I.プレ部編 |
Q1−1. |
実験時のPoと、着目地層のPoが異なる場合に、要素シミュレーション(静的)で決めたKevo、Geso をそのまま初期応力解析に入力してよいか
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A1−1. |
そのようにすべきです。
要素シミュレーション・チュートリアルp9(式2.2.2)で、実験時のせん断係数Keso(実験時のPoで割って無次元化したようなイメージの値)を求めておきます。
初期応力解析時には、要素シミュレーション・チュートリアルp6(式2.1.27)で、着目地層のPoを使用して(実験時のKesoに、着目地層のPoを掛け戻したようなイメージで)、着目地層のせん断弾性係数Kesを計算しています。 |
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Q1−2. |
UW-clayモデルにおけるパラネータb,nの設定方法は? |
A1−2. |
UW-Clayモデルのパラメータbおよびnは、ヒステリシスを定義するパラメータで、履歴曲線だけに影響します。履歴曲線を調整する場合は、土の減衰とせん断ひずみの関係(h〜γ関係)を想定し、h-γ関係に合うようにb,nを調整することになります。
パラメータb、nは、一般に図表から求めることができます。(添付図1) |
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Q1−3. |
要素番号や節点番号に制限はあるか? |
A1−3. |
要素番号、節点番号に制限はございません。 |
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Q1−4. |
粘性境界について、計算式にあるA(土柱の断面積)は2次元解析において奥行きの長さはどう考えたらよいか |
A1−4. |
UWLCは2次元解析であり平面ひずみ問題を取り扱います。
平面ひずみ問題とは、3次元のモデルに奥行き方向に変形がない条件を仮定して2次元として取り扱うことを意味しており、奥行きの長さは単位長さとなります。SI単位では1mとなります。
したがって粘性境界の土柱について、奥行きは1m、幅は格点間の半分ずつを足した長さとなります。 |
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Q1−5. |
全応力解析では、土工指針などに示されている『γt−9.0』kN/m3は考慮しないと思うが、有効応力解析では『γt−9.0』kN/m3として入力するのか |
A1−5. |
UWLCでは、初期応力解析用の土の単位体積重量と動的解析用の単位体積重量を別々に設定します。
初期応力解析の計算では全応力法により自重解析をするので、飽和単位体積重量から水の単位体積重量を引いた値とします。
動的解析用の単位体積重量は、水の単位体積重量を引きません。解析部では入力された単位体積重量から質量を求め、加速度をかけて慣性力を算出するために用います。
通常、下記のように入力します。
[初期応力解析]地下水位以上→湿潤重量、地下水位以下→水中重量
[動的解析]地下水位以上→湿潤重量、地下水位以下→飽和重量 |
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Q1−6. |
外水位を設定した場合、付加質量として考慮されるか |
A1−6. |
水要素としての取り扱いはありません。地盤よりも高く水位を設定したような場合に付加質量を考慮することはありません。水位線は自由排水境界として取り扱われます。
単純に水の質量を考慮するのであれば、ソリッド要素のプロパティ設定において、せん断剛性を低く設定しポアソン比を0.4999にすることによりモデル化することができます。 |
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Q1−7. |
地中のコンクリート構造物を考慮して解析することは可能か |
A1−7. |
コンクリート構造物が肉厚が薄い断面であれば梁要素にしてモデル化し、肉厚の厚い断面であればソリッド要素を用いて地中構造物をモデル化することが可能です。 |
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Q1−8. |
「弾塑性地盤解析(GeoFEAS)」の入力データを読み込む方法 |
A1−8. |
「地盤の動的有効応力解析(UWLC)」で「弾塑性地盤解析(GeoFEAS)」のデータを読み込むには、「弾塑性地盤解析(GeoFEAS)」にてファイルを保存する際に、連動データファイル(*.USD)形式にする必要があります。
以下の手順でファイルを読み込んでください。 1.「弾塑性地盤解析(GeoFEAS)」のファイル−名前を付けて保存ダイアログでファイルの種類に「地盤解析連動データファイル(*.USD)」を選択して保存する
※ファイルの種類は「▼」をクリックすると選択いただけます 2.「地盤の動的有効応力解析(UWLC)」を起動し、ファイルを開くダイアログにてファイルの種類に「地盤解析連動データファイル(*.USD)」を選択する 3.上記1で保存したファイルを指定し、開く |
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Q1−9. |
左右の節点数が合わない場合はどうしたらよいか |
A1−9. |
基盤層や下部の地層については等変位境界とし、表層部については粘性境界や自由境界としてください。 サンプルデータquay.fudもご参照ください。 |
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Q1−10. |
橋台フーチングは、どのように(梁orソリッド)モデル化したらよいか
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A1−10. |
通常はソリッド要素でモデルを作成してもよいでしょう。 ただし、断面力(モーメントM,
せん断力S)を出力させ、別のソフトでコンクリートの応力度計算を行う場合は、梁要素でモデル化すれば断面力を出力することが可能です。 |
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Q1−11. |
レイリー減衰を決定する方法
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A1−11. |
レイリー減衰は、粘性減衰を表現するためのパラメータで、質量に比例するαと剛性に比例するβに分けて、一つの粘性減衰を表します。 α、βについては、想定する減衰定数の範囲として考えます。 弊社で案内することが多いのは粘性減衰を3%に見込んだ場合の、α=0.174, β=0.001736で、付属のサンプルも多くがこれを採用しております。
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Q1−12. |
周期帯はどのように設定したらよいか
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A1−12. |
周期帯の設定は入力地震動の成分と影響します。一般に主要動(実質的に地震荷重となる)の成分は様々な地震波記録から0.2〜2秒程度までなので、通常の解析ではその範囲を考慮しています。
いくつかの波形を比較してフーリエスペクトルから成分を見て決めるのでもよいでしょう。粘性減衰(レイリー減衰)は履歴減衰(材料の履歴による減衰)よりも影響は小さいので、一般値を使用しても大きな影響はないものと考えられます。
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Q1−13. |
土柱の断面積とは?
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A1−13. |
土柱の断面積は、粘性境界一個当たりの受け持つ幅(端部であれば要素の半分、連続する要素の間にある節点であれば両脇の要素の半分を足した幅)に単位奥行き幅1mをかけた面積です。
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Q1−14. |
PS検層を行っていない場合、Vsは道路橋示方書によりN値から推定値を算定できるが、ポアソン比とVsが既知の場合、Vpはどのように設定したらよいか
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A1−14. |
Vs、Vpとポアソン比は関係式があるので、ポアソン比とVsからVpを求めてもよいでしょう。
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Q1−15. |
側部粘性境界と底部粘性境界のパラメータの設定方法がわからない
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A1−15. |
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Q1−16. |
地震波形のTextファイルについて、道示(道路橋示方書)の波形データとプログラムに添付されている波形データでは、列数が異なるのはなぜ?
