「ため池の設計計算」は、今回、主に「地表面の傾斜及び凹凸のモデル化」、「Δu法による安定計算」、「水理計算において流量(流域)のみの計算」に対応したVer.2をリリースします。今後は、「ため池の設計計算Ver.2」において機能の充実を図ってまいります。
以下に、これらの追加・拡張機能の概要を紹介いたします。 |
傾斜及び凹凸のある地表面のモデル化に対応しました。「堤体寸法」入力画面の構成を拡張し、Ver.1での「地層・計算範囲」タブを「計算範囲・地表面」タブと「地層」タブに分け、「計算範囲・地表面」タブ内に地表面の始点・終点のY座標の入力と中間点X,Y座標の入力を設けました。これらを入力することで地表面の傾斜・凹凸をモデル化することができます。
▲図1 堤体寸法入力画面−計算範囲・地表面タブ
地表面の支点・終点のY座標は、設定された計算範囲の始点と終点の地表面の高さを指定していただくもので、また、中間点座標入力で、始終点間の地表面の折れ点のX座標、Y座標を入力することで、凹凸のある地表面が設定できます。なお、中間点は最大50点まで入力することができます。
▲図2 傾斜のある地表面の堤体図
|
「土地改良施設 耐震設計の手引き」(平成16年3月)に記述されているΔu法による安定計算(円弧すべり)について、過剰間隙水圧比ruを入力する方法で対応しました。「初期値設定」及び「物性値」入力画面に過剰間隙水圧比ruの入力を設け、液状化層に対して指定することが可能です。また、「円弧すべり」入力画面の「ケース別設定」タブの計算種別に液状化の選択スイッチを追加しました。ここで液状化を選択した水位ケースはΔu法による安定計算を行います。なお、液状化を選択できる水位ケースは、常時満水位、設計洪水位、サーチャージ水位、中間水位の場合です。
|
|
|
▲図3 物性値入力画面 |
|
▲図4 円弧すべり入力画面−計算種別 |
Δu法における安全率Fs、およびΔuは次式に基づいて計算します。
ここに、
c、φ:土の粘着力、内部摩擦角
W:分割細片の全重量
l:細片の底面の長さ
b:細片の幅
Uo:常時地下水による間隙水圧
α:細片底面(すべり面)中央を通る円弧法線と鉛直線のなす角
σv’: 有効上載圧(=すべり面直上の土被り圧) |
流量(流域)のみの計算に対応しました。「基本条件」入力画面に水理計算種別の選択スイッチを設け、このスイッチを「流域の計算」と指定することで流量(流域)のみの計算を行うことができ、水理計算入力も流域のみの入力となります。また、「流域と貯留の計算」を指定した場合は、流量(流域)と貯留効果(貯留施設)の入力及び計算となり、「全計算」を指定した場合は従来どおり流量(流域)、貯留効果(貯留施設)、水位高(洪水吐)の入力及び計算を行い、安定計算で用いる各ケースの水位高を求めます。
▲図5 基本条件入力画面−水理計算種別
|
以上、「ため池の設計計算Ver.2」の追加・拡張機能の概要をご紹介いたしました。今後もユーザ様からのご要望にお応えして、改良・改善に努めてまいります。どうぞご期待ください。 |
|
>> 製品総合カタログ
>> プレミアム会員サービス
>> ファイナンシャルサポート
|