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Q&A橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応) Q&A ('24.12.11)
>> 旧基準製品Q&A

NEW! 更新内容


Q3−13.コーベルとしての条件に該当する場合もコーベルとして計算しないスイッチがあるがどのようなケースで使用するのか。('24.12.11)


目  次
1.適用範囲、制限事項 

Q1−1.既設検討・補強設計に対応しているか

Q1−2.インターロッキング式橋脚に対応しているか

Q1−3.「橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」の主な製品特長を教えてほしい。

Q1−4.対応している基礎形式を教えてほしい。

2.配筋 

Q2−1.「部材|柱帯鉄筋」画面において、nsには何を入力すればよいか

Q2−2.警告「柱主鉄筋径≦柱帯鉄筋(中間帯鉄筋)径となっています」と表示されるが根拠となる文献を教えてほしい。

Q2−3.部材配筋入力時に3Dモデルで確認したい。

Q2−4.降伏剛性時の断面2次モーメントを用いて橋脚の配筋を再現したい。

Q2−5.橋軸方向と直角方向で柱主鉄筋のかぶりを変更することはできるか。

Q2−6.はりのせん断補強鉄筋量照査において、スターラップの間隔はどのように算出されているのか。

3.はりの設計 

Q3−1.はりのせん断照査において、せん断補強鉄筋量が0となる

Q3−2.はり設計用鉛直反力・水平反力画面において「Rex」及び「RH」以外の入力項目があるのはなぜか。

Q3−3.耐久性能の照査で断面力に荷重組合せ係数及び荷重係数が考慮されているが問題ないか

Q3−4.コーベルとして設計する場合に上面必要鉄筋量による照査が行われない

Q3−5.水平方向断面の照査でコーベルとして判定されない

Q3−6.せん断照査時においてせん断スパン比による影響が考慮されない(cdc,cds=1.0)のはなぜか。

Q3−7.水平反力の合計値が、柱の終局水平耐力を下回っているという警告が表示されるがどうすればよいか。

Q3−8.コーベル設計時に行われるせん断補強鉄筋量の照査(Aw≧0.002b・a・sinθ)について教えてほしい。

Q3−9.コーベルの条件を満たしているが、コーベルの照査が行われない。

Q3−10.水平方向断面のせん断照査において、はり付け根を照査位置としているのはなぜか。

Q3−11.はりの水平方向せん断照査において、「せん断補強鉄筋が負担できるせん断力の合計の特性値 Ss」の値はどのように算定しているのか。

Q3−12.H29道示W(P.94)の水平荷重を入力したい。

Q3−13.コーベルとしての条件に該当する場合もコーベルとして計算しないスイッチがあるがどのようなケースで使用するのか。

4.柱の設計 

Q4−1.「荷重|偶発(レベル2地震動)」画面で「柱の塑性化」を「期待する」から「期待しない」に変更しても結果が変わらない

Q4−2.「荷重|偶発(レベル2地震動)」画面で「柱の塑性化」の選択は何に影響するのか

Q4−3.偶発(レベル2地震動)に対する照査で、ひび割れ水平耐力が負となる警告が表示されるが問題ないか

Q4−4.橋軸方向に作用する風荷重に対応しているか

Q4−5.柱の設計(偶発レベル2地震動)でせん断破壊型の場合に総合判定がNGとなる

Q4−6.免震橋の場合に柱の塑性化を期待することに問題はないか

Q4−7.柱に雪荷重(雪崩の影響)を考慮することは可能か。

Q4−8.柱のねじりモーメントに対する照査に対応しているか。

Q4−9.柱が全断面圧縮となり圧縮応力度が生じているはずだが応力度の結果が「0」となる。

Q4−10.柱の偶発(レベル2地震動)に対する照査おいて、柱基部に初期断面力(水平力、曲げモーメント)を作用させることは可能か。

Q4−11.永続/変動/偶発(衝突)における温度差の影響TFの入力方法を教えてほしい。

Q4−12.柱のレベル2地震時のせん断照査において、せん断耐力を求めるときのせん断スパンの考え方を変更できるか。

Q4−13.「khmin」の入力は何に用いられるのか。

Q4−14.せん断照査に用いるScにおいて、軸方向圧縮力を考慮できるか。

Q4−15.荷重状態「1.0(D+L)」において、耐荷性能照査が行われないのはなぜか。

Q4−16.「Pa≧khc・W」の照査が行われない。

Q4−17.偶発(レベル2地震動)の計算結果において、終局位置の判定が「OK(警告)」と表示されるのは問題ないか。

Q4−18.永続/変動/偶発(衝突)における偏心モーメントを直接指定したい。

Q4−19.柱の最大鉄筋量照査において、Myc≦Mucで照査を行うのはなぜか。

Q4−20.「RC断面計算」で算出されるひび割れモーメントの値が異なる。

Q4−21.応答変位及び水平耐力の照査はOKだが「Pc≧Pu」でNGとなるのはなぜか。

Q4−22.偶発(レベル2地震動)照査時に地震時動水圧を考慮するのはどのような場合か。

Q4−23.柱中間部の地震時動水圧はどのように算出しているか。

Q4−24.構造物特性補正係数csはどこで確認すればよいか。

Q4−25.曲げモーメントの制限値が「RC断面計算(部分係数法・H29道示対応)」と異なる。
5.フーチングの設計 

Q5−1.小判形柱の場合、設計上のフーチング張出長を求めるための柱形状をどのように考えているのか。

Q5−2.せん断照査時においてせん断スパン比による影響が考慮されない(cdc,cds=1.0)のはなぜか。

Q5−3.版としての照査において、せん断補強鉄筋の設定はどこで行うのか。
6.自重、慣性力 

Q6−1.「形状|はり」画面で設定できない形状について対応方法はあるか。

7.上部工反力、任意荷重 

Q7−1.「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」の各ケース画面で上部工反力の詳細入力を行う場合に「初期入力」画面の「地震時水平反力RH」は反映されないのか

Q7−2.「フーチングに作用する鉛直方向任意荷重」は柱部分を自動的に控除するのか。
8.安定計算 

Q8−1.荷重ケースの「(U)」と「(D)」は何を示しているのか。

9.付属設計 

Q9−1.橋座の設計で支圧応力度の照査に対応しているか

Q9−2.橋座の設計で「支承の配置」を「斜角橋軸」と設定すると計算が実行されない場合がある。
10.連動 

Q10−1.「Engineer's Studio」データのエクスポートに対応しているか

Q10−2.ケーソン基礎または鋼管矢板基礎の基礎ばねを設定する場合、どのように入力したらよいか

Q10−3.杭基礎の2.5次元解析に対応しているか

Q10−4.杭基礎連動時の基礎の設計に用いる設計水平震度Khpの扱いは?

