A4−1. |
曲げ破壊型の場合は「期待する」と「期待しない」で計算上の違いはありません。
ただし、設計上塑性化を期待する部位を明確にする必要があるため選択を設けています。
※曲げ破壊型以外の場合、柱に塑性化を期待してはならないため「期待する」としている場合は判定をNGとします。 |
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Q4−2. |
「荷重|偶発(レベル2地震動)」画面で「柱の塑性化」の選択は何に影響するのか |
A4−2. |
(1)「期待する」と「期待しない」
設計を行う上で、塑性化を期待する部位を「設計者」が決定する(明確にする)必要があるため選択としています。
水平変位の照査については両者で計算上の違いはありません
(2)「許容しない」
ダム湖に架かる橋の橋脚のように地震後の点検や修復が著しく難しい場合を想定しています。
上記の(1),(2)より、現在はH29道示X(P.176)の図-解8.3.2と「荷重|偶発(レベル2地震動)」画面の「柱の塑性化」の選択より水平変位の制限値を決定しています。
最終的に適用される制限値は、計算書の「結果詳細|柱の設計(偶発(レベル2地震動)に対する照査)|結果一覧」の「δa」をご覧下さい。
・破壊形態が曲げ破壊型以外または柱の塑性化を「許容しない」としている場合
水平変位の制限値を式(8.4.1)の「δyEd」とします。
・破壊形態が曲げ破壊型かつB種の橋の場合
水平変位の制限値を式(8.4.2)の「δls2d」とします。
・破壊形態が曲げ破壊型かつA種の橋の場合
水平変位の制限値を式(8.4.6)の「δls3d」とします。
せん断力に対する照査では下記の通り制限値を決定しています。
・「期待する」:正負交番作用による補正係数ccを考慮した「Ps」を用います。
・「期待しない」又は「許容しない」:正負交番作用による補正係数ccを1.0とした「Ps0」を用います。 |
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Q4−3. |
偶発(レベル2地震動)に対する照査で、ひび割れ水平耐力が負となる警告が表示されるが問題ないか |
A4−3. |
死荷重のみが作用する状態で、計算上ひび割れが発生しているため警告としていますが、最終的な判断は設計者に委ねています。
例えば、上記のひび割れが有害なレベルと判断される場合は対策を行う必要があると考えます。
※H24道示W(P.165)の(1)、H29道示W(P.97)の(4) 1)も参考にして下さい。 |
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Q4−4. |
橋軸方向に作用する風荷重に対応しているか |
A4−4. |
Ver.3.3.0(Suite2.3.0)より対応しています。
上記バージョン以降に更新後、風荷重の作用方向を「(橋軸)正方向」または「(橋軸)負方向」として下さい。 |
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Q4−5. |
柱の設計(偶発レベル2地震動)でせん断破壊型の場合に総合判定がNGとなる |
A4−5. |
現在は、H29道示Xの下記の解説より、塑性化を期待した設計で、曲げ破壊型とならない場合は「NG」としています。
・(P.181)の下から5行目の解説
・(P.183)の(4)の解説
せん断破壊型を許容し「OK」と判定する場合は、下記の項目で柱の塑性化を「期待しない」としてください。
・「荷重|偶発(レベル2地震動)」画面の「柱の塑性化」 |
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Q4−6. |
免震橋の場合に柱の塑性化を期待することに問題はないか。 |
A4−6. |
H29道示Xの下記の解説より、免震支承と共に橋脚にも塑性化を期待するかどうかが判断材料になると考えます。最終的には設計者の判断となりますことをご了承下さい。
・P.21の下から9行目
種類の異なる複数の部材に塑性化を期待しないことが標準とされたものである。
・P.21の下から8行目
塑性化を期待する部材としては〜(中略)〜免震支承等のエネルギー吸収を図る部材も該当する。
・P.21の下から6行目
免震支承を用いてエネルギー吸収を図るとともに、橋脚にも塑性化を期待し、免震支承と橋脚でエネルギー吸収を図る場合は、種類の異なる複数の部材に同時に塑性化を期待する構造となる。
※通常はこちらに該当すると考えられるため「期待する」となる思われます。
・P.302の下から5行目
式(14.3.1)に基づけば〜(中略)〜限界状態1に対応する変位の制限値以下となる場合もある。この場合には鉄筋コンクリート橋脚の限界状態1に対応する変位の制限値とすればよい。
