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最新3Dプリンタ事情 |
HARDWARE INFORMATION
2013-No.4 |
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3Dプリンタとは、パソコン上で作成した3次元デジタルデータから現実の立体物を造形する機器の総称です。1980年代に業務用機器として登場し、機械部品の試作品や建築物の造形、医療等で利用されてきました。近年、10万円台クラスの低価格3Dプリンタが相次いで発売され誰もが入手できるようになり、メディアで大きく注目を集めています。今回はこれらの3Dプリンタの最新情報をご紹介いたします。
3Dプリンタには様々な出力方式があります。
■熱溶解積層法:
熱可塑性樹脂という加熱すると柔らかくなり、冷却すると固まる性質の材料を細いノズルの先端から押し出して積み重ねることで造形。現在の普及価格帯3Dプリンタのほとんどがこの熱溶解積層法を採用している。
■インクジェット法:
紙に印刷するインクジェットプリンタと同様に、ヘッドから素材の細かい粒子や接着剤を吹き付けてそれを積み上げていく方式。粒子が細かいため積層ピッチ0.016mmと熱溶解積層法と比べて高精細に造形可能。
■粉末固着積層法:
石膏や樹脂などの素材の粉末を平面上に敷き詰めて上から接着剤を吹き付けて断面を印刷し、それを積層。3Dシステムズ社のZプリンタが有名で、着色機能によるフルカラー造形が可能。印刷過程で造形しない部分(接着しない面)にも素材粉末が残るため、熱溶解積層法やインクジェット法のようなサポートの造形が必要ない。
■粉末焼結積層法:
粉末固着積層法の接着剤に代わり、金属や樹脂の粉末をレーザーで焼き固める方式。金属の3Dプリントができることが特徴で比較的大型の3Dプリンタで、米3Dシステムズ社のSLSシリーズがこれに該当。
■光造形法:
液体の光硬化性樹脂に紫外線を当てて硬化させることを繰り返して造形。高精細出力が可能ですが素材が樹脂に限られます。FormlabsのForm1など。
世界的には米3Dシステムズ社と米ストラタシス社で80%以上のシェアを占めています。近年は造形方式に関わる特許の有効期限が過ぎたことから多くの新興企業が普及価格帯の新製品をリリースしています。最近注目を集めているのはbotObjectsのProDesk3Dです(写真1)。方式としては熱溶解積層法を採用し、5色のPLAカートリッジをセットしてインクジェットプリンタのようにインクを混ぜて色を作り出します。積層ピッチも0.025mmで、高精細にも期待ができます。販売価格は3,249ドルでネット予約を受け付けており10月より順次出荷となっています。無事に出荷されれば3Dシステムズ社のCubeXと肩を並べる人気となることでしょう。
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■写真1 botObjects のProDesk3D |
3Dプリントサービスとは、業務用の高精細プリンタを用いて造形し、これをユーザへ納品するサービスです。インターカルチャー、東京スリマチック、海外のシェイプウェイズ等が有名で、最近では3Dスキャナ(物体にレーザーを照射し、3Dデータを生成する機器)で撮影し、人物のミニチュア模型を作成するサービスも増えてきています。なお、フォーラムエイトでも、3Dシステムズ社(旧Zコーポレーション社)のZPrinter650を用いたフルカラーの高精細な造形が可能な「3D模型サービス」を展開しています。様々な構造物や都市空間の模型を造形して提供するだけでなく、3Dモデルの作成も可能です。また、模型と併せてVR空間を構築し、模型とVRの連携による高度な合意形成や計画検討を実現します。
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■模型サービスによる出力モデル |
製造における試作工程のスピード化、開発コスト削減や土木建築の設計など、3Dプリンタは様々なビジネスにとって必要不可欠なものになりつつあります。今後、3Dプリンタの市場は2015年には個人向けのパーソナルタイプが全体の50%を占めると言われており、近い将来、一家に一台普及する時代が来ると予想する専門家もいます。そのような未来では、商品は購入するのではなく、ダウンロードして3Dプリンタのスイッチを押すだけになるかもしれません。
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※社名、製品名は一般に各社の登録商標または商標です。 |
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(Up&Coming '13 秋の号掲載) |
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