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ちょっと教えたいお話  プリント・オンデマンド(POD)

  • 電子書籍全盛時代を背景として、紙媒体の印刷は、大量部数印刷から少部数を迅速に印刷する方式へと移行しつつあります。このような状況を背景として、最新の印刷技術「プリント・オンデマンド(POD)」が普及しつつあります。

 最新印刷技術プリント・オンデマンド(POD)

 プリント・オンデマンド(POD)とは、顧客やユーザーの要求に応じて(= on demand) 、必要な印刷物を必要とされる部数のみ迅速に印刷・提供するシステムのことです。昨今の、紙媒体から電子書籍への移行という世界的な状況の流れに伴って普及しつつある、新たな印刷技術を用いたフレキシブルなソリューションといえます。

 大量部数に適した従来の印刷システム

 通常、印刷所等で大量部数の印刷物を作成する際は、「オフセット印刷機」等を主に使用します。これは、フィルム製版やCTP刷版といった工程を経て作成した「版」を用いて、インクを紙に転写する印刷方法です。オフセット印刷技術は何千部、何万部といった大量印刷に適した方法ですが、製版に時間とコストがかかることから、少部数のフレキシブルな印刷には向いていません。また、設備投資そのものも莫大であることなどから、1 部あたりの印刷単価も非常に割高となります。

 少部数をフレキシブルかつ迅速に印刷

 一方、プリント・オンデマンドではオフセット印刷のような製版の工程が必要ありません。一般的なレーザーカラープリンタを大型高速化させたデジタル印刷機によってデジタルデータを直接出力するため、50 部、100 部といった印刷物が容易に作成できます。ごく小部数が短納期で必要な場合など、本格的な製版をする印刷ではコスト・時間がかかりすぎる場合に使用します。
 POD の印刷技術はトナーを用いた方式であるため、オフセット印刷と比較すると若干品質が劣りますが、最新のオンデマンド印刷機では色味の調整機能等が搭載されており、十分なクオリティが得られるようになってきています。また、必要に応じて、印刷だけでなく中綴じ、ホチキス綴じ、本格的なあじろ綴じなどといった製本も併せて行うことができます。設備の導入コストも、オフセット印刷機に比べて大幅に安価となっています。

 POD 業界の状況

 出版社やオンライン書店などでは、電子書籍のみの出版物を紙媒体で手に入れたいというニーズがある場合に、プリント・オンデマンドで販売しているところもあります。印刷会社や出版社、書店などに限らず、デジタルプリンティング技術を備えた企業では、プリント・オンデマンド分野へのビジネス展開を進めているところが増えつつあるようです。
 代表的な機種として、米国オンデマンドブックス社によって開発された比較的小型印刷・製本機「エスプレッソ・ブックマシーン」があります。これは、一覧から書籍を選択すると、デジタルデータを受信して10分程度で出力・製本されるものです。著作権切れや専門書が中心のラインナップとなっており、 海外では大学内の図書館や書店などを中心に置かれています。日本では、2011年に三省堂書店(神保町)の店舗に同情し、話題となりました。

 フォーラムエイトでもPOD システムを導入

 フォーラムエイトでは2012 年7 月、FUJI XEROX 社のデジタルカラーPOD システムを導入いたしました。これに伴い、製品の操作ガイダンスおよびセミナーテキストは、フルカラーPOD 印刷・製本にて、より読みやすく充実した形で提供しています。また、前述のようなPOD の特長を生かして、製品・サービスカタログなどについても、最新の内容で提供してまいります。


▲図3 Engineer's StudioR「 操作ガイダンス」
    (フルカラー製本POD 対応対応)
▲図1 フォーラムエイトで導入している
FUJI XEROX 700Digital Color Press
▲図2 セミナーテキスト(フルカラー製本POD)


     
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(Up&Coming '12 秋の号掲載)
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