※このようなケースでは、「期待しない」とする考え方もあると思います。
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Q4−7. |
柱に雪荷重(雪崩の影響)を考慮することは可能か。 |
A4−7. |
可能です。
例えば、橋軸方向に作用する雪荷重を考慮する場合は、下記の手順で設定を行ってください。
1.「荷重|オプション荷重」画面の「任意荷重、その他作用力を使用する(永続/変動/偶発(衝突)のみ)」をチェック(レ)します。
2.「荷重|水平方向任意荷重(橋軸方向)」画面にて、荷重種別を「SW」として雪荷重を設定します。
3.橋軸方向の該当する適用ケースをチェック(レ)してください。
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Q4−8. |
柱のねじりモーメントに対する照査に対応しているか。 |
A4−8. |
H29道示W(P.97)の解説Aより、柱のねじりモーメントに対する照査に対応しております。
具体的な照査内容につきましては下記をご覧ください。
・H29道示V(P.116)の(6)
・H29道示V(P.142〜)
柱のねじりモーメントに対する照査を行う場合は下記の項目を設定して下さい。
1.「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」画面を開きます。
2.ねじりに対する照査を行いたい荷重ケース画面を開きます。
3.開かれた画面で「柱のねじり照査」をチェック(レ)します。
4.同画面で「上部工反力|RMt」で部分係数を考慮した値を入力します。
※ここで入力されたねじりモーメントを照査に用います。
5.「部材|柱帯鉄筋」が未確認状態(ボタンが赤表示)となりますので同画面でねじり「照査用設定」を入力して下さい。
※道示Vの5.4.1及び5.7.3で係数や幅及び高さが明確にされていない断面形状は設計者の判断により計算に用いる値を直接指定いただく必要があります。
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Q4−9. |
柱が全断面圧縮となり圧縮応力度が生じているはずだが応力度の結果が「0」となる。 |
A4−9. |
現在は下記の計算例を参考に、鉄筋に圧縮応力度が生じている場合は引張応力度を「0」で表示しています。 「平成29年道路橋示方書に基づく道路橋の設計計算例 平成30年6月 公益社団法人 日本道路協会」
※(P.432)の表-2.1.3を参照ください。
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Q4−10. |
柱の偶発(レベル2地震動)に対する照査おいて、柱基部に初期断面力(水平力、曲げモーメント)を作用させることは可能か。 |
A4−10. |
下記の予備計算機能を用いることで、初期断面力として曲げモーメントのみ考慮することが可能です。
1.「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面の「柱(基本条件)|予備計算|軸力、モーメントを直接指定する」をチェック(レ)します。
2.「予備計算|軸力、モーメント」画面で基部(i=0)のモーメントを調整します。
※最終的に基部に作用する曲げモーメントの合計値を設定して下さい。
※水平力については対応しておりません。
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Q4−11. |
永続/変動/偶発(衝突)における温度差の影響TFの入力方法を教えてほしい。 |
A4−11. |
■安定計算、柱、フーチングの設計
・上部工反力を「詳細入力」で行う場合
各ケース毎に「上部工反力詳細入力」画面で設定ください。
・上部工反力を「一括入力」で行う場合
「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」画面−「上部工反力一括入力」で設定された「TF」が各荷重ケースに反映されます。
なお、各荷重ケース画面の「温度差の影響TF|作用方向」に応じて、自動的に正負を考慮した「TF」が反映されます。
■はり設計用鉛直反力
「Rex種別」を「TF」とし「Rex」に荷重を設定して下さい。
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Q4−12. |
柱のレベル2地震時のせん断照査において、せん断耐力を求めるときのせん断スパンの考え方を変更できるか。 |
A4−12. |
「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面−「柱(基本条件)」タブ−「せん断耐力算出時|せん断スパン」で下記範囲を設定することができます。 ・基部から上部工作用位置 ・基部から橋脚天端 ・基部からはり下端 ・照査位置からはり下端