Q10−5.「Engineer's Studio」データエクスポート時において、M-φ特性を橋脚側で計算とした場合の、M-φ特性算出根拠を確認したい

Q10−6.ケーソン基礎連動に対応しているか。

Q10−7.非線形動的解析モデルのエクスポートで、水平変位の制限値が橋脚計算書の値と異なるのはなぜか。

Q10−8.基礎連動時に、橋脚側のフーチング形状が正しく連動されない。

Q10−9.他製品と連携・連動している場合に、計算書をまとめて出力する方法はあるか。

Q10−10.作成済のデータから荷重ケース情報を連携したい。

Q10−11.鋼管矢板基礎・ケーソン基礎連動時の柱下端作用力に浮力が考慮されない。

Q10−12.震度連携モードで保存時に「剛性モデルを生成するのに必要な項目が設定されていません」と表示される。
11.設計調書 

Q11−1.設計調書に対応しているか
12.その他 

Q12−1.「平成29年道路橋示方書に基づく道路橋の設計計算例 平成30年6月 公益社団法人 日本道路協会」のサンプルデータはあるか

Q12−2.「UC-1 Engineer's Suite積算」との連携に対応しているか。

Q12−3.メイン画面の「タイトル:」,「コメント:」をクリックして開かれる「一般事項」画面の情報は、どこに用いられるか?



 1.適用範囲、制限事項

Q1−1.

既設検討・補強設計に対応しているか
A1−1. 現在は対応しておりません。
H29道示を適用した既設検討・補強設計に関する参考資料や基準類の発刊後に対応を検討する予定です。
 

Q1−2.

インターロッキング式橋脚に対応しているか
A1−2. 現在は対応しておりません。
平成29年道示の計算方法に対応したNEXCO設計要領の発刊後に対応を検討する予定です。
 

Q1−3.

「橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」の主な製品特長を教えてほしい。
A1−3. H29年発刊の道路橋示方書・同解説に準拠した単柱式RC橋脚の設計計算及び図面作成が可能なプログラムです。
設計で変更した形状や鉄筋情報を素早く図面へ反映することができ、その情報を同じ画面で確認することができます。
また、図面生成だけではなくBIM/CIMに対応した三次元モデル(IFC形式)の生成も可能で、設計時における鉄筋の干渉チェックを行うことができます。

なお、上記の基本機能以外にも、その他のフォーラムエイト製品と連動・連携することで、様々な機能をご利用いただけます。
  • 「基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」とのリアルタイム連動で、杭基礎、ケーソン基礎の設計が可能。
  • 「深礎フレームの設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」とのリアルタイム連動で、深礎基礎の設計が可能。
  • 「震度算出(支承設計)(部分係数法・H29道示対応)」とのデータ連携で、固有周期及び分担重量の算出が可能。
  • 「UC-Win/Road」や3Dモデルソフトで利用可能な3Dモデルのエクスポートに対応。
  • 「Engineer's Studio」への非線形解析モデルエクスポートに対応。
  • 「UC-1 Engineer's Suite 積算」への数量連携で、簡単に概算の工費算出が可能。
 

Q1−4.

対応している基礎形式を教えてほしい。
A1−4. 下記の基礎形式に対応しています。
(1)については、本製品のみで計算可能です。
(2)〜(5)について、基礎の安定及び基礎部材については、連動する基礎製品側で計算を行います。

(1)直接基礎
(2)杭基礎
(3)深礎基礎
(4)ケーソン基礎 ※Ver.5.0.0以降
(5)鋼管矢板基礎 ※Ver.6.0.0以降
 

 2.配筋

Q2−1.

「部材|柱帯鉄筋」画面において、nsには何を入力すればよいか
A2−1. 「ns」につきましては、塑性ヒンジ長を算出するための横拘束鉄筋の有効長内の軸方向鉄筋本数をご入力ください。
あわせて、H29道示X(P.197)図-解8.5.2をご覧ください。
また、前面、背面、左側、右側の位置につきましては、「入力」モード時のメイン画面の左側に表示される「背面、前面、左、右」の図をご参照ください。
 

Q2−2.

警告「柱主鉄筋径≦柱帯鉄筋(中間帯鉄筋)径となっています」と表示されるが根拠となる文献を教えてほしい。
A2−2. 本警告は、下記記述を参考に表示しています。
・H29道示X(P.146)6.2.5(2)1)
 

Q2−3.

部材配筋入力時に3Dモデルで確認したい。
A2−3. Ver.5.0.0(Suite4.0.0)より、部材配筋入力画面において3D配筋表示に対応しました。
下記画面の「3D配筋確認」ボタンよりご確認いただけます。
・「部材|はり主鉄筋」画面
・「部材|はりスターラップ」画面
・「部材|柱主鉄筋(矩形)」画面
・「部材|柱主鉄筋(矩形以外)」画面
・「部材|帯鉄筋」画面 ※横拘束鉄筋、せん断補強鉄筋内部計算の場合のみ
・「部材|フーチング主鉄筋」画面
・「部材|フーチングスターラップ」画面
※図面作成に対応した形状の場合にのみ確認可能です。
 

Q2−4.

降伏剛性時の断面2次モーメントを用いて橋脚の配筋を再現したい。
A2−4. 新設橋脚を対象として、指定された降伏剛性時の断面2次モーメントとなる配筋を再現する自動配筋機能がございます。
指定された降伏剛性時の断面2次モーメントとなる主鉄筋配置をトライアル計算により生成します。
本機能を利用するには、「初期入力」画面−「指定の降伏剛性時Iとなる自動配筋を行う」をチェックしてください。
※Ver.5.0.0(Suite4.0.0)より追加された機能となります。
※詳細につきましては、製品ヘルプ「計算理論及び照査の方法|降伏剛性時Iからの自動配筋」をご参照ください。
 

Q2−5.

橋軸方向と直角方向で柱主鉄筋のかぶりを変更することはできるか。
A2−5. ■矩形
初期状態で変更可能です。
「部材|柱主鉄筋」画面にて、方向ごとに入力して下さい。

■矩形面取り
下記の手順で変更可能です。
1.「考え方|共通」画面の「矩形面取り柱配筋の入力方法」を「矩形配筋」とします。
2.「部材|柱主鉄筋」画面が矩形時と同等の入力となりますので方向ごとにかぶりを入力して下さい。
※R部または直線面取り部についても段鉄筋として設定いただく必要がございます。

■円形、小判形
全周同一かぶりとなります。
方向ごとに変えることはできません。
 

Q2−6.