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A1−16. |
地震波形はテキストファイルであれば、フリーフォーマットで読み込むので列は関係ありません。 一列で加速度波形データだけのファイルを作成する、あるいは道示のように8列で作成する場合でも読み込むことができます。
注意点としては、波形データの加速度の単位がGal(ガル)で読み込んだ場合は、メニュー画面で単位換算するため加速度倍率を0.01を入力してm/sec2とします。
入力された時間間隔で継続時間まで読み込みます。
なお継続時間に達するまでにファイルが終端となった場合は、継続時間までの残りの時間を加速度0とした波形を内部で生成します。
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Q1−17. |
HDモデルのmについて、サンプルではm=0.5と入力されているが、このmとは?
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A1−17. |
σm’は平均有効応力です。せん断弾性係数Gはひずみ依存性のほか拘束圧依存性もあります。mは拘束圧依存性を考慮するパラメータです。
G=Go(σc’/σm’)^m ( m
は指数を意味します)
一般にせん断弾性係数は、初期せん断弾性係数Goに対する平均有効応力をσm’とすると、深度に応じて変化する拘束圧σc’(計算値)によってせん断弾性係数が変わります。そのときの拘束圧依存性を表す指数がmで、砂質土の場合は一般に0.5を取ります。
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Q1−18. |
読み込んだ地震波のレコードを確認する方法は?
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A1−18. |
読み込んだ地震波のレコードを確認するには、*.liq が動的解析用データファイルとなるのでnotepadやテキストエディタを用いて開いて確認することができます。
データの並び
は「UWLC解析部入力マニュアル」をご覧ください。
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Q1−19. |
既に作成されたUWLCデータファイル(*.FUD)の地層データを他のデータで利用したい |
A1−19. |
材料パラメータの設定の下に[パラメータをファイルに保存]というボタンがありますので、土質パラメータをファイルに保存して再利用することができます。
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Q1−20. |
材料プロパティの設定でROモデルなどでは平均有効応力を入力するようになっていますが、どのように決定して入力するのでしょうか、また役割はどのようなものでしょうか? |
A1−20. |
入力値の平均 有効応力はσm’と表記され、添え字の意味は m:mean 中値を意味します。ダッシュは有効表示を意味します。
上載圧をσv’とすれば、静止土圧係数Koを掛けて水平土圧σh’が求まります。2次元解析では平面ひずみ問題として奥行きの変形は拘束されていますが、実は奥行き方向にも水平応力があります。
したがって次式で平均有効応力σm’は表現されます。
σm’=(σv’+σh’+σh’)/3=(σv’+2Ko・σv’)/3
ここでKo:静止土圧係数
静止土圧係数を0.5とすれば σm’=2/3σv’ となります。
σm’は、入力時に設定す るので地層の代表的な深さにおける初期応力(手計算)から設定してよいでしょう。
ちなみに、せん断弾性係数Gはひずみ依存性と拘束圧依存性があります。下記の式は拘束圧依存性を表す式です。
G=Go(σc’/σm’)^m ( 式の最後のm は指数を意味します)
一般にせん断弾性係数は、初期せん断弾性係数Goに対する平均有効応力をσm’とすると、深度に応じた拘束圧σc’(プ ログラム内の計算値)によってせん断弾性係数が変わります。そのときの拘束圧依存性を表す指数がmで、砂質土の場合は一 般に0.5を取ります。
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Q1−21. |
モデルを修正するとエラーが発生しました。原因は何でしょうか。 |
A1−21. |
モデル作成において修正したならば、必ずモデル作成の決定で自動ブロック化を実行してください。
すると要素の定義が すべて消えてしまいますが、再度、要素定義で材料プロパティを各ブロックに割り当てます。
要素定義をし修正した後に[メッシュ分割]-[確認]をせずに、そのまま解析実行するとエラーメッセージが表示されます。
[モデル作成][要素定義]の段階で何らかの修正の手を加えたなら、「必ず」その後に続く[メッシュ分割]-[確認]をする必要があります。すな わちモデルやプロパティを定義しなおした状態でメッシュを切り直します。その後の境界条件は再入力する必要があります。
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Q1−22. |
N値から推定する場合のパラメータMgの導出式はどのような形でしょうか |
A1−22. |
Mgはpq応力空間でCSL(限界応力比)の勾配を表します。(ただし三軸圧縮せん断の場合 S2'=S3')
Mg = q/p'
q=(S1' - S3')
p'=(S1'+2・S3') / 3
q/p'=3(S1'-S3')/(S1'+2S3')
ここで、以下の関係式を上式に適用すると、
sinφ'=(S1'-S3')/(S1'+S3')
限界応力比Mgと内部摩擦角との関係は次式となります。
Mg=6sinφ’/(3-sinφ’)
ここで、内部摩擦角はφ=15+√(15N) で推定しています。
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Q1−23. |
ボーリング調査を行っていない場合、液状化の解析は(どの程度のことが)できますか。
できる場合、どうやってやるのですか。 |
A1−23. |
最低条件としてN値がないとできません。
ボーリング調査を実施しない場合はN値も存在しないことになります。
そのような入力値の具体的な値が設定できない状態で、本プログラムを利用するのはお勧めできません。液状化の解析よりも地形や地質にもとづく判断 を先行した方がよいでしょう。
本プログラムは有効応力法を用いた有限要素解析であり、高度な理論に基づいています。入力値に根拠がない場合は、結果もあまり信ぴょう性がないこ とになります。
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Q1−24. |
モデル全体の縦と横の比率をどのように設定したらよいでしょう? |
A1−24. |
水平方向すなわちモデルの横方向の幅は鉛直方向の高さの10倍を目安にします。横方向の境界条件が解析対象とする構造物に近いと地震波の反射などが生じ加速度が増幅したり、変形が不用意に抑制されたりします。
また、メッシュ数を増やして横方向を広げるよりも、境界領域に相当するモデル両脇の個々のメッシュを横に広げると、モデル全体を広げたのと同様な効果が期待できるとともに、節点数も減るので解析実行する上で有利です。
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Q1−25. |
節点に直接質量を与えることが出来るか? |
A1−25. |
[要素定義]タブにて節点集中質量要素として設定することが可能です。
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Q1−26. |
設定した地震波は、どこから作用していることになるか?
