「水道管の計算」は、水道管における管厚選定,耐震計算,液状化の判定を行うプログラムです。管厚選定では、静水圧と水撃圧による内圧や土圧、路面荷重及び地震力等による外圧に耐える強度を持つものとして設計します。耐震計算では、地震動による地盤変位を求めて、管体に発生する応力や歪み及び継手の伸縮量を算定し許容値以下であることを判定します。以下にその概要を紹介いたします。 |
適用基準について内外圧に対する管厚算定は、「水道施設設計指針2012」に準じた設計を行います。耐震計算は、「水道施設耐震工法指針・解説 I 総論」、「水道施設耐震工法指針・解説2009年版
設計事例集」に準じた設計を行います。 |
配水管に適用できる管種として、「ダクタイル鋳鉄管、鋼管、硬質塩化ビニル管、水道配水用ポリエチレン管」を用意します。
これらの管種について規格や呼び径毎に管データとして基準値に登録しています。登録された管データについては、必要に応じて追加や編集を行うことができます。登録された管データは、管の材質と管種,呼び径を選択することで初期値として入力画面に設定できます。 |
内外圧に対する管厚選定の計算は内圧については、静水圧と水撃圧を直接指定します。外圧については、鉛直土圧及び自動車荷重による路面荷重を考慮することができます。鉛直土圧は、垂直土圧公式、マーストン溝型公式から選択が可能です。また、埋設管路上をトラックが走行する際の自動車荷重として、道示式(45度分散式)とブーシネスク式を用いた輪荷重計算を行うことができます。ブーシネスク式では、荷重としてトラック1台または2台を考慮した設計を行うことができます。
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▲図1 自動車荷重(ブーシネスク式) |
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▲図2 自動車荷重(道示式) |
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耐震設計では、水道施設の重要度(基幹管路、配水支管)に応じて地震時に保持すべき耐震性能を確保するように設計します。継手構造管路、一体構造管路におけるレベル1地震動、レベル2地震動に対しての耐震設計手順は、次のフローチャートに従い設計を行います。
継手構造管路の場合は、併せて継手の伸縮量を照査します。また、レベル1、レベル2地震動の地盤の水平変位振幅に地盤の条件に応じた地盤不均一度係数を考慮します。ダクタイル鋳鉄管については、レベル2地震動の軸応力算出方法として震度4程度以上の地震時の観測結果から得られた式を用いることも可能です。鋼管(一体構造管路)については、レベル2地震動の軸歪みに対して、滑り低減係数を考慮した設計を行うことができます。
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▲耐震設計のフローチャート |
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液状化の判定は、「道路橋示方書・同解説 V 耐震設計編 日本道路協会」の判定方法に従い照査します。液状化の判定については、道路橋示方書に対して平成14年版と平成24年版の基準から選択することができます。液状化の対象となる深さは、道路橋示方書の20m以内の深さではなく25m以内に存在する飽和土層を対象とします。 |
(Up&Coming '14 秋の号掲載) |
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