.鉛直支持力の検討
 2.杭体応力度の検討
の照査を実施します。
 プログラムの流れとしては、上記の照査をもって、負の周面摩擦力に関する照査はなされたものと判断し、改めて許容支持力の値を変更するなどといったフィードバックは一切いたしません。
 技術者の判断の中で手入力で変更されることは自由にできますが、示方書を読む限り、通常の安定照査の支持力を変更するようには考えにくいと思います。
 
Q4−7. 負の周面摩擦力の杭材料の降伏応力度σyの出典根拠。
A4−7. (1) 鋼管杭の場合
 H8道示 T共通編 「表−解3.1.1 鋼管の機械的性質」(P74)から
  SKK400→235N/mm2
  SKK490→315N/mm2
 をセットしています。
(2) (その他の)コンクリート杭の場合
 コンクリートの設計基準強度σckに対して σy =0.85σck として求めています。
 
Q4−8. 「極限支持力が0になっています」というメッセージが出るがどうすれば良いか。
A4−8. 地層の入力画面で、支持層を入力する項目がありますが、ここの設定が不充分で あると考えられますので、一度チェックいただければと思います。 この支持層の入力方法は以下のようになっております。
入力タイプは「設計条件」の設定値により以下の4タイプに分かれます。

(1) 道示準拠 打込み鋼管杭
1:れき・砂・粘性土
2:軟岩・土丹 → 一軸圧縮強度 qu (kN/u)

(2) 道示準拠 打込み工法および中掘り工法(最終打撃方式)
1:支持層

(3) 道示準拠 中掘り工法(セメントミルク噴出撹拌方式)
1:砂層 → 先端地盤N値
2:砂れき層 → 先端地盤N値

(4) 直接入力または場所打ち杭、中掘り工法(コンクリート打設方式)
1:支持力 → 極限支持力度 qd (kN/u)
例えば、中掘りセメントミルクの場合ですと、上記Bにあたります。 よって、支持層の項目には1または2を入力し、さらに先端地盤のN値を 入力してください。
以上の入力後、再度予備計算を行ってください。
 
Q4−9. 周面摩擦力の計算において、粘性土層についても低減係数を考慮しているようですが?
A4−9. 本プログラムでは、土質定数の低減係数DEを入力していただき、土質(砂質土/粘性土)の区別なく、DEを考慮する仕様としております。入力値により低減されますので入力を確認下さい。
 
Q4−10. 負の周面摩擦力のコンクリ−ト杭の降伏応力度は、σy=0.85σck としているが、なぜσy=0.85σck の算出式を使っているのでしょうか?参考文献などは、ないのでしょうか?
A4−10. コンクリートの応力度−ひずみ曲線(道路橋示方書Vコンクリート編 2.2.4 部材断面の破壊抵抗曲げモーメント等)を参照して、コンクリート杭の降伏応力度を0.85・σckとしています。なお、この値は任意に変更可能ですので設計者の判断で自由な値とすることが可能です。
 
Q4−11. 許容支持力の算出式で杭の自重が小さいときの『Ra=γ/n Ru』の計算を行いたいときに土の有効重量も無視する方法は?
A4−11. 設計条件:支持力・引抜力の入力において、支持力の杭の有効重量に「簡易式」を指定してください。
W=Ws=0.0として計算します。
 
Q4−12. PHC杭の場合,降伏応力度σyはどのように算出されているのか?
A4−12. 既定値は、コンクリートの応力度−ひずみ曲線(道路橋示方書Vコンクリート編2.2.4 部材断面の破壊抵抗曲げモーメント等)を参照して、コンクリート杭の降伏応力度を
0.85・σckとしています。
なお、この値は「基準値」→「許容応力度の割増」にて任意に変更可能ですので、設計者の判断で自由な値とすることが可能です。
 
Q4−13. 地下水位で、水位が杭に影響を与えない場合の入力は、水位は0入力としてよいか?
A4−13. 支持力計算の際に水位を考慮するので、0入力では問題があります。
水位が杭に影響を与えない場合の入力は、水位を杭の先端より深い位置に設定頂きますよう御願いいたします。(設計される杭長よりも深い位置に設定ください)
 
