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Vol. 18
このコーナーでは、ユーザーの皆様に役立つような税務、会計、労務、法務などの総務情報を中心に取り上げ、専門家の方にわかりやすく紹介いただきます。今回は、近い未来に到来すると言われているAI(人口知能)が産業や雇用にどのような影響を与えるかについて、解説します。

 第4次産業革命による「技術的失業」
         〜AI(人工知能)時代の雇用問題を見据える〜

AIの現状と今後
スマホを片手に歩く人々…世の中では既に見慣れた光景です。アップル社が初代iPhoneを発売したのが2007年。たった10年でスマホはなくてはならないものとなってしまいました。これからますますAIが高性能化し、第4次産業革命が起こると言われています。遠い未来だと思っていた映画やアニメの世界が、実はすぐそこまで来ており、AIの普及は人々の仕事や雇用のあり方にも大きな影響を及ぼすと考えられてい
ます。今回のテーマは、このような「AIの現状と今後」です。


ドラえもん、スカイネットは絵空事…?!
設定としては、ドラえもんは22世紀に誕生し、スカイネット(映画ターミネーターの自我に目覚めたコンピュータ、映画の中で人類を滅ぼそうと核戦争をもたらした張本人)は1997年には核戦争を引き起こしたことになっています。どちらも現実とはかけ離れたようなコンピュータの存在と思うかもしれませんが、すでに話すコンピュータ「チャットボット」(人口知能対話ロボット)は存在し、日本でも「りんな」という女子高生設定のキャラクターと会話ができます。ソフトバンクのペッパーは、実際に見たことがある人も多いかと思います。

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AIの現状
AIとは人口知能(Artificial Intelligence)のことで、『人間の脳が行っている知的な作業をコンピュータで模倣したソフトウェアやシステム』とされています(IT用語辞典より)。もともとAI研究は、1960年代に第1ブームが起こり、それからブームと冬の時代を繰り返しますが、インターネットの普及とともにスペックが向上し、第3次ブームが起きています。
そんな中、ディープラーニング(深層学習)という機械学習が人間の能力を超えるまでとなっています。ディープラーニングは、機械が自分で勝手に学習していく、訓練していくというもので、人間の脳の構造を真似て作られたものです。チェスや将棋、囲碁などで機械と人間が対戦するものがありますが、近年、このディープラーニングを利用したAIに人間が負けることが多くなってきています。
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2030年、失業者があふれる?!
AIが発達してきたといっても、まだあまり身近に感じることはないと思っている人が多いかと思います。しかし、ドローンやルンバ(ロボット掃除機)、自動車の自動ブレーキ機能、Siri(シリ/iOSで利用できる音声認識機能)などはAI技術の進歩により開発されたものです。また、最近では、日本経済新聞社が、AIを使った記事配信サービスを開始したり、経済産業省が国会答弁の下書きにAIを実験的に導入することが話題となっています。
さらにさまざまなものが機能特化AIにより開発が進むと産業革命が起こり、汎用AI(人間と同様に多様な状況で知性を働かすことの出来るAI)が開発され、それが汎用ロボットに適用されると、ほとんどすべての職業が必要なくなってしまうという予想までされています。
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第4次産業革命はすぐそこ!!
この汎用AIの開発は2030年頃と予測されています。この頃には特化型AIは更に進化し、これが第4次産業革命となり、これにより技術的失業者が大勢出ると言われています。今までの産業革命からみても、技術的失業は避けられません。例えば、第1次産業革命時、これまで人の手によって織られていた織物が、機械化され多くの手織工が失業しました。自分たちの職を奪った機械を壊す(ラッダイト運動)といったことが歴史上でも確認できます。


技術的失業とは…?
「新しい技術の導入がもたらす失業」や「技術進歩がもたらす失業」は、技術的失業と呼ばれており、第4次産業革命では、汎用AIが多くの人の職を代替するといわれています。
今は深刻な人手不足となっているトラックドライバーですが、自動運転車が普及すれば、ドライバーがいなくても自動車が動きますし、既に導入が進んでいるスーパーのセルフレジも更に進化が進むとレジ自体がなくなり(ICチップと電子マネーが連動し、駅改札のような所を商品をもって通るだけで会計が済んでしまう)、レジ係は必要なくなってしまいます。
もちろん、AIの開発やAIのコントロールをするなど新しい職種や雇用も生まれますが、第4次産業革命での技術的失業は約710万人、一方、新しい職種雇用は約210万人で約500万人が失業すると、今年の世界経済フォーラムでも発表されています。
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英語の授業がなくなる…?
オックスフォード大学の論文で、今後10〜20年程度で失われる仕事について触れられており、次のような項目が挙げられています。
・レジ係
・ドライバー
・受付係
・ホテルフロント
・会計士/会計監査役
・セールスマン
・弁護士助手など
約700職種について分析がされ、士業や医療職種も例外とはなっていません。これは一論文での研究結果ですが、様々な職種に影響があることが分かります。この他にも自動翻訳機能が向上し、ウエアラブルでコンパクトなものが登場すれば、一瞬にして言語訳ができるため、将来的に英語の授業がなくなることも考えられるのです。
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AI失業にどう対応するのか?
人の手にしか出来ないものは、残っていきます。特にホスピタリティが必要な「介護」「看護」「マッサージ」などはコンピュータは苦手な分野です。この他、経営や管理といったマネージメント部分や、小説や映画、商品企画などのクリエイティブな仕事も苦手分野のため、まだ必要とされるようです。
では、企業としてはどのように対応していけばいいのでしょうか?


IT化、AI化を積極的に取り入れる
第4次産業革命が起こってから、波に飲まれてしまうのではなく、積極的にIT化、AI化を先取りしていくことがポイントです。さまざまな技術が出てきますので、コンピュータにできること、出来ないことの見極めや、それを自社のサービスにどう活かすことができるのかを検証していくとよいでしょう。そして、それを企画や商品化につなげていければ業界でリードすることができます。


世界を見据える
前述のように自動翻訳機能は、これからも向上することが予想されています。このため、国内だけでなく、世界に目を向けることも大切となってきます。AI化、第4次産業革命といっても、発展途上国などはまだまだ波が波及するまでに時間がかかることでしょう。そこにビジネスチャンスがあります。中小企業には大きな壁のひとつだった言語の壁がなくなれば、技術や知識をもっと輸出できる可能性が拡がり、自社の社員の雇用を守ることにもつながります。
少し大きな話をしてしまいましたが、AI化というのは今までにないインパクトをもたらします。予測の2030年まであと13年です。『うちには関係ないもの』ではなく、乗り遅れないよう、そして技術が活かせるよう、今からの準備が大切となります。

監修:社会保険労務士 小泉事務所



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