はりのせん断補強鉄筋量照査において、スターラップの間隔はどのように算出されているのか。
A2−6. 現在は、張出長>付け根高h/2の場合はh/2位置、張出長≦h/2の場合は付け根位置のスターラップ間隔を代表値として抽出しています。
 
 3.はりの設計

Q3−1.

はりのせん断照査において、せん断補強鉄筋量が0となる
A3−1. はりをコーベルとして設計する場合、せん断補強鉄筋量Awの扱いを下記の通りとしています。

■耐荷性能
はりをコーベルとして設計する場合、下記を参考に安全側となるようにせん断補強鉄筋量を0としています。
  • H29道示V5.7.2(7):ディープビーム及びコーベルでは、せん断補強鉄筋が負担するせん断力を実験等により確認された範囲内において考慮してもよい。
  • H29道示W5.2.7(1)1)ii)解説:下部構造を構成する部材等をコーベルとして設計する場合は、(中略)コンクリートが負担できるせん断力のみを考慮することが基本とる。
併せて、製品ヘルプの「計算理論及び照査の方法|永続/変動/偶発(衝突)作用支配状況|はりの設計|コーベルとして設計する場合」をご覧下さい。

■耐久性能
下記よりコーベルと判定される場合も通常のはりと同様にせん断補強鉄筋の応力度照査を行っています。
  • 耐荷性能の照査では「Aw=0」→「Ss=0」とすることで安全側の設計となる。
  • 耐久性能の照査では「Ss=0」とすると応力度が発生しないため危険側となる。
  • コーベルの場合もせん断補強鉄筋の応力度は発生している(コーベルとしての評価方法は不明)。
 

Q3−2.

はり設計用鉛直反力・水平反力画面において「Rex」及び「RH」以外の入力項目があるのはなぜか。
A3−2. 「Rex」及び「RH」につきましては、検討ケースの主たる上部工反力を設定していただく仕様としています。
「Rex」及び「RH」以外の設定につきましては、設計反力に部分係数が異なる複数の荷重種別が含まれる際に、別途設定いただけるようにご用意しています。
また、下記それぞれに入力した場合でも、計算結果は同じとなります。
・「TF」とした「Rex」に入力した場合と固定荷重「TF」で入力した場合
・「EQ」とした「RH」に入力した場合と固定荷重「EQ」で入力した場合
 

Q3−3.

耐久性能の照査で断面力に荷重組合せ係数及び荷重係数が考慮されているが問題ないか
A3−3. 耐久性能の照査は、内部鋼材の防食と鉄筋コンクリートの疲労について照査します。
下記の通り、内部鋼材の防食に対する照査では、荷重係数及び荷重組合せ係数を考慮することに問題はないと考えます。

・内部鋼材の防食
H29道示V(P.182)の3)の解説より、永続作用の影響が支配的な状況における作用の組合せとその係数を準用します。

・鉄筋コンクリートの疲労
H29道示V(P.187)の(2)より、(6.3.1)の作用の組合せ及び重係数を用います。
係数を全て1.00とするため、計算上は荷重係数及び荷重組合せ係数を考慮しないことになります。
 

Q3−4.

コーベルとして設計する場合に上面必要鉄筋量による照査が行われない
A3−4. H24道示以前は、上面鉄筋に生じる設計引張力より必要鉄筋量を求め鉄筋量と比較する方法でした。
H29道示改定後は、下記の通り曲げモーメントとその制限値を直接比較する方法に変更されています。
  ・H29道示V(P.124)の(6)
  ・H29道示V(P.137)の(6)
 

Q3−5.

水平方向断面の照査でコーベルとして判定されない
A3−5. 水平方向については、下記の理由により、H29道示V(P.96)の図-解5.2.11に示されるコーベル部材に該当しないと考えられるため、通常のはりとして照査を行っています。
 ・荷重の載荷点がはり上面でありタイドアーチ的な耐荷機構とならない。
 ・鉛直方向照査時と異なり照査断面の圧縮側が十分に支持されていない。
 

Q3−6.

せん断照査時においてせん断スパン比による影響が考慮されない(cdc,cds=1.0)のはなぜか
A3−6. 下記条件にあてはまる場合、せん断スパンは0としてせん断スパン比による影響を無視(cdc=cds=1.0)しています。
・はり部材において、せん断照査位置が「付け根高/2」かつ「照査位置より外側に支承が存在しない」場合
※「平成29年道路橋示方書に基づく道路橋の設計計算例 平成30年6月 公益社団法人 日本道路協会」(P.484)のAの解説,(P.489)の解説
※上記はフーチングの計算例ですが、はりも同様と判断しています。
 

Q3−7.

水平反力の合計値が、柱の終局水平耐力を下回っているという警告が表示されるがどうすればよいか。
A3−7. 本警告は、H29道示X13.1.1(3)解説を参考に、下記の条件に該当する場合に注意喚起として表示しています。
下記「4」の設定において、水平反力RHの各支承の合計値を柱の終局水平耐力以上となるように設定することで警告を解消することができます。
  1. 「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面−「照査方法」で「静的解析」と設定されている。
  2. 「荷重|偶発(レベル2地震動)」画面−「柱の塑性化」で「期待する」と設定されている。
  3. 「荷重|はり設計用水平反力」画面−「偶発(レベル2地震動)」タブにおいて、不静定力(PS,CR,SH,SD)が設定されていない。
  4. 「荷重|はり設計用水平反力」画面−「偶発(レベル2地震動)」タブの「RH」及び固定荷重「EQ」の合計値が柱の終局水平耐力を下回っている。
  5. 「荷重|はり設計用水平反力」画面−「偶発(レベル2地震動)」で設計水平震度を考慮している。※「設計水平震度khc」≠「0.00」
 

Q3−8.

コーベル設計時に行われるせん断補強鉄筋量の照査(Aw≧0.002b・a・sinθ)について教えてほしい。
A3−8. Ver.4より下記文献を参考に、コーベル設計時のせん断補強鉄筋量の照査(Aw≧0.002b・a・sinθ)に対応しました。
・「平成29年道路橋示方書に基づく道路橋の設計計算例 平成30年6月 公益社団法人 日本道路協会」(P.410)の【補足】
※コーベルの場合はせん断照査時にせん断補強鉄筋を計算上考慮しないため、その決定根拠とするのが目的です。

なお、照査を行うかどうかについては、下記スイッチにより設定可能です。
「考え方|共通」画面−「はり|コーベル時にせん断補強鉄筋量の照査を行う」
 

Q3−9.