Q4−14. 支持力計算の周面摩擦力に、粘着力を考慮出来ないのはなぜか?
A4−14. 周面摩擦力度は、粘着力CまたはN値により推定しますが、本プログラムではC値の入力を設けずに、N値による推定式を用いています。
地層データ入力の土質一覧画面において、入力された平均N値を用いて、施工工法に応じた周面摩擦力度fを算出,初期設定しています。
この値は、画面上で任意に修正可能ですので、おそれいりますが、Cから推定される場合は、平均N値入力後f値を変更してくださいますようお願いいたします。
なお、N値による推定式は、f=a・N+b(≦c)で定義しており、初期値として、道示Wの値を設定していますが、基準値−許容支持力算定条件画面で係数a,b,cを変更することが可能です。
 
Q4−15. 負の周面摩擦力の検討を行った際に、R、Poが得られるが同じ値か?
A4−15. 結果におけるR、Poは以下の意味ですが、

・R:(死荷重による杭反力) 
・Po:(杭頭に加えられた死荷重による杭頭荷重)

負の周面摩擦力の検討時のRとPoは同じ値です。
Rは支持力照査用、Poは杭体応力度の検討用に用いております。

5.地盤反力係数、杭軸方向のバネ定数

Q5−1. 予備計算結果の出力において「横方向地盤反力係数」におけるkH値の計算過程の内容が、常時・地震時ともに同じ値(βの値が同じ値)なのはなぜか。 
A5−1. ここの出力では杭バネの計算に必要な「杭の換算載荷幅BH」について説明しています。つまり「β(杭の特性値)」を仮定し、この1/βの範囲の平均的なαE0とBHからkHを求め、βを逆算し、仮定したβと等しくなることで仮定が正しかったことを証明することで、BHの設定しているわけです。

常時・地震時ともに同じ値になっているのは、H8道示「7.6.2 地盤反力係数」の解説P241に以下のように述べられています。
「弾性体基礎のBHを算定する際のkHは常時の値とし、設計地盤面から1/βまでの深さの平均的な値としてよい。また、地盤を多層として評価し各層の水平方向地盤反力係数を算出する場合も、各層の換算載荷幅は上記により求めたBHを用いるものとする。」から、地震時おいても常時のαE0を使用しているためです。ただし、本プログラムでは、地震時の計算に用いるα・Eo値を常時,地震時/2から選択できます。
なお、地震時の項の出力をしている理由として、本プログラムでは常時と地震時で異なる設計地盤面を設定できるようにしています。そのため、この設計地盤面が異なればβが異なり、結果としてBHが違ってくるので出力を用意しているわけです。

 
Q5−2. βの値が示方書の算式で算出したのと合わないのはなぜか。
A5−2. 本プログラムでは以下のような考えで換算載荷幅算出用の特性値βを求めています。
  @特性値β0を仮定する。
  A杭頭(設計地盤面)から特性長の深さまでの平均的な変形係数を次式で求める。
    αEo=ΣαEoi・Li/(1/β0)
    ここに、E0i:仮定した特性長までの各地層の変形係数
     Li:各地層の厚さ ΣLi=1/β0
  B平均的な地盤反力係数kHを次式で算定する。

  Dβi=βi+1になるまで@〜Cを繰り返す。
示方書の式で算出したとの意味が不明ですが、第1層の変形係数のみを用いて計算されたのであれば当然異なってきます。また、算出されたkHを用いてβを求めても多層地盤の場合は一致しません。
 
Q5−3. 杭軸直角方向のバネ定数が手計算と合わないのはなぜか。
A5−3. 「A1−7.」で述べたように、本プログラムでは杭軸直角方向のバネ定数は杭を地層毎に異なるバネで支持された弾性床上のはりがつながっているものとして解析しています。一方、手計算で求められたということは、「水平方向地盤反力係数が深さによらず一定で、杭の根入れの深さが十分に長い場合」にのみ適用できるChangの式で計算されたものと思います。当然のことながら一般には両者のバネ定数は一致しません。「水平方向地盤反力係数が深さによらず一定で、杭の根入れの深さが十分に長い場合」には両者は極めてよい精度で一致します。
 
Q5−4. 特性長1/βが杭長より長くなった場合、換算載荷幅はどのように考えているのか。
A5−4. このような場合の換算載荷幅はBH=√D・Lとします。
 
Q5−5. 「設計条件」の「地震時のαE0」の取扱いについて地震時/2を選択した場合、地震時として入力した変形係数の1/2を用いるとなっているが、変形係数をN値より算出すると地震時の変形係数は常時の変形係数の2倍となるため、どちらを選択しても同値となるのではないかと思われる。これについては、どのように考えればよいのか。
A5−5. 地震時のα・Eoが常時の値の2倍にならない場合(土質一覧でα・Eoを修正した時)を想定し、α・Eoの取り扱いを"常時"、"地震時/2"と分けてあります。
 