基盤面より作用させるにはどのように設定すればよいか? |
A1−26. |
地震波形は加速度としてモデル上の全体(質点)に作用させます。
通常は底面を固定境界として変位をゼロとするため、この底面からどれだけ応答するのか他の各節点の相対的な変位を求めます。
解析は、この固定境界を基準に地震波形の入力加速度を考えて、他の全体(質点)は入力加速度+応答加速度で計算されます。
したがって、変位を固定とするところが基盤面というご理解で結構です。
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Q1−27. |
地震波形を生成する機能はあるか? |
A1−27. |
本プログラムは、正弦波を生成する機能はありますが、波形生成および処理機能はございません。
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Q1−28. |
CADファイルをインポートした後に原点を指定する方法はあるか? |
A1−28. |
読み込んだ後に節点を選択していただき、右クリックして表示されるポップアップメニューより「選択された節点を原点とする」を選択いただきますと、モデル中のある節点を原点とする機能がございます。
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Q1−29. |
ボックスカルバートのような地中構造物では応答震度法がよいのか、動的照査がよいのか? |
A1−29. |
地中構造物では応答震度法がよく用いられます。動的照査は液状化の発生や詳細な検討をしたい場合に実施します。
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Q1−30. |
節点集中質量要素で荷重をあたえるのと初期応力解析モデルで節点に荷重をあたえるのとでは何が違うのか |
A1−30. |
節点集中質量要素とは、ある任意の節点に質量を与え、加速度との積で力(=慣性力)となります。この慣性力を荷重として解析モデルに作用させ て計算します。
初期応力解析モデルは、要素ごとの面積と肉厚(平面ひずみ問題では1m)から体積積分して、各ガウス点における重量を求めて、解析モデル全体 の地中応力の分布を計算します。
前者は、節点を選んで入力し質量を設定しますが、後者は、解析モデル全体の自重を体積積分から求めます。
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Q1−31. |
海に面した護岸の液状化検討で、海水のモデル化はどのように行うのでしょうか? |
A1−31. |
海水はモデル化できません。排水点の設定は水位ではなく間隙水圧がゼロの境界を意味します。
地下水位は、有効応力法を用いる地層と全応力法を用いる地層の境界が該当します。
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Q1−32. |
[解析実行]タブ−[出力]タブで、[出力データの選択]のスイッチはどのような意味か。また、どの結果に影響するのか? |
A1−32. |
時刻歴などを出力する節点や要素を指定することができます。 例えば、「全データ出力」の場合は全節点の時刻歴を抽出することができます。「指定データ出力」の場合は指定した節点のみが対称となります。 通常は「全データ出力」で良いかと思いますが、データによりファイルのサイズが非常に大きくなる場合があります。
また、時刻歴図、復元力特性、応答スペクトル、フーリエスペクトルの結果が対象になります。 コンタ図、変形図、数値出力については本設定は関係ございません。
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Q1−33. |
PZモデルのMfが結果に与える影響は? また、Mfの一般値は? |
A1−33. |
Mfは、変位への影響が特に大きくなります。
Mgは内部摩擦角から設定することができます。
Mfの一般値はMg×相対密度として設定することができますが、結果を見て調整が必要となる場合があります。
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Q1−34. |
作成するモデルのメッシュ数の上限はいくらか |
A1−34. |
基本的にメッシュ数の制限はございません。
ただしご利用の環境によっては解析実行時にメモリ不足等のエラーが発生する場合や、ポストでの結果表示に時間がかかる場合がございます。特に着目している領域についてはメッシュを細かく設定し、その周辺の境界部分は粗くするなどの調整を行うと良いでしょう。
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Q1−35. |
メッシュ分割をした後に、メッシュを直接編集できないか? |
A1−35. |
メッシュを直接編集することはできません。モデル作成に戻り、モデル編集後に再度分割をして頂くことになります。
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Q1−36. |
節点荷重を動的荷重として与えることができるか? |
A1−36. |
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Q1−37. |
モデル作成時に適切なモデルとなっているかチェックするような機能はないか |
A1−37. |
[モデル作成]タブのツールボタン(画面右側)に「モデルの閉口チェック」ボタンがあります。
本機能ですと、閉図形となっていない箇所を特定することができます。
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Q1−38. |
基盤波から地表波を算出するモデル化を実施しているが、上下のモデル化範囲は基盤面のさらに下を境界として設定すべきか |
A1−38. |
基盤面を底面境界として設定していただくと良いでしょう。
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Q1−39. |
有効応力法の動的解析(液状化解析)における間隙水圧モデルの指定はどのように使い分けるべきか |
A1−39. |
堤防を例にしますと提体分は他地盤に対して突出しているので水位は影響しないと考えます。
また地盤中においても粘性土では水位の変化が少ないと考えられそのような場合には「全応力法を適用する材料」を指定すると宜しいでしょう。
緩い砂層など「PZ-Sandモデル」を適用した材料などは「有効応力法を適用する材料」を設定することが多いと存じます。ただしあくまで設定例の一つであり、実際は現場での地質試験等を考慮し決定致します。
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Q1−40. |
CADで図面を作成する際、現物通りmm単位で作成していることが多いと思うが、CADデータからインポートした場合の寸法の取扱いについてはどのようになっているのか |
A1−40. |
インポート時にmmで丸めます。
解析実行時にメッシュ座標データファイル(*.Mhs)として、小数第5位までの精度でソルバーに渡します。
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Q1−41. |
[地震波形の設定]で「時間間隔の初期値(InitDeltaT)」とあり、波形の編集画面に波形の「時間間隔(TimeStep)」を入力するが、同じ値を入れる必要があるか。
2つの入力に違いはあるのか。また、違う場合は何か設定上のルールはあるか。 |
A1−41. |
時間間隔の初期値(InitDeltaT)は解析に用いる時間間隔です。
波形の時間間隔(TimeStep)は入力波形における連続2データの間の時間間隔です。
入力は「時間間隔の初期値(InitDeltaT)≦時間間隔(TimeStep)」としてください。
入力地震データには存在しない時刻の振幅を内部的に前後のデータから内挿計算で算出します。
つまり、具体的には「InitDeltaT=0.005秒,TimeStep=0.01秒にした場合,入力地震データには存在しない時刻の振幅を前後のデータから自動計算する」ということになります。
TimeStepを整数で割って、InitDeltaTを求めたほうがよいと思われます。そうすれば、入力波形の最大値は計算に反映されることはほぼ確保できます。
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Q1−42. |
今設定している地震加速度ファイルはそのままに、地震後の過剰間隙水圧の消散やそれに伴う変形挙動を再現したい。 |
A1−42. |
可能です。 「動的解析モデル」タブ-「地震波形」-「載荷ステージの編集」-「編集」の「継続時間」から地震波形の調整を行います。継続時間をそのまま長くとれば、加速度ゼロの無音状態が継続することになりますので間隙水圧の消散を表現できるかと存じます。
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Q1−43. |
中間節点あり(二次要素)での解析を行いたいが、どのように設定をすればよいか |
A1−43. |
可能です。 [メッシュ分割]-[定義]タブ内の右側のスピードボタンに「中間節点の指定」があります。 ボタンをクリックしますと「中間節点の指定」画面が表示されますので、同画面より中間節点の「有り」「無し」を選択してください。 「有り」としてメッシュ分割いたしますと、中間節点ありのメッシュ分割となります。
なお、入力としては上記の通りですが、中間節点がある場合は相応に解析時間が長くなりますので、その点も含めてご検討ください。
(関連:2-17)
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Q1−44. |
中要素の定義色として赤色を使用したいが、要素選択する場合などの色と同じになってしまい、選択・未選択がわかりにくくなってしまう。何かいい設定方法はあるか。 |
A1−44. |
画面上部にある[オプション]-[表示項目の設定]画面より「選択された節点・線分・要素」や「未定義の平面ひずみ要素」の色を変更することができます。 デフォルトですと赤色になっておりますので、こちらの色を変更していただければ、要素の定義色を赤色にした場合でも区別がつきやすくなります。
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Q1−45. |
PZ-SamdモデルのパラメータでN値などから推定できるパラメータがあったら教えてほしい。 |
A1−45. |
[PZ-Sandモデル]のパラメータ設定画面に「パラメータを推定」ボタンがあり、クリックしますと「パラメータ推定」画面が表示されます。 本画面より、N値、ポアソン比ν、平均有効応力Po及びmsを入力して、Mf, Mg, Kev0, Ges0を推定することができます。 ただし、あくまでも推定値となりますので、必ず一つ一つのパラメータの内容と値を吟味して、最終決定することを推奨いたします。
(関連:Q1-22)
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Q1−46. |
[解析モード]を[有効応力法の動的解析(液状化解析)]とした場合、要素定義の設定で、[間隙水圧モデル]が「有効応力法を適用する材料」である材料プロパティを必ず含めなくてはいけないのか。 |
A1−46. |
お考えの通り、[解析モード]が[有効応力法の動的解析(液状化解析)]の時は「有効応力方を適用する材料」がある必要があります。 全ての材料が「全応力法を適用する材料」である場合は[解析モード]を「全応力法の動的解析」として下さい。 (関連:Q1−39.)
