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(全4回) |
今号から新連載として開始する「3Dコンテンツニュース」。ここでは、プロジェクションマッピングやデジタルサイネージ、ARなどの3Dコンテンツやシステム、およびその運用を一貫して提供するフォーラムエイトのソリューションにおいてプロデューサーを務める町田聡氏の執筆により、最先端の3Dコンテンツサービスとその展開について紹介していきます。
3Dプロジェクションマッピング
最近なにかと話題の「プロジェクションマッピング」ですが、プロジェクションマッピングはどのようにして登場してきたのでしょうか? 筆者の手元に正確な資料があるわけではありませんが、使われ方の経緯を見ていると次のように整理できます。
プロジェクションマッピングはヨーロッパで最も盛んですが、その理由はヨーロッパにおける都市と照明とのかかわりの歴史と深い関係があると考えられます。
つまり、プロジェクションマッピングの背景には、暗闇をベースとした間接照明(明かりと影)の歴史が都市におけるライティングに発展しているという点と、ヨーロッパ特有の広場と歴史ある建造物との関係があるということです。
人が集まる場所と古い建築物が一体となっている環境が多く、プロジェクションマッピングに向いているというのがヨーロッパで盛んな理由であり、逆に、このような環境が少ないということが日本で実施する場合の障害となっています。
照明からフィルムプロジェクターへ
筆者の手元には2004年に行われたプロジェクションマッピングの映像がいくつかあります。ルイ・ヴィトンが当時晴海の倉庫で行った125周年のレセプションの様子(四角い倉庫が映像によりルイ・ヴィトンのバッグのようになっており、鍵のところが出入口となっています)や、ソウルの市庁舎で行われた建物がゆがむような表現などです。
これらの古い例では、現在多く使われているビデオプロジェクターではなく、フィルムのプロジェクターが使われています。 このフィルムプロジェクターは6万ルーメンという現在でも世界最高峰の輝度を備えており、ビデオプロジェクタの最高輝度の倍近い明るさを1台で投影することができます。
ここでわかることは、ビデオプロジェクターより以前に、フィルムプロジェクターがこのプロジェクションマッピングという表現手法を確立した歴史があるということです。
筆者が代表を務めるアンビエントメディアでは、フィルムプロジェクタとビデオプロジェクタのそれぞれの長所を引き出して、混在させるプランも提案しています(現時点では、ビデオプロジェクタよりフィルムプロジェクタの方がより安価に利用できます)。
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▲縮小模型を使った投影シミュレーション |
「川崎ハロウィン2011」でのプロジェクションマッピングの事例 |
2011年の10月28日から30日にかけて、神奈川・川崎市のシネマコンプレックスやレストランなどを併設する商業施設「ラチッタデッラ」で、国内でも珍しく大規模なプロジェクションマッピングが実施されました。(制作プロデュースはantymaekが行いました。)
このイベントを機会として、アンビエントメディアとフォーラムエイトは協力して、プロジェクションマッピングのワークフローの3D化を推進しました。
従来のプロジェクションマッピングのワークフローでは、画面上のCGなどによりその投影効果を確認することが多く、立体である建築物に投影した様子は見ることができませんでした。今回の事例では、縮小模型を使った投影シミュレーションを行いました。図3の写真がその時の様子です。
3Dスキャナーと3Dプリンタの活用
建築物への投影シミュレーションは手作りの模型である程度確認することができますが、今回は3Dスキャナを活用して実際の建築物をスキャンしました。スキャンしたデータは点群データとして出力されるので、それをポリゴンデータに変換し、3Dプリンタで出力を行いました。
3Dプリンタの長所は外形に色を付けることができる点で、実際の建物に映像を投影した時の発色までもある程度確認することができるということです。
もちろん、この模型を作る過程で得られた3Dスキャナで取った3Dモデルは、3DCG用の制作データとしても利用することができます。
■投影シミュレーションの流れ
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(Up&Coming '12 春の号掲載) |
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