コーベルの条件を満たしているが、コーベルの照査が行われない。
A3−9. 「考え方|共通」画面の「はり|コーベルとなる場合も通常のはりとして計算する」にチェックがある場合、コーベルと判定される条件の場合においても通常のはりとして照査を行います。
従いまして、コーベルとして照査を行いたい場合は、上記スイッチをチェックなしとしてください。
 

Q3−10.

水平方向断面のせん断照査において、はり付け根を照査位置としているのはなぜか。
A3−10. 照査位置は、「道路橋耐震設計に関する資料 平成9年3月(社)日本道路協会」(2-25)に従っています。
「平成29年道路橋示方書に基づく道路橋の設計計算例 平成30年6月 公益社団法人 日本道路協会」(P.421)2.2.2(1)も参考にして下さい。
 

Q3−11.

はりの水平方向せん断照査において、「せん断補強鉄筋が負担できるせん断力の合計の特性値 Ss」の値はどのように算定しているのか。
A3−11. H29道示W(P.81)の2)の「せん断スパンaがd/1.15よりも小さい場合」に該当している場合、本製品では「考え方|共通」画面-「はり|水平方向せん断スパンa<d/1.15のときaを適用する」の設定に従います。
・チェックあり
 道示V(P.161)の式(5.8.5)の「d/1.15」を「せん断スパン」として計算します。
・チェックなし
 「d/1.15」をそのまま適用し計算します。
 

Q3−12.

H29道示W(P.94)の水平荷重を入力したい。
A3−12. 作用方向に応じて、「荷重|はり設計用水平反力」画面の下記項目で設定して下さい。

(a)橋軸方向
  • 橋軸方向の支承反力
    「永続/変動/偶発(衝突)」,「偶発(レベル2地震動)」
  • 構造から作用する力
    「その他の水平反力|水平方向(偶発(レベル2地震動))」
    ※水平方向断面の照査に用います。
(b)橋軸直角方向
  • 橋軸直角方向の支承反力
    「その他の水平反力|鉛直方向(永続/変動/偶発(衝突)), 鉛直方向(偶発(レベル2地震動))」
  • 横変位拘束構造から作用する力
    「その他の水平反力|鉛直方向(偶発(レベル2地震動))」
    ※鉛直方向断面の照査に用います。
 

Q3−13.

コーベルとしての条件に該当する場合もコーベルとして計算しないスイッチがあるがどのようなケースで使用するのか。
A3−13. 例えば、以下のケースを想定しています。
・a/hが1に近く明らかなコーベルと見なせないと判断される
・安全側となるように常に両方の照査を行う

 4.柱の設計

Q4−1.

「荷重|偶発(レベル2地震動)」画面で「柱の塑性化」を「期待する」から「期待しない」に変更しても結果が変わらない
A4−1. 曲げ破壊型の場合は「期待する」と「期待しない」で計算上の違いはありません。
ただし、設計上塑性化を期待する部位を明確にする必要があるため選択を設けています。
※曲げ破壊型以外の場合、柱に塑性化を期待してはならないため「期待する」としている場合は判定をNGとします。
 

Q4−2.

「荷重|偶発(レベル2地震動)」画面で「柱の塑性化」の選択は何に影響するのか
A4−2. (1)「期待する」と「期待しない」
設計を行う上で、塑性化を期待する部位を「設計者」が決定する(明確にする)必要があるため選択としています。
水平変位の照査については両者で計算上の違いはありません

(2)「許容しない」
ダム湖に架かる橋の橋脚のように地震後の点検や修復が著しく難しい場合を想定しています。


上記の(1),(2)より、現在はH29道示X(P.176)の図-解8.3.2と「荷重|偶発(レベル2地震動)」画面の「柱の塑性化」の選択より水平変位の制限値を決定しています。
最終的に適用される制限値は、計算書の「結果詳細|柱の設計(偶発(レベル2地震動)に対する照査)|結果一覧」の「δa」をご覧下さい。
 ・破壊形態が曲げ破壊型以外または柱の塑性化を「許容しない」としている場合
   水平変位の制限値を式(8.4.1)の「δyEd」とします。

 ・破壊形態が曲げ破壊型かつB種の橋の場合
   水平変位の制限値を式(8.4.2)の「δls2d」とします。

 ・破壊形態が曲げ破壊型かつA種の橋の場合
   水平変位の制限値を式(8.4.6)の「δls3d」とします。


せん断力に対する照査では下記の通り制限値を決定しています。
 ・「期待する」:正負交番作用による補正係数ccを考慮した「Ps」を用います。
 ・「期待しない」又は「許容しない」:正負交番作用による補正係数ccを1.0とした「Ps0」を用います。
 

Q4−3.

偶発(レベル2地震動)に対する照査で、ひび割れ水平耐力が負となる警告が表示されるが問題ないか
A4−3. 死荷重のみが作用する状態で、計算上ひび割れが発生しているため警告としていますが、最終的な判断は設計者に委ねています。
例えば、上記のひび割れが有害なレベルと判断される場合は対策を行う必要があると考えます。
※H24道示W(P.165)の(1)、H29道示W(P.97)の(4) 1)も参考にして下さい。
 

Q4−4.

橋軸方向に作用する風荷重に対応しているか
A4−4. Ver.3.3.0(Suite2.3.0)より対応しています。
上記バージョン以降に更新後、風荷重の作用方向を「(橋軸)正方向」または「(橋軸)負方向」として下さい。
 

Q4−5.

柱の設計(偶発レベル2地震動)でせん断破壊型の場合に総合判定がNGとなる
A4−5. 現在は、H29道示Xの下記の解説より、塑性化を期待した設計で、曲げ破壊型とならない場合は「NG」としています。
 ・(P.181)の下から5行目の解説
 ・(P.183)の(4)の解説

せん断破壊型を許容し「OK」と判定する場合は、下記の項目で柱の塑性化を「期待しない」としてください。
 ・「荷重|偶発(レベル2地震動)」画面の「柱の塑性化」
 

Q4−6.

免震橋の場合に柱の塑性化を期待することに問題はないか。
A4−6. H29道示Xの下記の解説より、免震支承と共に橋脚にも塑性化を期待するかどうかが判断材料になると考えます。最終的には設計者の判断となりますことをご了承下さい。

・P.21の下から9行目
 種類の異なる複数の部材に塑性化を期待しないことが標準とされたものである。

・P.21の下から8行目
 塑性化を期待する部材としては〜(中略)〜免震支承等のエネルギー吸収を図る部材も該当する。
・P.21の下から6行目
 免震支承を用いてエネルギー吸収を図るとともに、橋脚にも塑性化を期待し、免震支承と橋脚でエネルギー吸収を図る場合は、種類の異なる複数の部材に同時に塑性化を期待する構造となる。
 ※通常はこちらに該当すると考えられるため「期待する」となる思われます。

・P.302の下から5行目
 式(14.3.1)に基づけば〜(中略)〜限界状態1に対応する変位の制限値以下となる場合もある。この場合には鉄筋コンクリート橋脚の限界状態1に対応する変位の制限値とすればよい。
 ※このようなケースでは、「期待しない」とする考え方もあると思います。
 

Q4−7.

