Engineer's Studio®の入力画面で使用されている用語は多くありますが、ここでは、最低限理解しておくべき、基本的かつ重要な用語を解説いたします。 |
アウトラインは、部材断面の形状(外形、輪郭)を表すものです。アウトラインだけでは材質などの属性を持っていません。
アウトラインはフレーム要素に割り当てる断面を作成するときに部品として使用されほか、複雑な平板要素のメッシュ分割を行う際の輪郭を決定するときに利用されます。 |
ヒステリシスは、ファイバー要素専用の応力ひずみ曲線のことです。
たとえば、鉄筋コンクリート部材をファイバー要素でモデル化すると、コンクリート部分の領域は小さな面積のセルで分割されます。その分割されたセル1個に対してヒステリシス(応力ひずみ曲線)が適用されます。通常、セルの面積は小さいのでセル1個の中では応力が一定と仮定されます。各セルの応力を積分すると力やモーメントになります。同様に、鉄筋にもヒステリシス(応力ひずみ曲線)が適用されますが、コンクリート面積と比較して小さいので、形状を持たない点のデータとして処理されます。幾何学的には点ですが、鉄筋には面積がありますので、鉄筋の応力を積分して力やモーメントになります。
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シーケンス荷重は、ラン(後述)に使用される部品です。1つのランに対して1つのシーケンス荷重が必要です。シーケンス荷重は、静的荷重または動的荷重、さらに、それらの組合せで構成されます。
静的荷重は、作成済みの基本荷重ケースや組合せ荷重ケースを選択することにより作成されます。載荷パターンが必要です。
動的荷重は、作成済みの地震波を選択します。静的荷重の後に動的荷重を載荷することは可能ですがその逆はできません。
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ランは「1個のシーケンス荷重を計算する最小単位」です。ランは、シーケンス荷重、支点ケース、分布ばねケースで構成されます。
プッシュ−バー解析などの静的解析や動的解析はランの単位で計算されます。ランには、抽出キー(後述)を設定することもできます。
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抽出キーとは、多数の結果の中から何かに着目して、最大・最小・絶対値最大を取り出すときの設定です。
解析設定の荷重載荷方法に応じて下記の意味となります。
ケース載荷の場合:
抽出荷重ケースに含まれる組合せ荷重ケースの中から何かに着目して、それが最大または最小となる値を取り出す指定キー
シーケンス載荷の場合
全ステップの結果から何かに着目して、それが最大または最小となる値を取り出す指定キー |
Engineer's Studio®には解析の種類として、ケース載荷とシーケンス載荷があります。このうち、ケース載荷は、複数の基本荷重ケースや組合せ荷重ケースの単位で解が得られます。それぞれは独立していますので、たとえば、基本荷重ケースが100個あれば、100個の解が得られます。弾性解析のみ行えます。 |
Engineer's Studio®には解析の種類として、ケース載荷とシーケンス載荷があります。このうち、シーケンス載荷は、少しずつ荷重を増加していく、あるいは途中で荷重を減らしていく(除荷)ような解析を行う荷重の与え方です。ステップ解析のための荷重とも言えます。たとえば、100ステップの載荷方法をシーケンス荷重で定義します。それに、支点条件を加えて、「ラン」という単位で計算します。
解もランの単位で得られます。ランの計算では、前のステップの計算結果の影響を受けて次のステップの解が得られます。
シーケンス載荷では、線形弾性解析だけでなく、非線形解析も可能です。ファイバー要素、M−φ要素、非線形平板要素を使うときは、シーケンス載荷になります |
1つのデータを単独の画面で入力する場合の表示方法です。
断面サムネイル、ばね特性サムネイル、M−φ特性サムネイルなどがあります。1つのデータに特化した入力方法なので、図やグラフなどが表示され、入力が容易という利点があります。一方、他のデータと横並びで入力できないという短所があります。
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支点ばねは、節点に与える離散的なばねです。6成分の他に連成項(非対角成分)を与えることができます。非線形ばね(バイリニア、トリリニア、正方向だけのばね等)は設定できません。
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ばね要素は、節点と節点の間に設置する離散的なばねです。6成分のみです。連成項(非対角成分)はありません。非線形ばね(バイリニア、トリリニア、正方向だけのばね等)を設定できます。
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メインプロセスに渡す入力データを内部的に作成しています。
代表的な例としては、フレーム要素に載荷されている部材分布荷重や平板要素に載荷している平板面荷重を節点への荷重に変換する処理があります。 |
ソルバーが計算を行う処理です。節点の変位を未知数とした多元連立方程式を解く処理です。断面照査、限界状態照査などは含まれませんが、残留変位の照査はメインプロセス(ソルバー)で実施されています。 |
ポストプロセスでは、ソルバーの結果(節点の変位)から各部材の結果(断面力、曲率など)を算出したり、抽出キーの処理を行なっています。ステップ数や部材数、抽出キーが多くなるにつれて「ポストプロセス」は等比級数的に時間がかかかります。時間を短くするためには、不要な抽出キーを減らすか、ステップ数を少なくするなどの対処が必要です。
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(Up&Coming '13 晩秋の号掲載) |
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