Q5−6. 杭長が杭径の10倍未満の場合の杭軸方向のバネ定数はどのように算出しているのか。
A5−6. 杭種によって取扱いが異なっています。
  【場所打ち杭】
  L/Dが10のときのバネ定数としています。これは『設計要領(日本道路公団)』の考えに準拠したものです。これにより難いときは別途算出されたバネ定数を入力して下さい。
  【これ以外の杭】
  プログラムで内部計算はしていません。何らかの方法で算定したバネ定数を入力して下さい。
 
Q5− 7. 突出杭の場合杭軸方向バネ定数の算出に用いる杭長はどのように考えているのか。
A5−7. 突出長は杭長に含めません。突出杭の場合の軸方向バネ定数を『道路橋示方書』の提案式で算出していいのかどうか疑問がありますが、本プログラムでは地中部の杭長を用いて軸方向のバネ定数を算出しています。本プログラムでは設計地盤面が基準面(フーチング底面)より低い場合に突出杭として取り扱いますが、常時と地震時で設計地盤面が異なる場合は常時の設計地盤面を用いて杭長を算定します。常時と地震時の設計地盤面が異なる場合、杭軸直角方向の地盤のバネ定数の考え方については示方書に記述がありますが、軸方向のバネ定数の算定については述べられていません。軸方向のバネ定数の提案式で は杭の根入れ長は考慮されていますが、根入れ地盤の硬さに関する項は考慮されていません。このことから本プログラムでは上記のような取扱いにしています。これにより難いときは常時と地震時の設計地盤面を同じに設定して、地震時のみの計算を実行して下さい。 
 
Q5−8. 『道路橋示方書』によれば軸方向バネの定数は杭長に逆比例する式で与えられているにもかかわらず場所打ち杭は杭長が大きいほどバネ定数が大きくなるのはなぜか。
A5−8. 杭長が杭径の10倍を超える杭の軸方向のバネ定数は次式で推定することができます。
Kv=a AP・EP
 
係数aは杭種と施工方法により以下のように与えられていますが、場所打ち杭の場合は第2項がマイナスになっていますので杭長が長いほどバネ定数は大きくなります。
   (1) 打込み鋼管杭  a=0.014(L/D)+0.78
   (2) 打込みPC、PHC杭  a=0.013(L/D)+0.61
   (3) 場所打ち杭  a=0.031(L/D)-0.15
   (4) 中堀り鋼管杭  a=0.009(L/D)+0.39
   (5) 中堀りPC、PHC杭  a=0.011(L/D)+0.36
 この係数aを上式に代入すると場所打ち杭の場合、次のようになります。
   Kv=0.031(ApEp/D)−0.15ApEp/L
 この式の右辺の第1項は杭長によらず一定ですが、第2項は杭長が長くなるほど小さくなりますので、Kv は大きくなることになります。
 
Q5−9. 「K値の補正係数」とは何か。
A5−9. ここで入力された係数を計算された水平方向地盤反力係数(横K値)に乗じます。例えばH8道示 下部構造編「10.4.4 群杭の考慮」を考慮したい時、低減率「μ」をここに入力してください。低減しない場合は「1.0」を入力して下さい。
 
Q5−10. 補正係数μが予備計算結果の地盤反力係数に反映されていない。
A5−10. 予備計算結果の中の地盤反力係数は換算載荷幅BHを算出する際に用いたものを根拠を明らかにするために出力しているものです。μによる低減は「10.5で求めた水平地盤反力係数に式(解 10.4.10)により算出した補正係数μを乗じればよい。」(H8道示 下部構造編P345)とあることから、換算載荷幅 BHを求めるまでは考慮しなくてよいものと考えています。
 もちろん、安定計算や地中部の断面力を算出する際には上記で得られた換算載荷幅を用いて地盤反力係数を算出し、これに補正係数を乗じて得られるバネ値を用いています。
 換算載荷幅を求めるときにも低減した地盤反力係数を用いたい場合には、低減係数を「1.0」とし地盤定数の入力において低減したαE0を入力して下さい。
 
Q5−11.  K値を画面上で直接画面で変更した場合、出力のどの部分で確認できるか。
k値予備計算結果の出力の「各層の横方向地盤反力係数」を見ても変更されていない。
A5−11. 「A5−10.」で述べたように予備計算結果の中の地盤反力係数は換算載荷幅BHを算出する際に用いたものを根拠を明らかにするために出力しているものです。変更したk値は
「出力」→「設計条件」
の出力において確認できます。計算は変更したk値で行っています。
 
