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●はじめに
「電子納品支援ツール Ver.8」は、国土交通省/農林水産省/NEXCO(旧日本道路公団)の土木設計業務及び工事完成図書についての電子納品業務を支援する総合環境支援ツールです。1製品で土木設計業務、工事完成図書、地質調査業務、測量業務などに対応し、電子納品媒体作成を支援します。電子納品支援ツールVer.8では、主に以下の改訂を行いました。
(1)国土交通省 平成20年5月改定の以下の基準に対応
「土木設計業務等の電子納品要領(案) 平成20年5月」
「工事完成図書の電子納品要領(案) 平成20年5月」
「CAD製図基準(案) 平成20年5月」
「デジタル写真管理情報基準(案) 平成20年5月」
(2)道路中心線形データ交換標準に係わる電子納品運用ガイドライン(案)平成20年3月に対応
(3)Logical Image(写真/画像ファイル比較) 機能拡張
(4)Logical Document 形態素解析を使用した文書内の名詞抽出機能
(5)SXF Ver3.1仕様書、表示機能及び確認機能要件書(案)(CAD朱書き)
●国土交通省 平成20年5月改定の各基準への対応
平成20年5月、電子納品の各基準類が改定されました。各基準の適用開始時期は、平成21年1月以降の締結業務とされています。
各要領(案)の主な改定内容は以下の通りです。
全般に改定されている項目
(1)電子媒体にDVD-R追加。フォーマット形式:UDF(UDF Bridge)
(2)管理項目記入時の補足説明(文字数固定表記)の追加
(3)媒体ラベルシールの禁止
(4)各フォルダのDTDファイル変更
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▲DVD書き込み設定 |
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▲土木設計業務等の電子納品要領(案) H20.5 |
土木設計業務等の電子納品要領(案)
(1)「報告書オリジナルファイル日本語名」を条件付き必須記入に変更
工事完成図書の電子納品要領(案)
(1)地質データフォルダ(BORINGフォルダ)の追加
(2)オリジナルファイルが複数ある場合(Word+Excel等)、PDFに変換しての納品を可能とし、
それに関連する内容を追記 |
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▲工事完成図書基準選択画面
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BORINGフォルダ対応 |
CAD製図基準(案)
(1)SXF Ver.3.0 レベル2 形式での納品に関する内容の追記
・SAFファイル(図形に持たせた属性情報ファイル)の命名規則は、参照する図面ファイル名称と同じ。
・ラスタファイルの命名規則
SXF Ver.2.0: |
参照する図面ファイル名称と同じ。 |
SXF Ver.3.0: |
7文字目までを参照する図面ファイル名称と同じとし、8文字目(改定履歴)を「ラスタファイル番号」とする。
1図面に使用可能なラスタファイルは9枚まで |
・図面管理項目に以下の項目を追加
SXF のバージョン SAF ファイル名 ラスタファイル(ラスタファイル数、ラスタファイル名)
(2)レイヤ種別の追加
・レイヤの図面オブジェクトに「文章領域(DOC)」、「測量(SUV)」を追加
・レイヤ構成を3階層から4階層(ユーザ定義領域を追加)に変更
・工種大分類(道路編、構造編、河川海岸砂防編、都市施設編)ごとのレイヤを整理
(3)図面内の線種・線幅・文字サイズの追加、変更
・使用可能な線種を、JIS Z8 312:1999「製図−表示の一般原則−線の基本原則」に定義されている15種類に拡張し、
線種と主な用法についても追記。
・寸法線や引出線の線種は実線とし、線の太さは0.13mm を原則
・表題欄やタイトルに使用する文字は、3.5、5、7mm を原則
デジタル写真管理情報基準(案)
(1)管理項目の追加変更
・「提出頻度写真」の項目追加
・「代表写真」を必須記入に変更
(2)写真参考図のファイル形式を「PDF」等でも納品に変更
●道路中心線形データ交換標準に係わる電子納品運用ガイドライン(案) 平成20年3月に対応
平成18年3月に策定された「国土交通省CALS/EC アクションプログラム2005」で設定されている「目標-5
3次元情報の利用を促進する要領整備による設計・施工管理の高度化」実現への一環として、平成18年12月に「道路中心線形データ交換標準(案)
基本道路中心線形編」が公開され、以下の活用を目的とし、道路中心線形における3次元データ交換フォーマット(XML形式)が定められました。
・ 設計、工事の電子納品成果としての利活用
・ プロダクトモデル検討の基礎資料としての利活用
・ 将来のITS での利活用
「道路中心線形データ交換標準に係わる電子納品運用ガイドライン(案)」(平成20年3月公開)では、道路中心線形データの電子納品を行なう際の(ファイルの格納場所、管理ファイルの記入、ファイル命名規則)などについて記載されています。
(1)ファイル格納場所、ファイル命名規則について |
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▲道路中心線形データの管理項目入力例 |
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道路中心線形データは、「土木設計業務等の電子納品要領(案)」に従って報告書(REPORT)フォルダに格納する。