詳しくは、「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面ヘルプの「・せん断耐力算出時」をご覧ください。
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Q4−13. |
「khmin」の入力は何に用いられるのか。 |
A4−13. |
「khmin」は、H29道示X4.1.6(6)の考え方を反映する場合に設定を行います。 計算上は、「kIh,kIIh」が「khmin」を下回る場合、「khmin」が適用されます。 ※震度算出との連携時は、震度側で算定された同一振動単位内の最大値が反映されます。 ※設計対象としている橋脚の「kIh,kIIh」をそのまま適用したい場合は、「khmin」を「0.00」として下さい。
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Q4−14. |
せん断照査に用いるScにおいて、軸方向圧縮力を考慮できるか。 |
A4−14. |
本製品では、H29道示W(P.80)(1)1)の下記の解説より、せん断照査において軸方向圧縮力の影響を考慮しておりません。 ・H29道示W5.2.7(1)1)解説:ただし、橋脚や橋台、フーチング等において軸圧縮応力度があまり大きくない場合は、簡略化のため、V編式(5.8.3)における第二項を零とし、軸方向圧縮力の影響を無視してもよい。
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Q4−15. |
荷重状態「1.0(D+L)」において、耐荷性能照査が行われないのはなぜか。 |
A4−15. |
荷重状態「1.0(D+L)」は、H29道示の下記の照査に用いる荷重状態としてご用意しているため、耐荷性能照査は行っておりません。 ・部材設計における耐久性能の疲労に対する照査(H29道示V(P.187 (2)) ・安定計算における基礎の変位の制限に対する照査(H29道示W(P.167) (3) 2)及び(P.201))
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Q4−16. |
「Pa≧khc・W」の照査が行われない。 |
A4−16. |
「Pa≧khc・W」の照査を行うことはできません。
H29道示では、H24道示以前の水平耐力による照査から水平変位による照査へ変更されました。
具体的には、要求される耐荷性能に応じて下記の照査を行います。
耐荷性能1(A種の橋)
δres≦δa(水平変位の照査)
Pres≦Psd(せん断力の照査)
耐荷性能2(B種の橋)
δres≦δa(水平変位の照査)
Pres≦Psd(せん断力の照査)
δR≦δRa(残留変位の照査)
構造細目(共通)
Pa≧0.4c2z・W(水平耐力の下限値照査)
ここに,
δres:水平変位(mm)
δa :水平変位の制限値(mm)
δR :残留変位(mm)
δRa :残留変位の制限値(mm)
Pres :せん断力(N)
Psd :せん断力の制限値(N)
c2z :レベル2地震動の地域別補正係数
W :等価重量(N)
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Q4−17. |
偶発(レベル2地震動)の計算結果において、終局位置の判定が「OK(警告)」と表示されるのは問題ないか。 |
A4−17. |
本警告は、基部が終局状態に達するが、基部以外がひび割れ状態または降伏状態に達する場合に表示しています。 この場合、H29道示X(P.184〜)の考え方が適用できるか否かが不明なため、念のため警告としています。
計算理論及び結果への影響はなく、道示等の規定によるものでもありませんが、最終的な適用については設計者に委ねています。
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Q4−18. |
永続/変動/偶発(衝突)における偏心モーメントを直接指定したい。 |
A4−18. |
下記いずれかの方法で設定してください。
■<方法1>偏心距離を指定
- 「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」画面より、各荷重ケース画面を開きます。
- 「上部工反力」の「詳細入力」ボタンを押下します。
- 開かれた画面で、下記のいずれかの方法でお考えの偏心モーメントの値となるよう設定してください。
・「RD」の「偏心距離」を入力。
・「荷重個数」より荷重を追加し、鉛直力×偏心距離が偏心モーメントとなるよう入力。
■<方法2>偏心モーメントを直接指定
