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Q&A斜面安定計算 Q&A


9.間隙水圧

Q9− 1. 二次処理で間隙水圧の倍率を大きくしていくと、ある倍率からFs(安全率)が変わらないのはなぜか。
A9− 1. 考えられる原因として抵抗モーメントMrを求める際、「(N−u・l)tanφ+C・l」において、
(N−ul)<0の場合、(N−ul)=0として処理しているため、結果的に「C・l」のみとなってしまうことがあげられます。
 
Q9− 2. 過剰間隙水圧が計算で求められている場合、どのように入力すればよいか。
A9− 2. 過剰間隙水圧を考慮する方法としては、二次処理で間隙水圧を変更するという方法が考えられます。
そこで、間隙水圧変更の二次処理の内容について説明します。最初の計算によって求められた間隙水圧(計算値は出力の抵抗力(その2)で確認できます)の値を直接お考えの値に変更して再計算するというのが二次処理です。変更方法は@値変更A倍率変更の2種類あります。
  @の場合は各分割片ごとに変更した間隙水圧値で再計算され、
  Aの場合は指定した範囲の全ての分割片の間隙水圧が入力の倍率になって再計算されるというものです。
 
Q9− 3. 有効応力法による安定解析で水の状態を「盛土直後」で計算したところ間隙水圧Uが0.0になってしまう。
A9− 3. 「盛土直後」の場合は「γの扱い」において「@浸潤面より上」のみが有効です。
  @)浸潤面より上を「γの扱い」→「γsat(入力値)」、「U」→「計算」としてください。
 
Q9− 4. 等ポテンシャル線を入れても入れなくても間隙水圧が変わらない。
A9− 4.

プログラムでは、水の状態が「定常浸透状態」であることと、「γの扱い」において間隙水圧の考え方を「計算」とすることで等ポテンシャル線が有効に働きます。
ちなみに等ポテンシャル線入力の注意点としては、

  1. 等ポテンシャルの開始位置を水位線上とし、終点位置を堤体下面とすること。
  2. なるべく密に入力すること。1本とか2本では計算の精度が相当粗くなることが予想されます。

以上の2点です。

 
Q9− 5. 限界面の計算結果の印字で「ΔUi(過剰間隙水圧を考慮するための補正値)」の意味。
A9− 5. 「二次処理」でUの値を変更した時、変更後のUと変更前のUの差を示します。
ただし限界面の計算結果には考慮されていません。

10.抑止力 

Q10−1. 必要抑止力の扱い。
A10−1.

本プログラムでは「計算法」が「簡便分割法」もしくは「簡略法」の場合、「計算方法の設定」において
  「必要抑止力の計算」をする、しない
「必要抑止力 限界面」をする、しないの選択に関わらず各すべり面において
  「必要抑止力」=「計画安全率」×「滑り力」−「抵抗力」
として求めています。(負の場合は表示しません。)
「簡易ビショップ法」は上記の計算をしません。
「計算経過」の出力においてすべり力:SD、抵抗力:RDとした場合、
「(RD/SD)<計画安全率」の箇所はすべて抑止力を印字します。

 
Q10−2. 「必要抑止力の計算」と「必要抑止力限界面の計算」の違い。
また「必要抑止力の計算」、「必要抑止力限界面の計算」何れも「しない」としているにも拘らず、「計算経過」を出力すると「抑止力」が出ているのはなぜか。
A10−2.

本プログラムでは「計算法」が「簡便分割法」もしくは「簡略法」の場合、「計算方法の設定」において
「必要抑止力の計算」をする、しない
「必要抑止力 限界面」をする、しないの選択に関わらず各すべり面において
「必要抑止力」=「計画安全率」×「滑り力」−「抵抗力」として求めています。
(負の場合は表示しません。)「計算経過」を出力には上記の値が出力されます。
「簡易ビショップ法」は上記の計算をしません。「必要抑止力の計算」、「必要抑止力 限界面」何れの計算も無効です。) 

