はじめに
本製品は「セミトレーラ及びフルトレーラの直角旋回軌跡図の様式(JASO Z 006-92), 社団法人自動車技術会」などの資料に記されている作図理論に基づき車両の走行軌跡を計算・作図するプログラムです。直感的なインターフェースにより簡単に車両や軌跡の登録が可能であり、柔軟なコース設定・走行設定やチェック機能により簡易かつ効率よく走行シミュレーションおよび作図が行えます。Ver.4で対応を予定している主な改訂内容について紹介いたします。
- 図面を背景図として取り込み、軌跡との重ね合わせ出力への対応
- 車両軌跡の各座標値(車両4隅位置など)の出力対応
- 等間隔の計算ピッチへの対応
- 後輪車軸中心の作図に対応
図面を背景図として取り込み、軌跡との重ね合わせ出力への対応
本改訂では車両軌跡作図システム内で画像と軌跡を重ねられる機能を追加します。従来版ではコース設定の際に大規模なCADデータを読み込むと動作が重くなる場合がありました。そこで、大規模なCADデータをプログラム内部で画像に変換して取り込み、軌跡と重ね合わせて出力する機能を追加します。CADデータを画像として取り込んだ後に最低限の線分のみをインポートすることで、軽快な動作での検討が可能となります。
また、通常の画像の取り込みにも対応するためVRデータから作成した画像や衛星写真を軌跡と重ね合わせ、よりイメージをしやすい状態で検討を行えるようになります。
車両軌跡の各座標値の出力対応
車両の軌跡の各ステップの座標値(車両4隅や車軸中心位置など)を出力する機能を追加します。本改訂により各計算ピッチの車両の位置が数値で取得できるようになり、後述の「計算ピッチの補正機能」と組み合わせますと接触判定や決められた位置での停車などの検討に役立ちます。座標値につきましては、通常の計算書での出力およびCSV出力に対応します。
等間隔の計算ピッチへの対応
従来版では最小10cm刻みで計算が可能ですが、前進・後退やコーナーのような区間毎に端数が出てしまう場合があり、必ずしも等間隔での計算とならない場合がありました。そこで、本改訂では区間内の計算ピッチが一定になるよう、計算分割幅を自動でセットする機能を追加します。計算ピッチを等間隔にすることにより軌跡の描画を一定間隔にして検討を容易にすることが可能です。
後輪車軸中心の作図に対応
車軸の中心を作図する機能は前輪のみ対応していましたが、本改訂により後輪にも対応します。本改訂はバック走行時の検討に有用です。
図4 後輪車軸中心(赤丸箇所)を基準とした作図に対応