- 「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」画面より、各荷重ケース画面を開きます。
- 「上部工反力|入力方法」を「集計値入力」とします。
- 同項目の「RM」で偏心モーメントを入力して下さい。
※「集計値入力」の場合は、荷重係数及び荷重組合せ係数考慮後の値として下さい。
※「集計値入力」の場合は、一括入力の値が反映されないため、一括入力で設定された荷重も考慮した集計値をご設定ください。
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Q4−19. |
柱の最大鉄筋量照査において、Myc≦Mucで照査を行うのはなぜか。 |
A4−19. |
H29道示W(P.70)の解説では、釣合鉄筋量の目安として、部材の有効断面積の2%以下と記載されています。 ただし、上記は一般的な断面における目安値であり、配筋状況により2%以下の配置量でも照査を満足しない可能性があります。 従いまして、本プログラムでは、2%以下の鉄筋量においても、鉄筋の降伏よりコンクリートの破壊が先行しないことを明確に確認できるように「降伏曲げモーメントMyc」と「破壊抵抗曲げモーメントMuc」を直接比較することで判定しています。
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Q4−20. |
「RC断面計算」で算出されるひび割れモーメントの値が異なる。 |
A4−20. |
永続/変動/偶発(衝突)による照査に用いるひび割れモーメントMcにつきましては、「RC断面計算」の下記設定を変更することで橋脚側の値とほぼ一致させることができます。
- 「材料|コンクリート」の曲げ引張強度を小数点以下4桁まで入力します。
※橋脚製品では、H29道示W(P.69)のσbt = 0.23σck(2/3)の計算値を丸めずに使用しています。
- 「主鉄筋」の本数を「0.000」とします。
※H29道示W(P.69)の(解 5.2.1)より軸方向鉄筋を無視した断面積を用いています。
※初降伏モーメントの計算エラーとなりますが、Mcの結果は確認可能です。
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Q4−21. |
応答変位及び水平耐力の照査はOKだが「Pc≧Pu」でNGとなるのはなぜか。 |
A4−21. |
H29道示V(P.173)の式(8.3.3)より、曲げ破壊型の場合は「Pc<Pu」の関係を満たす必要があります。 従いまして、破壊形態が曲げ破壊型かつ「Pc≧Pu」となる場合、判定を「NG」としています。 詳しくは、H29道示Vの(P.174〜) 2) i)の解説をご確認ください。
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Q4−22. |
偶発(レベル2地震動)照査時に地震時動水圧を考慮するのはどのような場合か。 |
A4−22. |
偶発(レベル2地震動)作用時における地震時動水圧は、下記を参考に水深の深い高橋脚を想定しています。 ・H29道示X(P.106)の6行目以降の解説 ・「道路橋示方書・同解説 耐震設計編に関する参考資料(平成27年3月)(社)日本道路協会」(P.94〜) ※H14道示X(P.328〜)と同等の内容で、H24道示改定以降、上記文献にまとめられています。 ※上記文献では、高さ24mの橋脚で水深が10mの場合でも等価重量の増分は1.4%程度とされており、結果への影響は小さいと考えられます。
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Q4−23. |
柱中間部の地震時動水圧はどのように算出しているか。 |
A4−23. |
柱中間部照査位置の地震時動水圧は、下記の流れで算定しています。 1.基部に作用する地震時動水圧を算定 2.「1.」を等価な荷重と作用位置となる台形分布荷重に変換 3.中間部照査位置より上に作用する分布荷重を算定
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Q4−24. |
構造物特性補正係数csはどこで確認すればよいか。 |
A4−24. |
H29道示では、部分係数設計法による水平変位の照査への移行に伴い、抵抗側(水平変位の制限値)の各種係数でその影響が考慮されています。 そのため、補正係数csは計算しておらず、結果を確認することもできません。 併せて、下記の解説も参考にしてください。 ・H29道示X(P.180)(1)から(3) の3行目〜9行目 ・H29道示X(P.181)の下から9行目〜下から6行目
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