  1. 必要抑止力の計算
    「2)必要抑止力限界面の計算をしない」場合は安全率が最小となる限界面を検索し、その状態での安全率、抑止力を表示します。
    (したがって必ずしも最大抑止力とは限りません。)
    限界面の計算結果には抑止力が正の数の時のみ表示します。「比較表出力」には抑止力値は常に表示します。(出力項目は選択可です。)
  2. 必要抑止力限界面の計算
    「必要抑止力限界面の計算」を「する」とした場合は、必要抑止力が最大となる限界面を検索し、その状態での安全率、抑止力最大を表示します。
    (したがって必ずしも最小安全率とは限りません。)
    格子を作成した場合は各格子点安全率を算出せず、各格子点抑止力を求めます。(小数以下は四捨五入で表示しています。)限界面の計算結果には抑止力が正の数の場合のみ表示します。
    「比較表出力」には「1)必要抑止力の計算」を「する」とし、かつその値が正の場合のみ出力され、本設定の「する、しない」は当出力には影響しません。

    注)「2)」において以下の制約があります。
    ・「等安全率線の計算」は行いません。
 
Q10−3. 「最小安全率>計画安全率」の場合、「抑止力」が出力されたり、「最小安全率<計画安全率」の場合、「抑止力」が出力されない場合があるのはなぜか。
A10−3.

以下のように安全率はモーメントの比で計算し、抑止力は力の比で計算しています。

  1. 力の比
    • Fs=RD/SD
      RD:滑り面上の抵抗力の総和
      SD:滑り面上の滑動力の総和
      RD=煤ECiLi+(Wi'+kvWi)cosαi−khWisinαi−Ui−ΔUi・tanφi
      SD=煤E(1+kv)Wisinαi+khWicosαi・+SP
  2. モーメントの比
    • Fs=MR/MD
      MR=RD×r
       RD:滑り面上の抵抗力の総和
        r:滑り円の半径
      MD=煤E(1+kv)WiΔxi+khWiΔyi・+MP+Mw
       ここに 
      Wi:スライスの全重量(γt、γsatを用いる)(tf/m)
      αi:スライスの滑り角(度)
      Δxi:スライス重心と滑り円中心の水平距離(m)
      Δyi:スライス重心と滑り円中心の鉛直距離(m)
      kv、kh:設計震度
      SP:荷重よる起動力(tf)
      MP:荷重による起動モーメント(tfm)
      Mw:側水圧(静水圧)による起動モーメント(tfm)

      したがって安全率の結果に関わらず、抑止力は下式で求めており
      「必要抑止力」が正ならば値を表示し、負ならば表示しません。
      ※「必要抑止力」=「計画安全率」×「滑り力」−「抵抗力」
 
Q10−4. 「計算経過」の出力において抑止力「−−−」の意味。
A10−4. 「必要抑止力」=「計画安全率」×「滑り力」−「抵抗力」(<0)の場合、「−−−」表示となります。
 
Q10−5. 「必要抑止力限界面の計算」と「格子点安全率の計算」を同時にできないか。
A10−5. 同時にはできません。
必要抑止力限界面の計算を「する」とした場合は格子点の安全率ではなく各格子点の抑止力を計算します。
格子点安全率を求めたい場合は必要抑止力限界面の計算を「しない」として再計算してください。
 
Q10−6. 「円弧−直線−円弧」の抑止力の求め方。
A10−6.

抑止力は下式にて求めます。

P=T・f−R

ここに 
P: 抑止力(kN)
T: 滑動力(kN)
R: 抵抗力(kN)
f: 計画安全率(本入力では2.00)

Tは、詳細出力の「鉛直力による滑り力」「水平力による滑り力」に値が打出されています。「水平力による滑り力」の「滑り力計」の値がズバリT値です。
Rは、「抵抗力(その3)」に値が打出されています。
本例では、
 P= 59.68×2.00− 99.41    
  = 19.95(kN)    
となります。