Q5−12. 鋼管杭で腐食代を考慮する場合、杭径等はどのように扱っているのか。
A5−12. 腐食代を考える場合バネ定数等求める際にどのように考えるかは気になるところです。どのような考えで求めるかは設計者に任せればそれで済むことなのですが、どのように考えても結果に大きく影響することではないので、市販の参考図書などでの取扱いを参考にして以下のようにしています。
  横方向k値
算定時のD
横方向k値
算定時のI
軸方向バネ
算定時のA
軸方向バネ
算定時のD
支持力
算定時のD
プログラム I’ A’
参考図書(1) I’ A’
参考図書(2) I’ A’
参考図書(3) D’ I’ A’
参考図書(4) I’ −−− −−−
  ここに、 D :腐食代を減じない杭径
       D’:腐食代を減じた杭径
        I’:   〃   杭の断面二次モーメント
       A’:   〃   杭の断面積
   支持力算定時にはDを用いて杭先端の閉塞断面積および周長を求めています。
 なお、参考図書(1)〜(4)は以下のとおりです。
 参考図書
 (1):鋼管杭(日本鋼管杭協会)
 (2):よくわかる杭基礎の設計(山海堂)
 (3):杭およびケーソン基礎の設計計算例(山海堂)
 (4):杭基礎の実技とその解説(建設図書)
全てに腐食代を減じた値を使用する場合には、予め腐食代を減じた杭径を入力し腐食代を「0.0」と入力して下さい。
 
Q5−13. 有限長(1<βLe<3)の杭の場合の補正は行っているのか?
A5−13. 本プログラムでは、弾性床上はりの微分方程式を用いてπ/βに関係なくすべて有限長の杭として解析しており、常に、杭先端条件および多層地盤を考慮した計算を行っています。そのため、道路橋示方書W下部工編(P.348〜)「2)有限長(1<βLe<3)の杭の場合」に記載の補正による方法は用いておりません。計算方法は、help→「理論および計算方法」→「安定計算および杭体断面力の計算」に詳しく記載しております。また、Q&AのQ&A1−7,2−2,2−3,2−9,2−10に関連説明を記載しておりますので、併せてご覧ください。

6.杭 配 置

Q6−1. 作用力を杭群図心で与えたいが、内部で杭群図心を計算しているか。
A6−1. 内部計算はしていません。作用力は常にフーチング平面図の中心に作用します。
 
Q6−2. 作用力を杭群図心で与える必要はないのか。
A6−2. 作用力を与える点が杭配置の原点になっていれば、杭群図心を力の作用点と杭配置の原点にする必要はありません。以下に簡単な例で証明します。
簡単のために、直杭の場合について考えます。



原点O0に関する作用力と変位の関係が次式で与えられる。
Kiの意味については道路橋示方書W下部構造編を参照して下さい。
一方、原点O0からXの正の方向にeだけ離れた点O1に関する作用力と変位の関係は次式で与えられる。
   
これは式(2)に他ならない。
したがって、力の作用位置を杭配置の原点とすることだけを守れば力の作用位置をどこに決めてもかまいません。変位を算定したい点を原点とするのがよいと思います。
 
Q6−3. 杭径等が異なる場合の杭群図心はどのようにして求めたらいいか。
A6−3.  杭群図心をどのように定義するかによりますが、「断面の図心に軸方向力が作用した場合、断面の各位置のひずみは同一である。」ことを準用すれば、以下のようにして求めることができます。
 ΣKvi・(xi−ex)=0
 ΣKvi・(yi−ey)=0より
 ex=ΣKvi・xi/ΣKvi
 ey=ΣKvi・yi/ΣKvi
ここに、ex:仮の図心から図心までのX方向の離れ
    ey:     〃     Y方向の離れ
    xi:仮の図心を原点としたときの杭iのX座標
    yi: 〃 Y座標
     Kvi:杭iの軸方向バネ定数
変位法により杭基礎の計算を行う場合は「A6−2.」で述べたように杭群図心を意識する必要はありません。
 
Q6−4. フーチングの平面形状が矩形でなく、ひし形、台形などでも計算できるか。
A6−4. 平面形状は矩形しか入力できません。しかし計算は作用力原点とそこからの杭位置で行いますので平面形状は特に関係しません。計算したい杭配置が納まるように矩形で平面寸法を入力すればよいと思います。
 
Q6−5. 杭を任意に配置したい。
A6−5.  方法1
 「寸法」の「杭座標入力」を用いて、1本ずつ入力する。
 「確定」後、平面図で杭配置を確認できます。
 注)「杭座標入力」は、杭本数が100以下の場合に適用できます。

