Vol.5 |
「第20回ITS世界会議東京2013」プレビュー |
自動運転、環境・災害対策などの議論に力 ITS の過去・現在・未来、アジアのITS
もカバー
4 月1日、会議登録始まる |
「第20回ITS世界会議東京2013」の開催まで、あと半年。4 月1 日に同会議への参加登録がWeb(http://www.itsworldcongress.jp/japanese/index.html)上で開始される中、横浜(1995 年)、名古屋(2004 年)に続く3 度目の日本開催となる今回会議の具体的な骨格が次第に明らかになりつつあります。
ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)に関する技術開発をはじめ政策や市場動向などの広範な観点から情報交換。これにより、ITS
の普及を促し、交通問題の解決やビジネスチャンスの創出を図ろうというITS世界会議。北米、欧州、アジア・太平洋地域を代表するITS団体(北米:ITS
America、欧州:ERTICO、アジア・太平洋地域:ITS Asia Pacific)が連携(3極連携)し、毎年これら3地域を持ち回りで開催されています。
「3年に1 回のアジア開催。(主催者の一人である)東京のPR もそうですが、アジアの新興国から多くの方を招き、ここに来ればアジアの(ITS
の)ことが分かるという魅力を高め、それにより欧米からの多くの方の参加にもつなげたい」。ITS世界会議東京2013
日本組織委員会事務局の世木隆明氏は今回会議をこう位置づけ。併せて、同会議発足から第20
回の節目を迎えるのを踏まえ、「ITS の過去・現在・未来」を幅広い人々に理解してもらうため、分かりやすい情報の発信の仕方をITSJapan
と協力しながら検討しているところといいます。
ITS世界会議東京2013 は、10 月14 日に東京国際フォーラムで開会式を行い、翌15
日〜 18 日は東京ビッグサイトでセッション(約250 セッション)や展示会(700
小間程度の出展を想定)などを展開。会期中には60 ヵ国以上から8,000 人以上(会議登録者数は約4,000
人)の参加が見込まれています。
ITS世界会議東京2013 が掲げる会議コンセプトは、“Open ITS to the Next”。従来からの「交通事故や渋滞などの課題解決」に加え、「電気自動車などの出現によるエネルギーマネジメント分野との連携」「ネットワーク社会における新たなビジネス機会の創出」「東日本大震災の教訓を活かしたレジリエントな交通社会の実現」
― という3 領域へその裾野を拡大。ITSは、次世代のモビリティを形作るべく新たなステージに入る、との意図がそこに込められています。
これに基づき同会議では、
- 交通安全・渋滞の解消への更なる取り組み
- 接続可能な交通社会の実現に向けた次世代モビリティへの取り組みとエネルギーマネジメントとの融合
- メガシティにおける人とモノの移動の効率化
- 人の移動・モノの輸送におけるインターモーダル・マルチモーダル
- モバイル機器等を用いたモビリティのための個人向けサービス
- レジリエントな交通社会システムの構築
- グローバル連携や共通の課題解決に向けた取り組み
― の7 項目に焦点を当てる、としています。
とくに前述の3 極連携の中で、
- 自動運転
- CO2 削減効果の測定
- 災害対策
― の3 課題を共通の柱に据え、議論を深めていくとの方針が確認されています。
これらの要素を踏まえ今回会議では、「ITS の過去・現在・未来」を発信する第20
回記念イベント(東京ビッグサイト・アトリウム)、自動運転や次世代協調型システムをはじめとするショーケース・デモ、複数のテクニカルビジット(会期中に行われる有料視察)やポストコングレスツアー(会期後に行われる有料視察)など特色ある企画を準備中。また、アジア新興国をはじめとする内外の産官学のキーパーソンが一堂に会することから、ネットワーキングにも絶好の機会になるはず、と世木隆明氏は語ります。
4 月末にITS America の年次総会、5 月に次回のITS世界会議が開催される米国デトロイトでのITS世界会議ボードメンバーによる会合、6
月にERTICO およびITS Japan の年次総会がそれぞれ開かれる予定です。つまりこの間が、国内外のITS
関係者に対し、ITS世界会議東京2013 について直接的なPR を行う最後の機会とも言えます。
一方、6 月上旬には今回会議公式プログラムの暫定版を策定。ITS Japan の年次総会に合わせ、より具体的な内容が公表される予定で、3
ヵ月間にわたる準備期間を経ていよいよ本番を迎えることになります。
FORUM8:ITS 理解にDS とVR-Cloud® で演出 |
フォーラムエイトは、2004 年に名古屋で開催されたITS世界会議(第11 回)に初めて参加。以来、「第20回ITS世界会議東京2013」で連続10
回目の参加となります。
この間、当社は同会議において3 次元リアルタイムVR ソフトをベースとするUC-win/Road
マルチディスプレイシステム(4PDP)の出展(2004 年)を皮切りに、UC-win/Road
やUC-win/Road ドライブ・シミュレータ(DS)の最新版、各種のシステムやプラグイン、関連サービスを紹介。その都度、国内はもとより、世界の各都市でITS
関係者の高い注目を集めてきました。
ITS世界会議が初めて東京で開催される今回、当社はUCwin/Road の最新版(Ver.9)
を搭載する数種類のDS と、VR-Cloud® を出展する予定です。
そのうちUC-win/Road Ver.9 は、さまざまな運転状況の細やかな再現やシミュレーションへのニーズに対応。シナリオ機能やマイクロシミュレーションプレーヤー、クラスターシステムを拡張するとともに、自動運転機能などを追加。まさにITS
に関わる研究開発で求められる機能をいっそう充実させています。
また、VR-Cloud®に関しては、クラウドサーバ上でUC-win/Road を実行させ、Web
ブラウザで3D・VR 空間を操作できる機能を利用し、ナビゲーションシステムを多くの来場者に体験していただきたいと考えています。
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■ITS世界会議東京2013 の開催概要 |
■会議コンセプトと4 つの軸 |
■ITS世界会議東京2013 の構成 |
(執筆:池野隆)
※画像はITS世界会議東京2013 日本組織委員会により提供
(images provided by Japan Organization Committee, ITS WORLD CONGRESS
TOKYO 2013) |
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(Up&Coming '13 春の号掲載) |
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