Q11−1. |
地中部Mmax及びSmaxの検索方法。 |
A11−1. |
・地中部Mmax:設計地盤面の次の着目点から杭先端までの間でせん断力S=0.0になる点をMmaxとしています。
・Smax:設計地盤面から杭先端までの間で水平変位δx=0.0になる点をSmaxとしています。 |
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Q11−2. |
杭のモーメント及びせん断力値が、地中部以下が急に全て
0.000となる。 |
A11−2. |
プログラム内で、マトリックス乗算を何度も行っているため、M、Sが微小値になるにしたがってゴミがついてしまいます。そのためプログラム内で自動的に
0.000セットしています。(杭先端条件によってδx、M、Sの何れかの値が一定値以下になりますと
0.000セットしています)。 |
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Q11−3. |
断面力図の印刷が常に(1、1)の杭しか印刷されない。指定した杭の断面力を印刷できないのか。 |
A11−3. |
杭長、杭径が全て同じで地層が水平であれば、どの杭の断面力も同じなので常に(1、1)の杭断面力図が印刷されます。 |
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Q11−4. |
杭体の応力度算定において軸方向力が安定計算時の杭頭鉛直反力と異なっているのはなぜか。 |
A11−4. |
本プログラムでは杭体の応力度計算において以下の2つの考え方のうちどちらかが選択できるようになっています。
(1) |
杭頭の結合状態によらず杭頭剛結合の場合の軸方向力を用いる。
この場合、以下の組合せについて応力度を算定し、いずれか厳しい方を出力します。
(NRとMR)
(NRとMH)
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(2) |
杭頭の結合状態に対応した軸方向力を用いる。
この場合、以下の組合せについて応力度を算定し、いずれか厳しい方を出力します。
(NRとMR)
(NHとMH)
ここに、 NR:杭頭剛結合状態の軸方向力
MR: 〃 曲げモーメント
NH:杭頭ヒンジ結合状態の軸方向力
MH: 〃 曲げモーメント |
したがって「地中部ヒンジのMmax 」の計算において、杭頭剛結時の軸力を使う場合は「(1)(剛結)」を、杭頭ヒンジの軸力を使う場合は「(2)(ヒンジ)」を選択します。
したがって安定計算で得た(剛結時の)鉛直反力と一致させたい場合は「剛結」を選択して下さい。
この軸力の扱いについては『道路橋示方書』ではどのように考えて照査するのか明記されていません。杭頭結合条件を変えて安定計算を再度行うことがかなり面倒であった頃のやり方が引き継がれて、(1)で照査している例が多いようですが、(2)で照査する方が合理的であると考えています。
なお、安定計算時の杭頭の結合条件がヒンジ結合の時は(NHとMH)の組合せになります。
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Q11−5. |
杭頭剛結合とした場合、杭体の応力度は杭頭ヒンジ結合の場合の検討も行うが、安定計算ではこの照査を行わないのはなぜか。 |
A11−5. |
杭頭の結合条件が変わると杭反力は変わってきます。したがって、杭頭ヒンジ結合の状態の押し込み力のほうが杭頭剛結合状態のそれよりも大きくなる場合もありえます。ただ、杭基礎全体の安定を考えたとき@杭の許容支持力が不足している場合とA杭体の耐力が不足している場合とではその意味するところは大きく異なります。
(1)の場合許容支持力が多少不足していても地盤が破壊されて杭の変位が急激に大きくなることは考えられず、基礎の安定は十分保たれていると考えられます。
(2)の場合杭体が仮に破壊されたとすると基礎の安定は保たれているとはいえず、構造物を支え続けることはできません。
以上のことが杭頭剛結合の場合でも杭体の照査はヒンジ結合の状態でも行うことの理由であろうと思います。
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Q11−6. |
「2.5次元解析」で断面計算時、着目杭全てを網羅しているか。 |
A11−6. |
安定計算は、指定した杭すべてについて行います。
断面計算は、以下の仕様になっています。
(1) 「地層変化なし、かつ杭径変化なし」で直杭のみの場合
「断面計算」で「行〜列」(0〜0)とすればモーメントは杭毎に同じなので荷重ケースごとにPmax、Pminになる杭をそれぞれ抽出して、その杭について応力度計算を行います。
(2) 「地層変化なし、かつ杭径変化なし」で直杭、斜杭混在の場合
「断面計算」で「行〜列」(0〜0)とすれば直杭について1)と同様に、荷重ケースごとにPmax、Pminになる杭をそれぞれ抽出して、その杭について応力度計算を行います。
斜杭についても「行〜列(0〜0)」とすれば、全斜杭に対して応力度計算を実行します。
(3) 「地層変化あり、かつ杭径変化なし」の場合
杭毎に断面力が異なりますので断面計算時に「行〜列(0〜0)」とすれば、全杭に対して応力度計算を実行します。
(4) 「地層変化あり、なし」に関わらず「杭径変化あり」の場合
異なる杭径が混在しているため「行〜列(0〜0)」の指定ができません。断面計算時に一本ごとに杭断面(杭径、板厚、種別など)を入力し応力度計算を実行してください。
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Q11−7. |
「場所打ち杭」の場合、杭反力が正(押し込みの状態)の場合、断面照査時の軸力を0にしなくてよいのか。 |
A11−7. |
S61「杭基礎設計便覧」には上記の記述がありましたが、H4「杭基礎設計便覧」にはその記述がなくなっています。
そこで本プログラムでも、上記の取扱いはしておりません。
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Q11−8. |
鋼管杭の場合、板厚を杭配置入力画面で入力しているのに「断面計算」データで、再び板厚の入力を促すのはなぜか。 |
A11−8. |
断面計算時に板厚を小さく入力することで仮に応力がもったとしたら、再び杭配置の入力に戻り、板厚を入力し直すことで安定計算をし直すことに使えます。
また「上杭、下杭」と断面変化し、それぞれ板厚が異なる場合、板厚を上杭断面検討用、下杭断面検討用と2回入力する場合にも使います。
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Q11−9. |
杭の厚さを,上杭と下杭で変更しているが、断面計算の中杭上端の照査を行うと、下杭で設定した杭の厚さにならず,上杭で設定した杭の厚さで計算しています。下杭の厚さでの計算結果はでないのですか? |
A11−9. |
断面計算での板厚等の断面情報は、初期データとして安定計算に用いる上杭の断面情報を設定していますが、任意に変更可能という仕様になっています。 |
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Q11−10. |
杭本体の設計に於いて、道路橋示方書W編p361では、杭の引き抜き力を、地盤の状況に応じ低減すると記載してありますが、これに対応しているのか? |
A11−10. |
本プログラムでは、道示WP.361記載の軸力の低減には対応しておりません。
入力諸元を元に引き抜き力を算定し、その照査位置にかかわらず、常に杭頭における軸力を用いて断面照査を行っていおります。 |