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Q1−47. |
「斜面の安定計算」で作成した形状データをやり取りする方法を教えてほしい。 |
A1−47. |
斜面の安定計算からは「地盤解析用地形データファイル(*.GF1)」で保存して下さい。 UWLCの「ファイルを開く」より、ファイルの種類を「地盤解析用地形データファイル(*.GF1)」としていただければ、保存したファイルを読み込むことができます。
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Q1−48. |
モデル作成でマウス操作でモデルを作成しているが、意図した位置に線分などが作図できない。(点がグリッドの位置に補正されている?) |
A1−48. |
[モデル作成]タブの右側のメニューの一番上に「グリッドの設定」があります。 こちらの画面で「グリッドにスナップ」をOFFとして下さい。
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Q1−49. |
「二次元浸透流解析(VGFlow2D)」の解析結果(水位線)をインポートする方法を教えてほしい。 |
A1−49. |
本プログラムで「二次元浸透流解析(VGFlow2D)」の解析結果(水位線)をインポートする場合は以下の方法で行うことができます。
(1)[モデル作成]-[作成]タブの画面右側にあるボタンの中から[浸透流解析連携データ(水位線)のインポート]ボタンをクリックします。
(2)表示された[データ連携ファイル(水位線)のインポート]画面より、インポートする解析結果を選択し、[確定]ボタンをクリックします。
(3)解析結果(水位線)がモデルにインポートされます。
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Q1−50. |
地中構造物をモデル化しているが、内部(中空部)をメッシュ化しない方法があれば教えてほしい。 |
A1−50. |
[モデル作成]-[決定]タブで中空部のブロック化を解除してください。 自動でブロック化されている場合は、画面右側のボタン[ブロック解除]モードをONにして、手動でブロック化を解除する必要があります。 ブロック化が解除された箇所はメッシュ化されません。ソリッド要素の定義なども不要となります。
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Q1−51. |
初期応力解析で強制変位を与えることはできるか。 |
A1−51. |
可能です。以下の方法で設定してください。
- [初期応力解析モデル]タブで画面右側にある「選択モード」ボタンをONの状態にする。
- 強制変位を与える節点を選択し、画面右側にある「強制変位」ボタンをクリックする。
(画面上で右クリックメニューを表示し、「強制変位」を選択しても同様の処理となります)
- 強制変位の入力画面が表示されるので、Dx(X方向)またはDy(Y方向)に与える変位を入力する。
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Q1−52. |
サンプルデータの[box.FUD]などは「動的解析モデル」タブの境界条件が「等変位境界」となっているが、これはどのような条件か。 鉛直ローラーとした場合とは異なるのか。 |
A1−52. |
等変位境界とは側面にある節点の動きや変位がもう反対側にある節点と同じ動きをすると仮定し、水平多層の地盤が左右に広がりを有していることを表現します。 (そのため、入力時に主節点と対となる従属節点を選択する必要があります) 鉛直ローラーは水平方向を固定とする条件となりますので、条件が異なります。
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Q1−53. |
初期応力解析で集中荷重を与えることはできるか。 |
A1−53. |
可能です。以下の方法で設定してください。
(1)[初期応力解析モデル]タブで画面右側にある「選択モード」ボタンをONの状態にする。
(2)集中荷重を与える節点を選択し、画面右側にある「荷重」ボタンをクリックする。
(画面上で右クリックメニューを表示し、「荷重」を選択しても同様の処理となります)
(3)荷重の入力画面が表示されるので、Px(X方向)またはPy(Y方向)に与える荷重を入力する。
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Q1−54. |
モデル作成で2DCADデータをインポートしたい。 |
A1−54. |
[モデル作成]-[作成]画面の右側にあるボタン列の中から「CADファイルのインポート」ボタンをクリックしてください。
DXF・DWGファイル、SXFファイルのインポートに対応しております。
インポートした後は通常のモデル図として扱われますので、インポートした図を元にしてモデルの追加や編集することができます。
(関連:Q1−40)
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Q1−55. |
[地震波形の設定]画面で[入力波形の調整]-[加速度の倍率]という入力があり、サンプルデータだと0.010になっているが、これはどのような意味があるのか。 |
A1−55. |
本プログラムの加速度の単位は(m/sec2)となっております。 そのため、Gal等の波形ファイルを読み込んだ場合には、ここで調整する必要があります。 サンプルデータは0.010となっておりますが、これはGal(1 cm/sec2 = 0.01 m/sec2 )をm/sec2に調整しているためです。
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Q1−56. |
地中構造物でBOXカルバートなどの場合に中空部があるが、どのようにモデル化すればよいか。 |
A1−56. |
中空部をメッシュ化しない(ブロック化しない)方法やダミー要素としてメッシュ化する(ブロック化する)方法が考えられます。 前者の方法は中空部のメッシュ化自体を行わないため要素定義の手間も省け、見た目もわかりやすくなります。 後者は中空部も要素定義を行い、中空部を想定したパラメータ(例えば変形係数を非常に小さくする)を設定する方法です。要素定義などの手間がかかりますが、例えば中空部の一部を後から土として設定して比較する場合などは要素がないと設定が行えないため、後者の方法を取る必要があります。
(関連:Q1−50.)
