本年7月に「Geo Engineer’s Studio Ver.2」のリリースが予定されています。現行のVer1は線形弾性に限定してきました。多くの土木諸問題は線形弾性で十分ですが、一方で、地盤の本来の性質としては、非線形性や降伏応力を考慮して実際の挙動に近づけるべきであるという考えもあり、弾塑性問題への対応は不可欠でした。Ver.2ではこれに応え、新たに弾塑性解析機能に対応いたします。
バイリニア梁およびバイリニア棒要素の追加
梁および棒要素に対して、バイリニア構成則が追加されました。これにより高速道路横断部などボックスカルバートの応答震度法(設計水平震度をかけて静的に地震時の検討する)によるレベル2地震時の耐震照査が可能となります。
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図1 応答震度法によるボックスカルバートの検討例 |
モールクーロンモデルへの対応
2次元ソリッド要素に弾塑性の構成則としてモールクーロンモデルが追加されました。周辺地盤の緩みをせん断ひずみの分布等によって表現することが可能になり安全性をより確かに評価することができます。
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図2 推進管発進立坑の掘削にともなう近接施工影響検討 |
図3 最終掘削時の変形と変位コンタ図 |
「平成28年3月河川構造物の耐震性能照査指針」に対応した地盤の液状化照査が可能となります。指針(案)に基づき、レベル2-1及びレベル2-2地震動に対して、液状化に伴う土層の物性の変化を考慮し、堤防の変形を静的に算定できる方法を用いて、堤防の耐震性能を評価します。
「地震前(液状化前)の変形解析」、「地震後の(液状化後)変形解析」、「液状化層の体積圧縮に伴う沈下量(変形解析)」の3ステージを設定し、液状化が発生してから終了するまでの変形解析が行えます。液状化による安全率(FL)を計算し、FL値から指針に準拠して、液状化の剛性変化を考慮します。自重に対して剛性が低下することで液状化による変形が発生します。
変形量は、液状化による変形と、液状化後に間隙水圧が消散する過程で体積圧縮(動的圧密)する変形量について求めます。両者を合算することで、モデル全体の変位量を求めます。
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