柱に雪荷重(雪崩の影響)を考慮することは可能か。
A4−7. 可能です。
例えば、橋軸方向に作用する雪荷重を考慮する場合は、下記の手順で設定を行ってください。
1.「荷重|オプション荷重」画面の「任意荷重、その他作用力を使用する(永続/変動/偶発(衝突)のみ)」をチェック(レ)します。
2.「荷重|水平方向任意荷重(橋軸方向)」画面にて、荷重種別を「SW」として雪荷重を設定します。
3.橋軸方向の該当する適用ケースをチェック(レ)してください。
 

Q4−8.

柱のねじりモーメントに対する照査に対応しているか。
A4−8. H29道示W(P.97)の解説Aより、柱のねじりモーメントに対する照査に対応しております。
具体的な照査内容につきましては下記をご覧ください。
・H29道示V(P.116)の(6)
・H29道示V(P.142〜)
柱のねじりモーメントに対する照査を行う場合は下記の項目を設定して下さい。
1.「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」画面を開きます。
2.ねじりに対する照査を行いたい荷重ケース画面を開きます。
3.開かれた画面で「柱のねじり照査」をチェック(レ)します。
4.同画面で「上部工反力|RMt」で部分係数を考慮した値を入力します。
 ※ここで入力されたねじりモーメントを照査に用います。
5.「部材|柱帯鉄筋」が未確認状態(ボタンが赤表示)となりますので同画面でねじり「照査用設定」を入力して下さい。

 ※道示Vの5.4.1及び5.7.3で係数や幅及び高さが明確にされていない断面形状は設計者の判断により計算に用いる値を直接指定いただく必要があります。
 

Q4−9.

柱が全断面圧縮となり圧縮応力度が生じているはずだが応力度の結果が「0」となる。
A4−9. 現在は下記の計算例を参考に、鉄筋に圧縮応力度が生じている場合は引張応力度を「0」で表示しています。
「平成29年道路橋示方書に基づく道路橋の設計計算例 平成30年6月 公益社団法人 日本道路協会」
※(P.432)の表-2.1.3を参照ください。
 

Q4−10.

柱の偶発(レベル2地震動)に対する照査おいて、柱基部に初期断面力(水平力、曲げモーメント)を作用させることは可能か。
A4−10. 下記の予備計算機能を用いることで、初期断面力として曲げモーメントのみ考慮することが可能です。
1.「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面の「柱(基本条件)|予備計算|軸力、モーメントを直接指定する」をチェック(レ)します。
2.「予備計算|軸力、モーメント」画面で基部(i=0)のモーメントを調整します。
 ※最終的に基部に作用する曲げモーメントの合計値を設定して下さい。
 ※水平力については対応しておりません。
 

Q4−11.

永続/変動/偶発(衝突)における温度差の影響TFの入力方法を教えてほしい。
A4−11. ■安定計算、柱、フーチングの設計
・上部工反力を「詳細入力」で行う場合
 各ケース毎に「上部工反力詳細入力」画面で設定ください。
・上部工反力を「一括入力」で行う場合
 「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」画面−「上部工反力一括入力」で設定された「TF」が各荷重ケースに反映されます。
 なお、各荷重ケース画面の「温度差の影響TF|作用方向」に応じて、自動的に正負を考慮した「TF」が反映されます。

■はり設計用鉛直反力
「Rex種別」を「TF」とし「Rex」に荷重を設定して下さい。
 

Q4−12.

柱のレベル2地震時のせん断照査において、せん断耐力を求めるときのせん断スパンの考え方を変更できるか。
A4−12. 「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面−「柱(基本条件)」タブ−「せん断耐力算出時|せん断スパン」で下記範囲を設定することができます。
・基部から上部工作用位置
・基部から橋脚天端
・基部からはり下端
・照査位置からはり下端

詳しくは、「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面ヘルプの「・せん断耐力算出時」をご覧ください。
 

Q4−13.

「khmin」の入力は何に用いられるのか。
A4−13. 「khmin」は、H29道示X4.1.6(6)の考え方を反映する場合に設定を行います。
計算上は、「kIh,kIIh」が「khmin」を下回る場合、「khmin」が適用されます。
※震度算出との連携時は、震度側で算定された同一振動単位内の最大値が反映されます。
※設計対象としている橋脚の「kIh,kIIh」をそのまま適用したい場合は、「khmin」を「0.00」として下さい。
 

Q4−14.

せん断照査に用いるScにおいて、軸方向圧縮力を考慮できるか。
A4−14. 本製品では、H29道示W(P.80)(1)1)の下記の解説より、せん断照査において軸方向圧縮力の影響を考慮しておりません。
・H29道示W5.2.7(1)1)解説:ただし、橋脚や橋台、フーチング等において軸圧縮応力度があまり大きくない場合は、簡略化のため、V編式(5.8.3)における第二項を零とし、軸方向圧縮力の影響を無視してもよい。
 

Q4−15.

荷重状態「1.0(D+L)」において、耐荷性能照査が行われないのはなぜか。
A4−15. 荷重状態「1.0(D+L)」は、H29道示の下記の照査に用いる荷重状態としてご用意しているため、耐荷性能照査は行っておりません。
・部材設計における耐久性能の疲労に対する照査(H29道示V(P.187 (2))
・安定計算における基礎の変位の制限に対する照査(H29道示W(P.167) (3) 2)及び(P.201))
 

Q4−16.

「Pa≧khc・W」の照査が行われない。
A4−16. 「Pa≧khc・W」の照査を行うことはできません。
H29道示では、H24道示以前の水平耐力による照査から水平変位による照査へ変更されました。
具体的には、要求される耐荷性能に応じて下記の照査を行います。

耐荷性能1(A種の橋)
 δres≦δa(水平変位の照査)
 Pres≦Psd(せん断力の照査)

耐荷性能2(B種の橋)
 δres≦δa(水平変位の照査)
 Pres≦Psd(せん断力の照査)
 δR≦δRa(残留変位の照査)

構造細目(共通)
  Pa≧0.4c2z・W(水平耐力の下限値照査)

ここに,
 δres:水平変位(mm)
 δa :水平変位の制限値(mm)
 δR :残留変位(mm)
 δRa :残留変位の制限値(mm)
 Pres :せん断力(N)
 Psd :せん断力の制限値(N)
 c2z :レベル2地震動の地域別補正係数
 W :等価重量(N)

 

Q4−17.

