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円板状の平板要素モデルを作成する手順
円板状の平板要素モデルを作成したとき、複数のプリミティブが1つのメッシュ要素に含まれる場合があります。今回は複数のメッシュ要素を分解し、さらに各平板要素の要素座標系が半径方向と円周接線方向となるように設定する操作手順を解説します。
 メッシュ要素の分解
例として図1に示すような半円形状のメッシュ要素1個があるとします。
■図1 半円形状のメッシュ要素1個

  1. メッシュ要素の表内で要素「1」を10回複製します(図2)。
  2. 要素「1」をダブルクリックします(図3)。

■図2 メッシュ要素の表内で複製前個 ■図3 メッシュ要素の表内で複製後

  1. メッシュ要素の設定画面で半径方向のプリミティブ3個を選択し、列「状態」でソートします。その後、表内の6個のセルを範囲選択してCtrl+Cキーを押します(図4)。
  2. 表内の全ての要素を削除して新規に1行を追加します(図5)。

■図4 プリミティブ3個を選択 ■図5 一行追加

  1. 表内でCtrl+Vキーを押します。先程コピーされた6個のセルが貼り付けられます(図6)。
  2. この操作を10個のメッシュ要素に対して繰返します。図7は扇形のメッシュ要素が10個に分解された様子です。

■図6 プリミティブ3個を貼り付け ■図7 メッシュ要素が分割された様子

 メッシュ要素の要素座標系
平板要素の要素座標系を表示させるために、ナビゲーション「表示設定」で「LA」にチェックを入れます。そして右側のモデル内で10個の平板要素を複数選択します(図8)。
各平板要素の要素座標系xl-yl-zlが同じ向きを向いています。要素yl軸を円の中心へ向かうように設定します。

  1. 10個の要素が選択された状態で「円筒座標」を選択します(図8)。
  2. 極座標の原点を(0.000, 0.000, 0.000)、回転軸のベクトルを鉛直、Y軸方向(0.000, 1.000, 0.000)にします。対象をメッシュ要素座標系にします(図9)。

■図8 メッシュ要素座標系が同じ向きとなっている状態 ■図9 円筒座標系コマンド

  1. 完成した様子です(図10、図11)

■図10 メッシュ要素座標系が円の中心を向いた
状態(その1)
■図11 メッシュ要素座標系が同じ向きとなっている
状態(その2)

 ポイント:メッシュ要素座標系とプリミティブ座標系の影響範囲
メッシュ要素座標系とは、メッシュ要素に定義される要素座標系です。プリミティブ座標系とは、メッシュ要素内に含まれるプリミティブに定義される座標系です。通常は、メッシュ要素座標系が各プリミティブに反映されます。プリミティブ座標系をメッシュ要素座標系とは異なる向きに設定する場合にオーバーライドするという機能があります。

平板面荷重
平板面荷重を要素分布としたとき、メッシュ要素座標系が参照されます。プリミティブ座標系は参照されません。プリミティブ座標系をオーバーライドしていても、していなくとも平板面荷重には影響しません。

平板要素断面力などの結果
FEM解析時のソルバーにはプリミティブ座標系のzl軸の向きが伝達されます(プリミティブ座標系のxl軸とyl軸はソルバーには伝達されません。ソルバー内部で自動決定されますが、入出力画面には表示されません)。コンタ図などの結果は、ソルバー内部での結果を指定された座標系の一軸方向(X',Y'のいずれか)に変換して作成されます。指定された座標系とは、全体座標系、ある特定の要素座標系、任意座標系のいずれかです。プリミティブ座標系をオーバーライドしていない場合は、メッシュ要素座標系から作成された各プリミティブの座標系のzl軸がソルバーの結果に影響します。
プリミティブ座標系をオーバーライドしている場合は、各プリミティブの座標系のzl軸がソルバーの結果に影響します。

鉄筋の配置角度の基準
プリミティブ座標系が参照されます。メッシュ要素座標系は参照されません。プリミティブ座標系をオーバーライドしていない場合は、メッシュ要素座標系から作成された各プリミティブの座標系が参照されます。プリミティブ座標系をオーバーライドしている場合、メッシュ要素座標系は参照されません。プリミティブ座標系が鉄筋配置角度に影響します。


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