 方法2
 (1)一旦、杭の「自動配置」で「n行、m列」の杭を配置する。
  (n、mは予め最終的な杭配置における行数、列数を入力してください。)
 (2)杭の平面図を見てマウスで不必要な杭を任意に削除する。
 (3)杭座標を行/列単位で修正する。

 方法3
 「基本条件」の「簡易入力」で杭座標を入力する。
 注)「簡易入力」は以下の条件でのみ入力できます。

  ・地層変化なし、・杭径変化なし、・2次元解析
  (また「簡易入力」では杭配置図の画面確認、出力何れもできません。
 注意)方法2、3何れも以下の制約があります。
   (1)地層傾斜なし、杭径変化なしの場合
      NX≦30、NY≦30
   (2)地層傾斜あり、もしくは杭径変化ありの場合
      NX×NY≦100       NX:杭行数
      NX≦20、NY≦20    NY:杭列数
 
Q6−6. 鋼管杭やPHC杭などで各杭径が同一で、板厚(肉厚)だけが異なる場合の入力方法。
A6−6. 「基本条件」で「杭径変化 あり」とすれば、杭毎に板厚や肉厚を変えて入力できます。
 
Q6−7. 作用力をフーチング平面中心からずれた位置で与えることはできないか?
A6−7. 本プログラムでは、杭頭座標原点(フーチング平面中心)における作用力を入力していただく(あるいは自動計算する)仕様としております。
したがって、この場合、作用力を算出された位置が、杭頭座標原点となるように、杭頭座標を移動していただく必要があります。
入力→杭配置等予備計算→移動により杭頭座標を移動してください。
 
Q6−8. 杭径が異なる杭を混在させる方法は?
A6−8. 本プログラムは、基本条件画面にて「杭径変化あり」、または「地層傾斜有り」を選択していただくこことにより、20種類までの杭径が異なる杭の入力が可能となります。
杭の入力方法につきましては、以下の手順で操作が可能です。
(1) 「入力・杭配置等予備計算」画面において、「データ」入力部で●入力モードを選択後、左画面 の杭配置上で杭を全て選択します。
(2) この状態で右画面において杭データを入力後、「apply」ボタンを押していただき入力を反映させます。
(3) 次に、●入力状況とすると右画面上の杭は全て灰色となり、入力データが採用されていることを示します。
(4) 更に、再度●入力とし、変更する杭を左画面の配置図で選択します(該当杭 灰色反転)。
(5) 最後に、その状態で杭データを入力し、「apply」ボタンを押し、●データ確認として確認すると該当杭のみがデータを変更されたことになります。

「入力・杭配置等予備計算」画面の杭選択方法については、画面上ヘルプボタンによりヘルプをご参照ください。
 
Q6−9. 斜杭として杭に角度を与えたにも関わらず、安定計算結果が同じになったが?
A6−9. 杭に対して斜角のみを入力され、その斜角を考慮する杭が選択されていないことが原因だと思われます。「杭配置等・予備計算」→「斜角」の杭配置図上で、斜角を考慮する杭を選択してください。詳しくは画面上の「ヘルプ」を参照ください。

7.突出部の水平荷重

Q7−1. 考慮できる水平荷重及び、制限事項は何か。
A7−1.  考慮できる水平荷重
  (1)動水圧、(2)流水圧、(3)杭体の慣性力
  ・「1.動水圧、2.流水圧」: フーチング底面より上方に水位がある場合については取り扱えません。
  ・上記3種類とも全杭に考慮する場合に限られ、特定の杭にのみ水平荷重を作用させることはできません。
  ・上記3種類とも水位や震度を入力することにより、杭径や設計地盤面傾斜の場合、突出長変化に応じて水平荷重が計算されます。
 
Q7−2. A(杭の断面積)=0.0と印字される。
A7−2. 以下の場合に、杭突出部水平荷重の計算処理がされず、結果的にA=0.0という出力になると考えられます。
   (1) 突出部がない場合
   (2) 載荷位置h′(m)の値が突出長以上の場合
  載荷位置h’(m)は、フーチング下面からの水位もしくは慣性力の開始位置です(載荷長ではありませんのでご注意ください)。
 
Q7−3. 突出部に荷重を載荷させても載荷しない場合と杭反力が変わらない。
A7−3. 杭長同一で、均等に荷重が載荷されれば水平反力は同じです。

杭基礎 Q&A INDEX


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