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Q1−57. |
既存の節点を移動したい。 |
A1−57. |
[選択モード]で節点を選択して、右クリックメニューの[座標値修正]により節点座標を移動できます。 なお、モデルの変更が大きい場合は元のモデルを削除して、モデルを作り直した方が早い場合もあります。
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Q1−58. |
[初期応力解析モデル]タブや[動的解析モデル]タブの[条件設定]画面にある「高速計算指定」の入力は解析結果に影響するか。 デフォルト値のままで問題ないか。 |
A1−58. |
計算の速度に関する入力条件なので、解析結果には影響しません。 通常、ラインサーチ法及びBFGSのいずれも適用することを推奨していますが、梁要素が含まれるモデルの場合には、適用しないほうが計算時間が早くなるケースが希にあります。 通常はデフォルト値(「適用する」)で問題ありません。
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Q1−59. |
モデル作成でCADファイルをインポートする場合、メッシュ分割まで行ったCADファイルの方がよいか。 それとも、CADファイルでは最低限のモデルとして、メッシュ分割は本製品で行った方がよいか。 |
A1−59. |
どちらでも可能ですが、それぞれメリット・デメリットがあります。 前者は本製品でメッシュ分割条件などを指定しなくて良いというメリットがありますが、メッシュ分割を後から変更したい場合にやや不便です。 後者は本製品でメッシュ分割条件などを指定する必要がありますが、後からメッシュ分割を変更したい場合に本製品のみで対応できるというメリットがあります。
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U.解析部編 |
Q2−1. |
八戸波の地震波を用いた解析は可能か? |
A2−1. |
水平加速度のデータであれば、八戸波を含め任意の地震波を用いることができます。
加速度の最大値を調整したい場合は、載荷ステージの設定で地震波のファイルを読み込む画面があるので、そのなかに入力波形の調整をするメニューがあります。
地震波の入手の方法としては、防災科学技術研究所のK−Netを利用するのが一般的です。 |
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Q2−2. |
解析実行すると下記エラーが発生する。
---------------------------------------
メッシュデータファイル(*.mhsまたは*.mhd)の要素データの材料番号に材料数を超えた番号が設定されています。
データをご確認ください。
--------------------------------------- |
A2−2. |
メッセージより材料数を超えた材料番号あるいは材料番号にゼロがが設定されているものと思われます。
材料番号と材料数をご確認下さい。
*.Mhsのデータに節点および要素データがあります(詳しくは解析入力マニュアルをご参照ください)。 |
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Q2−3. |
Rf=1で初期応力解析を行った後、Rf=2に調整して動的解析を行った場合、Rf=1の初期応力を持った状態で動的解析が行われるのか |
A2−3. |
初期応力と動的解析の物性値を変えて別々に解析することが可能です。
その場合、同じファイル名にしておく必要があります。一度、初期応力解析を行い、材料プロパティを変更して再びメッシュ確認、境界条件を設定して動的解析をすれば可能です。
なお、材料プロパティを変更した場合は必ずその後のメッシュ確認、境界条件をタブの並びに沿って再設定する必要があります。 |
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Q2−4. |
水位の変動は考慮できるか |
A2−4. |
本プログラムでは、地下水位を有する地盤を不飽和領域と飽和領域の土質ブロックに分けてモデルを作成し解析を行うため、2つの領域の境界が地下水位となります。
なお、この地下水位は、地震中に生じる飽和領域の過剰間隙水圧の発生によらず、変動しません。 |
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Q2−5. |
地表面からHの深さ(下向きに正)の水中での直応力σyは、どのような式で計算されているのか
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A2−5. |
地表面からHの深さ(下向きに正)の水中での直応力σyは、
σy=(γt×Hw+(γt-γw)×(H-Hw))
で計算されます。ただし、上記の式をそのまま使っているのではなく、有限要素によって離散化した地盤モデルについて弾性論を適用し地中応力を計算しています。 |
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Q2−6. |
解析実行の部分に「初期ひずみ」または「初期応力」があるかないかが記載されているが、一般的な地盤応答解析の場合は「初期応力がある」にのみチェックすればよいか |
A2−6. |
どの土の構成モデルを用いるかによって異なります。弾塑性理論に基づく土の構成モデル(PZ-sand等)を地盤材料とし
て用いると、初期応力の状態をスタートにして応力経路をたどり破壊規準と照合しながら応答解析をするので、一般に初期応力のチェックが必要です。 また、
ひずみ依存性の土の構成モデル(HD,
ROモデル等)を地盤材料として用いると、せん断ひずみの状態によってせん断弾性係数を変化させるので、地盤の状態によっては初期ひずみのチェックをする
ことが考えられます。水平地盤の場合は初期せん断ひずみがないので、一般には初期ひずみのチェックをする必要がありません。
関連 Q2-25. |
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Q2−7. |
任意の地震波による自由地盤の応答変位を求めることはできるか
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A2−7. |
可能です。 自由地盤という表現は、構造物と土の相互作用がない水平多層地盤を意味します。UWLCは一次元の解析をする機能が備わっており、自由地盤に相当します。入力地震動は、任意の地震波を入力することが可能です。 |
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Q2−8. |
動的解析を行う場合『時間増分が小さくなり過ぎて収束しない』となる
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A2−8. |
動的解析モデル]タブ-[地震波の設定]ダイアログボックスの[時間ステップの細分割を自動調整する]チェックボックスをONにしますと、残差を次ステップに持ち越さないように各ステップにおいて完全に収束させる処理となります。 したがって、そのために、荷重分割数を解析部内部で自動調整することになります。この場合、各解析ステップの繰返し回数が多くなると予想されますので、[解析実行]タブにある最大繰返し回数を500程度にする必要があります。 一方、[時間ステップの細分割を自動調整する]チェックボックスをOFFにしますと、設定された最大繰返し回数だけ収束計算を繰返し、発生した残差を次ステップに持ち越す処理になります。この場合は、時間ステップの自動調整を行いませんので、各解析ステップの残差を少なくするために、[時間間隔の初期値]を0.001程度に小さくする必要があります。また、最大繰返し回数は20〜50で十分な解析精度が得られると考えられます。
収束しない状態ではエラーメッセージを表示するだけで何も結果を表示しないため、どのように対処すればよいのか解決の糸口が見つからない場合があります。そのような場合は、時間ステップの細分割を自動調整する]チェックボックスをOFFにし、[解析実行]-[条件]-[収束条件]を緩めて試し計算をする、あるいは線形解析など試し計算をしてから、段階的に精度を高めるようにデータを修正することも対処方法として考えられます。 |
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Q2−9. |
応答変位法で計算を行いたい
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A2−9. |
構造物と地盤を別々にして応答変位法で計算する場合は、UWLCで算出した地盤変位を構造物モデルに強制変位として線形バネを介して入力します。
構造物と地盤を
UWLCの中でモデル化して計算する場合は、地盤バネを計算する必要がなく、解析のなかで地盤をソリッド要素で考慮します。それらの計算手法に合わせて地盤の特性を考慮すればよいでしょう。 |
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Q2−10. |
計算時、以下のメッセージが表示される --------------------- 初期応力解析データファイル(*.sta)または動的解析データファイル(*.lip)の構成則の異方性の有無を指定するフラグに誤りがあります。 データをご確認ください。
---------------------
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A2−10. |
おそらく、モデル作成の過程で異方性を設定して一度最後まで作成したのち、要素定義をし直して異方性を修正した後に[メッシュ分割]-[確認]をせずに、そのまま解析実行されたのではないでしょうか。こちらに該当する場合このようなメッセージが表示されます。
[モデル作成][要素定義]の段階で異方性に限らず何らかの修正の手を加えたなら、「必ず」その後に続く[メッシュ分割]-[確認]をする必要があります。すなわちモデルやプロパティを定義しなおした状態でメッシュを切り直します。その後の境界条件は再入力する必要があります。 |
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Q2−11. |
PZ-ClayとUW-Clayの違い
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A2−11. |
PZ-Clayは「平均有効応力が圧密降伏応力に達すると降伏する」ことを表現するCam-clayや関口太田モデルと類似するモデルです。 UW-Clayはせん断剛性がせん断ひずみの大きさによって変化する、その変化率を双曲線で表現するmodelで、HDやROモデルと類似するモデルです。
圧密現象を再現する場合は前者、動的解析を再現する場合は後者のモデルが適しています。 |
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Q2−12. |
PZ-SandとHDやROの構成モデルはどのように使い分けたらよいか
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A2−12. |
PZ-Sandは一般化された弾塑性モデルで、破壊基準やダイレタンシーを考慮することができます。 HDやROは双曲線式を基にひずみ依存性を表現し、せん断剛性や減衰がひずみの大きさによって変化することを表現します。 液状化解析(有効応力法による動的解析)には前者のモデル、地震応答解析(全応力法による動的解析)には後者のモデルが適しています。
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Q2−13. |
「地盤の動的有効応力解析(UWLC)」と「弾塑性地盤解析(GeoFEAS)」の液状化解析機能の違いは?