偶発(レベル2地震動)の計算結果において、終局位置の判定が「OK(警告)」と表示されるのは問題ないか。
A4−17. 本警告は、基部が終局状態に達するが、基部以外がひび割れ状態または降伏状態に達する場合に表示しています。
この場合、H29道示X(P.184〜)の考え方が適用できるか否かが不明なため、念のため警告としています。
計算理論及び結果への影響はなく、道示等の規定によるものでもありませんが、最終的な適用については設計者に委ねています。

 

Q4−18.

永続/変動/偶発(衝突)における偏心モーメントを直接指定したい。
A4−18. 下記いずれかの方法で設定してください。
■<方法1>偏心距離を指定
  1. 「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」画面より、各荷重ケース画面を開きます。
  2. 「上部工反力」の「詳細入力」ボタンを押下します。
  3. 開かれた画面で、下記のいずれかの方法でお考えの偏心モーメントの値となるよう設定してください。
    ・「RD」の「偏心距離」を入力。
    ・「荷重個数」より荷重を追加し、鉛直力×偏心距離が偏心モーメントとなるよう入力。

■<方法2>偏心モーメントを直接指定
  1. 「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」画面より、各荷重ケース画面を開きます。
  2. 「上部工反力|入力方法」を「集計値入力」とします。
  3. 同項目の「RM」で偏心モーメントを入力して下さい。
    ※「集計値入力」の場合は、荷重係数及び荷重組合せ係数考慮後の値として下さい。
    ※「集計値入力」の場合は、一括入力の値が反映されないため、一括入力で設定された荷重も考慮した集計値をご設定ください。
 

Q4−19.

柱の最大鉄筋量照査において、Myc≦Mucで照査を行うのはなぜか。
A4−19. H29道示W(P.70)の解説では、釣合鉄筋量の目安として、部材の有効断面積の2%以下と記載されています。
ただし、上記は一般的な断面における目安値であり、配筋状況により2%以下の配置量でも照査を満足しない可能性があります。
従いまして、本プログラムでは、2%以下の鉄筋量においても、鉄筋の降伏よりコンクリートの破壊が先行しないことを明確に確認できるように「降伏曲げモーメントMyc」と「破壊抵抗曲げモーメントMuc」を直接比較することで判定しています。
 

Q4−20.

「RC断面計算」で算出されるひび割れモーメントの値が異なる。
A4−20. 永続/変動/偶発(衝突)による照査に用いるひび割れモーメントMcにつきましては、「RC断面計算」の下記設定を変更することで橋脚側の値とほぼ一致させることができます。
  1. 「材料|コンクリート」の曲げ引張強度を小数点以下4桁まで入力します。
     ※橋脚製品では、H29道示W(P.69)のσbt = 0.23σck(2/3)の計算値を丸めずに使用しています。
  2. 「主鉄筋」の本数を「0.000」とします。
     ※H29道示W(P.69)の(解 5.2.1)より軸方向鉄筋を無視した断面積を用いています。
     ※初降伏モーメントの計算エラーとなりますが、Mcの結果は確認可能です。
 

Q4−21.

応答変位及び水平耐力の照査はOKだが「Pc≧Pu」でNGとなるのはなぜか。
A4−21. H29道示V(P.173)の式(8.3.3)より、曲げ破壊型の場合は「Pc<Pu」の関係を満たす必要があります。
従いまして、破壊形態が曲げ破壊型かつ「Pc≧Pu」となる場合、判定を「NG」としています。
詳しくは、H29道示Vの(P.174〜) 2) i)の解説をご確認ください。
 

Q4−22.

偶発(レベル2地震動)照査時に地震時動水圧を考慮するのはどのような場合か。
A4−22. 偶発(レベル2地震動)作用時における地震時動水圧は、下記を参考に水深の深い高橋脚を想定しています。
・H29道示X(P.106)の6行目以降の解説
・「道路橋示方書・同解説 耐震設計編に関する参考資料(平成27年3月)(社)日本道路協会」(P.94〜)
 ※H14道示X(P.328〜)と同等の内容で、H24道示改定以降、上記文献にまとめられています。
 ※上記文献では、高さ24mの橋脚で水深が10mの場合でも等価重量の増分は1.4%程度とされており、結果への影響は小さいと考えられます。
 

Q4−23.

柱中間部の地震時動水圧はどのように算出しているか。
A4−23. 柱中間部照査位置の地震時動水圧は、下記の流れで算定しています。
1.基部に作用する地震時動水圧を算定
2.「1.」を等価な荷重と作用位置となる台形分布荷重に変換
3.中間部照査位置より上に作用する分布荷重を算定
 

Q4−24.

構造物特性補正係数csはどこで確認すればよいか。
A4−24. H29道示では、部分係数設計法による水平変位の照査への移行に伴い、抵抗側(水平変位の制限値)の各種係数でその影響が考慮されています。
そのため、補正係数csは計算しておらず、結果を確認することもできません。
併せて、下記の解説も参考にしてください。
・H29道示X(P.180)(1)から(3) の3行目〜9行目
・H29道示X(P.181)の下から9行目〜下から6行目
 

Q4−25.

曲げモーメントの制限値が「RC断面計算(部分係数法・H29道示対応)」と異なる。
A4−25. 橋脚製品では、断面の高さ方向の鉄筋について、分布配置や周上配置ではなく1本ずつ段鉄筋として計算しています。
RC断面計算側で、分布配置や周状配置としている場合は、段鉄筋として設定しご確認ください。

 5.フーチングの設計

Q5−1.

小判形柱の場合、設計上のフーチング張出長を求めるための柱形状をどのように考えているのか。
A5−1. 「考え方|共通」画面の「フーチング照査断面を求めるときの柱形状(小判形、矩形面取り)」の設定に従って、柱形状を算定しています。
■「等面積の矩形に換算する」にチェック(レ)がない場合
橋軸直角方向のみ円形柱と同様に「D/10(D:円弧部の直径)」を考慮しフーチング照査断面を求めます。

■「等面積の矩形に換算する」がチェック(レ)されている場合
H29道示W(P.130)(2)を参考に、下記のように同心の矩形に換算します。

直角方向断面幅b1=B+√(π・D^2/4)(m)
軸方向断面幅b2=小判断面積/b1(m)

ここに、
 D:小判形円弧部の高さ(m)
 B:小判形直線部の幅(m)

あわせて、製品ヘルプの下記の項目をご覧下さい。
・「計算理論及び照査の方法|永続/変動/偶発(衝突)作用支配状況|柱の設計|せん断モデル(b,d,pt)の考え方」の「(2)矩形換算方法|■小判形(短辺を固定しない)」
※常に「短辺を固定しない」方法とします。
 

Q5−2.