限界面の計算結果

解析方法 フェレニウス法(簡便分割法)
破壊基準  全応力法
滑り形状 円弧−直線−円弧
計画安全率 2.00
円弧中心X座標 21.32      9.76
円弧中心Y座標 12.22      5.32
円弧半径 6.00      5.00
ρ1・ρ2 4.46      3.46
最小安全率 1.81
抵抗力 20.04  63.12  16.25
抵抗モーメント 120.27      81.23
滑り力 43.07
滑りモーメント 106.19     -14.21
抑止力 19.95

鉛直力による滑り力

水平力による滑り力

抵抗力(その3)

 
Q10−7. 最小安全率時の抑止力ではなく、計画安全率に近い抑止力を計算したい。
A10−7.
  1. 「計算方法の設定」において「計画安全率」を入力する。
  2. 「格子範囲」を決め、必要抑止力限界面の計算を「する」必要抑止力最大となる限界面を計算しその時の安全率を表示します。「格子点抑止力」の結果一覧において下式で求めた必要抑止力を表示、出力することができます。(小数以下は四捨五入)
    「必要抑止力」=「計画安全率」×「滑り力」−「抵抗力」
    さらに「計算経過」を出力には各格子点の半径刻みごとの必要抑止力を出力することができます。(正の場合のみ表示)
 
Q10−8. 抑止力最大の時の円弧を自動で算出させる方法は。
A10−8. プログラムメニューの「計算方法の設定」→「設定3」にある「必要抑止力限界面」をチェックして、計算実行してください。これがチェックされているとき、必要抑止力が最大となるすべり面を抽出します。チェックされていないときは、安全率最小となるすべり面を抽出します。
 
Q10−9. 斜面の安定を目的としたグラウンドアンカーの検討を行いたいが、計算で用いる「抑止力」は計算結果のどの数値を用いたらいいか。
A10−9. 全体の必要抑止力は数値確認→限界面 に出力しています。

  必要抑止力=計画安全率×全滑り力−全抵抗力

 としており、必要抑止力≦0.0のときは出力していません。各スライスごとの[抵抗力−滑り力]はメイン画面で表示→計算結果→抵抗力−滑り力 をチェックすると画面に表示します。また、二次処理→抑止力でも確認できます。
 
Q10−10. 各格子点での抑止力の出力はできないのでしょうか。
A10−10. 「計算方法の設定」で「必要抑止力の限界面」をチェックします。
 その際、

  計算方法=フェレニウス法(簡便分割法)
  安全率の計算=チェックをはずす

 としてください。
 計算結果の出力で「格子点」として出力されるのが各格子点での抑止力となります。

11.押え盛土 

Q11−1. 押え盛土の扱い
A11−1. 入力した「計画安全率」を満たしていない場合に限り、押え盛土をした場合の安全率を計算します。
(計画安全率を満たした時点で計算を終了します。)
押え盛土による負(正側に入ってくればそれも考慮)の滑動モーメントにのみ考慮し、抵抗モーメントには考慮しません。
押え盛土の計算結果は二次処理の計算結果画面、比較表出力、図面出力に対応しています。
比較表や図面出力をする場合は、「二次処理」画面で押え盛土計算後、「ファイル」の保存をして「〜.aplo」を作成して下さい。
(出力時に「〜.aplo」ファイルを開いて印字します。)
 
Q11−2. 押え盛土の形状確認は画面上で確認出来ないのか。
A11−2. 二次処理の画面で「押え盛土」を選択して高さ、角度、重量等の必要要素を設定し、[計算]ボタンをクリックすれば画面に表示されます。ただし、盛土なしで計画安全率を満たしている場合は計算自体が実行できません。また「計算方法の設定」で「押さえ盛土の計算」を選択していない場合も同様です。

12.等安全率線 

Q12−1. 二次処理「等安全率線」の「表示選択」では等安全率線種類が5タイプ表示されているにも拘わらず、結果描画等では等安全率線が4種類しか描画しない。
A12−1. 当該点と同じ安全率が他に無い場合は、点としか描画しないので線としては描画しません。
 
