「橋脚の設計Ver.12(平成24年道示対応版)」では、主に以下の変更・拡張を行います。
(1)下部構造の慣性力を厳密に考慮した保有水平耐力法の照査
(2)RC巻立て系、鋼板巻立て(アンカー筋あり)補強時の補強部主鉄筋・アンカー筋配置の拡張
(3)H24道示X中空ハンチ形状への対応
(4)破壊形態判定に用いる最小せん断耐力の自動抽出
以下に、これらの改訂内容の概要を紹介いたします。 |
下部構造の慣性力を厳密に考慮した保有水平耐力法の照査(オプション機能) |
「道路橋示方書・同解説 平成24年3月 (社)日本道路協会」では、保有水平耐力法に用いる地震時慣性力を橋脚が支持する上部構造部分の重量Wuと橋脚の重量Wpより求めた等価重量Wに設計水平震度khcを乗じることで算定し、これを上部構造の慣性力作用位置に作用させ照査を行っています。この方法は、上部構造の慣性力に比較し下部構造の慣性力が支配的となるような場合など実際の挙動と異なると考えられるケースがあります。
今回のオプション機能は、各着目点位置における慣性力を個別に算定し各限界状態に達するときの震度を厳密に求めることで、設計水平震度khcと保有水平耐力Paに達するときの震度khaを比較し照査を行います。これにより、下部構造の慣性力が支配的となるようなモデルにおいても精度よく照査を行うことが可能になると考えます。 |
今回のバージョンでは、補強部の主鉄筋及びアンカー筋の設定について以下の拡張を行い、従来よりも詳細な配筋状態を再現することがきるようになります。
1.定着筋と非定着の詳細ピッチによる設定(小判形の直線部)
2.定着筋と非定着の1本ごとの設定(円形・小判形の円弧部、矩形面取り形状の面取り部)
3.アンカー筋の詳細ピッチによる設定(矩形・小判形及び矩形面取り形状の直線部)
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▲図1 アンカー筋配置 |
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▲図2 アンカー筋入力 |
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断面形状が矩形の場合において、H24道示X(P.212)の中空部のハンチ形状の設定が行えるようになります。なお、本バージョンでの扱いは下記のとおりです。
1.ハンチ部は躯体部の重量と慣性力算定のみに考慮
2.非線形動的解析モデルエクスポート時のアウトラインに考慮
※今後発刊が予想される設計便覧や参考資料等の内容によっては仕様が変更となる可能性があります。
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▲図3 中空ハンチ形状 |
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従来の基部+任意の中間部1点から判定を行う方法に加え、各着目断面位置のせん断耐力から自動的に最小となる位置を抽出し破壊形態の判定を行うことが可能となります。 |
以上、拡張機能の概略を紹介させていただきました。今後も皆様からのご要望を取り入れて、改良・改善を加えていきますので、どうぞご期待ください。 |
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