せん断照査時においてせん断スパン比による影響が考慮されない(cdc,cds=1.0)のはなぜか。
A5−2. 下記条件にあてはまる場合、せん断スパンは0としてせん断スパン比による影響を無視(cdc=cds=1.0)しています。
・フーチング部材において、せん断照査が「上側引張時」かつ「せん断照査位置より外側に杭がない」場合
※「平成29年道路橋示方書に基づく道路橋の設計計算例 平成30年6月 公益社団法人 日本道路協会」(P.484)のAの解説,(P.489)の解説
 

Q5−3.

版としての照査において、せん断補強鉄筋の設定はどこで行うのか。
A5−3. 橋脚製品側の「部材|フーチングスターラップ」画面において、「本数(版の領域)」を設定してください。
※H29道示W(P.142)図-解7.7.14より、設置範囲に含まれる本数となります。
 6.自重、慣性力

Q6−1.

「形状|はり」画面で設定できない形状について対応方法はあるか。
A6−1. 「形状|はり」画面で設定できない場合、「オプション荷重」の「橋脚天端に作用するその他死荷重」として自重に考慮することが可能です。
手順は次のとおりです。
  1. 「荷重|オプション荷重」画面で「その他死荷重を使用する」をチェック(レ)します。
  2. 「荷重|橋脚天端に作用するその他死荷重(集中)」(または分布)で荷重を設定してください。
※その他死荷重は、偏心モーメント及び地震時の慣性力を自動的に考慮します。
※計算時の断面形状には考慮されません。
 7.上部工反力、任意荷重

Q7−1.

「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」の各ケース画面で上部工反力の詳細入力を行う場合に「初期入力」画面の「地震時水平反力RH」は反映されないのか
A7−1. Ver.2.1.0(Suite Ver.1.1.0)より、下記の手順で地震時水平反力RHを反映できるように拡張を行っています。
     
  1. 「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」の該当するケース画面を開きます。  
  2. 同画面の「初期入力とRHを連携する」をチェック(レ)します。
  3. 「詳細入力」ボタンを押下し開かれる画面で「HEQ」が反映されていることを確認して下さい。
※既に地震時水平反力を入力している場合は警告が表示されます。必要に応じて削除して下さい。
 

Q7−2.

「フーチングに作用する鉛直方向任意荷重」は柱部分を自動的に控除するのか。
A7−2. 柱部に設定された荷重もそのまま考慮します。
一部を控除する場合は荷重を分割し設定してください。

 8.安定計算

Q8−1.

荷重ケースの「(U)」と「(D)」は何を示しているのか。
A8−1. 温度差の影響を考慮するケースの桁反力の向き(U:上、D:下)を表しています。
併せて、下記の計算例を参考にして下さい。
・「平成29年道路橋示方書に基づく道路橋の設計計算例 平成30年6月 公益社団法人 日本道路協会」(P.397)表-1.5.6

 9.付属設計

Q9−1.

橋座の設計で支圧応力度の照査に対応しているか
A9−1. Ver.3.4.0(Suite2.4.0)より対応しています。
上記バージョン以降に更新後、「付属設計|橋座の設計」画面の「支圧応力度」の項目で設定を行って下さい。
 

Q9−2.

橋座の設計で「支承の配置」を「斜角橋軸」と設定すると計算が実行されない場合がある。
A9−2. せん断抵抗面積控除長さL1、L2において、da及びθより算定される最大控除長さより大きい値が設定されている場合、下記に示すせん断抵抗面積算定式の適用外となるため、計算を中断しています。
・ヘルプ「計算理論及び照査の方法|付属設計|橋座の設計」

上記に該当する場合、下記いずれかの方法でご対応ください。
・せん断抵抗面積控除長さL1,L2が最大控除長さより小さくなるよう設定する。
・せん断抵抗面積Acを直接指定する。※「コンクリートのせん断抵抗面積指定」を「直接指定」。

 10.連動

Q10−1.

「Engineer's Studio」データのエクスポートに対応しているか
A10−1. Ver.3.0.0(Suite2.0.0)より、「Engineer's Studio」(Ver.8)のデータエクスポートに対応しています。
メイン画面メニューの「Engineer's Studioデータファイル」またはスピードボタンよりエクスポートを行ってください。
全体系モデルのエクスポートを行うには「震度算出(支承設計)(部分係数法・H29道示対応)」(Ver.3.0.0(Suite2.0.0))以降との連携が必要です。
 

Q10−2.

ケーソン基礎または鋼管矢板基礎の基礎ばねを設定する場合、どのように入力したらよいか
A10−2. Ver.3.0.2(Suite2.0.2)より、上記基礎形式の基礎ばね連動用XMLファイルのインポートに対応しています。
下記の手順でXMLファイルを保存後、基礎側で読込を行ってください。

 1.基礎側の「ファイル|基礎ばね連動用XMLファイル」で「エクスポート」を選択し、名前を付けて保存します。
 2.橋脚側の「ファイル|基礎ばね連動用XMLファイル」で「インポート」を選択し、「1.」のファイルを読込ます。


インポート後は「基礎」画面または「震度連携メニュー」−「基礎ばね」画面に次のように反映されます。
<橋軸方向>
 ・kx =Y方向の「Ass」
 ・ky =「固定」を選択
 ・kz =Y方向の「Arr」
 ・kxy =「無視する」を選択
 ・kxz =Y方向の「Asr」
 ・kyz =「無視する」を選択

<橋軸直角方向>
 ・kx =X方向の「Arr」
 ・ky =「固定」を選択
 ・kz =X方向の「Ass」
 ・kxy =「無視する」を選択
 ・kxz =X方向の「Ars」
 ・kyz =「無視する」を選択。
 

Q10−3.

杭基礎の2.5次元解析に対応しているか
A10−3. Ver.3.1.0(Suite2.1.0)より対応しています。
「初期入力」画面の「基礎形式」で「杭基礎2.5次元解析(連動)」を選択して下さい。
※「基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」(Ver.3.0.0(Suite2.0.0)以降)が必要です。
 

Q10−4.

杭基礎連動時の基礎の設計に用いる設計水平震度Khpの扱いは?
A10−4. 現在は、橋脚側で算定した計算値(khp=CdF・khN)を連動しています。
計算過程については、計算書「柱の設計(偶発(レベル2地震動)に対する照査)|基礎設計用水平震度」にてご確認いただけます。
なお、最終的に適用される最終震度については、基礎側の下記スイッチに従います。
・基礎側の「偶発作用」−「基本条件」−「計算条件@」−「作用力はkhpを上限とせずk2h(Cz・kho)まで考慮する」
 ※併せて、同画面ヘルプをご覧下さい。
 

Q10−5.

