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新連載 (2013年10月号まで掲載予定)
Vol.2  ITS世界会議とフォーラムエイト


 世界のITS最新情報が一堂にフォーラムエイトも04年以降連続参加

ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)について、北米、欧州、アジア・太平洋地域の世界3地域を代表するITS団体(北米:ITS America、欧州:ERTICO、アジア・太平洋地域:ITS Japan)が連携し、技術開発、政策、市場動向など広範にわたる観点から情報交換。それによりITSを普及させ、併せて交通問題の解決やビジネスチャンスの創出を図っていこうというイベントが、「ITS世界会議」です。

同会議はITSに関する最新の取り組みや情報を反映したシンポジウム、展示、ショーケースなどから構成。1994年11月の「第1回ITS世界会議パリ1994」を皮切りに、欧州、アジア太平洋、北米の順番で毎年会場を変えながら開催されています。

フォーラムエイトが初めて同会議に参加したのは、「第11回ITS世界会議愛知・名古屋2004」。当社の3次元リアルタイムVRソフトをベースとするUC-win/Roadマルチディスプレイシステム(4PDP)を出展し、来場者にUC-win/Roadの操作体験をしていただきました。

続く「第12回ITS世界会議サンフランシスコ2005」には、ITS Japan、愛知県ITS推進協議会および東京大学生産技術研究所上條研究室と共同出展。UC-win/Roadの新版を中心に紹介しています。

また、「第13回ITS世界会議ロンドン2006」では、展示ブースにステアリングコントローラを用いたUC-win/Roadのドライブシミュレーション体験コーナーを複数設置。「第14回ITS世界会議北京2007」には、3面液晶画面によるUC-win/Road3Dステレオシアターを展示。「第15回ITS世界会議ニューヨーク2008」では他にも複数のVRシミュレーションが出展されていた中で、車両システムの開発やITSの研究などで既に先行利用されていたUC-win/Roadドライブ・シミュレータ(DS)の性能の高さがとくに注目を浴びました。

当社は「第16回ITS世界会議ストックホルム2009」で初めて展示と併せ論文を発表。UC-win/Road・DSをはじめ、UC-win/Road ECOドライブプラグインによるエコドライブシミュレータ、UC-win/Roadコミュニケーションプラグイン、5ch映像表示機能を利用した「幻のアリゾナ・フェニックスF1レースゲーム」などを展示。論文は当社スタッフが交通用VRシミュレーションについて、東京農業大学や中日本高速道路株式会社、株式会社ニュージェックとの共同執筆で遺伝的アルゴリズムによる道路線形最適化システムとUC-win/Roadの連携について、それぞれ発表しました。

また、「第17回ITS世界会議釜山2010」ではハイウェイ・ドライビングシミュレータとUC-win/Roadの体験コーナー、UC-win/Road for RoboCar®、クラウドで3D・VRを体験可能なUC-win/Road for SaaS、MR/ARを展示。当社スタッフが安全な道路設計へのUC-win/Roadの適用について解説する論文を発表しました。

前回の「第18回ITS世界会議オーランド2011」では当社とBMIA社、SimCraft社との3社共同ブースで、UC-win/Road、トンネル管理訓練システム(BMIA社)およびAPEX 3GT・DS(SimCraft社)を展示。当社スタッフがドライバー向けに開発されたUC-win/Roadと6DOFモーションプラットフォームのDSを紹介する論文を発表しています。

さらに今年開催される「第19回ITS世界会議ウィーン2012」では、国土交通省国土技術政策総合研究所(国総研)の協力を得、道路基盤地図情報に関する展示を予定しています。

ITS関連サイト紹介   ■国土交通省道路局 ITS(高度道路交通システム)
  URL:http://www.mlit.go.jp/road/ITS/j-html
 ITS戦略本部の下、3省庁とともに日本のITS政策を牽引

日本では、1970年代の通産省(当時)によるCACS(自動車総合管制システム)への取り組みがITS開発の第1期に位置づけられます。これは1980年代以降、当時の建設省、警察庁、通産省、運輸省、郵政省の5省庁、あるいは産官学共同による各種システム構築プロジェクトや協議会活動へと継承。次いで、前述の関係5省庁が「道路・交通・車両分野における情報化実施指針」(1995年)、「ITS推進に関する全体構想」(1996年)を順次策定。その後は、同構想に基づく形でITSの構築が推進されました。

日本ITS推進会議による「ITS推進の指針」(2004年)を受け、日本におけるITSの取り組みはセカンドステージへと移行。2006年からは高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)の下、国土交通省、警察庁、総務省、経済産業省の4省庁と産業界の代表から成るITS推進協議会が設置されるなど、ITS推進を牽引する新たな体制が展開してきています。

そのうち国土交通省道路局では、同省によるITS関連の取り組みに焦点を当て、国総研と連携しつつ、独自にWebサイトを構築・運営しています。

同サイトの「最新情報」欄で目立って取り上げられているのが、「ITSスポット」に関する話題。これは、スマートウェイによる次世代路車協調システムへの前段として、ETCと同様の通信技術を利用。道路に設置されたITSスポットと対応カーナビを搭載した車両との間で高速・大容量の路車間通信を実現するもの。ETCとしての機能はもちろん、広範囲の渋滞データを受信して最適なルートを選択してくれるダイナミックルートガイダンス、ドライブ中のヒヤリを無くす高度な安全運転支援機能など、多様なサービスを可能にします。ここでは、そのサービス内容からITSスポットの設置箇所、対応カーナビ、将来のサービス展開などについて細かく解説しています。

そのほか、次世代ITSや新しいITSサービス、海外の研究や関連技術、ITSイベントスケジュールなどに関する情報、今後のITSの展開に関する研究や実験、主要施策、技術、計画などの情報、ITS関連用語集、国内外のITSに関係する機関へのリンク、などに容易にアクセスできるよう整理。高速道路各社のスマートICに関する情報をはじめ、ITS利用の視点に立った「ITS関連のお役立ち情報」のコーナーも設けられています。

 画像をクリックすると大きな画像が表示されます。 画像をクリックすると大きな画像が表示されます。
■ トップページ:国土交通省道路局 ITS
(高度道路交通システム)
■ ITSスポットの内容 ■ ITSスポットの将来展開

(取材/執筆● 池野 隆)
※画像は国土交通省道路局により提供(images provided by Road Bureau, Ministry of Land, Infrastructure and Transport)。
 本記事後半のコーナー(ITS関連サイト紹介)は、国土交通省道路局の許諾を得て書かれています。


     
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