道路中心線形データ(XML形式)は、報告書オリジナルファイル(ファイル名:REPRA_nn.XML)とし、これをPDFに変換したものを、報告書ファイル(ファイル名:REPORTRA.PDF)として納品することとされています。 |
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(2)管理項目の記入内容について |
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報告書副題には、「道路中心線形データ」と記入するなど、記入内容が指定されています。
電子納品支援ツール Ver.8では、納品ファイルタイプを「道路中心線形データ」と指定することにより、固定されている内容については自動的に入力されます。
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●Logical Image(写真/画像ファイル比較) 機能拡張
「Logical Image」は、JPEG、BMP、TIFF、PNG、GIF形式等の画像ファイルを対象に2つの写真の内容を比較し、異なる箇所を検出する写真/画像ファイル比較ツールです。これまでの機能では、単純な画像比較のみ対応しており、ファイル形式の変更、許容誤差などを考慮した比較検証は行えませんでした。
電子納品支援ツールVer.8では、以下の比較機能に対応することにより、より幅広い範囲での画像差分検出・比較検証が可能となりました。
・ファイル形式が異なる画像の比較機能
・拡大、縮小比較機能
・縦横比変形比較能
・形状比較機能
・透過、明度、輝度の比較機能
これらの比較機能に対応することにより、単純な画像差分検出のみでなく、以下の様な利用方法が可能となります。
(1)ファイル比較:2つのファイルでの画像ファイルの相違チェックを行う。
・同じようなアングルで撮影した写真データが複数存在する場合、意図しない画像を使用していないかのチェック。
(2)フォルダ比較:2つのフォルダ内の画像ファイルの相違チェックを行う。
・納品データ間で変更された画像ファイルの検出に使用。
(3)オリジナルファイル検索:写真ファイルのオリジナルを検索する。
・同じようなアングルで撮影した写真データが複数存在する場合や、オリジナルファイル保存先(サーバなど)に大量の画像ファイルが
保存されている場合などに使用。
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▲許容誤差の設定による 差分検出結果 |
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▲オリジナルファイル/部分検索イメージ |
(4)部分一致検索:画像の一部を指定し、それを含むファイルを検索する。
・特定の構造物などを撮影した写真ファイルなどを検索する際に使用。
(5)同一ファイルグルーピング
ラスタデータを使用した図面データを納品する場合、ラスタファイル命名規則に従ってファイル名を変更するため、同じラスタデータが
異なるファイル名で存在することがあります。このような場合に、同一のイメージファイルをリストアップすることが出来ます。
●Logical Document 形態素解析を使用した文書内の名詞抽出機能
「SXF論理検証機能(Logical Smart)」、「写真/画像ファイル比較機能(Logical
Image)」に続き、「文書ファイル比較(Logical Document)」の開発を進めています。Ver.8では、この第1弾として形態素解析エンジンを利用した、文書内の名詞抽出機能に対応しました。
テキスト抽出には、マルチビュー(自在眼)機能を使用しているため、Word、一太郎などの一般的な文書ファイル形式でで利用可能です。 |
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文書内の名詞抽出
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●SXF Ver3.1仕様書、表示機能及び確認機能要件書(案)(CAD朱書き)
現在、各CADメーカで、SXFデータの表示機能や、データがCAD製図基準(案)などの基準に従って作成されているか等の「チェック機能」に対応しています。
これらの機能は、各メーカで仕様を作成し、実装していたため、表示内容やチェック結果がソフトによって異なっていました。これを回避するため、SXF
データの表示やCADデータの確認に係わる機能要件の明確化が検討され、「SXF
Ver3.1仕様書、表示機能及び確認機能要件書(案)」が策定されました。
当社 CALS/CADシリーズにおいても、UC-Draw Ver.5で対応を行っており、電子納品支援ツール Ver.8においても、「CAD朱書き」機能で対応しました。
▲図面チェック設定画面 |
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▲図面チェック機能の内容 (HELP) |
●今後の予定
今回対応した、各要領(案)改定に合わせ、「測量成果電子納品要領(案)」、「地質・土質調査成果電子納品要領(案)」も改定されると思われます。また、各ガイドライン(「電子納品運用ガイドライン(案)【業務編】」、「電子納品運用ガイドライン(案)【土木工事編】」、「CAD製図基準に関する運用ガイドライン(案)」)も既に意見募集が行われました。これらの基準に対しても、公開され次第順次対応していく予定です。
■電子納品支援ツール Ver.8 リリース予定日:2008年7月末 |
(Up&Coming '08 盛夏の号掲載) |
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