Up&Coming117号では、タンク定義について、タンクや区画のシェーディングやクロスハッチング等の新しい機能の設定方法などを紹介しました。今回は、同様のモデルを使い、具体的なStability解析について見て行きます。
Maxsurfによりモデリングされたボートに対し、Maxsurf Stability内で、タンクとコンパートメントの定義を行ないます。コンパートメントは、エンジンルームと後部収納もしくは空所であり、船体の損傷によりここが浸水すると想定します。タンクは、燃料と清水とします。
載荷状態は、Loading Conditionとして、重量重心位置を項目ごとに入力し、定義されたタンクの容量も反映され、全体のCGとして与えられます。平衡(吊り合い)計算、そして大角度復原性の計算手順をそれぞれ以下に示します。
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タンクとコンパートメントの定義
InputウインドウのRoom Definitionを使い、タンク領域の寸法とタンク内液体の比重なども設定します(図1)。 |
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■図1 Inputウインドウで定義されたタンクとコンパートメントをモデル上に表現 |
載荷状態の設定
Loading Conditionのウインドウを利用します(図2)。ここでは、清水タンク(FWT)や燃料タンク(FOT)に50%の内容物があると設定しています。
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■図2 Loading Conditionウインドウ |
平衡状態計算(Equilibrium)
Loading Conditionの重量重心位置での吊り合い計算を行ないます。図4は吊り合い状態のハイドロスタティックス計算結果で、トリム量は約0.8°。
次に浸水区画が損傷を受けた状態での、吊り合い計算を行なってみます(赤く表示された区画が浸水区画)。図6は、損傷時吊り合い状態でのハイドロスタティックスで、トリム角は約9.3°。 |
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■図3 僅かに後へトリムして釣り合っている |
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■図4 計算結果 |
大角度復原性計算
次に、Loading ConditionでのGZカーブを計算します(図7〜9)。
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■図7 ヒール角の範囲と刻み角の設定 |
■図8 GZカーブ |
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■図9 計算結果 |
レンダリング機能により、ヒールした状態をパースペクティブウインドウに表示(図10)。
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■図10 パースペクティブウインドウ |
以上、Maxsurf Stabilityによる、スタビリティー解析の一部でした。
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