「Engineer's Studio」データエクスポート時において、M-φ特性を橋脚側で計算とした場合の、M-φ特性算出根拠を確認したい
A10−5. 非線形動的解析に用いるM-φ関係の算定条件等の諸値は、下記設定を行う事で計算書で確認できます。
1.計算書「結果詳細」の「出力項目の設定」において、画面上部の「出力項目の設定(詳細)」ボタンを押下し開かれる選択画面で「非線形動的解析に用いるM-φ関係」をチェックします。
2.柱の設計(偶発(レベル2地震動))をプレビューし、「非線形動的解析に用いるM-φ関係」の項目をご覧ください。
 

Q10−6.

ケーソン基礎連動に対応しているか。
A10−6. Ver.5.0.0(Suite4.0.0)より対応しています。
「初期入力」画面の「基礎形式」で「ケーソン基礎(連動)」を選択して下さい。
※「基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」(Ver.5.2.0(Suite4.2.0)以降)が必要です。
 

Q10−7.

非線形動的解析モデルのエクスポートで、水平変位の制限値が橋脚計算書の値と異なるのはなぜか。
A10−7. 「Engineer's Studio」では偏心モーメントを荷重として載荷するため、橋脚からエクスポートする水平変位の制限値は偏心モーメントの影響を考慮しない値としています。
そのため、照査時に主荷重による偏心モーメントを考慮している場合、橋脚側の結果とESエクスポート後の水平変位の制限値に相違が発生します。
 

Q10−8.

基礎連動時に、橋脚側のフーチング形状が正しく連動されない。
A10−8. 基礎連動時に基礎側の「杭配置」画面を開いている状態で橋脚側のフーチング寸法を変更した場合、「杭配置」画面側の変更前の寸法情報が有効となり、橋脚側のフーチング寸法が無効となる場合があります。
従いまして、橋脚側でフーチング寸法等の連動データを変更される場合は、基礎側の画面を閉じ、メイン画面の状態にしていただきますようお願いします。
また、フーチング形状が不整合となった状態を改善するには、下記の手順で操作を行ってください。
(1)橋脚側の「形状|フーチング」画面で、フーチング高さH等を適当な値に変更し[確定]してください。
(2)再度橋脚側の「形状|フーチング」画面に入り、変更した入力値を元の値に変更し[確定]してください。
 ※この間、基礎側の「杭配置」画面は閉じた状態としてください。
(3)基礎側の「杭配置」画面に入り、フーチング寸法が正しく連動されていることを確認します。

■耐久性能
下記よりコーベルと判定される場合も通常のはりと同様にせん断補強鉄筋の応力度照査を行っています。
・耐荷性能の照査では「Aw=0」→「Ss=0」とすることで安全側の設計となる。
・耐久性能の照査では「Ss=0」とすると応力度が発生しないため危険側となる。
・コーベルの場合もせん断補強鉄筋の応力度は発生している(コーベルとしての評価方法は不明)。
 

Q10−9.

他製品と連携・連動している場合に、計算書をまとめて出力する方法はあるか。
A10−9. Ver.4.0.0以降より、震度算出製品との連携時や基礎製品との連動時に各製品の書式を統合しまとめて出力することが可能です。
本機能を使用するには、下記のバージョン以降の製品が必要です。
「震度算出(支承設計)(部分係数法・H29道示対応) Ver.4」
「基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応) Ver.4」
詳細な手順につきましては、製品ヘルプ「操作方法|計算書作成|統合出力機能」をご覧ください。
 

Q10−10.

作成済のデータから荷重ケース情報を連携したい。
A10−10. Ver.5.1.0より、下記画面で定義された荷重ケースのインポート/エクスポートに対応しました。
・「荷重|はり設計用鉛直反力」画面
・「荷重|はり設計用水平反力」画面
・「荷重|永続/変動/偶発(衝突)」画面
上記画面またはメイン画面の「オプション|荷重ケース連携」よりインポート/エクスポートを行うことができます。
詳細につきましては、製品ヘルプの「操作方法|入力|オプション|[荷重ケース連携]ダイアログ」をご参照ください。
 

Q10−11

鋼管矢板基礎・ケーソン基礎連動時の柱下端作用力に浮力が考慮されない。
A10−11 鋼管矢板基礎・ケーソン基礎の場合、橋脚側では柱下端における浮力を無視した作用力を連動します。
上載土砂重量や浮力等については、基礎側の「作用力」画面で「設計外力」を開いた段階で計算を行いフーチング下端作用力に加算しています。
※「作用力」画面の「脚注下端作用力」に連動している「上載土高」、「水位高」を用います。
従いまして、別途浮力等を設定いただく必要はございません。
 

Q10−12

震度連携モードで保存時に「剛性モデルを生成するのに必要な項目が設定されていません」と表示される。
A10−12 剛性モデルの生成には、偶発(レベル2地震動)の柱照査が行える状態とする必要があります。
柱照査に必要なデータ(形状、部材、荷重等)を入力し、各画面を「確定」後に保存を行って下さい。

 11.設計調書

Q11−1.

設計調書に対応しているか
A11−1. Ver.2.2.0(Suite1.2.0)より対応しています。
※弊社独自の書式となります。

 12.その他

Q12−1.

「平成29年道路橋示方書に基づく道路橋の設計計算例 平成30年6月 公益社団法人 日本道路協会」のサンプルデータはあるか
A12−1. 「Sample1.PFI」としてご用意しています。
「ファイル」メニューの「サンプルデータフォルダを開く」より該当データを読み込んで下さい。
 

Q12−2.

「UC-1 Engineer's Suite積算」との連携に対応しているか。
A12−2. Ver.1.1.0より対応しています。
メイン画面の「ファイル」−「積算連携データの保存」より、下記ファイルのエクスポートが可能です。
・製品から算出したコンクリートや鉄筋等の数量を連携する積算連携用データファイル(*.FLK)
・概算工費自動算定用データファイル(*.DLK)
また、Ver.2.2.0より数量表算出過程の連携にも対応しております。
 

Q12−3.

メイン画面の「タイトル:」,「コメント:」をクリックして開かれる「一般事項」画面の情報は、どこに用いられるか?
A12−3. 下記において出力、連携されます。
・「計算書作成」−「結果一覧」の「一般事項」
・「計算書作成」−「結果詳細」の「設計条件|一般事項」
・「図面作成」−「3D配筋生成」−「ファイル|モデル管理情報」※Ver.4.3.0(Suite.3.3.0)以降






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