本誌124号で紹介した現在開発中のVR-NEXTアプリについて、その特長により今後期待される活用方法を中心に紹介いたします。
VR-NEXTの最大の特長は4つあります。
リアルタイム物理ベースレンダリング(PBR)
材質や光などリアルで物理的な特性を考慮した高精度でフォトリアリスティックなレンダリング手法です。(詳細は本誌124号をご参照ください)
Model courtesy of Karol Miklas (sketchfab.com/karolmiklas). CC BY 4.0.
クロスプラットフォーム
複数のハードウエアとOSの組み合わせに対応したアプリケーションです。
クラウド連携
クラウドにある3Dデータを表示し、情報の一元管理が可能です。
ソフトウエアプラットフォーム
C++で開発され、他のアプリケーションやモジュールを容易に追加できるSDKを提供する予定です。
CADデータ可視化、VRシミュレーション
3Dアプリケーションとして、情報の可視化、シミュレーション及び解析結果のリアルタイムレンダリングが可能です。また、クラウド連携により、ビッグデータの見える化も可能になります。更に、スクリプト言語によるクラウド連携機能の開発が簡易に追加できるようなSDKのモジュールを検討しています。
照明シミュレーション
物理ベースレンダリングを用いて光の合成と反射計算により映像内の輝度を実際の物理値として求め、物理量出力及びHDR映像の生成が可能です。日照だけでなく、街灯やランプなどの高度な照明シミュレーションが可能になります。
ウェアラブルデバイス+AR
クロスプラットフォームに対応したエンジンにより、ウェアラブルデバイスやARを用いたアプリケーションの提供が可能になります。設備管理、現場監督、作業支援あるいは作業訓練支援、観光、教育全般など様々な使用方法が期待できます。
組み込みシステム
組込みシステムにVR-NEXTを取り入れ、施設、ロボットや自動車に組み込んだ形で、使用者により快適な情報提供とインターフェスを構築することが可能です。
カメラセンサー模擬とAI開発
本製品では、今までUC-win/Roadで開発したレンズ歪計算とカメラシミュレーションを取り入れ、高性能で高精度な映像生成により、カメラセンサーシミュレーションと機械学習のビッグデータ生成を目的に活用できます。