本製品は、『「耐候性大型土のう積層工法」設計・施工マニュアル(一般財団法人土木研究センター 平成24年3月)』に準拠し、耐候性大型土のうを用いた積層工法の設計計算を行うプログラムです。
耐候性大型土のうの設計計算Ver.2のリリースにあたり、新機能を中心に紹介します。新バージョンでは、主に以下の機能追加および改善を行う予定です。
- 形状タイプの「土留め・護岸型」において、3,4,5列に対応
- 背面水位を考慮した計算に対応
- 危険水位の算出機能を追加
- 土のうの安全勾配の算出機能を追加。
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形状タイプが「土留め・護岸型」の場合、現在は1列と2列に対応しておりますが、5列までの設置に対応いたします(図1)。設置列数を拡張することで、今まで以上に多様な検討が行えるようになります。
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▲図1 3列と5列 |
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特に仮護岸工の場合、背面側に水位がある場合がありますが、背面水位を考慮した計算に対応しました。
背面水位は試行くさび法による土圧計算や静水圧の計算はもちろん、全体安定(円弧すべり)の計算にも考慮されます。 |
危険水位の算出とは、内部的に水位を変化させて繰り返し計算を行い、危険水位([1.0<安全係数]となる水位)を算出する機能です(図2)。
計算結果としては、転倒・滑動・支持力照査それぞれについて水位と安全係数の関係グラフが出力されます(図3)。安全係数とは、転倒照査の場合は[許容偏心量/計算した偏心量]、滑動と支持力照査の場合は[計算した安全率/必要安全率]になるので、すなわち1.0以上なら照査結果がOKとなる安全域、1.0未満なら照査結果がNGとなる危険域ということになります。手動で水位の入力を変えて試行計算を行わなくても、本機能を使用することにより危険(または安全)となる水位が容易にわかります。水位は「前面のみ」、「背面のみ」、「前面と背面の両方同時」のいずれかで変化させることができます。
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▲図2 危険水位の算出 |
▲図3 計算結果(水位と安全係数の関係) |
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安全勾配の算出とは、土のうの前面勾配を変化させて繰り返し計算を行い、安全勾配([1.0≧安全係数]となる勾配)を算出する機能です(図4)。
危険水位の算出と同様に転倒・滑動・支持力照査それぞれについて勾配と安全係数の関係グラフが出力されますので、どの勾配が安全(危険)なのか容易にわかります。
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▲図4 安全勾配の算出 |
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Ver.2では、ご紹介した機能以外に、(1)上載盛土について盛土間隔(土のうから盛土までの距離)を考慮できるように対応、(2)出力の改善、などのご要望に対応する予定です。今後もユーザー様からのご要望にお応えして、プログラムの改善に努めて参ります。どうぞご期待ください。 |
(Up&Coming '15 新年号掲載) |
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