Shade3Dは、1986年に誕生した統合型3Dコンテンツ制作ソフトです。その直感的な使い心地の良さで発売から現在まで多くのユーザーに親しまれ、幅広い用途に使用され続けています。Shade3D Ver.21においては、BIM/CIM対応強化となる平面図作成のほか、HDR表示、リアルタイムシャドウ表示、glTF入出力などの対応が行われます。
平面図作成に対応(標準機能)
BIM/CIM対応強化の一環として、3D空間を扱う三面図、透視図に加え、2D図形の描画、編集のための独立した平面図に対応しました。3Dモデルから断面図の作成をすることや、他形式よりインポートした図面を3Dモデルに重ねて整合性の確認をすることができます。これにより、設計用途としての利便性が向上しました。
図1 平面図表示(左)と平面図と3Dモデルの重ね合わせ(右)
HDR(ハイダイナミックレンジ)表示に対応(標準機能)
HDRとは高輝度の表示による豊かな明暗の表現が可能となる技術で、近年、映像機器やコンテンツでの対応が急速に広まっています。Shade3D Ver.21では従来のHDRコンテンツ出力機能に加えて、3Dモデルの編集やレンダリングの際のリアルタイムHDR表示に対応しました。HDR表示対応の映像編集ソフトウェアへの出力をすることなく、Shade3D上で表示、調整をすることができるようになり、HDRコンテンツ制作の作業効率が大幅に向上します。(動作にはHDRに対応したOS、GPU、ディスプレイが必要となります)
|
|
図2 従来のSDR表示(ハイライトが白飛び) |
図3 Ver.21のHDR表示(高輝度表示に対応) |
リアルタイムシャドウ表示に対応(標準機能)
編集画面での影のリアルタイム表示に対応しました。3Dモデルと光源の位置による影を常時確認できます。フィジカルスカイ機能と組み合わせることで、特定の地点、日時の日照の状態をモデリングをしながら確認することも可能です。
|
|
|
図4 時刻ごとの日照と影の リアルタイムシミュレーション |
glTF入出力に対応(Professional)
VR/ARや3Dコンテンツ作成ツールやサービスのための共通の3Dモデルフォーマットとして普及の進むglTFのインポート・エクスポートに対応しました。glTFはPBRマテリアルにも対応しており、Shade3Dで設定した質感を出力先のソフトウェア、表示機器に高い再現性を持って受け渡すことができます。VR-NEXTエンジンでも標準対応のフォーマットで、コンテンツライブラリ制作のワークフローに組み込むことができるようになりました。
BIM/CIM照査対応(オプション)
国土交通省では、BIM/CIMモデルの契約図書化に向けて基準要領を策定、その成果品のBIM/CIMモデルを照査・検査するためのガイドラインとして「BIM/CIM 設計照査シートの運用ガイドライン(案)令和 2年3月版」及び「BIM/CIM 設計照査シート」を作成しています。Shade3D Ver.21では、これに対応する機能のオプション提供を予定しています。BIM/CIM照査対応では、IFCファイルの読み込みと、設計条件や設計計算書の結果がBIM/CIMモデルに正しく反映されているかの確認をするための機能を備えています。これにより、BIM/CIM照査を効率的に行うことが可能となります。