Ver.5では、主に以下の機能追加・拡張・改善を行います。
- 堰柱のみ(門柱なし)の構造形式対応
- 堰柱の任意の位置での断面照査機能追加
- 鉄筋入力機能に堰柱箱抜き部の片側側面のみ配置する機能を追加
以下に、これらの機能の概要を紹介します。
従来の門柱−堰柱−堰柱床版から構成される構造物(図1の「門柱あり」列)に加えて、門柱を除いた構造物(図1の「門柱なし」列)の設計計算に対応します。
本製品は、「土木研究所資料第4103号 地震時保有水平耐力法に基づく水門・堰の耐震性能照査に関する計算例 平成20年3月」を参考として設計計算を行います。
門柱なしのモデルに対しても、この資料の計算例に従います。地震時保有水平耐力法照査では、門柱なしのモデルに対して、堰柱に主たる塑性化が生じた場合の照査を行います。骨組計算では、従来通り堰柱基部に塑性ヒンジ長の部材を設け、この部材の変形角が降伏回転角θyに達した時に塑性化したと判断します。
従来は、堰柱の曲げ照査、せん断照査は堰柱基部のみ行っていました。Ver.5では、照査位置を任意に指定し、この位置での曲げ照査、せん断照査を行えるように機能を拡張します。
この機能により、堰柱上端や中間位置を照査位置に指定することが可能となり、堰柱上端から基部にかけての応力度や照査結果の変化を把握することができます。
本製品は、堰柱断面に箱抜きを最大で2箇所設定することができます。この箱抜きの側面に鉄筋を配置する機能として、従来から配置面に「箱抜1側面」、「箱抜2側面」を選択する機能を用意していました。
配置面を「箱抜1側面」にすると、図3の赤枠部に同じ条件で鉄筋を配置します。このため、箱抜きに対して左右非対称となる側面鉄筋を配置することができませんでした。
Ver.5では、配置面の選択に、「箱抜1左側面」、「箱抜1右側面」、「箱抜2左側面」、「箱抜2右側面」を追加します。これにより、箱抜きに対して左右非対称となる側面主鉄筋の設定が可能になります。