Q12−2. 等安全率線で表示される5種類安全率は何処からもってきた値か。
A12−2. 格子点安全率で得られた最大値と最小値をだいたい5等分して表示します。
例)格子点安全率 最大 1.47 最小 1.36
    その結果表示される等安全率  1.36 1.38 1.40 1.43 1.47  
上記値は二次処理→等安全率線の「表示選択」でも確認できます。
等安全率線は上記それぞれの安全率と等しい値を探索し線分として表示します。
仮に同じ安全率が見つからない場合は、当然ながら線分としては描画しません。
 
Q12−3. 等安全率線の計算を「する」にしているにも拘らず、等安全率線が描画されない。
A12−3. 「計算内容の設定」で「必要抑止力限界面」を「する」にした場合、抑止力が最大となる限界面を検索し、安全率最小の検索は行いません。(「必要抑止力限界面」は力の比で安全率を求めるため、モーメントの比から得る安全率の計算を行わないため等安全率線の計算を「する」の設定も無視されます。代わって、等抑止力線を描画します。)
上記の場合は「必要抑止力限界面」を「しない」として再計算してください。

13.結果描画

14.印刷

Q14−1. 図面の出力を行うと、現況の斜面の形状と円弧すべり面の絵しか出力されません。しかし、円弧すべり面が三重になって出力されるのはどうしてでしょうか。
Q14−1. 画面表示では、オプション→表示項目の設定→計算結果で選択されている表示項目を出力しています。
重なって見えるのは抑止力等までが表示されているためです。
設定を、滑り円のみにすれば他の線については出画しません。
図出力時も同様です。
「ファイル→図面→出力項目の選択」設定で「滑り抵抗力」「抵抗力−滑り力」などをはずして頂ければ滑り円のみにすることが出来ます。

16.図面出力

Q16−1. 最小安全率の中心が格子からはずれて出力される。
A16−1.

図面出力の際は格子ブロック左上隅を基準点としその点から「計算方法の設定」で入力した「検討格子幅」に従い、右方、下方に線を引いています。したがって下図のようにデータ入力時に破線部まで格子を作成しても図面出力時はΔX、ΔYの倍数までしか線を引きません。

 
Q16−2. @図面出力でDOS版の場合縮尺を任意に設定できるが、今回はできないのか。
A図面のDXF出力は、出力先を設定できないのか。また、どこに保存されるのか。
BDXFファイルの編集はUC−Draw専用なのか、CADJELLYを使用している場合、問題はないのか。
A16−2. @縮尺の設定を含め、図面の編集はできません。
 DXFファイルで保存した後、CADソフト等で編集してください。
 *Version 1.02 より図の縮尺の任意設定が可能となっています。

A「斜面の安定計算」がインストールされているディレクトリに保存されます。ファイル名は「Noname.dxf」固定です。
 Version1.00ではこの設定を変えることはできません。
 Version1.01でファイル名および保存先を指定する機能が追加されました。

BDXFファイルを読み込めるソフトウェアであれば問題ありません。
 
Q16−3. 図面出力にて図が小さく出力される。
A16−3. ■原因
 描画する図のスケールは、いっしょに描画する表との組み合わせにより調整されるようになっています。表が大きくなると相対的に図がスケールダウンする仕様です。

■対策
 土質データの表示行数を減らすか、表示そのものを指定しなければ図を大きく表示することができます。
「図面出力ダイアログボックス」の「出力属性」ボタンを押して「出力属性ダイアログボックス」を開きます。「土質データの出力を行う」のチェックを消せば表は出力されません。
表と、図を同時に出力したい場合は、それぞれ、個別にDXFファイルに変換したものをCADソフトを使って合成することが可能です。また、図が小さい状態のままDXF変換し、CADソフトで図を拡大する方法もあります。
 
Q16−4. 図化出力の際に、DOS版と同様の線種設定は可能か。
また、印刷プレビューで表と堤体図が重なる為、レイアウトを修正したい。
A16−4. 線種設定、縮尺の設定を含め、図面の編集はできません。
DXFファイルで保存した後、CADソフト等で編集してください。
*Version 1.02 より図、表のレイアウト修正が可能となっています。
線種設定はできません。

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