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揺れやすさマップ

 地震防災対策特別措置法(平成7年法律第111号、平成18年法律第16号以降特に)第14条(想定される地震災害等の周知)において、各都道府県・市町村は、当該地域で想定される地震災害等の軽減を図るために、地震災害等の程度に関する事項を住民に周知するよう努めなければならないと謳われています。
 地域における地震の危険性を知らせるマップを地震防災マップといい、上記の事項を住民に周知する手段として地震防災マップの提示が有効と考えられています。実際、平成13年に地震防災マップを作成・公表した横浜市では、耐震診断の実施件数がそれまで年間900件程度であったものが、マップ公表後は年間約1,700件に倍増しており、意識面だけでなく、耐震診断といった実際の防災対策に関する行動面でもその効果が現れたそうです。


■「揺れやすさマップ」とは

  「揺れやすさマップ」とは、内閣府で紹介している地震防災マップの1つで、地盤の状況とそこで起こり得る地震の両面から地域の揺れやすさを震度(注1)として評価して、その震度を住民自らがその居住地を認識可能な縮尺で詳細に表現したものです。住民は、その震度の情報を事前に得ることで、より防災意識を高め、自らの居住地を認識し、地震時の危険性を実感できると考えられます。これらのマップは通常GIS(地理情報システム)ソフトを用いて簡便に作成できます。

フォーラムエイトでは、マップ作成に適したGISソフト「GEOMania」を取り扱っており、
「揺れやすさマップ」作成の受託実績があります。


■地震の揺れについて
 地震の揺れは、震源断層の破壊で発生し、地下の岩盤を通じて地表面付近の層に伝播し、表層地盤によって増幅(注2)され地表に伝播すると考えられます(図1参照)。

▲図1 地震の揺れの伝わり方のイメージ

■「揺れやすさマップ」作成の基本的な考え方
地域内で計算する地区単位を50mメッシュ(注3)とします。
実際に発生の恐れがあり地域に大きな影響を及ぼす地震を想定します。
数十m程度の深さまでの表層地盤の状況を反映して、揺れ(地表の震度)の大きさをメッシュごとに算定します。
地域の揺れやすさ (注4)として、起こり得る最大震度をメッシュごとに表示します。


■「揺れやすさマップ」作成の流れ
地域における地形・地質の状態、各区分とボーリングデータから表層地盤の軟らかさを設定し、その軟らかさと揺れやすさの関係から「表層地盤の揺れやすさ」をメッシュごとに詳細に推定します。
想定する地震(図2参照)として、対象地域に影響の大きいものを選び出し、震源断層の規模・位置・形状に関する情報を設定し、その情報を元に震源断層からの揺れの伝わり方を考慮して、「地表面付近の揺れの大きさ」をメッシュごとに推定します。
地震ごとに「地表面付近の揺れの大きさ」に「表層地盤の揺れやすさ」を掛け合わせて、「地表での震度」をメッシュごとに算定し、各地震で算定した「地表での震度」を重ね、「起こり得る最大震度」をメッシュごとに抽出し、「地域の揺れやすさ」とします(図3参照)。
「地域の揺れやすさ」を震度階級ごとに色分けし、地形・地物が認識できる縮尺の背景地形図と重ね合わせて表示したものが「揺れやすさマップ」になります(図4参照)。


注1) 震度とは、ある場所における地震時の揺れの程度を表すもので、震度計を用いて観測します。詳細は気象庁のホームページでご確認いただけます。
注2) 揺れは、表層地盤が軟らかければ増幅しやすく、硬ければ増幅しにくい傾向があります。
注3) 50mメッシュとは、標準地域メッシュの第3次地域区画の縦横を各々20等分したものです。
注4) 地域の揺れやすさは、想定した各地震による震度の最大値を表現しているもので、その地域が同時にこの揺れやすさ(震度)になることを表現しているものではありません。


■参考資料
内閣府防災情報のページ:
地震防災マップ作成のすすめについて
「地震防災マップ作成のすすめ」 平成17年3月
「地震防災マップ作成技術資料」 平成17年3月
茅ヶ崎市地震防災マップ
(1)揺れやすさマップ、平成17年2月

▲図2 想定される4地震



▲図3 各地震による震度マップ


▲図4 揺れやすさマップ
 茅ヶ崎市地震防災マップ(1)揺れやすさマップより抜粋
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