復原力交叉曲線、もしくはCROSS CURVES OF STABILITYは、VCGが未知の船舶の復原性を評価するのに使われます。計算は多くの排水量とヒール角についての船体のハイドロスタティック特性を求め、一連のKN値を求めます。このKN値から次の式を使って、GZが求まります。
GZ = KN − KG * sin(Heel)
解析メニューより、KN Valuesを選択して、KN値解析を始めます。
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■図1 解析メニューからKN Valuesの選択 |
KN値解析の設定
KN値解析を行なうための設定は、
・解析メニューからHeelを選び、解析範囲を設定
・解析メニューからトリム(固定、自由)を選択
・解析メニューから排水量を選び、解析範囲と推定VCGを設定
使われるヒール角は、大角度復原性で使われるものと同じである必要はありません。
排水量の範囲は、解析メニューの排水量コマンドを使って設定できます。初期値と最終値を入力し、排水量の数を設定します。
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■図2 排水量範囲ダイアログ |
■図3 トリムダイアログ |
VCGも入力できます(ベースラインからの距離)。従来KN解析では、VCGがベースライン上にあると推定して計算を行ないます。しかし、解析がトリムフリーで行なわれ、VCGが既知である場合、GZカーブが推定VCG位置で計算されることにより、KN値の精度が上がります。結果として、CGとCBの垂直方向の分離によるトリムバランスに対するエラーが改善されます。これは、垂直方向の分離が、ベースライン上と推測したVCGでの計算では十分な精度が出ないからです。
KN値解析の計算結果は、表とグラフにより出力されます。
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■図4 KN値解析の結果表 |
■図5 KN値解析の結果グラフ |
KN値のコンセプト
復原レバー、GZ、は次の公式を使って任意のKGに対し、復原力KNクロスカーブより計算できます(任意の排水量における)。
GZ = KN − KG * sin(φ)
船舶が任意の排水量にある状態のおいて、浮心B、重心G、メタセントリック高さM、ヒール時の浮心B’とすると、KN値は下の図に示す関係になります。
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■図4 KN値解析の結果表 |
開発元:Bentley Systems(Formation Design SystemsはBentley Systemsに吸収合併)
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