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A2−13. |
UWLCとGeoFEAS2Dの液状化解析機能の違いは(以下の説明で前者はUWLC、後者はGeoFEAS2D)、
・前者は動的解析であり、後者は静的解析です ・前者は、土の非線形性と水の間隙水圧を連成した理論に基づき、後者は被災事例などから統計的に考案した経験式に基づきます ・前者は、地震波を入力し地盤の地震応答解析をします。後者は設計水平震度を入力します ・前者は、指針でかならず実施すべきであるとされたものはありません。後者は河川構造物の耐震性能照査で指針に方法が規定されています。 ・前者は、過剰間隙水圧が有効応力と等しくなった場合に液状化と判定し、後者はFL=1の場合を液状化と判定します。
・前者は、液状化した状態で、破壊基準に従い塑性が進行することにより剛性低下します。後者はFLの値からグラフ(FLとG1/σc’の関係を表すグラフ)で読みとった剛性に従い剛性低下を評価します。 |
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Q2−14. |
ボックス周辺に砕石をおいて、液状化時の水を吸収させて液状化の影響を抑える工法を検討したい。
UWLCで砕石部分の土層に水を吸収させるというような現象がモデル化できるか? |
A2−14. |
液状化時の水を吸収させて液状化を抑えるという点については、解析時間が5分以内と短いために透水現象(液状化層から砕石層へ動く水の移動)を再現するのは難しいと考えられます。
しかし砕石層を設定すると、その部分の液状化が発生しない、強度定数が高い、剛性が高いなどの設定が可能なので、解析結果に液状化を抑制する工法として効果を表すことができます。 |
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Q2−15. |
ジョイント要素あるいは剥離や滑りを表現できる要素は使えるか? |
A2−15. |
UWLCでは、現在、ジョイント要素を定義することができません。構造物と地盤のすべりを表現するには、薄い弱層を平面ひずみ要素でモデル化し設定して頂くことになります。
ジョイント要素につきましては、今後の検討課題になっております。 |
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Q2−16. |
粘性境界と他支点条件を同時に設定した場合について教えてほしい |
A2−16. |
粘性境界とは遠方に伝わる波が返ってこないこと、波のエネルギーを吸収してしまう状態を表現するための境界条件のことを意味します。この粘性境界を設定した場合は、境界部周辺の応答を抑制するブレーキの役割を果たします。支点条件による拘束を受けない方向(自由度)は、粘性減衰が速度に比例して作用し応答値が小さくなる傾向にあります。 |
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Q2−17. |
動的解析に異常に時間がかかりますが、モデルが大きいのが原因か? |
A2−17. |
解析のモデル化のポイントとしては、以下になります。
1.着目する領域についてはメッシュを細かくするが、周辺の境界部分は粗くします。
2.深さ方向は、波の伝達する方向なので波長(たとえば1Hzの場合はVs=100m/sの地層では波長が100mです。5Hzでは波長が20mとなります)一つの波を表現するには最低でも4点から5点必要ですから50cm程度の細かさにします。
3.中間節点は精度に大きく寄与しますが、それだけ時間がかかります。一般の解析(大きな変形が発生しないような)では中間節点をなくしてもよいでしょう。
4.土のモデルを選定するにあたり、軟弱層、液状化層、着目する地層などは非線形を考慮したモデルや弾塑性モデルを用います。しかし基盤に近い硬質な砂礫層などの場合はなるべく線形弾性として簡素化するのがよいでしょう。
5.収束誤差の精度を緩めて流してみてください。
最大繰り返し回数を20
収束誤差を10E-2
まで緩めて流し、解析時間の長さや結果を評価した上で、なるべく収束誤差を元に戻します。 |
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Q2−18. |
残留変位の照査方法、考え方はどのようにしているか |
A2−18. |
構成則を弾塑性や非線形を選択することで、繰り返し履歴(載荷と除荷)の過程で少しずつ原点に戻らず残留変位が蓄積されます。
弾性線形の場合は必ず原点に戻るので残留変位がありません。 |
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Q2−19. |
地震動を段階的にあげていく加振した照査が可能か |
A2−19. |
地震動は加速度の波形データを設定します。
任意に段階的に加速度が引き上げるようなデータを用意しておけば、そのデータを読み込むことで漸増するような加振状態を解析することが可能です。 |
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Q2−20. |
盛土内に橋梁のモデルを設け、地震時の斜面安定性の評価が可能か? |
A2−20. |
地盤と構造物が一体となった地震時の斜面安定計算が可能です。 |
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Q2−21. |
UWLCで梁要素を設定する場合に、節点の条件は固定端でしょうか、それともピン固定か? |
A2−21. |
UWLCでは梁要素の節点自由度は、水平X、鉛直Y、回転θです。ソリッド要素はX、Yです。梁と地盤とはピン結合(モーメントの伝達はない)になります。梁と梁との間は剛結となり隅角部を含めX、Y、θ(モーメントの伝達あり)が共有されます。
UWLCの動的解析ではピン支点はありません。ただし、上記のようにソリッド要素はX、Yの自由度を固定すると固定境界と称するため、動的解析の固定とピン支点は同義です。
なお、固定支点とした場合は、その位置に絶対加速度が加わり相対変位がゼロなので工学的基盤と同じ取扱いになります。 |
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Q2−22. |
初期応力解析の結果が、弾塑性地盤解析(GeoFEAS2D)の静的解析と同じになるか? |
A2−22. |
本プログラムの初期応力解析(全応力解析)と弾塑性地盤解析(GeoFEAS2D)の静的解析は同じです。
ただし、本プログラムではステージ解析はできません。
弾塑性地盤解析(GeoFEAS2D)のステージ解析結果を編集することで、本プログラムの初期応力値(*.strファイルの書式に合わせ る)とすることができますが、メッシュ番号等を一致させなければならないなどの条件があります。 |
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Q2−23. |
動的解析なので解析時間が長くなることはわかるが、何か解析上の工夫などで短縮する方法はないか
(ただし、メッシュ分割、地震波や構成モデルはそのままとした場合) |
A2−23. |
解析時間が長い主な原因は、収束性が悪いことにあります。
たとえば線形弾性の土の材料であれば、たとえ地震波の継続時間が長くとも収束するので短時間です。
しかし、材料の非線形性が強い(強度の弱い材料)場合や、荷重強度が大きい場合に、土のモデルの構成モデルに繰り返し収束するのに手間取り、 繰り返し計算が増えて、その結果計算に要する時間が長くなります。
地震波や地盤の構成モデル等の入力が同じであれば、特に解析条件で早くなることはありません。
関連 Q2-17 |
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Q2−24. |
「Data for the initial stress file is not enough.
