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開発中製品情報
〜BIM/CIM基準要領等(最新版)対応状況、開発予定〜

はじめに

国土交通省は建設現場の生産性向上を目指すICTの一環として、BIM/CIMの積極的活用を推し進めています。BIM/CIMを活用するに当たって、適用範囲、考え方、実施方法が示された「BIM/CIM基準要領等(最新版)」に対するFORUM8の取り組みと対応状況、今後の開発予定をご紹介します。

FORUM8の取り組み

建設現場では、発注側、受注側、または施工段階、管理範囲等の各プロセスで必要とする情報が異なります。そのため、CIMモデルを活用するためには各プロセスに必要な情報を保持しなければなりません。FORUM8は、IFCのような汎用データ形式により情報を集約させ、各プロセス間での円滑な情報交換の実現を目指しています。

ここで課題となるのが、各情報の詳細度の整合性で、これらを統一するためのルール策定が「BIM/CIM基準要領等(最新版)」で進められています。FORUM8は、この活動にも貢献するため、汎用的な機能を開発しながら各ガイドラインへの対応を進めています。UC-1シリーズでは設計データ+3D+属性の対応、 UC-win/Roadでは4Dシミュレーションによるデータ統合と見える化、各種解析とシミュレーションアプリケーション、またこれらと他の製品情報を管理する情報共有システム(開発中)でCIMの分野をリードしていきたいと考えています。

図1 BIM/CIMモデル構成図

UC-1シリーズ

「3次元モデル標記基準(案)」では、3Dモデルに寸法、数量等の構造特性と業務名、工事名等のモデル管理情報を追加した3DAモデルが示されています。UC-1シリーズでは、この3DAモデル対応として3Dアノテーション表示にいち早く対応しました。アノテーションとは、寸法に代表される3Dモデル上に常に表示されている情報です。ほぼ全ての製品で対応を完了しています。現在は、この3DAモデルの完成度をあげるべく、アトリビュート表示への対応を進めています。アトリビュートとは属性のことで、使用者が照会することで表示されます。このアトリビュート表示対応の第1弾として「開水路の設計・3D配筋 Ver.6」を6月にリリース致しました。UC-1シリーズのアトリビュートでは、従来から備えている一般事項(業務名、施設名、発注者等を自由に指定可)の項目に加え、材料、数量など様々な情報を表示することができます。

 
図2 3Dアノテーション&3Dアトリビュート   図3 アトリビュート表示例

この他に、土質・地質モデルの活用としてボーリングXMLデータのインポート対応を予定しており、この第1弾として「下水道管の耐震設計」や「パイプラインの計算」などの上下水道関連製品での開発を進めています。この対応により異なる製品間で広範囲の地盤データ共有が可能となりますので、将来的には「圧密沈下の計算」のような地盤解析シリーズへの展開も可能となります。

この他に、土質・地質モデルの活用としてボーリングXMLデータのインポート対応を予定しており、この第1弾として「下水道管の耐震設計」や「パイプラインの計算」などの上下水道関連製品での開発を進めています。この対応により異なる製品間で広範囲の地盤データ共有が可能となりますので、将来的には「圧密沈下の計算」のような地盤解析シリーズへの展開も可能となります。

また、「データ交換を目的としたパラメトリックモデルの考え方(素案)」で示されているパラメトリックモデルはUC-1シリーズの入力がベースとなっています。そのため、IFC5.0等の共通フォーマットが制定された場合もスムーズな対応が可能であると考えられます。

UC-win/Road

国土交通省の「設計−施工間の情報連携を目的とした4次元モデル活用の手引き(案)」及びBIM/CIM基準で示されている共通方針から、空間、景観、交通、工事安全確保、騒音などの各種シミュレーションと統合し、効率的に活用可能にすることを目指しています。
この第一段階として、計画や作業の各工程について、合意形成、説明、課題解決を目的とした3Dモデルと時間軸の連携に対応したVer.14.1をリリ−スしました。さらに、各モデル属性(コスト、数量、単価等)の見える化、編集、集計、グラフ作成機能について、本年中のリリースを目指して開発を進めています。この機能は単純な属性表示ではなく、安全性や作業進捗の定量的なシミュレーションを可能にするものです。4D表現に加え、諸問題については数値的に解決し、合意形成と説明に際して説得力のある提案が可能になると考えています。

また、前述の活用の手引きに記載されている「今後の課題と検討項目」の通り、3Dモデルと時間情報の付与方法についてルール化が求められています。UC-win/Roadでは、工程表の属性と3Dモデルの属性の対応付けルールを設定することによって3Dモデルと工程データの自動割り当てに向けて、仕様の検討を進めています。
連動するモデルデータについてはCADデータフォーマット、IFCファイル形式の対応の強化と合わせて各機能の開発を行っていく予定です。また、各段階(事業計画、設計段階、施工計画、施工管理、維持管理)で必要となるモデルの詳細度については、それらが詳細化されていく中でシームレスなデータの引継ぎ、更に詳細度の指定も可能となるような機能の開発を目指しています。

電子納品支援ツール

電子納品支援ツールでは「BIM/CIMモデル等電子納品要領(案)及び同解説 令和2年3月 国土交通省」に記載されているICON以下のフォルダ作成、ファイル命名の支援に対応予定です。FORUM8製品で作成したデータを本製品で分類、命名し納品媒体作成をサポートします。

例えば、橋梁モデルの成果品を電子納品する場合、図4に示すようにフォルダを自動で生成し、必要なファイルが登録されるようになっています。この例では、SUPERSTRUCTUREフォルダの直下に、作成された3次元モデルを格納し、更に下の階層に外部参照ファイル、3次元モデルのテクスチャファイル、ビューア等を格納しています。

図4 後輪車軸中心(赤丸箇所)を基準とした作図に対応

情報共有システムの開発

各プロセスで作成されプロセス間で交換される情報については、その共有が煩雑になります。これらの問題を解決するため、情報管理ワークフロー、権限管理、更新履歴、地理情報との連携によって、業務に必要な情報管理を円滑に行うクラウドベースの情報共有システムを開発中です。本システムは、UC-1 Cloud自動設計シリーズにおけるデータ管理のバックボーンとして既に運用を開始しており、本年中にファイル管理及び地図上の情報管理機能を追加しリリースする予定です。また、「土木工事等の情報共有システム活用ガイドライン」と「工事施工中における受発注者間の情報共有システム機能要件」の各要件をカバーするロードマップで開発を進めてまいります。

更に今後は、本システムとFORUM8各製品の連携を予定しており、現在はUC-win/Roadのモデルデータを双方向に連携する機能や、UC-1製品のデータファイルを本システムとシームレスに接続できる機能の開発を進めています。

図5 情報共有システムのイメージ
(Up&Coming '20 盛夏号掲載)
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