Ver.13では、主に以下の機能追加・拡張を行いました。
- 胸壁の自動配筋機能追加
- PC杭対応
- 一定勾配の背面土砂形状対応
- 本体縦方向翼壁一体化モデルの機能強化
以下に、これらの機能の概要を紹介します。
曲げ応力度照査、および最小鉄筋量照査を満たす鉄筋配置をプログラム内で自動的に設定する機能を追加しました。
従来版では、応力度照査結果がNGとなった場合、照査を満たすように直接配筋情報を修正する必要がありました。今回対応する自動配筋機能は、鉄筋径やピッチを範囲指定する等、概略を指定することで、胸壁に生じる全荷重ケースの断面力に対して最適な鉄筋配置を検索しますので、この作業が軽減されます。
既設の樋門ではPC杭が使用されている場合があります。Ver.13では杭支持モデルの杭種にPC杭を追加しました。
昭和61年1月版の杭基礎設計便覧の表−6.2.3 PC杭の断面性能表のPC杭モデルから選択することができます。断面特性はこの断面性能表を参考として、PHC杭と同様の扱いで計算、照査を行います。
胸壁、逆T形翼壁、およびU型翼壁の堤防保護部の背面土砂形状として従来の背面土砂形状に加えて、「一定勾配」の選択を追加しました。
従来版の背面土砂による土圧計算は、「柔構造樋門設の手引き」を参考に、計算上の地表面を水平面として扱い、これより上側に生じる荷重を上載荷重としています。今回はこれに加えて、地表面と水平面のなす角度を考慮した土圧計算に対応しました。
一定勾配
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段差形状
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堤防保護部を持つ翼壁の本体縦方向との一体化モデルに対して、翼壁の堤防保護部の影響を自動計算してモデルに反映できるように、以下の機能を追加しました。
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図3 堤防保護部を持つ翼壁一体化モデルの部材バネ入力画面 |
堤防保護部を考慮した部材バネの設定機能
翼壁の部材バネの設定区間を、堤防保護部の区間とそれ以外の区間に分割できるようにしました。部材バネの自動計算では、堤防保護部の区間は堤防保護部の底版幅を含めた部材バネを算出します。これにより、堤防保護部を考慮した部材バネの設定が可能になりました。
翼壁の堤防保護部の荷重を考慮
堤防保護部の自重、背面土重量を、縦方向連動荷重として取り込めるようにしました。これにより、堤防保護部を含めた荷重を容易に設定できるようになりました。