初期応力データファイル(*.str)に不足しているデータがあります。
データファイルを添付の上、当社サポートセンターまでお問い合わせください。」
のようなメッセージが出た |
A2−24. |
初期応力解析、動的応力解析ともに境界条件が設定されているかどうかをご確認ください。 |
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Q2−25. |
動的解析を実施する際の初期ひずみ・初期応力として特定の値を引ぐ方法について教えてほしい |
A2−25. |
一度初期応力解析を実施し得られたSTRファイル(:動的解析のための応力・ひずみデータ)中の特定の項を置き換えることで動的解析に値を引き継がせることが可能です。
1.[解析実行]-[条件]において[初期応力解析を行う]にチェックを入れ初期応力解析を実施します。この際、[動的解析を行う]については特に不要です。
2.STRファイル中の特定の部分を置き換えます。ひずみに関する項は"Strain at each Gaussian point of each element"に、応力に関する項は"Stress at each Gaussian point of each element"にございます。UWLC解析部出力マニュアルの「2.2 動的解析のための応力・ひずみデータ(*.str)」をご参照ください。なお、梁要素および棒要素等の一次元要素の応力ひずみは引き継げませんのでご了承下さい。
3.[解析実行]-[条件]における[初期応力解析を行う]のチェックを外し、[動的解析を行う]にチェックを入れます。
4.[初期条件]における初期ひずみ・初期応力の有無を対象に応じてチェックを入れます。
5.動的解析を実施します。 [解析用入力・出力ファイルの指定]は、1.と同じフォルダを指定します。
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Q2−26. |
杭を有する構造物の応答震度法解析は可能か |
A2−26. |
応答震度法は中空の駐車場やボックスカルバートで用いられており、杭のある事例は多くありません。液状化が発生する地盤に杭がある場合は、杭に作用する流動圧を考慮する場合もございます。動的有効応力で流動圧を明瞭に定義することは困難です。
この杭をどのようにモデル化するかは、設計者にて方針を決める必要があるかと存じます。 |
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Q2−27. |
動的解析実行時にCBSTEPと表示されたがどのような意味か? |
A2−27. |
CBstepの表示はプログラム(ソルバー内)上の表示です。
解析モデルに問題がある場合に発生します。
原因はモデルに依るところもあるのですが、[材料パラメータ設定]でHDモデルを使用している場合は、入力パラメータをご確認ください。このHDモデルにおいて、C=0, Φ=0となっている等、剛性が評価出来ない場合にも出現致します。 |
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Q2−28. |
解析では圧密などによる透水性の変化は考慮されるのか。 |
A2−28. |
解析では透水性の変化は考慮されません。 実現象として圧密があれば透水性は変化すると考えられます。 しかし、テルツァーギーの圧密理論でも、圧縮指数Ccが一定に保っていると仮定して計算しています。本来Ccは透水係数を含んだ変数で圧縮により変化がありますが、一定と仮定して計算しやすくしています。 UWLCもBiotの多孔質モデルを用いていますが考え方は踏襲しています。 つまり、解析では透水性の変化は考慮しません。 |
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Q2−29. |
初期応力解析で梁要素に強制変位を与えて複数ケースの計算を行ったが、極端に曲げモーメントが大きくなるケースがあった。 強制変位と曲げの関係について教えてほしい。 |
A2−29. |
強制変位と曲げの関係は、強制変位が梁全体にわたり同じような変位量(等変位量)であれば、曲率は大きくないので、曲げモーメントの発生は少なくなります。 しかし、変位量の差が大きい(不等変位慮)であれば、隣りの節点との間に曲率が大きく発生するので、曲げモーメントが大きく発生します。 |
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Q2−30. |
同じ条件で、地震波形を2パターン計算して比較したが、最大加速度が大きな地震波形の方が節点の最大地盤水平変位も最大せん断応力も小さくなった。 どのような理由が考えられるか。 |
A2−30. |
地震の応答は、入力地震波の最大加速度だけでは決まりません。地盤モデルの固有振動数と入力地震動の固有振動が一致すると共振現象が発生します。
基盤に入力した地震波の周波数成分が高周波成分(短周期)が多い場合と、逆に低周波成分(長周期)が多い場合と、地震波の性質が異なります。地盤の固有振動数(固有周期)と一致する地震波の方が大きな増幅をします。
このような性質を見るためには、基盤や地表面の加速度波形をフーリエスペクトルで描画して、どの成分が卓越するかを見ます。 また、地表面において応答スペクトル(加速度)を見ると、どちらがより大きな増幅をするかを見ることができます。 その結果、最大加速度が小さくとも応答値が大きくなることがあります。
従って、結果の違いを判断する根拠を最大加速度だけではなく、地盤の固有振動数、地震波の周波数成分にも着目するとよいと思われます。
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Q2−31. |
最大加速度と応答値との関係を教えてほしい。 |
A2−31. |
最大加速度は地震波の一時的なピーク値です。地震によって地盤が応答する場合に、地盤の固有周期との関係で応答します。 必ずしも最大加速度が大きいからといって、応答値が大きいとは限りません。地盤条件によります。 最大加速度が小さい方が応答値は大きく、最大加速度が大きい方が応答値は小さくなるという状況はありえます。 地震動の持つ周波数成分と地盤の固有周期との関係で応答値が異なります。
(関連:Q2−30)
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V.ポスト部編 |
Q3−1. |
結果ビュー左ツリー画面一番下の値出力項目で最大値を選択した時に出てくるデータと同一地点の時刻歴データを出力したときの最大値が微妙に異なるのはなぜか
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A3−1. |
数値出力での最大値は、地震波形−時間間隔の初期値 の計算ステップごとに抽出された最大値であり (添付図1)、時刻歴での最大値は、出力設定時の時刻歴の時間間隔ごとに出力された中の最大値となるので (添付図2)、両者の時間間隔が異なる場合は、最大値に若干の差が生じてきます。
したがいまして、数値出力の最大値の方がより精度が高い値といえます。
同じ最大値を得るためには、時刻歴の時間間隔を、地震波形の時間間隔の初期値と同値を入力すれば良いのですが、その場合、出力データファイルは膨大になる恐れがありますので、ご注意下さい。
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Q3−2. |
減衰定数CS、CPを求める方法 |
A3−2. |
減衰定数CS、CPは、以下の式で求めます。単位は kN/m.sec になります。
せん断方向の減衰定数: CS=ρ・Vs・A
圧縮方向の減衰定数: CP=ρ・Vp・A
ここに、
ρ:土の密度(=γ/g)、
A:一つの粘性境界支点が受け持つ土の断面積(m2)
土の断面積は、隣合う粘性境界支点との距離の半分を両側について足した幅に、奥行き1mを掛けて求めます。
Vs:せん断弾性波速度(m/s)
Vp:圧縮波速度(m/s) |
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Q3−3. |
地震波が伝播する方向を読み取ることはできるか
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A3−3. |
地震波が伝播する方向を読みとることはできません。 地震波の進行を再現するためには、大規模モデル(1km以上)における点震源のような入力では可能となります。サンプルデータのような小規模地盤モデルでは、建築や橋梁など構造物の動的解析同様に地震波が全体に作用する計算となります。 |
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Q3−4. |
過剰間隙水圧比がマイナス(負圧)となるのはなぜか
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A3−4. |
地震動により土の要素に交番荷重がかかるので、地震を受けている間にダイレタンシーによって過剰間隙水圧比がマイナス(負圧)になることがあります。負圧は土構造が膨張するときに発生します。 |
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Q3−5. |
γ−h曲線の計算結果が、入力曲線と一致しない
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A3−5. |
計算結果は土の構成モデルのパラメータを決定するために同定解析を実行した後の曲線です。
土のモデル(式)に合わせために必ずしも入力曲線と完全には一致しません。 |
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Q3−6. |
「液状化が生じた」と判定する際に、どの指標あるいは結果をみてどのように判断すべきか |
A3−6. |
当社ホームページの製品紹介ページより『「UC-1/地盤の動的有効応力解析(UWLC)」を利用した液状化詳細判定』という資料がご覧になれますので、ご一読ください。
http://www.forum8.co.jp/product/uc1/jiban/pdf/UWLC.pdf |
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Q3−7. |
構造物に作用する最大応答加速度を確認したい場合、どの結果を見ればよいか? |
A3−7. |
ポストプロセッサにて、[数値出力]−[節点]にて各節点の加速度の最大値を確認することが可能です。 |
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Q3−8. |
地震波の加速度と時刻歴グラフを出力したい |
A3−8. |
加速度の応答値を時刻歴で出力することができます。
数値出力として任意の指定時刻あるは最大値のときの加速度の値を節点ごとに表示できます。
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Q3−9. |
メッシュデータを外部に出力したい
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A3−9. |
メッシュデータの出力につきましては、テキストファイルで出力することが可能です。
「メッシュ分割」-「確認」画面にあります画面右端の「モデル出力」アイコンをクリックすると節点データおよび要素データを
解析部入力ファイル(メッシュデータファイル)と同様のフォーマットでテキストファイルに出力することができます。
フォーマットについての詳細は製品添付の「UWLC解析部入力マニュアル」からご確認ください。 |
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Q3−10. |
コンタ図などに節点番号を表示したい。
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A3−10. |
PostProcessorの画面上部にあります、[節点番号の表示]や[要素番号の表示]ボタンをONにしてください。 |
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Q3−11. |
変形図やコンタ図のアニメーションを動画ファイルで保存したい。
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A3−11. |
ポスト部の[アニメーション]-[変形図]や[コンタ図]の画面内に[動画保存]ボタンがありますので、そちらをご利用ください。 |
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Q3−12. |
Post部のフーリエスペクトルと応答スペクトルに関してですが、Pre部で水平方向の地震波を入力している場合、同じ方向のスペクトルはxとyのどちらでしょうか。
また、水平方向の加速度の入力のみの場合でも、x方向とy方向のスペクトルが表示されますが、一方向のみのスペクトルにはならないのでしょうか。
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A3−12. |
Post部のフーリエスペクトルと応答スペクトルは、波形をスペクトル分析した結果を表したグラフです。
水平方向の地震波を入力した場合、モデルの任意の節点で水平方向の応答波のデータが出力されます。
水平方向の波形データは加速度(あるいは速度)ですが、x方向が水平です。スペクトルはx方向の加速度波形を分析した結果です。
横軸に周波数(あるいは周期)、縦軸に応答加速度(あるいはフーリエ振幅)をとります。
また、入力はx方向(水平方向のみ)でも、モデルは2次元(xとy)なので各節点にはxとyの成分があります。
y方向の上下動は応答値としては小さくとも、そちら方向にも揺れるのでスペクトルは存在します。
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Q3−13. |
解析は正常に終了したが、変形図を確認すると、現実的にはありえないような過大な変形になった。(指定時刻が小さい時は問題ないが、最大値は過大な変形図となる)どのような原因が考えられるか。
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A3−13. |
地震波が大きく、計算の途中で発散してしまったものと考えられます。 変位のアニメーション出力を行っている場合は、そちらを見ていただきますと、計算の途中で発散している状況がご確認いただけます。
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Q3−14. |
液状化判定のため、コンタ図表示で過剰間隙水圧比がある値(例えば1.0)を超えたか否か明確に表示したいが、どのような方法があるか。
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A3−14. |
過剰間隙水圧比のコンタ図で[凡例の変更]より、上限値を1.0にしていただくと、1.0を超える箇所が全て同色になりますので明確になります。 (関連:Q3−6.)
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Q3−15. |
ひずみがマイナスの場合はどう解釈すれば良いか。
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A3−15. |
ひずみのプラスは「圧縮」、マイナスは「引張」を表しております。
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Q3−16. |
コンタ図では値が大きい方が赤色、小さい方が青色になっているが、色を逆にできないか。
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A3−16. |
各コンタ図表示画面にある[凡例の変更]ボタンをクリックし、「色を反転表示する」をONにしてください。
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Q3−17. |
ある時刻の変形図(全節点の変位の値)を取得したいが、簡単な方法はないか。
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A3−17. |
[変形図]を開き、同画面の「指定時刻」を指定して[再描画]すると、指定時刻の変形図が表示されます。 また、同画面にある[値の確認]ボタンをクリックすると、全節点の変位が表示され、ファイル保存も可能です。
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Q3−18. |
X方向の変位量、Y方向の変位量の+、−の符号の向きは?
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A3−18. |
変位量は全体座標系で表示されます。 本製品のポスト処理では右側に向かう方が正です。 横軸にX軸とし、右手に向かって+ 縦軸にY軸を取り、上に向かって+とします。したがって正方向は隆起量、負方向は沈下量となります。
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Q3−19. |
コンター図の着色(値)の範囲設定はできるか。
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A3−19. |
可能です。 各コンタ図画面内にあります[凡例の変更]ボタンより、[凡例の設定]画面を開き、データ範囲を変更してください。
(関連:Q3−16)
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